鉄筋コンクリート構造は建築工法の1つで、Reinforced-Concreteという英語表記から「RC構造」あるいは「RC造」と表記されることがあります。
日本では関東大震災以降から注目されてきた工法ですが、改めて振り返ってみましょう。
目次
鉄筋コンクリートとは
鉄筋コンクリートとは、コンクリートの芯に鉄筋(てっきん)を配することで強度を高めたものです。
鉄筋コンクリートの特徴
コンクリートと鉄にはそれぞれ弱点がありますが、お互いが補う合うことで耐久性を高めています。
鉄は強度が高く優れた建材ですが、「引っ張る力」強いものの縮む・曲がるなど「圧縮する力」には比較的弱いという性質を持っています。また、空気に晒されることで錆びてしまい、長期的な耐久性が低いといわれています。
コンクリートは主に砂・砂利・水などを混ぜて作られ、「圧縮する力」には強いものの「引っ張る力」には弱く、一度壊れてしまうと元に戻ることはありません。
この2つを組み合わせることで、鉄の錆びやすさをコンクリートに包むことで補強し、「引っ張る力」「圧縮する力」どちらにも耐久力を得ることが出来ます。まさに両者の長所を併せ持った建材であるといえます。
鉄筋コンクリート構造を構築する条件
鉄筋コンクリート構造に使用するコンクリートの材料や、鉄筋の状態にはさまざまな条件が存在します。
- コンクリートに使う骨材・水・混和材料には、鉄筋を錆びさせたりコンクリートが恐縮・硬化するのを妨げるような酸・鉄・有機物・泥土などは含まないこと
- コンクリートの骨材は、適切な粒度・粒形で、必要な強度・耐久性・耐火性が得られるものであること
- 鉄筋の末端はかぎ状に折り曲げ、コンクリートから抜け出ないよう定着させること(柱・梁などについてはこの限りではない)
ここではすべてを紹介しませんが、もしもあなたが建築基準法について詳しくなりたいと考えているなら必須知識になります。
鉄筋コンクリート構造は遮音性がある?
お客様がお部屋を選んだり、増改築を行う際に「音が気にならないように」という理由で鉄筋コンクリート構造をお選びになることがありますよね。 営業マン側も、「鉄筋コンクリートなら安心ですよ!」などと言って案内することもあるだろうと思います。
ただし、ここには思わぬ落とし穴があって、鉄筋コンクリート構造の建物だからといって遮音性が高いとは言い切れないことには気を付けなければなりません。
薄いコンクリートまたは石膏ボードで界壁が作られてるかも?
というのも、遮音性能は壁面である程度の性能が決まります。音といえば、「外からの音」と「近隣の部屋からの音」の2種類が想像できるかと思います。
実は、鉄筋コンクリート構造の建物でも、部屋と部屋の間の壁(界壁と言います)は鉄筋コンクリートの壁ではないケースがあります。
その場合、界壁は石膏ボードで作られます。界壁が石膏ボードで作られる場合、材質もさることながら建築基準法では厚さはおおよそ148mm程度あれば十分です。 コンクリートの場合でも、下地なしで100mmあれば建築基準法はクリアします。
建築基準法は、生命や財産を守るための「最低水準」なので部屋によってはそれ以上のものもあったり遮音性にこだわっている部屋もあるでしょう。ただ、部屋によっては最低水準を満たしている程度の部屋も存在します。そうなった場合、「鉄筋コンクリート構造だから安心」とは言い切れないのです。
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まとめ
今回は鉄筋コンクリート構造をまとめました。
業界内では当たり前とされるような情報こそ、お客様にとっては非日常であることが多く、そういった情報を丁寧に説明できるかどうかでお客様に信用していただける度合いが変わってきます。参考になれば幸いです。