建築や建設という言葉は、ニュースや日常で耳にすることがあります。
「建物を建てる」という漠然としたイメージはありますが、その違いは不明確であることが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「建設」と「建築」の違いについてご紹介します。
目次
建築は建設の一部
建築と建設の違いは以下の通りです。
- 建築:建物に関すること
- 建設:建築と土木に関すること
厳密に分けるのは難しく、定義がありませんが、上記の図を参考にしてください。
建築とは
建築とは、建築物を新築、または増築、そしてそれらを移築することを指します。
建築基準法では建築物の定義を以下のように設定しています。
建築物とは
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く)をいい、建築設備を含むものとする。
*法第2条(用語の定義)この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一つの建物を建築する過程で、土台から始まり最後の仕上げまで、多種多様な業種が関わります。建築とは建物に関する仕事全般であるともいえます。
建築の役割
建築には二つの面があります。
快適な建物を作る
建築は、生活する上で快適な空間を作ることが本来の目的です。
雨風を凌ぐ建物から始まり、現在に至るまで人が安心して快適に暮らせる建物を、人々は模索して来ました。これからもより快適に人々が暮らせるように、発展していくことでしょう。
いつしか家は専門の職人が請け負って作るようになり、大きな家は権力や富の象徴となって行きます。それが大きな家に住んでいる人が、偉いという価値観に変わっていきます。
芸術的な建物を作る
その一方で、むやみに建築物を作ることが、自然の景観を損ねるという考え方が生まれ、景観に馴染む建物が建てられるようになっていきます。
風景に馴染む建物をデザインするようになり、芸術性を持った建物や街全体の機能性の備えた美しさを追求が始まりました。新しく街を作るときには整った街並みや、風景に溶け込んだ景観を損なわない建物を建てることで、統一感のある街並みが生まれます。
美しいデザインで建物の芸術性を高めることも建築の役割であるといえるでしょう。
建設とは
この「建設」は英語で「construction(コンストラクション)」と呼ばれています。建設の中には、電気設備関連の「電設」という分野が含まれる場合もあります。
建設は建設業法で「元請や下請に問わず、建設工事の完成を請け負った営業をいう」と定められています。簡単に言ってしまえば、「建築」は「建設」の一部であり、建築は建設に含まれる分野になります。
そのため、総合的な建築業者のゼネコンなどの場合は、建築も土木も、そして電設などの設備系もカバーしていますので、「○○建設」といった社名が使われることが多くなります。
例えばある建設会社で求人があったとしましょう。その場合、かなり広い範囲の職務がありますから、どういったスキルを求められているのか、よく確認する必要があります。
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建設の役割
建設に含まれる構造物としては、以下のようなものがあります。
建築、土木、トンネル、橋、道路、ダム、河川整備、護岸、港、空港、埋め立て地、公園、都市開発、農地、森整備、林整備、電気など、これらはインフラとも呼ばれていますね。この辺は土木とも密接に関わっています。
これらはすべて、自然を加工して人が暮らしやすいように構造を変えているという共通点があります。
トンネルは「山に穴を開ける」という加工をしていますし、ダムは「山のに水を溜める」とい加工をしています。その上で人々の暮らしに役立てています。くねくねと曲がりくねり雨で氾濫を起こす川を、河川整備でまっすぐにして被害を抑えることもあります。その結果、洪水を防ぐこともできます。
また、日本で最も高い高層マンションの最上階は地上200メートル ありますが、都会で住居スペースを確保するための努力が実り、エレベーター付きの快適な暮らしができるようになりました。
建設業界の進化と発展は、全て安全と快適性を目指しています。自然災害が起こったときに、生活インフラが十分に整備されていないエリアの被害が大きくなることがあります。そのため、安全で便利なインフラのを作ることと整備は欠かせません。
建設のこれからは「もっと安全に、もっと快適に」を目指しています。建設関連の職種は「建設業法」で、かなり細かいところまで細分化されています。
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まとめ
建築よりも建設の方が広い意味で使われていますので、イメージとしては建築∈建設となります。
これといった定義はありませんが、イメージがつかめたのではないでしょうか。
建物や設備の知識をもっと身につけることで、私たちの生活はもっと豊かになります。建築や建設の分野に興味を持つ人増えれば、私たちの未来は新たな展開が望めるでしょう。
そんな未来を支えられるように、努力をしていきたいですね。