上司からの依頼に対して、レスポンスが遅かったり
結局何をすれば分からなくなってしまったりすることはありませんか?
度を超すと、「こいつは仕事が遅い」という烙印を押されてしまうかもしれません。
そうならないためには、素早く成果を出すノウハウが必要です。
今回は、そのヒントとなる「YAGNI(ヤグニ)」という考え方を紹介します。
目次
YAGNI(ヤグニ)とは
YAGNI(ヤグニ)は、プログラミング用語のひとつで
「機能は実際に必要になるまで実装するものではない(You ain’t gonna need it)」
というシステム開発における考え方を現したものです。
例えばアプリやシステムなどの開発を行う際に、
「将来的に必要になるだろう」「これがあったほうが分かりやすいだろう」
という考えのものに様々な機能を実装したとしても、残念なことになる場合があります。
- 結局必要とされず、ほとんど誰にも使われなかった
- その機能を加えたことが原因で動作が重くなってしまった
- 実際に必要になった時に、必要とされる意味合いが違って使えなかった
- 設計が複雑なものになり、保守が大変になってしまった
- 予期しないエラーが発生して、修正に膨大な時間がかかるようになってしまった
これらの事象は、結果として
「良かれと思って考えたこと、実行したことが実はデメリットになる」ことになりますよね。
こういった「良かれと思って」ということ、ビジネス現場でもよくありませんか?
「良かれと思って・・・」結局デメリットになるケース
例えば上司に「今週末の会議資料を用意しておいてほしい」と
依頼されたときに、あなたはどんなことを考えるでしょうか?
- 見やすいように画像を挿したいから、画像を探そう
- 少しレイアウトを凝ってみよう
- 前回の議事録を探して、「前回までの内容」を入れておこう
あなたからすれば「会議をより良いものにするために」と
思ってやった気遣いが、いざ提出してみると怒られてしまうことも多々ありますよね。
- 提出が遅い
- なんでこんな見づらいの?
- こんなことまでしろとは頼んでない
正直、せっかくの善意をこんな形で怒られてしまっては
あなた自身はかなりガッカリするでしょうし、モチベーションも大幅に下がってしまいますね。
こんな辛い目に合わないために、どうすればよかったのでしょうか?
スモールスタートを心がけよう
ビジネス、とくに職場での基本原則としてYAGNIは有効です。
自分の思う100%を初発で提出しようとせずに、スモールスタートを意識します。
まずは60%~70%の完成度で、すぐに提出することを心がけてみましょう。
そうすることで、万が一やり方が間違っていたとしても
容易に修正することができるうえ、上司からは
「仕事が早く、報告もしっかりしている」という好印象を受けることができます。
依頼を受ける時の「QCD」
QCDは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字を取った造語で
製造業の生産管理やシステム開発の現場などで活用される考え方です。
依頼されたものを納品するにあたって、
「どんな品質で」「どれくらいの時間や予算をかけて」「いつまでに」
という3つもポイントを抑えて請け負うことで、
あなた自身と依頼した上司の間で「完成物のゴール」のイメージを具体的にできます。
QCDを具体的にすれば、あとはスモールスタートの考え方で
完成段階の60%くらいで途中報告をすれば、より一層高い成果を得られるでしょう。
YAGNI(ヤグニ)を使う場面と「敢えて使わない場面」を意識する
とはいえ、ニーズを「先読みする」ことが求められる場面もあります。
例えば営業マンはお客様の悩みに対して、
「この悩みを持っているなら、他にもこんな悩みがあるはずだ」と予測して
先読みした提案を行うことが求められることもあるはずです。
YAGNIを意識したスモールスタートを行った結果、
「この営業マンの提案は底が浅い」と思われてしまうことも多々あるので
使いどころは要注意です。
とくに、お客様が関わる場面や自分が何かを「提案する」場面では
どう立ち振る舞うべきか注意深く考える必要があります。
まとめ
今回は、「YAGNI(ヤグニ)」という考え方の紹介を通じて
仕事を高速で回して評価を高めるノウハウを紹介しました。
こういったノウハウを活用する時に注意すべきことは
「ノウハウはノウハウでしかない」ということです。
しっかりとした目的意識を持たずに方法だけを真似しても
結局悪い結果を生んでしまうことはよくあることです。
その仕事が「誰の」「何のために」存在するのかを考えたうえで
その意義を最大限に発揮する為にあるのがノウハウです。
これは、本ブログで紹介するあらゆる情報に共通して言えることです。