換気システムとは?種類ごとの特徴と注意点について解説

換気システムとは?種類ごとの特徴と注意点について解説

近年、コロナ禍によって換気の重要性が見直されてきました。
換気のメリットは多く、単に感染症を防ぐだけでなく、住宅の寿命も延ばしやすくなります。
今回は住宅に換気システムを設置するとどうなるのか、ということについて見ていきましょう。

換気システムとは

換気

通常私たちが換気と聞くと、窓を開けて空気を入れ替えることを思い浮かべるでしょう。
それも換気ではあるのですが、建築基準法は、窓を開けずとも換気できるシステムを一般住宅においても設置するよう義務付けています。

窓を開けなくても換気できるシステムというと困惑するかもしれません。
しかし、キッチンや浴室などに取り付けられている換気扇もまた立派な換気システムです。
これらはどこの家庭にでもあるため、イメージしやすいでしょう。

換気システムのメリット

換気のメリットは端的に言えば室内の空気を外の空気と入れ替えられることにあります。

たとえば、家の中にホコリやウイルスが蔓延している中で、窓を開けずにいたら健康を損なってしまいます。
こうしたことを防ぐためにも換気は欠かせません。

もっとも、このほかにも換気システムを取り入れるメリットはたくさんあります。
ここからはそれらのメリットを一つひとつ見ていきましょう。

結露を防ぐことができる

結露

寒い季節になると窓に水滴が付くことが多くなります。
これは、外気温と室内気温の差によって引き起こされる結露です。
結露は、湿度が高い季節にも発生しやすいといわれています。

実は、結露は住宅にとって天敵とも言える存在です。
日本の住宅は木材住宅が多いですが、木は水分に長時間さらされると耐久力が弱くなってしまいます。

特に注意しなければいけないのが木材腐朽菌です。
木材腐朽菌は湿度の高いところで繁殖しやすいため、結露がたびたび起きると木材はどんどん腐っていってしまいます。
もし家の根幹を支える支柱や大黒柱などが腐ってしまったら、倒壊の危険は避けられません。

では、どうしたら結露を防ぐことができるのでしょうか。

先ほど結露は湿度が高い季節に発生しやすいと述べました。
家の中の湿度が高くなることによって水分が増えるのですが、これは換気によって軽減することができます。
長く安全に家に住み続けるためにも、換気は欠かせません。

  • 施工管理システム

カビやダニを防ぐ

家の湿度が高くなると繁殖するのは木材腐朽菌だけではありません。
カビもまた忘れてはいけない存在です。

浴室や水場などに繁殖しやすいカビは、高温多湿の環境を好みます。
もしカビを放置してしまったら、家の中の空気中には菌が大量に舞ってしまいます。
そうなれば、呼吸器からカビが入り込み、健康を損なってしまいます。

それに加えて、ダニもまた見逃してはいけません。
布団や衣類といったところにいるダニもまた、カビと同様に多湿の環境で増えやすいものです。

ダニに噛まれると肌がかゆくなってしまいますが、それだけでなくダニを媒介とした感染症にかかるリスクもあります。
これらを防ぐためにも換気システムの設置が必要です。

省エネルギー

換気

たとえば、冬の寒い日に窓を開けて換気すると、室温は低くなっていきます。
寒くなった部屋を暖かくするためには、暖房をつけなければいけません。
となると、エネルギーが発生してしまうので、一見換気と省エネは相性が悪いように思えます。

しかし、実は近年では省エネと換気を両立するシステムも登場しています。

換気システムは、外気をそのまま全部取り込むのではありません。
一部の空気を取り込むだけで、室温はそのままに保ちます

そして、同様に室内の空気の一部を外に逃がすため、快適な状態で空気の入れ替えができます。
もちろん、暖房器具を余計に稼働させる必要もありません。
これによって換気と省エネルギーを両立できるようになります。

換気システムの義務付け

先ほど、建築基準法では換気システムの設置が義務付けられているという話をしました。
なぜ住宅に換気システムを取り付ける必要があるのでしょうか。

そもそも建築基準法で換気システムが義務付けられたのは2003年のことです。
実は近年の日本では高気密住宅の建設が増えています。
高気密住宅は夏は涼しく、冬は暖かい、というメリットがあるのですが、一方でデメリットも避けられません。

それはハウスダストが増えることです。
木材などから生まれるハウスダストによってシックハウス症候群を患う人が増えてしまいました。
これを防ぐためには家を定期的に換気するしかなく、建築基準法で換気システムが義務付けられるようになりました。

▼シックハウス対策についてはこちら
建築基準法に基づくシックハウス対策について

換気システムの種類

換気

ここまでは換気システムの重要性について説明してきました。
実は、換気システムにはさまざまな種類があります。
ここからは第一種、第二種、第三種のそれぞれの特徴について紹介していきます。

第一種換気

第一種換気は機械で強制的に換気するシステムです。

そもそも家庭で定期的に換気しようとしてもなかなか難しいでしょう。
特に寒い時期などは換気をするのに億劫になりがちです。

これを防ぐために、機械が自動で動くシステムが第一種換気です。
企業や店などではこうした換気システムを取り入れているところが多いですが、家庭で取り入れるには問題もあります。

それは設置コストがかかってしまうということです。
加えて換気システムを稼働させるための電気代がかかってしまう点にも注意しなくてはいけません。

  • 施工管理システム

第二種換気

第一種換気では外気の取り入れと室内の空気の排出を両方機械で行っていました。

それに対して、外気の取り入れだけは機械で行いつつ、室内の空気の排出は自然に任せるシステムが第二種換気システムです。
このメリットは、第一種換気に比べて設置コストや稼働コストを抑えられるところです。

一方で注意したいのが、外気を取り入れる際に自動的に湿った空気も取り入れてしまいかねないということです。
これによって内側にだけ湿った空気がこもってしまい、結露の原因になりかねません。

第三種換気

最後に紹介する第三種換気は、第二種換気と逆のシステムを採用しています。
つまり、外気の取り入れを自然に行い、室内の空気の排出を機械で行います。

日本の住宅のほとんどはこの換気システムを採用しています。
第一種換気システムに比べてコストがかからず、第二種換気システムに比べて結露を防止できるのが特徴です。

一方で、外気をすべて取り入れてしまうので、隙間風が入り込みやすいのがネックです。
暖かい地域ならともかく、雪国などにおいては採用する際には気を付けたほうが良いでしょう。

ダクト式とダクトレスの違い

換気

先ほどは家に機械を設置して換気を行うシステムについて紹介しました。
この機械は、

  • ダクト式
  • ダクトレス式

に分かれます。

ダクト式は家中に配管を通して、排気を一か所にまとめる方式です。
それに対して、ダクトレス式は配管を通さずに各部屋で排気できるような方式を指します。

換気効率が良いのはダクト式ですが、家中に配管を通さなければいけません。
それに伴ってコストもかかってしまいます。

全熱交換換気と顕熱交換換気の違い

第一種換気は、

  • 全熱交換換気
  • 顕熱交換換気

に分かれます。

全熱交換換気温度と湿度ともに調節するシステムです。
一方で、顕熱交換換気温度の調節のみのシステムです。

これだけ見ると全熱交換換気のほうが良いように見えるかもしれません。
しかしながら、両方調節できるということは高性能のため価格も高くなりがちです。
設置の際には予算と相談しながら決めると良いでしょう。

  • 施工管理システム

取り付け費用

費用

換気システムの取り付け費用は第一種か第三種か、ダクト式かダクトレス式か、などなどさまざまな条件によって異なります。
ここでは一例として、第一種換気でダクトレス式、そして全熱交換換気を採用する例を考えていきましょう。

業者によっても設定値段は異なりますが、相場はおよそ15万から25万です。
これに加えて、電気代がどれくらいかかるかも加味しなければいけません。

近年では換気システムも省エネ化が進んでいます。
これについてはあらかじめ業者と相談したうえで、1ヶ月あたりどれくらい電気代がかかるかを調べておきましょう。

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まとめ

換気システムを取り付けるためには確かにコストは避けられません。
ただでさえ家を建てるだけでもお金がかかるのに、さらに換気にまで気を回さなければいけないというのはなかなか苦労するでしょう。

とはいえ、長い目で見れば換気システムを取り付けたほうがメリットが多いのは間違いありません。
住宅の寿命だけでなく、家族の健康を守ることもできます。
もちろん予算との相談は必要ですが、より良い換気システムを取り付けるため億劫にならず検討してみてください。

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AIPPEAR NET 編集部

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