経費精算や税務理調査などで使用される「領収書」は、職場などで耳にする機会も多いでしょう。
証憑書類として非常に重要な書類ではありますが、発行する意味や記載項目など初心者にとっては難しいものです。
そこで今回は、領収書の意味や正しい書き方に関して概要をご紹介します。
目次
領収書とは
領収書とは、顧客や取引先から商品やサービスを提供した対価として代金を受け取ったことを証明するための書類を指します。
顧客や取引先にとっては、領収書を受け取ることは、確実に代金の支払いをしたことの証明になります。
従って、提供者と支払者の双方で金銭の授受があったことを証明する、レシートや領収証、納品書なども領収書として取り扱う場合があります。
さらに領収書は法律上、支払者から発行の請求があった場合、金銭の受領者には発行の義務が生じます。
法律に関連しているため、領収書の発行には十分な注意が必要です。
納品書、領収書の書き方に関する記事はこちら
領収書の役割は?
領収書の役割は、上述した通り大きく分けて以下の二つです。
- 代金の過払いや支払不足、二重請求の防止
- 経費の不正防止
1.代金の過払いや支払不足、二重請求の防止
領収書の発行をしなかった場合、金銭の授受があったことを証明する客観的証拠がありません。
結果、支払い済みの代金を再度請求され、二重で支払わなければならないといった事態に陥ります。
こうした代金の二重請求に加え、代金を余計に支払ってしまう過払いや支払不足を防ぐためにも、支払の客観的証拠として領収書を発行すると良いでしょう。
さらに事業主の場合、税務調査で売上金や経費の証明となるため一定期間の保存義務が生じます。
法人・青色申告の個人事業主は「7年間」、白色申告の個人事業主の場合「5年間」は、正しく保管しておく必要があります。
※国税庁HP No.5930 帳簿書類等の保存期間
2.経費の不正防止
領収書は、社内において経費の支払いにおける不正を防ぐ役割もあります。
領収書を受領しない場合起こる事態として一例を挙げると、
交通費の支払い、「電車での通勤を申告し、実際は自転車で通勤することで交通費を着服する」ということが可能となります。
こういった事態を防ぐためにも、経費の申告の際に領収書の提出を義務付けると良いでしょう。
領収書とレシートの違い
領収書とレシートは、書いてある内容に差がありますが、「金銭を受け取った事を証明する」書類としては同等の価値があります。
なんとなくレシートよりも領収書のほうが良いという印象を持ちがちですが、情報さえ揃っていればどちらでも構わないというのが実際です。
ただし、この「情報」の種類が重要です。
領収書と領収証の違い
領収書と領収証に大きな違いはありません。
厳密にいえば「領収証」は、領収書よりも狭義の意味で扱われます。
また、領収証は役所や金融機関が発行した書類で使用されることや株式や債券など証券で取引した場合に多く使われるといった特徴があります。
領収書の記載項目と正しい書き方
領収書は、上述したとおり金銭の授受があったことを客観的に証明するための書類です。
税務調査等でも必要となる書類であるため、領収書に記載項目は、厳しく定められています。
以下は、領収書に記載・添付する必要がある項目です。
1.タイトル
タイトルは、上部や中央部などわかりやすい場所に記載するようにしましょう。
一目で「領収書」であることがわかるように記載することがポイントです。
2.通し番号
社内で領収書を管理する際、あらかじめ通し番号を記載しておくとスムーズです。
3.領収日
領収日や発行日のように、代金の受領日を必ず記載するようにしましょう。
4.宛名
上述しましたが、領収書は金銭の授受があった証憑書類となるため、宛名はに略称は使用せず、正式名称で記載する必要があります。
また、宛名は必ず代金の受領者が記載するようにしましょう。
5.発行者情報
代金の受領者(領収書発行者)に関する住所や社名などの情報を記載しましょう。
手書きや手入力だけでなく、社印を活用する場合もあります。
6.但し書き
但し書きは、代金の授受がどのようなサービスに対し行われたかを記載します。
第三者が把握しやすいよう、「交通費として」など詳しく記載するようにしましょう。
7.合計金額・内訳(税抜金額・消費税額)
受領した金額を税込みで正しく記載します。
改ざん防止のため、数字の頭に「¥」または「金」、末尾に「-」または「也」を記載しましょう。
また、「内訳」として税抜き金額や消費税額を記載しておきましょう。
8.収入印紙
受け取った売上代金が、50,000円以上の場合は、課税対象となります。
この場合、金額に沿って収入印紙を貼付する必要があります。
領収書の書き方に関する詳しい記事はこちら
領収書の注意点
ここでは領収書を作成する際に、注意すべき点をご紹介します。
受け取った領収書には保管義務期間がある
領収書は税務調査で使用する関係上、一定期間の保管が求められます。
保存期間は事業者の種類によって異なるため、自社や自分が該当する保存期間を必ず確認しておきましょう。
- 個人事業主で簡易な方法による記帳の白色申告をしている場合は5年
- 青色申告をしている場合は7年
- 青色申告の法人で欠損金が生じた事業年度(平成20年4月1日以降)は9年
近年は電子帳簿保存法の改正により、電子保存が容易になりつつあります。
ただし、電子保存方法には様々な規則があるため、注意が必要です。
電子帳簿保存法に関する記事はこちら
宛名や但し書きはできるだけ正確に
上述しましたが、領収書には支払った日付や金額のほかに「宛名」「但し書き」が必要になります。
これを「上様」「品代」としてしまうと、精算時にトラブルになってしまったり事実確認のために経理チームが大変な手間を取らなければならないことがあります。
情報はできるだけ正確に、誰が何を何のためにいくら使ったのか分かるようにしておきましょう。
クレジットカードで支払った場合の注意点
現金払いに限らず、クレジットカードで支払った場合も、領収書を発行します。
しかしクレジットカードで支払った場合は、課税対象であっても収入印紙の貼付は必要ありません。
ただし、クレジットカードで支払った旨を記載しなければならないため、注意が必要です。
さらに、クレジットカードで支払った場合は、商品やサービスの提供者からクレジットカードの利用明細を受け取ることができます。
このように、商品提供者から受け取った利用明細であれば領収書の代わりとして利用することができます。
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まとめ
今回は領収書に関する基本的な情報をまとめました。
繰り返しますが、領収書は金銭の授受を証明する非常に重要な書類です。
トラブル防止のためにも、発行する際の注意点や記載項目などを必ず確認しておくようにしましょう。
また領収書を発行する際は、テンプレートや自社にあったシステムを活用することで効率的かつ正しく作成できる為、おすすめです。
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