電気工事業の登録が必要な場合と不要な場合とは?手続きの方法や要件を解説!

電気工事業の登録が必要な場合と不要な場合とは?手続きの方法や要件を解説!

電気設備の施工を行う電気工事業では、事業を営む際に電気工事業の登録が必要です。
しかし全ての電気工事に登録が必要なわけではなく、中には不要なケースも存在します。

そこでこの記事では、電気工事業の登録について、必要な場合と不要な場合について解説していきます。
登録の要件や手続きの方法についても、あわせて具体的にご説明していきます。

電気工事業とは

電気工事業とは、建築物における電気設備の設計やその取り付け工事、メンテナンスといった、電気設備にかかる施工工事を行う事業のことです。

電気工事業を行う事業者は、電気工事事業の登録(もしくは通知)をしなければなりません。

電気工事業は主に、一般用電気工作物、もしくは自家用電気工作物の2つに分けられます。

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電気工事業の登録が不要なケース

電気工事業を営む際に、自社が元請として下請業者に電気工事を施工してもらう場合には、登録は不要であり、建設業許可を保有していれば工事は可能です。
実はその他にも、電気工事業の登録が不要なケースがあります。

ここでは、以下の2つのケースについて、詳しく見ていきましょう。

  1. 軽微な電気工事を行う場合
  2. 家庭用電化製品の設置

軽微な電気工事を行う場合

軽微な電気工事を行う場合には、電気工事業の登録は不要です。
ここでの「軽微な工事」とは、電気工事士法にあたらない工事を指しています。

電気工事士法施行令における定義は以下の通りです。

①電圧600V以下で使用する差し込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、そのほかの接続器又は電圧600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事

②電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ)又は電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ)をねじ止めする工事

③電圧600V以下で使用する電力量計、電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取りはずす工事

④電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(2次電圧が36ボルト以下のものに限る)の二次側の配線工事

⑤電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事

⑥地中電線用の暗渠又は管を設置し、又は変更する工事

引用:経済産業省「電気工事士等資格が不要な『軽微な工事』とは」

これらに当てはまる軽微な電気工事に関しては、電気事業の登録や通知をする必要はありません。

家庭用電化製品の設置

家庭用電化製品の設置といった電気工事も、登録は不要とされています。

家電販売業者のなかには、テレビや洗濯機、エアコンなどを販売した際に、設置サービスも付随して行っている業者も多いと思います。
このような家電製品の設置は、定型的かつ簡易的な工事であるため、電気工事登録は求められていません。

ただし、電気工事士の資格は必要ですので、きちんと資格をもった人が作業にあたるようにしましょう。

電気工事業の登録が必要なケース

ここでは、登録が必要なケースについて、解説していきます。
登録区分についても解説していますので、1つずつ見ていきましょう。

一般用電気工作物・自家用電気工作物にかかる電気工事

電気工事業の登録が必要なのは、一般用電気工作物と自家用電気工作物にかかる電気工事の施工を、自社が行う場合です。

先程もお伝えしたように、自社が受注しても実際に施工するのは下請業者である場合は不要です。

一般用電気工作物・自家用電気工作物は、以下のような違いに基づいて区分されます。

一般用電気工作物

電圧600V以下で受電する電気工作物です。
一般家屋や商店での屋内配電設備や小規模な工場で使用されるものを指します。

自家用電気工作物

自家用電気工作物は、一般用電気工作物以外の電気工作物を指します。
600V以上の大きな電圧で受電するものであり、ビルや工場における電気設備がこれにあたります。

電気工事業者の登録区分

電気工事業の登録は、施工する電気工事の種類に応じて4つの区分に分類されます。

この区分によって電気工事業の登録が必要なのか、通知が必要なのか異なるため、しっかり確認していきましょう。

登録電気工事業者

一般用電気工作物のみ、または一般用電気工作物と自家用電気工作物の両方を施工する業者のなかでも、建設業許可を取得していない事業者は、登録電気工事業者となります。

登録電気工事業者は、5年ごとの更新が必要とされています。

また、登録要件として、第一種電気工事士もしくは第二種電気工事士を、主任電気工事士として配置することが義務付けられています。

みなし登録電気工事業者

上記のように一般用電気工作物のみ、または一般用電気工作物と自家用電気工作物の両方を施工する業者で、建設業許可を取得している事業者は、みなし登録電気工事事業者とされます。

建設業許可を取得しているかどうかで、登録の区分が変わるため、注意しましょう。

通知電気工事業者

自家用電気工作物の電気工事の施工だけを行い、建設業許可を取得していない事業者は、通知電気事業者として区分されます。

この場合は、登録ではなく通知の申請を行う必要があります。
営業を行う10日前までに通知を行う必要があるため、期日には注意しましょう。

第一種電気工事士を主任電気工事士として配置することが、要件とされています。

みなし通知電気工事業者

上記の通知電気工事事業者のうち、建設業許可を取得している事業者は、みなし通知電気事業者とされます。

既に建設業許可を取得し「みなし」とされることによって、申請の際の手続きが簡易的になります。

CHECK!

登録と通知の違い

ご説明してきた登録区分における、「登録」「通知」にはどのような違いがあるのでしょうか。
この違いは、自家用電気工作物を扱うかどうかに関わっています。

一般用電気工作物だけ、もしくは自家用電気工作物と合わせて両方行う場合には、「登録」する必要がありますが、自家用電気工作物だけを扱う場合は、通知の届け出だけで良いとされています。

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電気工事業者登録の手続き

どのような場合に電気工事業の登録が必要かみてきましたが、ここでは実際に登録する際にどのような手続きが必要なのかご説明していきます。

必要とされる要件や申請先、未登録の場合の罰則など、手続きについて具体的に解説していきます。

電気工事業登録に必要な要件

まずは、電気工事業登録の際に求められる要件を見ていきましょう。

必要な要件は、

  1. 欠格事由に該当しない
  2. 営業所ごとに主任電気工事士がいる
  3. 法廷機器を備えている

以上の3点です。

①欠格事由に該当しない

1つ目の要件は、登録申請者が欠格事由に該当していないことです。

欠格事由には、

  • 過去2年以内に電気工事業の業務の最適化に関する法律に違反して罰金以上の刑罰を受けた者
  • 過去2年以内に電気工事業者の登録を取り消された者

などが該当します。

②営業所ごとに主任電気工事士がいる

2つ目の要件は、営業所に主任電気工事士が配置されていることです。

主任電気工事士とされるのは、第一種電気工事士か、実務経験を3年以上持つ第二種電気工事士です。

1人の主任電気工事士が、複数の営業所を兼任することはできないので、留意しておきましょう。

法定器具を備えている

③営業所に法定器具を備えていることも要件とされています。

法定器具とは、経済産業省令で定められている以下の器具を指しています。

  1. 絶縁抵抗計
  2. 接地抵抗計
  3. 回路計であって抵抗及び交流電圧を測定できる器具
  4. 低圧検電器
  5. 高圧検電器
  6. 継電器試験装置
  7. 絶縁耐力試験装置

一般用電気工作物のみを登録する場合は1~3までの備え付けで問題ありません。

電気工事業登録の申請先

次に登録等の申請先について解説していきます。
申請する先は、営業所がどの都道府県に置かれるのかによって異なっています。

1つの都道府県の区域内

営業所が1つの都道府県の区域内に置かれる場合は、その都道府県の都道府県知事に電気工事登録の申請をします。

複数の都道府県の区域をまたぐ

複数の都道府県に営業所がある場合には、産業保安監督部長(支部長)へ申請をします。

また、複数の産業保安監督部の区域に営業所がまたがっている場合には、経済産業大臣へ登録申請書を提出する必要があります。

電気工事業の登録をしないとどうなる?

未登録のまま電気工事業を実施してしまった場合は、電気工事士法に違反しているとみなされ、罰則の対象になります

違反となった場合は、1年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金、またはそれらの両方が課されてしまいます。

不注意で罰則の対象とならないためにも、登録申請は忘れずきちんと行うようにしましょう。

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まとめ

電気工事業を行うためには、たいていの場合は電気工事業の登録が必要です。
電気工事業は、一般用電気工作物と自家用電気工作物に分かれており、どちらの施工にかかるかによって登録区分も異なります。

また登録のためには、3つの登録要件をすべて満たしていなければならないため、きちんと確認しておく必要があります。

万が一未登録のまま事業を行ってしまうと、罰則の対象となるため、1つずつ要件や申請先をチェックしながら、登録等を行うようにしましょう。

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