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工期延長の対処法!費用負担や理由書について解説します

工期延長の対処法!費用負担や理由書について解説します

工事に限った話ではありませんが、物事を始める前に計画をしっかり立てて、それを守れるよう作業することは欠かせません。
とはいえ、何事も予定通りに進行できるわけではないでしょう。

不測の事態が起き、工期が延びてしまったという事態もあらかじめ想定しなければいけません。
もし工期が延長してしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
この記事では、工期延長になった場合、費用負担や工期延長願はどう記載すれば良いのか、といった対処法について解説していきます。

目次

工期延長の主な要因

まずは工期延長がどのような要因で起こるのかを見てきましょう。
何が原因で工期が遅れやすいのかを前々から知っておけば、もしもの時に落ち着いて対処しやすくなります。

天候・自然災害

まずひとつ目に挙げられる要因が、天候や自然災害による工事の中断です。

内装工事などの例外はあるにせよ、工事は基本的に屋外で行うものです。
そんな中で雨が続いたり、台風や豪雨などの自然災害が起こったりしたら、工事は続けられません
悪天候の中で工事を敢行しようとしたら、間違いなく事故が起こってしまいます。

人命は何物にも代えられないので、工期が迫っていたとしても中止する決断を下さなければいけません。

資材不足

通常工事は、前々から資材をしっかりと調達したうえで行うものです。
とはいえ、時には工事の途中で資材を他所から送ってもらうというケースもあるでしょう。

当初の計画では届くはずだった資材が当日になって届けられなくなった、という事態は珍しくありません。

資材がなければ行えない作業もありますから、これも工期延長を招きやすいです。

人員不足

建築業界は人手不足になりやすいです。

特にスキルに優れた作業員はあらゆる現場に引っ張りだこになりやすいです。
この作業には専門知識を持った職人が必要だけど、なかなかスケジュールが合わず仕事を引き受けてくれないという例も多々あります。

また、最近では新型コロナウイルスが流行していることもあって、感染した作業員が長期間仕事に来られないという事態も増えてきました。

人為的ミス

人為的ミスも、工期延長の原因になり得ます。

たとえば、本来ここに打つべきだった釘を別の場所に打ってしまった、というくらいなら修正が利くでしょう。
しかし、中には工事を一からやり直さざるを得ないというミスも起こります。

特に長期的な工期延長を引き起こしやすいのが設計ミスです。
設計士の計画通では敷地をはみ出さずに建物を作れるはずが、実際に作ってみたら敷地をはみ出してしまった、といった類の失敗はよく起こります。

こうした事態を防ぐためにも、設計図などはしっかりとチェックしなければいけません

工期の延長が決定したらどうする?

先ほど見てきたように、工期延長は十分な注意を払えば防げることもあります。
とはいえ、中には悪天候や資材不足のように、防げないものも多々あるのも事実です。
そのためにも、工期延長が起きても良いようにあらかじめ対処法を考えておいたほうが良いでしょう。

ここからは、仮に工期延長が発生してしまったらどのように対処すれば良いかを見ていきます。

関係者への連絡

最も初めにやるべき事は、工事に関わっているすべての人々に対しての連絡です。

まずは工事を依頼した施工主に連絡したほうが良いでしょう。
また、下請けを依頼している場合は工務店などにも連絡しなければいけません。

そのほか、アパートの工事などを行っている場合は住人にも工事延長の告知を行う必要があります。

一番いけないのはどうにか間に合うだろうとの臆断のもとに連絡を怠ることです。
連絡をしないまま工期が延長してしまったら、場合によっては賠償責任を負うことになってしまいます。

負担金の有無の確認

本来間に合わせるべき期日までに工事が終わらない場合、発生する損害は少なくありません。
仮に工期延長の責任を負っているようだったら、負担金を支払わなければいけないでしょう。

そうした場合は、施工主との話し合いのもとで、負担金がどれだけの額になるのかを確認しなければいけません

もっとも、中には悪天候や自然災害が起きてしまった結果、工期が延長してしまったというやむを得ないケースも存在します。
その場合も、しっかりと話し合ったうえで、負担金の有無を交渉するようにしましょう。

増加費用が発生したら

先ほどは負担金が生じるケースを考えましたが、負担金がなくとも工期が伸びることで追加の費用がかかることは避けられません。
続いては、増加費用が発生した場合、どのように対処したら良いかを見ていきましょう。

見積りの再算出

工期が延長するということは、それまでの見積りが意味をなさなくなるということです。
新たに発生した費用に合わせて、見積りも改めて作り直さなければいけません。

一口に増加費用といっても、さまざまな項目があります。
一番に挙げられるのは人件費でしょう。
工事を行う日が増えれば増えるほど、作業員に支払うべき給与も増えていきます。

そのほか、足場などを維持し続ける費用、資材などの運搬費用なども新しく算出しなければいけないでしょう。
抜けがないように細かな見積りを心がけなければいけません。

下請け業者の負担となる場合

仮に下請け業者のミスによって工期が延長してしまったら、その場合は増加費用の負担はどうなるのでしょうか。
責任はあくまでも下請け業者に依頼した元請業者にあるのだから、増加費用も元請業者が負担すべきとなるのでしょうか。

結論を言えば、下請け業者のせいで工期が延長したなら増加費用は下請け業者が負担しなければいけません
さらに、契約についても新しく結び直す必要があります。

工事を始める前に元請けと下請け契約を行いますが、契約書の期日は基本的に工期の末日になることが多いです。
その時点で契約は解消してしまうので、延長した日数に合わせて契約を行うようにしましょう。

見積りに関しても、元請業者ではなく下請け業者が行わなければいけません。

工期延長願の書き方と例文

工期が延長してしまうようだったら、関係各所に口頭で連絡するだけでは足りません。
しっかりと文面に残して延長願を届け出る必要があります。

ここからは、工期延長願には何を書かなければいけないのか、例文と合わせて紹介していきましょう。

工期延長の要因を詳しく書く

まずは、工期延長の理由を明確に伝えなければいけません。

仮に延長願を届けられた側になったとして、しっかりとした要因がわからなければ納得がいかないでしょう。

逆に、このような理由で工事を延長せざるを得ません、ときちんと明確に伝えてもらえれば延長しても仕方がない、と理解してもらえる可能性は十分あります。

その後の対処法の記載

工期が延長してしまった原因を明らかにしたら、次はこうした原因を取り除くためにどのような対策を立てるかを記載しなければいけません。

ここでは、設計ミスで工期が遅れてしまったケースを例に考えていきましょう。
設計ミスは設計士の不注意が原因で起こるものですが、当然ながら設計図のチェックは監督者などによって行われるものでもあります。

そのチェックの段階で見落としが起こってしまったので、今後はこのようなことがないようにチェックする人を増やして対処する、といった具合に書けば良いでしょう。

理由書の例文

以下は、理由書を書く際の記載例です。
このように、きちんと日時や理由を明示して、透明性のある書類を作成するようにしましょう。

–【例文】—-

弊社は令和4年12月31日までに工事を終了する予定でしたが、工期を延長せざるを得ない事態が起きてしまいました。
新たな工期を令和5年1月31日に設定することを承認願います。

お客様にご迷惑をおかけしてしまうことを心よりお詫び申し上げます。

工期延長の要因は長引く雪です。

雪が降ると足場が悪くなり、作業員の安全が確保できないため工事を中止せざるを得ません。
こうした中止が続いたことによって工事が遅れてしまいました。

今後はこうした延期が起きないように、余裕を持って工事計画を立てるように尽力いたします。

まとめ

当初はしっかりと計画を練ったつもりだったのに、不慮の出来事が起きて計画が台無しになってしまった、ということは珍しくありません。

そんな時、計画にそもそも誤りがあった、と素直に認めるのはなかなか難しいです。

とはいえ、失敗は失敗ですから、ちゃんと向きわなければいけません。
延長願の作成を通して失敗の要因を分析し、次の工事に活かせるような対策を考えるようにしましょう。

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