プレカットとは?加工の特徴やメリットを解説

プレカットとは?加工の特徴やメリットを解説

建築現場で使われている木材の多くが、プレカットで加工されています。そもそも、プレカットとはどのような加工法なのでしょうか。
職人が一から作り上げる加工法と比べて、工場で安くスピーディーに加工してくれるプレカットの特徴やメリット、デメリットを解説していきます。

プレカットとは


プレカットとは、建築現場で使用する木材を、あらかじめ使いやすいように切断や加工しておくことです。プレは英語で「前もって」といった意味があり、前もって切断や加工をしておくことから、このように呼ばれています。

かつての現場では、大工がカンナで直接木材を削りながら建築工事を行っていました。
しかしプレカットされた木材を利用すれば、このような作業の手間を省くことができます。
こうすることで、建築に集中でき効率的かつスピーディーに工事ができるのです。

プレカット加工の特徴

プレカット加工には、設計図をもとに各現場で使われる木材を工場で加工するという特徴があります。
まずCADなどを用いて図面に入力し、どのような加工を行うのかデータを作成します。
このデータを工場の専用機器に転送し、構造材や羽柄材、合板やパネルなど必要な建材を自動的に加工していくのです。

このように図面通りのサイズで加工できるため、現場での加工は必要ありません。
建築現場では、プレカットされた木材を組み上げていくだけで済み作業工程が減るため、効率良く作業できます。

プレカット加工の詳しい解説/熊谷木材工業株式会社

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プレカットのメリット

プレカットのメリットは「安定した質、コスト削減、工期短縮」です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

安定した質

一つ目のメリットは木材ごとのばらつきがなく、安定した質を保てることです。

職人が1本1本手作業で加工した場合、たとえ同じように見えてもわずかな誤差が出ることがあります。職人それぞれの熟練度や技術が精度に影響することも否めません。

ですがプレカットの場合、図面から起こしたデータをもとに、ミリ単位の精度で切断や加工を行います。そのため、木材にばらつきがでず安定した質を保つことが可能になるのです。

コスト削減

二つ目のメリットは、コスト削減につながることです。

現場で職人が加工する場合、加工時間が多くなり工事の日数が増えます。また、一定レベルの職人を揃えるための人件費もかさんでしまいます。しかしプレカットの場合、専門の工場に委託することが可能です。

こういった専門の工場では、

  • 工場ではCADとCAM全自動機を用いて制作するため、必要最低限の人数で切断や加工を行える
  • 機械の精度が高く、木材を無駄なく使え、廃棄される部分が少ない
  • 端材が出ても、ほかの案件に活用することができる

のようなメリットがあり、低コストでの加工が可能になるのです。

現場で加工すると、端材や木屑が発生しその掃除や処分などにいっそうコストがかかります。プレカットは、こうした廃棄処分の観点からもコストを抑えられるのがメリットです。

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工期短縮

三つ目のメリットは、現場での作業が減り工期短縮できることです。

かつては、大工が図面をもとに柱や梁に墨付けを行ったり、木材の仕口や継ぎ手を手刻みで加工したりしていました。しかしプレカット材を用いれば、切断や加工の工程を事前に工場で行っているため、現場での作業が大幅に減ります。つまり、従来の方法では数日かかっていた工程が、1日で完了させることが可能になったのです。

短期間で屋根組みまで行えるため、梅雨などの天候が悪い時期の建築工事も安心です。従来の手加工では、組み立てる段階でやり直しすることもあったため、プレカットの精度の高さは工期短縮に役立っています。

プレカットのデメリット


プレカットのデメリットは、大きく分けて二つあります。複雑な加工が難しいことと、職人と比べて精度が落ちることです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

複雑な加工が難しい

一つ目のデメリットは、複雑な加工が難しいことです。

プレカットでは図面をもとに機械で制作するため、手刻みで大工が行っているような複雑な加工は難しいです。図面通りの作業はできる反面、継ぎ手や仕口の部分などは一般的で単純な加工となってしまいます。

近年はより高精度な機械が開発されており、少しずつ複雑な加工への対応も可能になってきました。ですが、そのような高精度の機械は高額になるため、すぐに従来の機械から切り替えに移るのは難しいのが現状です。

特に、天然無垢材などの木目を活かしたいといったこだわりがある場合、プレカットで自然な表情を読み込んでの加工は難しいでしょう。
このような現場からのニーズに対応するため、プレカット工場の中では自動機械のほかに専属の大工を常駐させ、現場に代わって対応してくれるところも存在します。

職人と比べて精度が落ちる

二つ目のデメリットは、職人の手技に比べると精度が落ちてしまうことです。

熟練の大工職人は、1本1本特性の異なる自然の木に合わせて加工を施していきます。
木の特徴や現場の状況に合わせて、手作業でないと難しい柔軟で微妙な調整を1本ずつ施しているのです。

しかしプレカットの場合、現場で再加工が必要な事態にならないようややゆとりを持たせた汎用的な加工がなされます。このような方法では、職人の手技に比べてやはり加工の精度が落ちてしまうのです。

そのため、今でもプレカット材は用いず一から手刻みで加工を行い木造住宅を建てている工務店も存在します。また、プレカットと手刻みを両方用いて工事を行う現場もあります。

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まとめ

今回の記事では、プレカットのメリットやデメリットについて詳しく解説してきました。

プレカットとは、建築現場で使用する木材をあらかじめ工場で図面に合わせて切断、加工することです。この方法では図面をデータで起こして機械で自動制作ができるので、品質にばらつきがなく、スピーディーに加工できるのが特徴です。

プレカットのメリットとして、安定した質が保て、コスト削減につながり、工期の短縮にもつながることが挙げられます。少子化による職人の高齢化や不足が進む中、プレカットは現場作業をスピーディーにし人手不足を補ってくれます。顧客側にとっても、住宅がより短期間かつ低価格で購入できるようになります。

反対にデメリットとしては、複雑な加工が難しいことや職人と比べて精度が落ちることです。プレカットが普及し続けることは、大工の伝統的な手刻みの技が継承されず、ただ組み立てるだけの職人になってしまうという問題もあります。

このような特徴をよく比べて、プレカットの適切な活用を検討してみてください!

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AIPPEAR NET 編集部

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