電気配線工事の費用はどれくらい?相場や費用の内訳を解説!

電気配線工事の費用はどれくらい?相場や費用の内訳を解説!

電気工事には、一般的なものから太陽光発電の設置やオール電化への切り替えなど、さまざまな種類がありますが、それらのすべてに共通するのが電気配線工事です。

電気工事を検討する際には、料金についても考慮する必要があります。特にオフィス規模の場合、電気配線工事だけでもかなりの費用がかかると心配される方もいるでしょう。

工期や作業の順序を最適化し、無駄な時間やコストを削減することができれば、全体の費用を抑えることができます。電気工事を検討する際には、ぜひ参考にしてください。

まずは、電気配線工事の料金相場を把握することが重要です。市場価格を確認し、複数の見積もりを比較することで、適切な価格を見極めることができます。

電気配線工事とは

電気配線工事とは
電気配線工事は、建物や施設内で電気を使うための重要な作業です。電気配線工事は建築物や住宅の新築や改築、リフォームなどの際に行われます。
一般的なものから特殊なものまでさまざまな種類があります。

電気コンセントの増設や照明器具の設置などの一般的な作業から、太陽光発電システムの構築やオール電化への切り替えなど、電気配線工事はあらゆる電気工事に関わってきます。

電気配線工事の種類とは

電気配線工事とは実際どのような工事をするのでしょうか?電気配線工事が行う工事を見ていきましょう。

コンセント・スイッチ

コンセント・スイッチの増設は、通常、電気配線を介して新しいコンセントとスイッチを既存の電気回路に追加します。これにより、コンセントに電気が供給されるかどうかを、追加されたスイッチで制御できるようになります。

例えば、一つの部屋に新しいコンセントとスイッチを追加する場合、壁や床に配線を引き、新しいコンセントを設置し、そこに電気を供給するための配線を接続します。また、それを制御するためのスイッチも追加します。これにより、その部屋の電源を必要に応じて制御できるようになります。

照明器具の設置・増設

照明器具の設置や増設工事は、新しい照明器具を取り付けるための電気配線や取り付け作業を指します。
まず、どこに照明器具を設置するかを決定し、その位置に最適な配線経路を計画します。また、照明の種類や明るさ、スイッチの配置など、設置する照明器具に関する詳細な設計も行います。

次に、照明器具を設置する場所まで電気配線を引きます。壁や天井の内部に電線を配線し、電気配線を新しい照明器具に接続をします。
電気配線が完了したら、照明器具を取り付けます。

最後に照明器具を操作するためのスイッチを取り付けます。これにより、照明器具の電源をオン/オフできるようになります。
全ての取り付け作業が完了したら、電気を通して照明器具が正常に動作することを確認します。必要に応じて、照明器具の位置や明るさを調整します。

ブレーカー関連

ブレーカー関連の工事は、電気配線や電気回路に関連したブレーカー(遮断器)や分電盤(配電盤)の設置、交換、修理、改修などを指します。ブレーカーは、電気回路に流れる電流を制御し、過電流やショート・サーキットなどの問題が発生した場合に電気系統を自動的に遮断する役割を果たします。

ブレーカー関連の工事にはいくつかの種類があります。

  • 新規設置
    新しい電気回路を追加する場合や、新しい電気システムを導入する場合には、適切なブレーカーや分電盤を設置する必要があります。
  • ブレーカーの交換
    古くなったり故障したりしたブレーカーを交換する作業です。ブレーカーが過負荷や他の問題で遮断された場合、交換が必要になります。
  • 分電盤の改修
    電気システムの変更やアップグレードに伴い、分電盤の改修が必要な場合があります。これには、新しいブレーカーの追加や、既存のブレーカーの移動、電気回路の再配線などが含まれます。
  • 保守点検
    定期的な点検や保守作業が行われます。これには、ブレーカーの動作確認、接続の締め直し、絶縁の確認などが含まれます。

LAN関連

LAN(Local Area Network)関連の工事は、ローカルエリアネットワークを構築、拡張、メンテナンスするための作業を指します。LANは、オフィス、家庭、学校、企業などの小規模な場所でコンピューターやネットワークデバイスを接続するためのネットワークです。

LAN関連の工事には以下のような作業が含まれます:

  • 配線の設置
    LANケーブルを敷設し、異なる部屋やフロアにコンピューターやネットワークデバイスを接続するための物理的なインフラストラクチャを構築します。これには、壁や天井に配線を通したり、配線用のダクトやトレイを設置したりする作業が含まれます。
  • ネットワーク機器の設置
    LANスイッチ、ルーター、ネットワークハブなどのネットワーク機器を設置します。これらの機器は、LAN上のデバイス同士が通信するための中継役を果たします。
  • LANのセットアップと構成
    LANを設定し、適切なIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイなどのネットワーク設定を構成します。また、ネットワークセキュリティやアクセス制御などの構成も行います。
  • LANのテストとトラブルシューティング
    LANが正常に動作しているかどうかをテストし、必要に応じてトラブルシューティングを行います。LANの速度や信頼性を確認し、問題が発生した場合には修正や修理を行います。

LAN関連の工事は、コンピューターネットワークに関する専門知識と技能が必要です。また、LANの構築やメンテナンスには、適切なネットワーク設計やセキュリティ対策が重要です。

エアコンの設置

エアコンの設置は、室内空間にエアコンユニットを取り付け、それを適切に接続して使用可能な状態にする作業です。
一般的に、エアコンの設置には以下の手順が含まれます。

  • 場所の選定
    エアコンを設置する場所を選定します。これには、エアコンの冷却または暖房効果を最大限に発揮できる場所を選ぶことが重要です。また、室内の壁や窓の位置、電源の可用性なども考慮されます。
  • 取り付け場所の準備
    エアコンの取り付けに適した場所に、設置ブラケットや壁マウントなどを取り付ける準備をします。これには、適切な位置に穴を開けたり、壁面を補強したりする作業が含まれます。
  • 室内ユニットの取り付け
    エアコンの室内ユニットを選定した場所に取り付けます。これには、ユニットをブラケットに取り付けたり、壁に取り付けたりする作業が含まれます。また、排水ホースなどの配管も接続します。
  • 室外ユニットの取り付け
    エアコンの室外ユニットを適切な場所に取り付けます。これには、地面にユニットを設置したり、壁に取り付けたりする作業が含まれます。また、ユニットを適切に水平に配置することも重要です。
  • 配管の接続
    室内ユニットと室外ユニットを接続するための配管を接続します。これには、冷媒管や排水ホースなどの配管を接続し、適切に固定する作業が含まれます。
  • 電源の接続
    エアコンユニットを電源に接続します。これには、電源ケーブルを適切に配線し、電源を供給するための回路を設定する作業が含まれます。
  • 動作確認とテスト
    エアコンの設置が完了したら、エアコンを動作させて正常に動作するかどうかを確認します。これには、冷房モードや暖房モードでの動作テスト、風量や温度設定の調整などが含まれます。

エアコンの設置は、電気配線や冷媒配管などの接続作業は安全性を確保するために慎重に行われる必要があります。
そのため、エアコンの設置作業を行う際には、経験豊富なエアコン技術者や専門のエアコン設置業者に依頼することが推奨されます。

防犯器具の設置

防犯器具の設置における電気工事は、防犯目的で使用される様々な電気装置やシステムを建物や屋外空間に設置する際に必要な電気配線や電源の設置、接続、設定などの作業を指します。
これには以下のような作業が含まれます。

  • 電源の設置
    防犯器具が必要とする電源がない場合、新しい電源回路を設置する必要があります。これには、電気配線を引き、適切な場所に電源コンセントや配電盤を設置する作業が含まれます。
  • 配線の設置
    防犯カメラやセンサーライトなどの防犯器具に電力を供給するための電気配線を設置します。これには、器具から電源までの配線経路を決定し、配線を通したり、配線を固定したりする作業が含まれます。
  • 器具の取り付けと接続
    防犯カメラやセンサーライトなどの防犯器具を適切な場所に取り付け、電源と接続します。これには、器具を取り付けるためのブラケットやマウントを設置し、器具の電源線や制御線を配線に接続する作業が含まれます。
  • 電源の設定と調整
    防犯器具の電源を供給する電源回路や電源装置の設定や調整を行います。これには、電圧や電流の調整、電源の安定化、電源装置の動作モードの設定などが含まれます。
  • テストと調整
    防犯器具が正常に動作するかどうかをテストし、必要に応じて調整を行います。これには、カメラやライトの動作確認、センサーの感度調整、アラームや警報の動作確認などが含まれます。

防犯器具の設置における電気工事は、安全を確保するために慎重な作業が必要です。電気配線や電源の接続を誤ると、火災や感電の危険性がありますので、専門的な知識や技能が求められます。

換気扇やレンジフードのダクト設置

換気扇やレンジフードのダクト設置における電気工事は、主に以下のような作業を含みます。

  • 電源配線の設置
    換気扇やレンジフードに電力を供給するための電源配線を設置します。これには、電気配線を引き、適切な位置にコンセントや配電盤を設置する作業が含まれます。
  • スイッチの取り付け
    換気扇やレンジフードの適切な操作を可能にするために、スイッチを取り付けます。これには、壁にスイッチボックスを取り付け、スイッチと電源配線を接続する作業が含まれます。
  • 接続作業
    換気扇やレンジフードに電力を供給するための電気配線を、電源から本体に接続します。これには、適切な配線を確実に接続し、絶縁を適切に行うことが含まれます。
  • 地絡の設置
    安全を確保するために、地絡(グランディング)を設置します。これにより、電気装置に異常が発生した場合に電気を安全に導き、感電や火災のリスクを軽減します。
  • 安全性の確認
    安全性を確保するために、電気工事が適切に行われていることを確認します。これには、配線の絶縁テストや接地の確認などが含まれます。

建物の電気システムと直接関連しており、正しく行われなければ安全性や機能性に問題が生じる可能性があります。そのため、電気工事には専門的な知識や技能が必要であり、電気技師や資格を持った電気工事業者に依頼することが重要です。

電気配線工事相場とは

電気配線工事相場とはどの程度なのでしょうか。種類別に確認していきましょう。

コンセント・スイッチ

コンセントやスイッチの増設を検討している方は多いですね。一般的なコンセント・スイッチ工事の費用について、以下が下限となります。

  • コンセント・スイッチ交換:約3,000円~約15,000円
  • コンセント増設:約10,000円~約30,000円
  • スイッチ新設・増設:約5,000円~約10,000円

通常の片切りスイッチの場合は比較的安価ですが、スイッチの種類によっては費用が増えることがあります。例えば、1つの照明を複数の場所から操作する「3路スイッチ」などの場合は、費用が高くなることがあります。

また、コンセントの場合も屋外用の場合は増設費用が高くなることがありますので、その点も留意してください。

照明器具の設置・増設

照明器具の工事は、主にランプの取り付けや取り換えがメインです。

  • 照明器具取り付け:約1,500円~約5,000円
  • 照明器具・シーリング交換:約10,000円~約30,000円

一般的な照明器具の取り付けでは、上記の料金相場内で作業を行うことができます。ただし、取り付ける場所や照明器具の種類によっては、費用が増えることがあります。例えば、シャンデリアなどの設置が複雑な照明器具の場合は、料金が相場を上回ることも考えられます。そのため、作業内容や照明器具の種類を事前に確認し、予算内で工事を行えるようにすることが大切です。

ブレーカー関連

ブレーカーや分電盤に関連する工事は、不具合があると家庭や施設の電気が使用できなくなってしまうため、迅速な対応が求められます。主な価格相場は以下の通りです。

  • ブレーカー交換・追加:約5,000円~約15,000円
  • 分電盤交換:約35,000円~約80,000円

ブレーカーにはさまざまな種類があり、安全ブレーカー以外にも漏電ブレーカーやアンペアブレーカーなどがあります。漏電やアンペア関連の工事は通常高額になる傾向があるため、注意が必要です。

分電盤の交換に関しては、料金がかなり高額になることがあります。分電盤の種類や設置状況によっては数万円以上の費用がかかることもありますので、予算を考慮した計画を立てることが重要です。

LAN関連

オフィスなどで重要な役割を果たすLANや電話配線の工事は、作業範囲の広さや複雑さから価格が比較的高めになる傾向があります。

  • LAN工事:約10,000円~約20,000円
  • LANコンセント設置:約5,000円~約40,000円
  • 電話用モジュラージャック設置:約30,000円~約60,000円

特にLAN配線工事は、オフィスの広さや環境によっては10万円程度にまで費用がかさんでしまうこともあります。ですので、一度見積もりを取ってみることが重要です。

エアコンの設置

エアコンの設置には、配線や専用のコンセントなどが必要です。そのため、設置費用の相場だけでなく、関連する工事費用も確認しておきましょう。

  • エアコン標準工事:約15,000円~約30,000円
  • エアコン取り外し工事:約5,000円~約10,000円
  • 専用回路増設:約15,000円~約30,000円

一般的なサイズのエアコンであれば、上記の価格で設置が可能です。ただし、大型のエアコンや業務用エアコンなどは、設置に手間や工事が増えるため、費用も相応に高くなることがあります。特に4kw以上の大型のエアコンは、設置に関する工事費用に注意が必要です。

防犯器具の設置

防犯器具の設置工事費用は、防犯カメラ、人感センサーライト、警報装置などを考慮して、一般的には5万円からが相場です。ただし、この価格には防犯器具の本体代金は含まれていませんので、別途購入費用がかかることに注意が必要です。

また、情報セキュリティを強化するための工事もあります。ウイルス感染や不正アクセスを防ぐための情報セキュリティ工事は、一般的には10万円からの価格帯が一般的です。これらの工事にかかる費用は、セキュリティ対策の内容や規模によって変動する場合がありますので、具体的な内容を検討する際には見積もりを取ることが重要です。

換気扇やレンジフードのダクト設置

換気扇やレンジフードのダクト工事費用は、一般的には7,000円から3万円程度です。ただし、工事内容や設置する場所によって費用は変動しますので、見積もりを取ることが重要です。

重要なポイントとして、換気扇本体の購入費用と取付工事費用が別になっていることが挙げられます。このため、換気扇本体と工事を別々の業者に依頼することで、費用を抑えられる場合があります。比較検討することで、よりコスト効率の良い選択ができるでしょう。

電気配線工事にかかる費用の内訳とは

電気配線工事の相場を見てきましたが、実際何に費用がかかっているのでしょうか?
費用の内訳をみていきましょう。

材料費や運送費

工事の材料費や運送費は、工事に使用される材料の調達費用や、それらの材料を現場に運搬するための費用です。
これらの費用は工事の実施に不可欠であり、工事の総費用に含まれます。

具体的な要素は以下の通りです:

  • 材料費
    工事で使用される建材や資材の購入費用です。これには、コンクリート、鉄骨、木材、配管、配線、給排水設備、塗料、タイル、窓ガラスなど、建物を構成するあらゆる材料が含まれます。
  • 運送費
    工事現場に材料を運搬するための費用です。これには、トラックや重機のレンタル料、燃料費、運転手の賃金、道路使用料などが含まれます。また、特に大型の材料や重量のある材料を運搬する場合には、クレーンやフォークリフトの運搬費用も含まれる場合があります。

これらの費用は、工事の規模や内容、材料の種類や供給状況などによって異なります。

作業員の労務費

工事を行う作業員の労務費がかかってきます。
作業員の労務費は、その作業員が企業に負担させる人件費の総称です。具体的には、作業員の給与や手当、社会保険料、労働保険料などが含まれます。

労務費の要素は以下の通りです。

  • 基本給
    作業員が基本的な労働を行う対価として支給される給与です。一般的に、役職や経験、地域などによって異なります。
  • 手当
    交通費、住宅手当、家族手当、残業手当、深夜手当、休日手当などの手当が含まれます。これらの手当は、特定の条件や状況下で支給されます。
  • ボーナス
    定期的な支給以外に、成果や業績に応じて支給されるボーナスや賞与があります。
  • 社会保険料
    健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの社会保険料が含まれます。これは、労働者と企業が一定の割合で負担します。
  • 労働保険料
    労災保険料など、労働災害に対する保険料が含まれます。これも労働者と企業が負担します。
  • 退職給付
    企業が労働者の退職金や年金などを積み立てるために支払う費用です。
  • その他の経費
    作業員が利用する施設や設備の維持管理費、教育訓練費など、その他の経費も含まれます。

これらの要素を総合的に考慮して、作業員の労務費が計算されます。企業はこれらの費用を効果的に管理し、予算内で工事を行います。

公共建築工事標準単価積算|国土交通省

まとめ

電気配線工事の工事内容や費用の相場をみてきましたがいかがでしたでしょうか?
電気配線工事が私たちの生活をするうえで必要な工事であることが分かったのではないでしょうか。

電気配線工事を依頼をするとしても専門業者や地域の工務店や大手家電会社など様々あります。
内容をしっかりと確認して賢く工事を依頼しましょう。

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