なかなかお客様から契約書をいただくことができない、
会社のノルマを達成できていない・・・などの悩みを、御社の営業マンは抱えていませんか?
そんなとき、営業マンに確認してほしい一言があります。
それは、「お客様の課題は聞いているか?」です。
当然、営業マンは「聞いている」と答えるでしょう。
ところが詳しく聞いてみると、聞いたつもりになっているそれは
課題ではないかもしれません。
課題が聞けていないとなれば、営業マンがやっているのは
「営業活動」ではありません。押し売りです。
今回は、営業マンが聞くべき「課題」とは何か考えてみましょう。
目次
そもそも営業マンの役割とは
営業マンの役割は「商品やサービスを売ること」と教えていませんか?
実際に行うアクションとしてはそれも内包されますが、
役割として伝える言葉にしてはこれは不十分です。
当然各社に定義があるので明確な正解はありませんが、
わたしたち営業マンの役割を
「お客様の悩みや課題を解決する手段を提案すること」と定義づけています。
これは売っている商品やサービス、BtoBやBtoCに関わらず当てはまります。
商品やサービスを提供するのは、あくまでそれが「悩みや課題を解決できるから」です。
その考えなく商品やサービスの提供しようとするのは
お客様にとって押し売りにほかならないことを御社の営業マンは理解しているでしょうか?
「結局売るんだから同じでは?」と思うかもしれませんが
実はこの微妙な違いが、優秀な営業マンとそうでない営業マンを分ける境目です。
課題とは
先ほど、営業マンの役割は
「お客様の悩みや課題を解決する手段を提案すること」とお伝えしました。
では、この場合の「悩み」や「課題」とはなんでしょうか?
例えば弊社のようなシステム会社の場合、
お客様からこんなお声がけで資料請求をいただくことがあります。
- 「顧客情報をExcelで管理しているが、入力や管理が手間で困っている」
- 「用途に合わせて様々なシステムを併用しているが、多重入力が発生して手間になっている」
- 「Excelや簡単なシステムでは集計機能が不十分で、必要な分析をするのに時間がかかってしまう」
これらのお声がけは、確かに弊社のシステムで解決できます。
手間なんだろうなぁ~というのも共感できるものです。
ですが、これは「課題」であると断言できません。
お客様はどれくらい「不満」や「不安」を抱えているか?
前述したようなお声がけをいただくと、
多くの営業マンは嬉々として自社製品のプレゼンを始めます。
もちろん、契約にいたることもあるでしょうが
逆に契約にならなかった時、どうして契約に至らなかったかが分かりません。
その状態では平均かそれ以下程度の契約件数しか達成できないでしょう。
なぜなら、その営業マンは冒頭のお声がけについて
なにが「不満」なのか、あるいは「不安」なのかを確認していないからです。
例えば、「顧客情報をExcelで管理していて、入力や管理が手間」という
お声がけについて考えてみましょう。
- 仮に手間だったとしても「仕事なんだから」やらなきゃいけない事のはず。
- どうしてわざわざシステムを導入(=お金を使う)してまで解決したいんだろう?
この観点で考えた時、お客様にとっての「本当の課題」が見えてきます。
「不満」とは、本来のイメージとのギャップ
「顧客情報をExcelで管理していて、入力や管理が手間」というなら
本当はもっと早くその作業を終わらせて、別に取り組むべき事があるのかもしれません。
あるいは、その作業に時間がかかりすぎて残業代がかさんでいて
従業員のモチベーションに影響が出ていたり、会社としてコスト見直しをしたいのかもしれません。
そういった、本来ありたいイメージとの差=「不満」を明確にする必要があります。
「不安」とは、将来起こりうる問題の想起
「顧客管理をExcelで行う」ことについて、現時点では問題なく稼働しているのかもしれません。
それでも近い将来に人を増やすとなった際に回らなくなるのではないか?という気持ちや、
万が一このExcel管理の方法が上手くいかなくなったときに、
管理に不備が発生して業務が回らなくなり、業務が回らなくなった結果社員の効率や
業務品質が下がり最終的に売り上げが落ちるかもしれません。
また、売上が下がってもシステム面での改善が出来ない状態なので
結局人員を増やす、あるいは残業を増やすという改善策しか取ることができず
社員のモチベーションは下がり更に品質低下、仮に多少売上が上がっても
人員が増えているので一人当たりの給与が下がり従業員の離職が始まるかもしれません。
こういった将来起こりうる問題=「不安」も、大きな課題のひとつです。
これらの「不満」や「不安」が課題です。
「課題」が分かれば「欲求」が生まれる
課題が明確であればあるほどお、それを解決したいという「欲求」がお客様に生まれます。
営業マンが提案する商品やサービスは、この欲求を解決できるものだから売れるのです。
課題が明確であればあるほど、商品やサービスを導入する価値は高まり、
営業マンが行うプレゼンにも高い効果が生まれます。
大切なのは、潜在的な「課題」を顕在化すること
お客様が自分自身の課題について、明確に理解していないときがあります。
そういった際に、前述した「不満」や「不安」を論理を用いて感情に訴えることで
潜在的な課題を顕在化することが重要です。
当然、課題を顕在化する最中にお客様が
「実は商品やサービスをそこまで必要としていなかった」ことに気付くこともあります。
これを「売るチャンスを失った」と考えるのは早計です。
本来は不必要だったお客様が契約してしまうと、将来的にクレームに繋がるリスクを抱えます。
むしろ不必要であることを明確に共有することで、お客様は営業マンに「人間としての信頼感」を得ます。
将来的に、そのお客様に最適な商品を取り扱うことになった際アプローチできるチャンスもあります。
また、しっかりと課題を明確にしてお客様と契約したり
課題を明確にしたうえで不必要と判断してもらうことで、お客様の周りに近い課題を持った方がいた場合に
御社にどなたかを紹介してくれるようになる可能性もあり、むしろこの可能性を大切にするべきです。
お客様の「課題」を明らかにするフレーズ
- 「お声がけくださった(または営業マンの話を聞いてもいいと思った)きっかけはなんですか?」
- 「どうしてその問題を解決したいんですか?」
- 「それを解決することで、御社にとってどんなメリットがありますか?」
- 「(課題が潜在化しているとき)想像してみてください、もし・・・(課題を放置した結果生まれうる未来を説明)」
まとめ
今回は、営業マンが営業活動でもっと大切にするべき
お客様の「課題」について紹介しました。
当然、営業マンの在り方には様々な形があるので
今回紹介した在り方が唯一無二であるとは限りません。
それでもこの在り方はお客様にとっても営業マンにとっても
気持ちよくビジネスができる形であり、
お客様と営業マンの関係性が構築できるので、新たな紹介客が得られる可能性もあります。
ぜひ一度、御社の営業マンの「課題」の聞き方について
確認してみてください。