Lesson9.一元管理とは

Lesson9では、これまで学んできた基幹情報を管理する手段として「一元管理」を解説します。

一元管理とは

一元管理とは、あらゆる情報を一か所に集約することで情報を効率的に管理・活用できる仕組みのことを指します。
ただし業務管理システムにおいては、この「あらゆる情報」の対象範囲が各社システムによって様々です。

例えば、以下のようなシステムがあります。

  • 営業活動に関わる顧客情報、営業進捗報告、見積作成、担当者別売上などを一元管理できる営業支援システム
  • 販売業務における仕入管理、在庫管理、受注・発注管理などを一元管理できる販売管理システム
  • 財務業務における総勘定元帳、売掛買掛管理、固定資産管理などを一元管理できる財務管理システム

これらの例はいずれも、それぞれの部署・役割が担う複数の業務をまとめて管理するという意味で
一元管理システム、と言えるのかもしれません。

ただ、企業単位で見れば部署ごと・役割ごとに別々のシステムを使っているので
本質的には一元管理と呼ぶに相応しくないと私たちは考えています。

従って本稿では、以下を「一元管理」の意味として定義づけてお話を進めようと思います。

【一元管理とは】(※本稿での定義)
営業・経理・人事など企業に存在する部署や役割の垣根を越えて、
あらゆる企業情報を一か所に集約して管理・活用する仕組みのこと。

これまで紹介してきた、以下のあらゆる業務が対象になります。

企業情報を一元管理するメリット

あらゆる情報が一元管理されることで、部署・役割間の橋渡しが容易になります。
これまで他部署や役職者に提出していた書類が、わざわざ作成しなくても
「そこを見れば誰でも分かる」状態が構築できるのです。

橋渡しが用意になることで、どのようなメリットがあるか見ていきましょう。

1.作業効率アップ

例えば営業担当者が商談の予定や結果を入力した際に、移動手段や交通機関を登録していれば
経理担当者は、その情報をもとに交通費精算を行うことができます。
営業マネージャーはその情報をもとにマネジメントが出来るだけでなく、
営業成績等を人事評価に反映させ、人事部と共有することも可能です。

これまでタブ祖や役職者に提出する書類をわざわざ作成する必要がなくなるので
各業務のスピードが上がるとともに、本来集中すべき業務に注力できる体制が作れます。

2.コストの削減

コストには大きく分けて3つの種類があります。
金銭が関わる経済的コスト、業務にかかる時間に関する時間的コスト、
社員が業務を行う・考えるなど人的資源に関わる人的コストの3種類です。

前述した作業効率アップは時間的コストや人的コストに関わるところですが、
情報の一元化は経済的コストの削減にも貢献することができます。

例えば複数のシステムを運用・管理するための維持管理費や人件費の削減、
各システムで分散しているデータの統合やバージョンアップにかかる経済的コストの
削減も可能です。

3.部署間・役割間のコミュニケーション促進

一元管理システムを導入すると、
あらゆる社員が同じシステムを使って業務管理・共有を行うことになります。

入力した情報はほかの部署または役職者が見ることが前提なので、
他部署同士のコミュニケーションや経営層と現場などの役職間のコミュニケーションが
より円滑に進む環境を構築することが出来ます。

タテ・ヨコの壁を取り払うと同時に、組織の意思決定をスピーディに浸透させたり
経営陣が現場の声に気付くきっかけを作ることも出来るようになります。

4.企業全体を俯瞰して状況の把握・分析ができる

企業情報を一元管理していれば、情報を余すことなく把握することができます。

例えば人事担当者が全部署の人材を把握して、適切な人材を適切なポジションに配置したり
経営幹部が事業所単位の売上を比較したり、固定費との比較をして経費削減を検討するなど
様々な切り口から俯瞰して状況判断を行うことが可能になります。

企業情報を一元管理する課題・デメリット

ところが、一元管理の実現には様々な課題があることも事実です。

そもそも一元管理を行うことが理想ならば、なぜ世間には冒頭で説明したような
営業部門管理、販売管理などの部門を個別管理するツールがたくさんあるのでしょうか?

そこには、一元管理を取り巻くなんとも現実的な問題があります。

1.導入コストが高い

一元管理システムは取り扱う業務範囲が広いこともあり、導入費用が効果になるケースが多いものです。
初期導入費用だけでなく、利用者の数だけライセンス費用が発生したり
場合によっては情報を保存するサーバー費用について考えなければならない事もあります。

これは、管理システムの開発ノウハウにも関わる部分です。
例えば営業支援ツールであれば営業活動や営業マネジメントについて、
販売管理ツールであればバックオフィス業務について、
「各業務部門の専門知識」を通じて最適な運用方法や
分析手法が反映された仕組みが考案され、それをもとに開発します。

つまり、業務システムを導入することは
「専門家から管理の仕組みを教わる」ことにも等しいのです。

開発に際しては各専門家からのアドバイスをもらったり、
経営者が何かの業務部門に関するプロフェッショナルだったりしますが
一元管理の場合は、それこそあらゆる部門の専門知識が必要になります。

開発をするための専門知識の収集や、開発範囲の広さが費用を上げる要因です。

2.操作感が複雑になりがち

例えば営業マンがシステムを利用する際、営業マンにとってはその場で必要のない情報でも
その後に控える経理担当者や人事担当者のために
様々な情報を入力することが強いられる可能性があります。

そういった情報は「いずれ必要になる情報」であることは間違いないのですが
今、その担当者にとって必要ではない情報であるため入力を手間に感じさせてしまいます。
場合によっては、間違った情報を入力したことでかえって情報が錯綜する可能性さえあります。

ただ、そのような状況はそもそも選んだシステムの質が低いのかもしれません。
時間はかかりますが、各部署にとっての使用感は入念に確認しなければいけません。

一元管理が必要であることは間違いない。課題を払拭する方法は?

費用が高い、自社にあった操作感のシステムを探さなければならない、
部署によっては既にツールが導入されているかもしれないのに、
わざわざそれを辞めて一元管理システムの導入を検討するのは腰が重い…。

とはいえ、放置していても状況はよくなりません。
一元管理によるメリットは、企業の規模拡大における必須事項であることは間違いありません。

次回は、一歩踏み出すために
自社の課題と解決方法を明確にするための方法をお伝えします。

一元管理システムに限らず、何かを導入する際には
「なぜそれが今自社に必要なのか」を明確にする論理的根拠が必要です。

 

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AIPPEAR NET 編集部

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