建設業で働いていると技能講習や特別教育ということはをよく聞くのではないでしょうか?
労働安全衛生法により、一定の危険有害な業務に就く場合、「免許」の取得や「技能講習」、「特別教育」の実施を義務付けています。
危険有害な業務を行っている企業は免許の取得や技能講習・特別教育の修了を徹底し、漏れのないように管理しましょう。
作業主任者とは
安全衛生法第14条によれば、一定の危険有害な作業においては、選任が義務付けられています。選任されるのは、作業の管理監督を行う者であり、具体的な作業の例としては、石綿作業や有機溶剤作業、酸素欠乏危険作業などが挙げられます。
選任が必要な作業は業種や事業場の規模に関係なく適用されます。一部の作業においては、都道府県労働局長の免許を取得した者や特定の技能講習を修了した者から選任しなければなりません。
選任された者の主な業務には、危険作業の指揮や有害設備の管理などが含まれます。
報告義務は所轄労働基準監督署長にはありませんが、選任義務があるにもかかわらず選任されなかったり、規定の業務を行わなかった場合には罰則が科せられます。
石綿作業、安全管理に関する記事はこちら
特別教育・技能講習・免許の違いとは
技能講習や特別教育は、労働者が特定の業務を安全かつ適切に行うために必要な技能や知識を習得するための教育プログラムです。
これらのプログラムは、製造業や建設業などの産業で特に重要です。以下に、それぞれの概念について詳しく説明します。
技能講習とは
技能講習は、特定の技能や作業を実践的に学ぶための教育プログラムです。例えば、特定の機械の操作や特定の工程の実施方法などが含まれます。
これらの講習は、労働者が安全かつ効率的に作業を行うために必要なスキルを身につけるのに役立ちます。
特別教育
特別教育は、一般的な労働者や作業者に対して行われる安全教育や衛生教育などのプログラムを指します。
これには、労働安全衛生法で定められた労働災害防止や労働環境の改善に関する知識やスキルが含まれます。
特別教育は、労働者が安全な作業環境で働くために必要な基本的な知識を提供します。
免許
免許は、特定の作業や業務を行うために必要な許可証や資格を指します。
免許は、一般的に特定の技能や職種に関連する法的な規定に基づいて取得されます。
例えば、特定の機械を操作する場合や特定の職種で働く場合には、それに対応した免許が必要とされます。
要約すると、技能講習は特定の作業や技能を学ぶための教育プログラムであり、特別教育は労働安全衛生などの基本的な知識を提供する教育プログラムです。
一方、免許は特定の作業や業務を行うために必要な許可証や資格を指します。
これらは、労働者が安全かつ効率的に作業を行うために必要な要素であり、労働安全衛生法などの法的な規定に基づいて取得されます。
作業主任者が必要な業務とは
業務の種類と資格種類についてまとめましたのでみていきましょう。
作業主任者名称 | 選任すべき作業 | 資格種類 |
---|---|---|
高圧室内作業主任者 | 潜函工法その他の圧気工法により大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部において行う作業</td > | 免許 |
ガス溶接作業主任者 | アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置(10 以上の可燃性ガスの容器を導管により連結したもの又は 9 以下の連結で水素若しくは溶解アセチレンの場合は 400 リットル以上、他は 1,000 リットル以上)を用いて行う金属の溶接、溶断、加熱業務 | 免許 |
林業架線作業主任者 | 次のいずれかの機械集材装置、運材索道の組立、解体変更、修理の作業又はこれらの設備による集運材作業(①原動機定格出力 7.5kwを超えるもの②支間の斜距離の合計が 350m 以上のもの③最大使用 荷重が 200kg 以上のもの) |
免許 |
ボイラー取扱作業主任者 | ボイラー取扱業務(小型を除く→令 1 条 4 号) ①特 級=伝熱面積合計 500 ㎡以上(貫流のみは除く) ②1 級以上=伝熱面積合計 25 以上 500 ㎡未満(貫流のみ 500 ㎡以上) ③2 級以上=伝熱面積合計 25 ㎡未満 ④技能講習以上=令 6 条 16 号イからニまでのボイラー |
ボイラー技士免許等 |
エックス線作業主任者 | 次の放射線業務 (但し医療用又は波高値による定格電圧が 1,000KV 以上のエックス線装置使用は除く) ①エックス線装置の使用又はエックス線の発生を伴う装置の検査業務 ②エックス線管、ケノトロンのガス抜き又はエックス線発生を伴う これらの検査の業務 |
免許 |
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 | ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真撮影の作業 | 免許 |
木材加工用機械作業主任者 | 丸のこ、帯のこ、かんな盤、面取、ルーターで合計 5 台以上(自動送材車式帯のこ盤を含む場合は 3 台以上) | 技能講習 |
プレス機械作業主任者 | 動力プレス 5 台以上 | 技能講習 |
乾燥設備作業主任者 | ①乾燥設備内容積 1 ㎥以上(令別表第 1 の危険物に係るもの) ②危険物以外、熱源に燃料又は電力使用 |
技能講習 |
コンクリート破砕器作業主任者 | コンクリート破砕器を用いる破砕作業 | 技能講習 |
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者 | 掘削面の高さ 2m以上の地山の掘削の作業 (技能講習は「地山の掘削及び土止め支保工で統一」) 土止めの支保工の切りばり、腹おこしの取付け又は取りはずしの作業 (同上) |
技能講習 |
ずい道等の掘削等作業主任者 | ずい道等の掘削、ずり積み、支保工組立(落盤、肌落防止用)、ロックボルト取付、コンクリート等吹付 | 技能講習 |
ずい道等の覆工作業主任者 | ずい道等覆工(型わく支保工)組立、解体、移動、コンクリート打設 | 技能講習 |
採石のための掘削作業主任者 | 掘削面の高さ 2m以上となる採石法 2 条の岩石の採取のための掘削 | 技能講習 |
はい作業主任者 | 高さ 2m 以上のはい付け、はいくずし (但し、ばら物荷や荷役機械の運転者のみで行う作業は除く) |
技能講習 |
船内荷役作業主任者 | 船舶荷積み卸、船舶内荷移動 (但し、500t 未満の船舶で揚貨装置を用いない作業は除く) |
技能講習 |
型枠支保工組立て等作業主任者 | 型わく支保工の組立て、解体の作業(但し、建築物の柱・壁・橋脚、ずい道のアーチ・側壁等のコンクリート打設用は除く) | 技能講習 |
足場の組立て等作業主任者 | つり足場、張出足場又は高さが 5m以上の足場の組立、解体、変更の作業(ゴンドラのつり足場は除く) | 技能講習 |
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者 | 建築物の骨組み・塔であって高さが 5m 以上の金属製の部材により構成されるものの組立て、解体、変更 | 技能講習 |
鋼橋架設等作業主任者 | 橋梁の上部構造であって金属部材により構成されるものの架設、解体、変更(但し、高さ 5m 以上又は橋梁支間 30m 以上に限る) | 技能講習 |
木造建築物の組立て等作業主任者 | 軒高 5m 以上の木造建築物の構造部材組立て、屋根下地外壁下地の取付 | 技能講習 |
コンクリート造の工作物の解体等作業主任者 | 高さ 5m 以上のコンクリート造工作物の解体、破壊 | 技能講習 |
コンクリート橋架設等作業主任者 | 橋梁の上部構造であってコンクリート造のものの架設又は変更(但し、高さ 5m 以上又は橋梁支間 30m 以上に限る) | 技能講習 |
第一種圧力容器取扱作業主任者 | 第一種圧力容器の取扱作業(但し、令 1 条 6 号小型圧力容器及び令 6 条 17 号イ、ロは除く) | ※1 |
特定化学物質作業主任者 | 令別表第 3 の特定化学物質(1 類・2 類・3 類)製造又は取扱(但し、試験研究の取扱業務は除く) | 技能講習 |
鉛作業主任者 | 令別表第 4 の鉛業務 1 号から 10 号まで(但し、遠隔操作の場合は除く) | 技能講習 |
四アルキル鉛等作業主任者 | 令別表第 5 の四アルキル業務 1 号から 6 号・8 号(講習は 18 と同一) | 技能講習 |
酸素欠乏危険作業主任者(第 1 種) | 酸素欠乏危険場所における作業(第一種酸素欠乏危険作業) | 技能講習 |
酸素欠乏危険作業主任者(第 2 種) | 酸素欠乏危険場所(酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る)における作業 (第二種酸素欠乏危険作業) | 技能講習 |
有機溶剤作業主任者 | 令別表第 6 の 2 に掲げる有機溶剤の製造又は取扱 | 技能講習 |
石綿作業主任者 | 石綿若しくは石綿をその重量の 0.1%を超えて含有する製剤その他の物を取扱う作業、試験研究のため製造する作業 | 技能講習 |
※1:化学設備にかかる第一種圧力容器の場合は化学設備第一種圧力容器作業主任者技能講習
上記以外はボイラー技士免許(特級・1 級・2 級)、第一種圧力容器作業主任者技能講習(化学設備・普通)
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まとめ
作業主任者についてみてきましたがいかがしょうか。
特別教育・技能講習・免許の順番に取得が難しくなっており、出来ることが増えていきます。
これはその分作業の危険度が増すということを意味します。
取得をせずに工事をすると罰せられるのでしっかりと取得していることを管理していきましょう。
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