多くの財務指標がありますが、全て把握するのは困難です。
今回は、利益を生み出すために必要な財務指標にスポットを当てました。
ご紹介する、財務指標を理解し、経営方針・意思決定に活用して頂けれと思っています。
目次 2.財務三表 |
目次
1.財務指標とは
経営者が正しい経営判断をするには、企業の現在置かれている状況を正確に分析・認識する必要があります。
そのためのツールが財務指標です。
経営指標の種類は多く、全てを理解するには、膨大な時間を要することになってしまいます。
本記事では、利益を生み出すために抑えておくべきツールに絞ってご紹介させて頂きます。
1.財務三表(会社の状態を正しく把握する)
2.損益分岐点(利益を生み出す価格設定ができる)
3.労働生産性(利益を生み出すための一人当たりの目標設定に)
2-1.貸借対照表
貸借対照表とは、決算日時点においてその会社に帰属する資産とその会社が負っている負債、そしてその差額としての純資産を一覧表示した報告書を言います。
貸借対照表はその会社の財政状態を明らかにしています
貸借対照表のポイント(自己資本比率を理解する)
自己資本比率とはどのくらい自分のお金があるかを示す値です。自己資本比率を見れば、会社の健全性がわかります。
自己資本比率(%)=純資産÷総資産×100
資産のうちどの程度が純資産で賄われているのかを表します。
自己資本比率が高い方が、返済額が少なく、自社のみで経営できていることになっています。
自社自身の状態を正しく判断できます。
2-2.損益計算書
損益計算書とは、その会計期間の経営成績を表示する報告書です。
経営成績とは利益の大きさとその利益の発生過程をいいます。
損益対照表のポイント(経常利益を確認する)
経常利益とは今期だけではなく、毎期の繰り返しの営業活動の結果の利益の事です。
本業の利益と受取利息や支払利息といった財務活動などの損益を含めた結果です。
外部の人や金融機関が会社を評価する際に経常利益を確認されます。
会社の信頼に繋がります。
そのため、経常利益を意識した、経営戦略が必要となります。
2-3.キャッシュフロー計算書
期首に残っている現金がいくらあって、期末にいくらの現金が残っているかを示しているのがキャッシュフロー計算書です。
現金がどうして増えたのか、減ったのか確認することができます。
キャッシュフロー計算書のポイント(手元の現金に注意する)
サービスや商品を売り上げても、すぐに現金になるとは限りません。時間差がある場合があります。
どんなにたくさんの売上をあげても、その回収に長い時間がかかってしまい、手元に現金がなくなってしまう場合があります。
借入金を返済したり、商品の仕入代金を支払うために、資金を借り入れなくてはならず、
会社の資金繰りは苦しくなります。
最悪の場合、黒字倒産することもあります。
特に、建設業界など、入金が後払いが多い業界は要注意です。
2-1.貸借対照表
2-2損益計算書
2-3キャッシュフロー計算書
をしっかり理解し、会社の経営状態を正しく理解したうえで、
経営方針、意思決定を行うようにしましょう。
3.損益分岐点
損益分岐点売上高とは、利益が0円のときの売上高のことを言います。
売上高がこの額を超えれば利益が出て、この額を下回れば赤字というときの売上高となります。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷{(売上高−変動費)÷ 売上高 }
例>
100万円(固定費) / {(5万円(売上高)−2万円(変動費))÷ 5万円(売上高) }➔ 166万円(損益分岐点高)
つまり、例をから判断すると166万円の売上げないと赤字と判断できます。
また、益分岐点比率も重要な指標となります。
益分岐点比率とは、実際の売上高と損益分岐点売上高の比率を計算したものです。
計算式は、損益分岐点売上高を実際売上高で割ります。
この数字は、低ければ低いほど、売上低下による赤字への影響が少ないといえます。
損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際売上高 × 100
この時の比率によって、企業の安全性が見えてきます。
・60%未満:超優良企業
・60~80%:優良企業
・81~90%:普通企業
・91~100%:損益分岐点企業
・100%超:赤字企業
新しい事業や、今後の方針を考える際に、どのように計画すれば、損益分岐点を超えることが
できるかは、会社を存続させるためにも必ず意識する必要があります。
計画の段階で、損益分岐点を売上高を下っている場合は、要注意です。
4.労働生産性
生産性をはかる指標には労働分配率や労働生産性があります。従業員にかかるコストと利益との相関に着目した指標です。
【公式】労働分配率(%)= 人件費 ÷ 付加価値額 × 100
日本の平均は783万と発表されています。(2016年)
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2016_press.pdf
(公益財団法人 日本生産性本部)
自社の一人当たりの生産性を把握し、業務・経営の効率アップの判断に活用できます。
社員と労働生産性を上げるにはどうしたら良いか?を議題にミーティングすることで、
様々なアイディアが出でてくるでしょう。
5.まとめ
今回ご紹介させいて頂いた、財務指標を理解し、
会社状況を正しく認識し、会社の方針や意思決定に活用してください。
特に新しいプロジェクトを立ち上げる際には、必ず、
損益分岐点と労働生産性は意識し、計画を立てることをお勧めします。
6.ITツール・情報サイトのご紹介
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