シーリング工事とは?種類や工事手順を解説

シーリング工事とは?種類や工事手順を解説

シーリング工事とは、建物の隙間や目地にシーリング材を充填し、水や空気の侵入を防ぐ工事のことです。建物の耐久性を維持し、快適な居住環境を保つために欠かせない重要な工程です。

この記事では、シーリング工事の基本的な種類や工事手順について詳しく解説します。シーリング工事の基礎知識を身につけ、適切な施工方法を理解することで、建物の劣化を防ぎ、長期にわたって安心して暮らせる環境を整えましょう。

シーリング工事とは?


シーリング工事は、建築物や構造物の接合部や隙間を密閉するために行われる作業です。

シーリング(またはコーキング)材料を使用して、水や空気の侵入を防ぎ建物の防水性や断熱性を向上させることが主な目的です。
シーリング工事は以下のような場面で重要です。

  1. 外壁の接合部:外壁と窓枠やドア枠の接合部、外壁同士の接合部などにシーリングを行い、水や風の侵入を防ぎます。
  2. 屋根の接合部:屋根材の接合部や煙突の周囲などにシーリングを施し、雨漏りを防ぎます。
  3. 浴室やキッチン:水回りの隙間や接合部にシーリング材を使い、水漏れやカビの発生を防ぎます。
  4. コンクリートのひび割れ:コンクリート構造物のひび割れにシーリングを行うことで、構造物の耐久性を保ちます。

シーリング材料には、シリコーン、ポリウレタン、アクリルなどさまざまな種類があり、それぞれ特性や用途に応じて選ばれます。
施工方法は、シーリング材を専用のガンで接合部や隙間に注入し、ヘラなどで均等にならして仕上げます。

シーリング工事は、建物の防水性や断熱性、耐久性を高めるために重要な工程であり、定期的なメンテナンスも必要です。
劣化したシーリング材を放置すると、水漏れや構造物の劣化の原因となるため、適切な時期に再施工することが推奨されます。

シーリング材の種類とは?

シーリング材にはいくつかの種類があり、それぞれ特性や用途が異なります。
以下に主要なシーリング材の種類とその特性、用途を紹介します。

シリコーンシーラント

  1. 特性:高い耐候性、耐熱性、耐水性、弾力性に優れています。
  2. 用途:外壁の接合部、窓枠、浴室やキッチンの水回り、ガラスの接着など。特に外部での使用に適しています。

ポリウレタンシーラント

  1. 特性:高い弾力性と接着力、耐衝撃性に優れています。塗装が可能です。
  2. 用途:外壁や屋根の接合部、土木構造物、木材や金属の接合部。多用途に使えますが、特に建築外部の動きが多い箇所に適しています。

アクリルシーラント

  1. 特性:コストが比較的低く、簡単に使用できます。塗装が可能です。
  2. 用途:内装の隙間、クラックの補修、非構造的な接合部。外部での使用には向いていません。

ブチルゴムシーラント

  1. 特性:非常に粘着性が高く、防水性に優れています。硬化しません。
  2. 用途:屋根やサッシの防水、車両や船舶の接合部。防水が必要な部分に適しています。

ポリサルファイドシーラント

  1. 特性:優れた耐薬品性、耐水性、耐候性があります。弾力性にも優れています。
  2. 用途:コンクリートの伸縮目地、燃料タンクのシーリング、航空機のシーリング。過酷な環境下で使用されます。

MS(モディファイドシリコーン)シーラント

  1. 特性:シリコーンとポリウレタンの特性を併せ持ち、優れた接着性と耐候性があります。塗装が可能です。
  2. 用途:建築物の外部や内部の接合部、金属、木材、コンクリート、ガラスなど幅広い材料に使用されます。

各シーリング材は、使用する環境や目的に応じて選ばれることが重要です。
適切なシーリング材を使用することで、建物の防水性や耐久性が向上し、長期間にわたって良好な状態を保つことができます。

シーリング工事のメリットとは?

シーリング工事には多くのメリットがあり、建物の性能や耐久性を向上させるために重要です。以下に主なメリットを紹介します。

  • 防水性の向上
    シーリング材を使用することで、外壁や窓枠、屋根などの接合部や隙間からの水の侵入を防ぐことができます。これにより、雨漏りや水による建物の劣化を防ぎます。
  • 気密性の向上
    隙間をシーリングすることで、風や冷気、ほこりの侵入を防ぎます。これにより、室内の快適性が向上し、エネルギー効率が高まります。
  • 断熱性の向上
    気密性が高まることで、外気温の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保つことができます。これにより、冷暖房の効率が上がり、省エネルギー効果が期待できます。
  • 防音効果
    シーリング材が隙間を埋めることで、外部からの騒音の侵入を防ぎ、室内の静けさを保つことができます。
  • 建物の美観維持
    シーリング材で隙間や接合部を整えることで、外観が美しく整います。また、劣化したシーリング材を定期的に交換することで、建物の見た目を長期間良好に保つことができます。
  • カビや腐食の防止
    水回りや外部の接合部にシーリングを施すことで、水の浸入を防ぎ、カビの発生や建材の腐食を防ぎます。これにより、建物の健康を保つことができます。
  • 建物の耐久性向上
    シーリング材が建物の構造部分を保護し、劣化を防ぐことで、建物全体の耐久性が向上します。特に外部環境の影響を受けやすい部分にシーリングを行うことで、長期間にわたり建物の性能を維持できます。

これらのメリットを享受するためには、適切なシーリング材を選び、正確な施工を行うことが重要です。
また、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、シーリング材の劣化を防ぎ、建物の性能を長期間にわたり維持することができます。

シーリング工事のデメリットとは?

シーリング工事には多くのメリットがありますが、デメリットや注意点も存在します。以下に主なデメリットを紹介します:

  • 定期的なメンテナンスが必要
    シーリング材は経年劣化するため、定期的な点検と交換が必要です。これにより、長期的には手間や費用がかかります。
  • 初期費用が発生する
    シーリング工事には材料費や施工費用がかかります。特に大規模な建物や広範囲にわたるシーリング工事の場合、初期費用が高額になることがあります。
  • 施工不良のリスク
    施工が不適切だと、シーリング材が効果を発揮せず、水漏れや気密性の低下が発生する可能性があります。信頼できる業者を選び、適切な施工を行うことが重要です。
  • 材料の選択が重要
    使用するシーリング材の種類や品質によって効果が大きく変わります。適切な材料を選ばないと、期待される性能を発揮できないことがあります。
  • 外観への影響
    シーリング材の色や仕上がりによっては、建物の外観に影響を与えることがあります。特に見た目を重視する場所では、慎重な材料選びと施工が求められます。
  • 環境への影響
    一部のシーリング材には有害な化学物質が含まれていることがあり、施工時や廃棄時に環境への影響が懸念されます。環境に配慮した製品を選ぶことが重要です。
  • 硬化時間が必要
    シーリング材が完全に硬化するまでに時間がかかる場合があります。この間、触れたり水がかかったりすると、施工が台無しになることがあります。
  • 温度や湿度の影響
    シーリング材の性能は施工時の温度や湿度に影響を受けることがあります。適切な条件で施工しないと、硬化不良や接着不良が発生する可能性があります。
  • 化学的な相性
    特定のシーリング材は、他の建材や塗料と相性が悪い場合があります。適切な組み合わせを選ばないと、シーリング材の劣化が早まったり、接着力が弱まったりすることがあります。

これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、シーリング工事の効果を最大限に引き出し、建物の性能を維持することができます。
信頼できる業者に依頼し、適切な材料と施工方法を選ぶことが重要です。

シーリング工事の手順とは?

シーリング工事の手順は、正確かつ効率的に施工するために重要です。以下に一般的なシーリング工事の手順を紹介します。

1. 準備作業

まずは、どの工事でも必要な準備作業を行います。

現場の確認と計画

施工箇所を確認し、必要なシーリング材や工具を用意します。
施工範囲の計測とマーキングを行います。

表面の清掃

古いシーリング材を除去し、施工箇所をきれいにします。
ブラシや高圧洗浄機を使用して、ほこりや汚れ、油分を取り除きます。

養生作業

シーリング材が不要な箇所に付着しないように、マスキングテープで周囲を養生します。

2. シーリング材の選定と準備

次に適切なシーリング材の選定と準備を行う必要があります。

シーリング材の選定

使用場所や目的に適したシーリング材を選びます(シリコーン、ポリウレタン、アクリルなど)。

シーリング材の準備

必要に応じて、シーリング材を混合したり、専用のガンにセットしたりします。

3. シーリング材の充填

次に、シーリング材を充填し均していきます。

シーリング材の適用

シーリングガンを使用して、接合部や隙間に均一にシーリング材を充填します。
直線的にゆっくりとガンを動かし、一定の量を出し続けることが重要です。

均し作業

ヘラや指でシーリング材を均し、表面を滑らかに整えます。均し作業はシーリング材が乾燥する前に行います。

4. 仕上げと乾燥

次に、余分なシーリング材を取り除き、乾燥を行います。

余分なシーリング材の除去

必要に応じて、マスキングテープを慎重に剥がし、余分なシーリング材を取り除きます。

乾燥時間の確保

シーリング材が完全に硬化するまで、触れたり水がかかったりしないように注意します。硬化時間は材料によって異なります。

5. 最終確認とメンテナンス

最終確認を行い、シーリング工事は完了です。

最終確認

乾燥後、シーリングの仕上がりを確認し、必要があれば追加の補修を行います。

メンテナンス計画

定期的な点検とメンテナンスのスケジュールを立て、シーリング材の状態をチェックします。

シーリング工事の成功には、適切な材料の選定、丁寧な準備作業、正確な施工が重要です。専門的な知識と技術を持つ業者に依頼することで、長期間にわたり効果を発揮するシーリング工事を実現できます。

まとめ

シーリング工事とは、建物の隙間や目地にシーリング材を充填することで、水や空気の侵入を防ぐ工事のことを指します。
建物の防水性や気密性を高め、快適な住環境を維持するために重要な作業です。

外壁や内装、屋根、水回りなど、様々な場所で適用されるため、それぞれに適したシーリング材を選び、適切な手順で施工することが求められます。
工事の手順を守り、高品質な仕上がりを目指すことが重要です。

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