「スクラム採用」とは?最新の方式が人手不足のリフォーム業界を救う?

「スクラム採用」とは?最新の方式が人手不足のリフォーム業界を救う?

「人手不足」「就職売り手市場」などと言われて久しい昨今、どの業界も採用活動には苦戦し続けています。建築業・リフォーム業界は、以前から激務・残業が多い・クレーム産業という風評を受け他業種に比べても厳しい状況に置かれてしまっているように思います。

もはやこれまで通りのやり方では、思うように採用活動が成功しないのは火を見るより明らかです。今回は、そんな状況を変えてくれるかもしれない「スクラム採用」を紹介します。

スクラム採用とは


スクラム採用とは、社員主導で行われる採用活動のことを指します。
人事担当者や経営者を主として募集広告発信・応募を受け面接という従来の流れではなく採用に関する業務を分業し、全社員一丸となって実施するのが大きな特徴です。

スクラムと耳にすると、社員たちが「一丸となって」「一致団結して」というところからラグビーの試合開始時に見られるスクラムがイメージされやすいですね。

「スクラム採用」は、株式会社HERPが提唱する採用の”新しいかたち”です。
HERP社は採用コンサルティングのほか、スクラム採用に最適化された採用管理システム「HERP ATS」を開発・運営しています。

採用に関する課題があったり、スクラム採用に興味が出たらぜひチェックしてみてください。
※「スクラム採用」は株式会社HERPの商標又は登録商標です。

引用元:HERP Hire(株式会社HERP)
  • 施工管理システム

スクラム採用の具体的な定義

一丸となる、一致団結するではいささか抽象的ですよね。スクラム採用を形作る3つの定義をご紹介します。

①権限を委譲する

従来の採用活動は、主に人事担当者が中心になって業務をこなして必要に応じて経営者がコメントしたり面接のときだけ経営者が参加するという流れが一般的です。

まずは今行っている採用業務の流れを明らかにしたうえで各フローを行う権限を、最適な社員に委譲しましょう。
つまり、「全部人事がやる」から「フローごとに分担する」に切り替えるのが重要です。

採用フローの一例

上記のようにフローを絞って、フローの中身をカテゴリに分けて分担するケースがあります。例えば募集するというフローを「社員紹介」「SNS(Facebook、Twitterなど)発信」などのカテゴリでそれぞれが活動を行うというパターンです。

重要なのは、作業として依頼するのではなく業務責任を丸ごと委譲して各チームが方法の最適化なども含めて成果に向かって自由に活動できる状況を作ることです。
もしかすると、現状の採用業務よりも良い方法があるかもしれません。業務分担して権限移譲を行うことで、各チームがPDCAを回して改善していくこともできるようになります。

実際に業務で携わる社員たちが募集に関わるので、より現場感覚の強い採用活動が可能です。

②採用主担当者は「プロジェクトマネージャー」として全体を監督する

従来なら、採用担当者(人事担当など)が採用業務に関する作業を行っていたのでどちらかといえば「閉じた環境」だったかと思います。

スクラム採用では、各業務を社員たちに委譲していく為、採用主担当者は各チームが滞りなく業務を行えているかを確認しながら、採用関連の知識を現場に落とし込む役割を担います。
発生していた場合にはフォローする等、「プロジェクトマネージャー」として振る舞うのが最適です。

 「プロジェクトマネージャー」とは?

プロジェクトマネージャーは、聞き馴染みのある「マネージャー」とは少し意味が異なります。ITシステム開発で主に使われる役割で、開発業務を円滑に進めるために予算やスケジュールを把握し、開発に必要なメンバーを選定してプロジェクトを遂行する仕事です。

  1. プロジェクトの詳細な計画(期間・費用・ゴールイメージなど)の把握
  2. プロジェクトチームの編成
  3. プロジェクトの推進と管理
  4. チーム内の対人関係を円滑にするサポート
  5. 納品
  6. 評価とレビュー

通常の部署マネージャーと違い、プロジェクトに必要な人員を場合によっては他部署などからも選定する必要があることから、コミュニケーションのサポートが必須です。

また、プロジェクトを「納品する」ことに責任を持つのも大きなポイントです。どういった形でどんな成果を出すかを明らかにし、それが達成できない状態に陥る前にフォローが行います。

③成果を可視化する

各チームが活動を通じて得られた成果を社内にフィードバックし、採用担当者を中心に定期的な振り返りを行います。

「成果」を測るためには、達成状況が分かる数値的なゴールが必要です。例えば説明会を実施するチームなら参加者が何人だったか、そのうち選考に進んだのは何人だったかなどの定量的な目標です。
それに加え、実施した社員の印象や参加者たちの様子など、定性的な評価も必要です。スクラム採用の大きなポイントは、採用活動を最適化するために社員たちが採用に主体的に関わり、楽しみながら改善を行えるというところです。

スクラム採用のメリット

スクラム採用はつい最近提唱されたばかりの新しい考え方なので、まだまだイメージがつきにくいところです。これを導入することによってどんなメリットが生まれるのでしょうか。

採用力の向上

スクラム採用を通じて、各社員がさまざまな窓口から採用活動を行います。
そういった機会が増えることで、1つの窓口に収まらない様々な角度から求人を集めることができ採用力が高まります。これまでアプローチできなかった層にも声がかけられるようになるかもしれません。

また、人事担当者の負荷が分散されプロジェクトマネジメントができるようになりより効率的な採用活動が実施できます。

従業員エンゲージメントの向上

採用活動を行うにあたって、応募者と会って話を聞いたり、逆に会社の魅力を伝えたりする場面があります。これまでならそういったことも含めて人事担当者が一括して対応していたところを社員一人一人が行うことになるわけです。

社員の会社に対する自己理解も高まり、魅力に気付くチャンスも増えることから会社に対する愛着・思い入れが高まることになるでしょう。
社員が自社に対して持つ「愛着」や「思い入れ」を指す言葉である「従業員エンゲージメント」を意識しましょう。

スクラム採用を実施するときの注意点

スクラム採用は、「全社員一丸となって行う」ことに大きな価値がありますので、そこを意識できているかどうかが成否を分けます。

  • 「一丸となって実施する」ことを経営層に理解させているか
  • 「一丸となって実施する」ことを社員に納得させているか
  • 社員たちが活動に参加しやすいような環境を作っているか
  • 一丸となった行動をとった時にトラブルが起きないよう情報を一元管理しているか

スクラム採用の事例

この章では、実際にスクラム採用を行った会社とその内容をご紹介します。

「採用は全員の仕事」ヘイ株式会社

インターネットビジネスの企画・開発・運営を行うヘイ株式会社では、「採用は全員の仕事」という考え方をベースに毎週会社説明会を開いています。
説明会には常におよそ9割の社員が参加しています。

  • 採用は全員の仕事と位置づけ、人事と現場の役割を明確化。
  • 人事担当者は採用管理などのサポートは行うもののその他詳細(候補者の惹きつけや自社に合うかの判断など)はチームに任せる

「全社PRパーソン」PR Table

広報に関わる様々な情報を中心に発信する株式会社PR Tableでもスクラム採用を実施し、スクラム採用の考え方を「全社PRパーソン」として社内に浸透させました。

  • 「全社PRパーソン」をキーワードに、採用活動を全社で取り組む
  • 取り組みをスムーズにするため面接のフィードバック、選考プロセスなどの情報を全社員に公開
  • 施工管理システム

リフォーム会社もスクラム採用を実施できるのか?

事例で紹介した2社は、Webなど様々な最新知識に精通していて「先進的な会社」に映ったかもしれません。そういう新しい会社だから成功した取り組みで合って、リフォーム会社でこんな取り組みがやっていけるのか?と不安な気持ちにもなるでしょう。

結論から言えば、スクラム採用の実施はリフォーム会社でも可能です。ただし、方法を「変える」ことは必要かもしれません。いきなり全社的に始めることが難しければ、まずは採用担当者が親しい別部署の社員を数人集めて始めるくらいでも結構です。

結局1番の問題になりやすいのは、「経営者や社員の賛同が得られるか?」という点です。日々忙しく働くことに精一杯になっていると、新しい仕事を振られること自体に辟易している社員がいたり、そもそも新しいことに対して警戒心を持つ経営者がいるかもしれません。ここを無視して突貫できないのがスクラム採用の難しいところです。

まずは採用に対する「課題」を整理してみましょう。「普通に広告を掲載するだけでは応募もない・・・」という状態があるのなら検討の余地はあります。

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まとめ

今回は、スクラム採用についてご紹介しました。
スクラム採用を行うことで、採用力や従業員の会社に対する満足度を向上することができます。

人手不足の業界、特に小さな会社では、採用活動のみを行う社員を雇うことは難しいです。
スクラム採用を行うことで、採用活動に関わる業務を分担することが可能であるため、別の業務を行いながら平行して採用活動を行うことができます。
こうした側面から、人手不足が著しいリフォーム会社でもスクラム採用は有効なのではないでしょうか。

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AIPPEAR NET 編集部

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