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ピーターの法則とは
ピーターの法則とは、米国の南カリフォルニア大学の教育学者である
ローレンス・J・ピーター氏が著書「ピーターの法則ー創造的無能のすすめー」の中で
提唱した、組織労働に関する社会学の法則です。
著書の中で、ピーター氏は以下のように提唱しています。
- 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。
- 時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。
また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。- その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。
「無能」とか「有能」という言葉ばかりでちょっとつらい気持ちになりますが
あえて注目したいのは、当人の能力によっては「限界」とされる地位までは
上がっていけるものの、そこからは無能化してポジションに留まってしまうという点です。
若手や新人の立場で、日ごろから上司や先輩に対して不満を感じている方なら
なんとなく共感してしまう内容ではないでしょうか。
「成果主義」「職務主義」「能力主義」
ピーターの法則を語るうえで、補足しておかなければならないことがあります。
「組織にはさまざまな形がある」ということです。
- 結果や成果を基準にして、出した成果によって給与や待遇を決める「成果主義」
- 立場・ポジションが基準で、どの職務を行う立場に立っているかで待遇が決まる「職務主義」
- その人の過去の経験・経歴・スキルなど全体像から評価する「能力主義」
それぞれの主義に沿った組織があるわけですが、
成果主義、職務主義は欧米諸国によく見られる風習、能力主義は日本の企業や
組織の在り方としてよく見られる風習とされています。
もちろん、一概に国にくくることもできません。
日本でも「同一労働同一賃金」の概念が2020年から施行され始める等、
国内でもさまざまな主義に立った組織があります。
どの組織の在り方が良い・悪いという優劣の話でもありませんが
ピーターの法則は、日本にありがちな「能力主義」において
当てはまりやすいということが指摘されています。
ピーターの法則に陥らないためにできること
ピーターの法則は、誰に対しても影響を与える可能性があります。
そうなってしまわないために何ができるでしょうか。
周囲の評価だけでなく、自己のスキルにも注目する
昇進や昇格を普遍的なゴールであると考えるのではなく
「自分にとってなりたい状態は何か」「どういう働き方をしたいのか」等
自分の考えやスキルに注目してキャリアデザインを行うことが有効です。
逆に、「部長になりたい」「課長として働いていきたい」と
心の底から思えるのであれば、第三者からピーターの法則として
指摘されたり、揶揄されたりすることを気にする必要はありません。
自分を良く知り、客観的に評価し続けながら
自分が成し遂げたいゴールに向かうことを意識していくことが
ピーターの法則を避ける方法になるのではないでしょうか。
KPT分析による自己採点を続ける
事実に基づきながら、自分をゴールに近づける方法としては
KPT分析が有効です。
KPT分析は、以下の3点の言葉から構成されていて
日々自分が行っていることを振り返りながら翌日の行動を
ブラッシュアップするのが目的の分析手法です。
- Keep(続けること)
- Problems(いま抱えている問題)
- Try(次から挑戦すること)
詳しくは、ぜひ下記からご覧ください。
参考記事:
KPTを活用して営業日報を成長ツールにする「自己採点型」の書き方
まとめ
今回は、「ピーターの法則」を紹介しました。
リフォーム業界は、様々なチャレンジのうえで成立しています。
リフォーム業界が好景気、追い風とここ数年は言われ続けていますが
いずれ新たな挑戦が必要になるタイミングが必ず来ます。
その時の為にも、今の仕組みに満足してしまわないよう
ピーターの法則には可能な限り注意を払うことが重要です。