建材は、建築工事に用いられる材料全般を指します。
もちろんたくさんの種類がありますが、時代とともに建材も進化を続け、これまでになかった新しい建築物も誕生させています。
この記事では、主な建材や未来を担うかもしれない注目の建材について詳しく解説します。
目次
建材とは
建材とは、建築工事に用いられる材料です。
人が建築物を製作するようになった頃から存在し、古くは紀元前の石器時代に使われていた漆喰にまで遡ります。
人の生活にとって、建材がどれほど重要だったかが伺い知れるでしょう。
そんな建材ですが、現代の建築で主流となっているのは、仕上げ材や下地材のほか、集成材や無垢材などが挙げられます。
仕上げ材
仕上げ材は、建築物ができあがった時に直接目に触れる部分に使われる建材全般です。
屋根や外壁のほか、部屋の壁や天井などに使われている一番外側の建材であり、手で触れられることも多いため、とても身近な存在と言えます。
デザインにも直結するため、見栄えが重視される場合も多いでしょう。
外壁ならサイディングやタイル、ALCなどのほか、木や石などもあります。
部屋内部には壁紙が貼られるのが一般的ですが、壁紙も仕上げ材の一つです。
もちろん床もフローリングやカーペットなどさまざまな床材がありますが、こちらも仕上げ材です。
時代とともにデザインも進化し、施主の満足度を高めるためにも重要な建材と言えるでしょう。
下地材
下地材はその名の通り、下地に使われる建材です。
先ほど挙げた仕上げ材は、この下地材に取り付けられています。
直接目には見えないものの、仕上げ材のベースとなるため、最終的に見栄え良く仕上げるために非常に重要な存在です。
細分化されているのも特徴で、部位によっては耐荷重に考慮したり、耐火耐震に配慮したりする必要があります。
用途と特性を理解したうえで、数多くある下地材から種類を選択する専門知識が欠かせません。
注目の建材「CLT」と「LVL」とは
『CLT』も『LVL』も、今注目される建材です。
どちらも今後期待される新しい建材ですが、果たしてどのようなものなのでしょうか。
CLTとは
CLTは、Cross Laminated Timberの略で、JAS(日本農林規格)では『直交集成板』と呼びます。
原料はひき板(ラミナ)で、木質系材料のジャンルです。
ひき板を繊維方向が直交するように重ねて接合して作るため、一見すると集成材のようですが、厳密に言うと集成材ではありません。
集成材は、寸法の小さな木材を接着剤で貼り合わせて大きな断面に加工した木材です。
無垢材の1.2~1.4倍ほど強くなり、品質にバラツキがなくなるため、木材のいいとこ取りとも言われます。
ただ、集成材は原料を繊維方向に平行に重ねるのに対し、CLTは直交するため、さらに厚みある大きな強い板を作ることができます。
CLTが発展したのは1995年頃からで、主にオーストリアが中心でした。
現在はすでにヨーロッパで建築物に広く利用され、カナダやアメリカではCLTによる高層建築物も完成しています。
木材と古くから慣れ親しんで来た日本人は、木材特有の特性や温かみをよく知っています。
戸建て住宅はもちろんのこと、中層建築物やホテルに至るまで、欧米でCLTの活用が急速に広まったことには驚きはないでしょう。
日本では2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行され、そこからCLTの活用が始まっています。
LVLとは
LVLは、Laminated Veneer Lumberの略で、『単板積層材』と呼ばれます。
まず原料となる丸太を薄く削っていきますが、大根のかつらむきのように薄く切削するロータリーレースという方法で行います。
単板は薄い2~3mm(ベニヤ)で、これを繊維の向きが平行になるよう積層し接合したものがLVLです。
この時に繊維が交互に直交するように積層すると、合板になります。
利点は幅2m程度の丸太があれば加工可能な点で、小曲り材も資源として有効活用できる点が高く評価されています。
また、合板は主に板として平面的に用いますが、LVLは柱や梁など軸材として用いることが可能な点が特徴でしょう。
大きさが自由に決められる、製造過程で不適合なものを除外するため欠点も除去される(分散される)ことが大きなメリットです。
接合前に単板の状態で完全に乾燥させるため、後に割れや狂いの発生も抑えられます。
集成材の生産性の低さをカバーできる点も評価できます。
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近年需要が高まる「サスティナブル建材」とは
近年、世界でサスティナビリティが推進されていますが、建築業界はその流れの鍵を握る業界と言えるでしょう。
サスティナブル建材は地球環境に配慮した建材であり、再生可能な原料が使用されているものが該当します。
たとえば、オランダで製造されている『グラベルフィックス』は、リサイクル樹脂から作った砂利舗装材です。
ハニカム構造をしていることで浸透性に優れ、雨もすばやく地面へ浸透する優れた能力を持ちます。
アスファルトによる雨水の溢れ出しを抑制し、自然環境を守りながらヒートアイランド現象の防止にもなる建材です。
原料は再生可能なポリプロピレンであり、完全循環型の製品を実現させたことから、地球に水を蓄えるサポートをするグラベルフィックスは、シルバー認定を取得しました。
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まとめ
建材は時代とともに進化して来ましたが、今も未来の地球を守るために進化を続けています。
サスティナビリティが求められる時代に、建築業界ができること、すべきことはまだまだたくさんあると言えるでしょう。
人の暮らしを守るために活用されてきた建材には、これからは人だけでなく地球環境も守っていくことが求められています。
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