近年、フリーランスの増加により、物品だけでなく仕事の依頼を発注する場合が増加しているようです。
それに伴い増加していく発注管理業務を行う上で、「発注管理がうまくいかない」「無駄なコストや業務が発生してしまった」等のような悩みはありませんか?
これらを払拭し、適切な発注管理を行うには、業務全体の流れを理解し把握しておかなければなりません。
今回の記事では、発注管理の業務の全体の流れを解説いたします。
また、適切な発注管理を行く上で役立つ発注管理システムとそのメリット・デメリットをご紹介します。
発注とは
「発注管理」について解説する前に、まずは「発注」とは何かを改めて見ていきましょう。
一般的に発注という言葉は、品物を注文する場合や仕事を依頼する際に使われています。
とはいえ、種類や方法が様々であり、発注する物や業種によって異なりますので、「発注」という言葉を一言で説明するのは難しいです。
特に、従来品物に対して「発注」を行うことが多かったのに対し、近年ではフリーランスの増加によって、個人に仕事を依頼する場合に「発注」を行う場合も増えています。
自社内の「発注」の種類や方法は必ず把握しておくようにしましょう。
参照:税理士コンシェルジュ「ビジネスにおける「発注」とは?その意味や目的・注文との違いについて解説」
発注管理とは
では次に、発注管理についてみていきましょう。
発注業務を行う中で、重要となる一つの要素が「発注管理」です。
発注管理とは主に、
- 発注のフローの管理
- 発注先の選定・契約
- 発注状況の管理
のことを指します。
利益を継続的に上げていくためには、これらの業務を見直していくことが重要となります。
反対に、これらの業務を適切に行わないことで、得られるはずの利益を逃すことになります。
例を挙げると、「4.発注状況の管理」業務の一つである、発注先との内容やスケジュール調整が順調にいかなければ、「過分な在庫を抱える」「納期が遅れる」等、稼ぎ損ないにつながる可能性があります。
その発注管理を効率化するには発注管理システムを導入するのが効果的です。
発注管理の流れ
日々業務に追われる中で、発注管理を効率的かつ適切に行うには、発注管理の流れの把握と過程の見直しが必要になります。
発注管理の主な過程は、”発注管理とは”で述べた「発注のフローの管理」「発注先の選定・契約」「発注状況の管理」が主になります。
では、これらの過程をどう見直すべきか見ていきましょう。
発注のフローの管理
発注は、対社外の業務のイメージが強いですが、まずは社内における発注フローをきちんと管理することが重要です。
無駄なコストを削減するためにも、誰が・誰(どの発注先)に対して・何の業務を発注しているのかを必ず把握しましょう。
また、社外・社内問わず、発注管理に関する連絡手段を、検討しておくことも必要です。
発注先によって使うツールが異なると、それだけで業務負担の増加や、連絡の見落としにつながります。
チャットツールなどを利用し、統一化しておくのが最善でしょう。
発注先の選定・契約
発注規模や発注の最終目的に応じて取引先の選定・契約を行います。
取引先の選定を行う際は、
- (大規模な企業の場合)過去の取引実績
- 業務遂行能力
- こちらの意図や目的を理解する能力
- コミュニケーション能力
を基準にするとよいでしょう。
また、2023年(令和5年)10月1日よりインボイス制度が開始されます。
インボイス制度とは、「記載要件を満たした「適格請求書(インボイス)」を発行、保存することで、買い手(仕入側)が仕入税額控除を受けることができる制度」です。
この「適格請求書(インボイス)」は、国に登録申請を行った適格請求書発行事業者でなければ、発行できません。
発注先の選定する際、発注先が適格請求書発行事業者であるか確認しましょう。
インボイス制度に関連する記事はこちら
また、納期まで余裕がある場合は、「相見積」を行います。
「相見積」とは、選定中の複数の取引先に見積もりを依頼することを指します。
「相見積」を行う場合は、
- 単価・合計金額
- 数量
- 納期
を比較し、検討するとよいでしょう。
これらを検討し、自社が提示する条件に合った発注先を決定したら、業務委託契約を結びましょう。
参照:ITトレンド「発注管理とは?業務の流れやシステムのメリットも紹介!」
発注状況の管理
発注先の選定を終えたら、依頼内容のすり合わせやスケジュールの調整・管理を行います。
依頼内容やスケジュール、納期、進捗状況が一目でわかる仕組みを整備しておくことが重要です。
このような発注先の情報を社内で共有しておくことで、適切なタイミングでの発注を行うことができ、納期の遅れや過分な在庫の発生を防ぐことができます。
発注から納品までの流れをどのように行うのか、発注管理業務を担当する社員がどの取引先を担当するのかをマニュアル化しておくとよいでしょう。
発注管理システムとは
上記で述べてきたように、発注管理はいくつかのプロセスが必要です。
つまり、複数のツールを利用することや仕組みを複雑化することで、ミスや作業時間の増加につながります。
従来頻繁に利用されるエクセルを使用した発注管理は、利点ももちろんありますが、情報共有の難しさやシート作成に時間を費やす為、業務に負担が生じます。
発注管理システムは、システム上で発注管理に関するプロセスを全て完結することができる為、発注管理業務の簡潔化につながり、ミスや作業時間の減少が見込めます。
また、情報共有のしやすさも大きな利点です。一度導入を検討してみるのが良いでしょう。
発注管理システムを利用するメリット・デメリットは
先にも述べた通り、発注管理システムを導入することで期待できる効果は大きく、エクセル等のツールで感じている問題点を払拭できるでしょう。
その反面、やはりデメリットもあります。導入を検討する際には、メリット・デメリットと自社の状況をよく考慮する必要があります。
導入のメリット
発注管理システムを導入する上での主なメリットは以下の通りです。
発注管理システムのメリット
- 作業時間の短縮できる
- 管理コストの削減
- データの整合性がとれる
- データの確認が簡単
- ミスを未然に防ぐことができる
発注管理システムは、形式があらかじめ決められている為、エクセルのように一からシートを作成する必要がありません。
また、以前入力したデータを自動反映させることができるシステムであれば、発注をかける度にエクセル上に入力する必要がなく、大きな作業時間の短縮につながります。
作業時間が短縮することでおのずと、管理コストの削減にもつながるでしょう。
さらに、発注管理システムは、エクセル等を利用した場合、より多くの社員が発注管理に関わることで、データが煩雑化してしまう問題も解決できます。
システムは、入力形式が定められている他、データーベースを利用する為、何人で作業を行ってもデータの整合性が維持できます。
データに整合性が取れることで、データの確認が容易になり、ミスの防止にもつながります。
導入のデメリット
発注管理システムを導入する上でのデメリットは、
- 運用コストがかかる
- 事前準備が必要
の二点です。
システムを導入する上では当然コストがかかります。
どの形態のシステム(クラウド型、オンプレミス型)を利用するかにより、導入費用やランニングコストも変わってきます。
どのツールまたはシステムを利用するのが最も費用対効果を得られるのかよく検討することが重要です。
また、新たなシステムを導入することでこれまでのやり方を変更しなくてはなりません。
社内で事前に運用方法を定めるだけでなく、取引先とも擦り合わせをしておくとよいでしょう。
発注管理システムの選び方
発注管理システムを選ぶ基準は様々ですが、金額の安さだけで決めてしまうのは危険です。
発注管理を行う上で十分な機能が備わっているかを必ず確認しましょう。
必要な機能が備わっていなかった場合、新たなシステムを導入しなくてはならず、更なることコストや管理に費やす時間がかかってしまいます。
ここでは、発注管理システムを選ぶポイントについて解説します。
ポイント1 自社に必要な機能が備わっているか
発注管理システムを導入する際は、まず自社がどの業務をシステム化したいのか、課題を洗い出し優先順位をつけるようにしましょう。
ただ多機能なものを選ぶと、「使いこなせない」というようなトラブルになりかねず、決して低いコストではないため、効率化どころか負担になりかねません。
そのため自社に必要な機能をピックアップし、システムの公式サイトにある導入事例などを参考に、自社に必要な機能が備わったシステムを選びましょう。
ポイント2 入力や照会などの操作が簡単であるか
せっかく業務を効率化できるシステムを導入しても、操作が複雑であれば現場でシステムを使用する方に浸透しません。
「使い方が分からない」となると、システムに慣れるまでに時間がかかり、かえって非効率になってしまう可能性があります。
発注管理システムを導入する前に、お試し期間やデモサービスを実施しているシステムもあるため、それらを活用し実際に操作してみることをお勧めします。
ポイント3 サポート体制は充実しているか
実際にシステムを活用する現場には、システム部門やIT担当者が不在であることが多いです。
そのため、導入する際や運用後にトラブルが起きたときに、サポート体制が適切に行われるか確認しましょう。
また、日々の発注管理業務の中で操作が分からない場合に、迅速に対応してくれるサービスを導入することで、時間のロスや顧客対応の遅延を防ぐことができます。
発注管理システムおすすめ8選
発注管理システムといってもたくさんあるため、どれを選べばいいのかわからないといった方も多いのではないでしょうか。
ここでは、弊社がおすすめする発注管理システムを8つご紹介します。
発注管理も可能『建築業向け管理システム アイピア』
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、受発注機能など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
特 徴
- 情報が連動するため金額や顧客名など関連する情報を何度も入力する手間が無く、作業時間が短縮可能!
- 見積時の原価を実行予算として取り込み、発注書を作成することが出来る!
- 書類作成はワンクリック!売上・粗利も一目で分かる!
- 小規模工事で見積や実行予算を作成していない案件でも発注書を作成!
- 見積をもとに原価計算から発注までワンクリックで完結!
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楽楽販売
楽楽販売は、発注管理はもちろん、あらゆる社内業務のを効率化できるクラウドシステムです。
収支をリアルタイムに見える化したり、発注履歴を案件ごとに紐づけて参照できるなど、業務の効率化とスピードUPを実現します。
高いカスタマイズ性で、あらゆる形態に柔軟に対応できます。
特 徴
- 収支をリアルタイムに見える化できる
- 発注案件を案件ごとに紐づけて参照できるなど情報の一元管理が可能
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- 業務フローの見える化によって、案件進捗が一目でわかる
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アラジンEC
アラジンECはBtoBの受発注管理を効率化してくれるシステムです。
様々な業種に対応しており、カスタマイズ性が豊富な点が魅力です。
企業ごとに異なる単価設定や商品表示設定のカスタマイズや、基幹システムおよび他社システムとの柔軟な連携が実現できます。
特 徴
- 自社・得意先の要望に応えた柔軟なカスタマイズが可能
- 取引先ごとの専用IDでログインし、そのまま発注が可能
- 取引先がECサイト上で納期をいつでも確認でき、スピーディーなやり取りが可能
- 担当スキルに左右されない対応の標準化を実現。
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価格 | 初期費用:2,000,000円~ 月額費用:60,000円~ |
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MOS
MOSはスマホやタブレットで簡単に使うことができる受発注システムです。
発注者の使いやすさが一番に考えられており、発注し易いUIを徹底的に企画・設計し、MOSを構築してあります。
発注する側が「MOSなら使いたい。」「使ってみたらMOSの方がいい。」「もうMOSからFAXに戻りたくない。」となるよう作られたソフトです。
パッケージソフトではありますが、カスタマイズできる点もポイントです。
特 徴
- 独自オプションの組み合わせが可能
- 発注しやすい操作感を徹底的に構築
- メニューや機能も関係ない箇所に一切表示していないため、操作に迷うことがありません
- ソースコーディングの見直し及び最適化を実施
環境 | パッケージソフト |
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価格 | お問合せ |
体験版 | あり |
COREC
CORECは、BtoB向けの受発注管理ができるシステムです。
発注書の作成、送信、管理がすべてWeb上でできます。
スマホやタブレットにも対応しており、時間・場所を問わず利用可能です。
作成した発注書はワンクリックでFAXやメールで送信することができます。
特 徴
- 発注額が自動で集計されるため、予算管理が簡単
- 作成途中の発注書を一時保存できるため、スキマ時間を有効活用
- 発注履歴に保存された発注内容を元に、クリックだけで再発注可能
- 発注した内容を元に、入荷・未入荷の管理が可能
- 複数の発注担当やオーナーとの間で、発注の管理・共有が簡単にできる
環境 | クラウド |
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価格 | 初期費用:0円 ビジネスプラン:1,980円(税抜き) 無料プラン:0円 |
体験版 | 無料プランあり |
ネクストエンジン
ネクストエンジンは、ネットショップのルーティーン業務を自動化できるシステムです。
店舗間の在庫数を自動で更新でき、キャンセルや返品などでの在庫変動もまとめて管理できます。
また、決算システムや送り状発行システム、POSシステムなど様々なシステムと連携させることができます。
EC視点で売り上げや粗利分析をする機能も充実しています。
特 徴
- 発注から仕入まで、一連の業務を効率化
- 現在の在庫数に応じて、自動で発注量を計算
- 仕入処理を行うと、EC店舗の在庫も連携可能
- 倉庫・WMSへ入荷予定や実績の登録を行うことで、棚入れを簡単にできる
環境 | クラウド |
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価格 | 月額費用:10,000円~ |
体験版 | 無料トライアルあり |
Bカート
Bカートは、BtoB向けの受発注管理業務に特化したシステムです。
システムをカスタマイズすることなく、業務体制に合ったサービスを組み合わせて利用することで、業務の変化にも柔軟に対応できる仕組みになっています。
BtoC向けのシステムでは対応が難しい複雑な取引やシステム要件にも対応しており、BtoBサイトを構築・運営するために必要な機能がすべて備わっています。
特 徴
- BtoB取引専用のSaaSのため、カスタマイズが不要
- 即日から利用でき、低コストで始められる
- 在庫連動や後払い決済、WMSなどとの連携が可能
環境 | SaaS |
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価格 | 初期費用:80,000円 月額費用:9,800円~ |
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kinone
kintoneは様々な業種の様々な業務に対応したシステムです。
受発注管理だけではなく、顧客管理など、自社に必要な機能を独自にカスタマイズでき、自由度の高いシステムです。
また、チームメンバーや取引先と一斉にコミュニケーションをとれるスペースを作成できることで、コミュニケーションコストを削減することができます。
特 徴
- 煩雑で非効率な受発注業務を自動化し、作業工数を大幅カット
- 脱アナログ・脱エクセルで発注・請求書作成・集計作業がスムーズに!
- 業務の見える化でコミュニケーションコストを大幅に削減
環境 | アプリ |
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価格 | 月額費用:ライトコース 780円~ スタンダードコース 1,500円~ |
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まとめ
事業活動において発注管理の業務は大変重要です。
ただ商品の購入や、仕事を依頼するというだけではなく、利益を生むために徹底した管理を行う必要があります。
また、多段階のプロセスを踏み複雑な業務を、エクセル等のツールで行うことは、ミスや作業効率の低下を招きやすくなります。
より適切な管理を行い、業務効率化を図るためにも、発注管理システムの導入は得策といえるでしょう。
自社に最適な発注管理システムを導入し、コストの削減や更なる利益率の増加を図りましょう。
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