損益計算書によって売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の五つの項目を求めることができます。
名前が難しくややこしいと思われるかもしれませんが理屈は簡単です。
収益-費用=利益 この式を頭に入れて読み進めてもらうと理解しやすいと思います。今回はわかりやすくするために順番を変えて説明していきます。
目次
損益計算書とは
損益計算表(Profit and Loss Statement : P/L)
損益計算表とは一定期間の会社の経営成績を示す財務諸表の一つです。
収益、費用、利益から会社の「儲け」を知ることができます。英語でProfit and Loss Statement であり、 P/Lと呼ばれることもあります。
建築業向けの勘定科目をまとめた記事もあります。こちらもお読みください。
売上総利益
売上高-売上原価
売上総利益(粗利)とは売上高から売上原価を差し引いた利益です。
簡単に例を挙げていくと、原価が200円のケーキがお店で500円で売られているとしましょう。この場合売上総利益は300円、後半で出てきますが売上高総利益率が40%となります。
売上総利益を見ることで、どれだけ売上原価を下げることができているのか、そしてどれだけ付加価値を付けることができているのかを知ることができます。
営業利益
売上総利益-販売及び一般管理費
売上総利益から販売及び一般管理費を差し引いた利益です。どれだけ本業で儲けられているかを知ることができます。
販売及び一般管理費
本業の営業活動をするにあたって必要な経費のことです。従業員の給料や広告費などの経費がここに含まれます。
例)光熱費、人件費、減価償却費など
経常利益
営業利益+営業外収益-営業外費用
経常利益とは会社が本業と本業以外の経営活動で得た利益です。営業利益に営業外収益を加え営業外費用を差し引いて求められます。
営業外収益の例としては株の売買で得た収益や所有している不動産の賃貸収入など一時的でない収益があります。営業外費用は社債やお金を借りた時の利息などが入ります。
営業外収益
本業以外で得た収益を、営業外収益といいます。
例)受取利息、受取配当金、有価証券利息、不動産賃貸料など
営業外費用
本業以外でかかった費用を、営業外費用といいます。
例)支払利息、社債利息、手形売却損など
税引前当期純利益
営業利益+特別利益-特別損失
営業利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益です。
特別利益
特別利益はたまたま臨時的に入ってきた利益のことです。例えば工場を売り払って得た利益などが当たります。
これらは突発的に発生する利益であり何度も得られるものではありません。
例)固定資産売却益、投資有価証券売却益など
特別損失
特別損失は臨時的な損失であり、災害によって工場が停止してしまった場合や長期的に保有していた証券の売却損などが入ります。
例)固定資産売却損、災害損失など
当期純利益
税引前当期純利益-法人税など
最終的に手元に残る利益のことで、すべての収入からすべての費用を差し引いた利益です。当期純利益は株主への配当や内部保留に当てられ、配当金は一般的に20~30%ほどと言われています。
一年間の全体収益よりも費用が大きくなると当期純利益はマイナスとなり赤字ということになります。しかし、莫大な特別損失が原因で当期純利益がマイナスになってしまった場合には数年で黒字に戻る可能性が高いです。
利益率の求め方
会社の収益性を見ていくために比較材料として利益率を求めることが効果的です。売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率の三つについて紹介していきます。
売上高総利益率
売上総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100
売上高に対する売上総利益の割合のことであり、粗利率とも呼ばれます。
この比率が高いと会社の収益性が高いということです。売上総利益率を上げるためには付加価値をつけて商品の単価を上げる、もしくは売上原価を減らすために材料費を抑えるなどの対策方法があげられます。売上総利益率は業種によって差があるため、同じ業者の間で比較することが重要です。
売上高営業利益率
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
売上高に対する営業利益の割合のことです。
売上高営業利益率が高ければ高いほど本業の収益性が高いことを示しています。営業利益には人件費や広告費など商品を売るために必要な経費が含まれています。そのため売上営業利益率から商品をどれだけ効率よく売ることができているかを知ることができます。
売上高経常利益率
売上高経常利益(%)=経常利益÷売上高×100
売上高に対する経常利益の割合のことです。
売上高経常利益は本業と本業以外の収益性を示した指標であることから、会社全体の収益性であると言えます。売上高営業利益がマイナスで営業高経常利益がプラスの場合は本業の営業活動がうまくいっていない可能性があるため見直しが必要です。
建設業の損益計算書
損益計算書の中身やそれぞれの勘定科目は業種によって変わります。
ちなみに建設業で使われる損益計算書では売上高が完成工事高、売上原価が完成工事原価、売上総利益が完成工事総利益と変更されますので注意してください。
損益計算書だけでなく貸借対照表でも建設業法で勘定科目が定められていますので、下のサイトを参考にしてみてください。
建築業向け管理システム アイピア
アイピアは、建築業向けの一元管理ソフトです。アイピアでは、データをしっかり登録することで、リアルタイムに現場毎の粗利や、全体の営業利益を算出する事が可能です。
また社内で情報を共有することで、従業員の粗利に対しての意識が向上し、改善点も見えてきます。その結果、アイピアを導入した会社様は利益を上げる事に成功しています。
まずは、体験デモで使用感を体感してみませんか?
損益計算書を使っていこう
損益計算書の中身や利益率の計算法について簡単に説明してきました。収益性を知るためには損益計算書をきちんと読み解くことが重要になってきます。
様々な用語が飛び交い覚えるのは難しいかもしれませんが、会社の収益性をあげるためにも損益計算書をうまく使えるようになりましょう。