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新築住宅の建設やリフォーム工事が終わると、引き渡し前に行うのが施主検査です。
施主検査とは、工事を依頼した施主が、建物や設備の仕上がりを確認することです。契約内容や図面どおりに施工されているか、不具合や傷がないかなどをチェックします。
施主検査では、どこを確認すればよいのか、何を持っていけばよいのか、わからない方も多いでしょう。
この記事では、施主検査の意味や種類、当日の所要時間と持ち物、確認しておきたいチェック項目を解説します。新築住宅やリフォーム工事の引き渡しを控えている方は、ぜひ参考にしてください。
施主とは
施主とは、建物の新築やリフォームなどの工事を施工会社に依頼する発注者のことです。住宅の新築であれば建築を依頼した人、リフォームであれば工事を依頼した人が施主にあたります。
施主は、施工会社と契約を結び、工事内容や費用、工期などを確認しながら、完成した建物の引き渡しを受けます。
施主検査とは

施主検査とは、施主が完成した建物や設備の状態を確認し、契約内容や図面どおりに施工されているかをチェックすることです。新築住宅だけでなく、リフォーム工事でも行われます。
具体的には、壁や床に傷や汚れがないか、ドアや窓がスムーズに開閉できるか、キッチンや浴室などの設備が正常に動作するかといった点を確認します。
施主検査で不具合や契約内容との相違が見つかった場合は、施工会社に伝え、補修や対応方法を相談します。引き渡し前に確認しておくことで、入居後のトラブルを防ぎやすくなります。
ただし、施主検査は専門的な建物診断や、建築基準法に基づく完了検査とは異なります。建物の安全性や構造など、専門的な判断が必要な部分については、施工会社や専門家に確認しましょう。
リフォームローンについての記事はこちら
施主検査の種類

施主検査は、工事の途中に行うものと、工事が完成した後に行うものに分けられます。それぞれ確認する目的や項目が異なるため、違いを把握しておきましょう。
工事途中の施主検査
工事途中の施主検査では、完成後には見えなくなる部分や、仕上げ工事の前に確認しておきたい部分を中心にチェックします。
例えば、壁を仕上げる前の断熱材の施工状況や、契約時の図面から変更した部分が現場に反映されているかなどが確認項目になります。
工事途中に施主が確認できる範囲は、工事の進捗や施工会社の対応によって異なります。確認が必要な箇所については事前に施工会社と相談し、必要に応じて施工写真や記録を見せてもらいましょう。
完成後の施主検査
完成後の施主検査では、建物全体の仕上がりや設備の動作などを確認します。引き渡し前の最終確認として実施されることが多く、完成検査や内覧会などと呼ばれる場合もあります。
壁や床の傷、建具の開閉、水回りの設備、外壁の仕上がりなど、実際に生活することを想定してチェックすることが大切です。
なお、建築基準法に基づく完了検査は、建築物が法令に適合しているかを確認するための検査であり、施主検査とは目的が異なります。
施主検査の所要時間
施主検査の所要時間は、建物の規模や工事内容、確認する範囲によって異なります。目安として2時間程度を確保しておくとよいでしょう。
ただし、これはあくまでも目安です。部屋数が多い住宅や、リフォームの対象範囲が広い場合、設備を一つずつ動作確認する場合などは、さらに時間がかかることがあります。
専門家の立ち会いを依頼する場合や、施工会社への確認事項が多い場合も、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
当日に時間が足りなくならないよう、事前に確認したい項目をリストアップし、施工会社に検査の予定時間や確認できる範囲を聞いておくとスムーズです。
施主検査の持ち物
施主検査では、図面やスマートフォンなど、建物の状態を確認・記録するための道具を用意しておくと便利です。
- 間取り図・仕様書:部屋の配置や設備、仕上げ材などが契約内容と一致しているか確認する
- カメラ・スマートフォン:傷や不具合の場所、状態を写真で記録する
- メジャー:家具や家電の設置スペース、通路幅などを測定する
- 筆記用具・チェックリスト:気になる点や施工会社への確認事項を記録する
- マスキングテープ:施工会社の了承を得て、補修を依頼したい場所の目印にする
- スリッパ:床を傷つけずに室内を確認するために用意する
スリッパやマスキングテープなどは施工会社が用意している場合もあります。必要な持ち物については、事前に確認しておくと安心です。
また、ガスや水道、電気などの設備を実際に動かして確認したい場合は、施主検査の時点で使用できる状態になっているか、施工会社に確認しておきましょう。設備の設置や設定が完了していない場合は、別途確認の機会を設けてもらうことも検討してください。
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施主検査のチェックリスト
施主検査で確認する項目は、工事途中と完成後で異なります。工事途中は、完成後に見えなくなる部分や施工内容を中心に確認し、完成後は仕上がりや設備の動作をチェックしましょう。
まずは、確認する場所ごとの主なチェック項目を把握しておくと、検査当日に見落としを防ぎやすくなります。
| 確認する場所 | 主なチェック項目 |
|---|---|
| 工事途中 | 図面との相違、断熱材などの施工状況、施工記録 |
| 室内 | 壁や床の傷、建具の開閉、コンセントや照明の位置 |
| 水回り | 水漏れ、排水、設備の動作、コーキング |
| ベランダ | 排水口、防水面、手すり、物干し金具 |
| 室外 | 外壁の傷、屋外設備の位置、配管や排水設備 |
ここからは、工事途中と完成後に分けて、施主検査で確認しておきたい項目を詳しく紹介します。
工事途中の施主検査で確認する項目
工事途中の施主検査では、主に次の2点を確認しましょう。
図面や契約内容どおりに施工されているか
契約時の図面や仕様書と照らし合わせ、間取りや設備の位置、使用する建材などが予定どおりになっているか確認します。
工事の途中で変更があった場合は、変更内容が現場に正しく反映されているかも重要です。気になる点があれば、施工会社に説明を求めましょう。
完成後に変更漏れが見つかると、仕上げ材を取り外すなどの追加工事が必要になる場合があります。仕上げ工事に進む前に確認しておくことで、手戻りの防止につながります。
断熱材などの隠れてしまう部分
壁や天井の内部に施工される断熱材などは、仕上げ工事が終わると直接確認しにくくなります。
そのため、断熱材の施工状況や必要な施工記録について、施工会社に確認することが大切です。断熱材の種類や施工方法によって確認すべき内容は異なるため、図面や仕様書をもとに説明してもらいましょう。
なお、断熱材の内部や構造部分を施主が無理に開けて確認する必要はありません。必要に応じて施工写真や検査記録を提示してもらい、不明点は専門家に相談しましょう。
完成後の施主検査で確認する項目
完成後の施主検査では、室内・水回り・ベランダ・室外の4つに分けて確認すると、見落としを防ぎやすくなります。
室内
室内では、壁や床の傷・汚れだけでなく、ドアや窓の開閉、コンセントや照明の位置などを確認しましょう。
契約時の図面や仕様書と照らし合わせ、設備の位置や建具の仕様に相違がないか確認することも大切です。窓や雨戸の操作方法、掃除の方法など、入居後に必要な取り扱いについても説明を受けておくと安心です。
- 壁や床に目立つ傷・汚れ・へこみがないか
- 床を歩いた際に大きなきしみや不自然な沈み込みがないか
- 壁紙の継ぎ目や仕上がりに気になる点がないか
- 窓や扉がスムーズに開閉できるか
- サッシに目立つ傷や変形がないか
- 扉の開く向きや位置が図面・仕様書どおりか
- 仕上げ材の継ぎ目や接合部分に気になる隙間がないか
- コンセントの数や取り付け位置が予定どおりか
- 照明器具の数や取り付け位置が予定どおりか
- 玄関ドアの鍵や施錠が正常に機能するか
キッチン・トイレ・浴室・洗面所
キッチンやトイレ、浴室、洗面所などの水回りでは、設備の設置状況に加えて、水漏れや排水の不具合がないかを確認しましょう。
水道が使用できる場合は、蛇口から水を出し、排水がスムーズに行われるか確認します。施工会社の案内に従い、給排水設備の接続部分などから水漏れがないかもチェックしましょう。
また、キッチンや洗面台の収納扉、引き出しがスムーズに動くか、換気扇が正常に作動するかなども確認しておきたい項目です。壁と設備の接合部分にあるコーキングについても、隙間や剥がれなど気になる点があれば施工会社に相談しましょう。
- 蛇口やシャワーからの水漏れがないか
- 水を流した際に排水がスムーズに行われるか
- 給排水設備の接続部分に水漏れがないか
- 引き出しや収納扉がスムーズに動くか
- 換気扇が正常に作動するか
- 手すりなどの取り付け位置が予定どおりか
- コーキングに目立つ隙間や剥がれがないか
- 設備の型番や仕様が契約内容と一致しているか
ベランダ
ベランダでは、防水面や排水口、手すりなどの状態を確認しましょう。排水口にごみが詰まっていないか、目立つ傷や施工上の気になる点がないかをチェックします。
排水の確認方法については、防水面を傷めたり、階下への漏水を起こしたりしないよう、施工会社の指示に従ってください。無理に大量の水を流す必要はありません。
- 排水口に詰まりや異物がないか
- 床面や防水層に目立つ傷や剥がれがないか
- 手すりにぐらつきなどの異常がないか
- 物干し金具などの取り付け位置が予定どおりか
室外
室外では、外壁や軒下、玄関まわりなどを確認します。外壁に目立つ傷やへこみがないか、設備や配管などが図面や契約内容に沿って設置されているかをチェックしましょう。
高所や屋根など、危険を伴う場所を自分で確認するのは避け、必要な場合は施工会社に確認を依頼してください。
- 外壁に目立つ傷やへこみ、仕上がりの不具合がないか
- 玄関まわりや軒下に気になる施工箇所がないか
- 屋外設備の設置位置が予定どおりか
- 配管や排水設備に気になる点がないか
窓・バスルームのリフォーム工事に関する記事はこちら
施主検査で注意したいポイント
施主検査では、細かな傷や汚れを探すことだけでなく、契約内容どおりに施工されているか、不具合がないかを確認することが重要です。
高額な費用をかけた新築やリフォームだからこそ、きれいな状態で引き渡してほしいと考えるのは自然なことです。一方で、仕上がりの感じ方には個人差があり、すべての細かな跡や見た目の違いが補修の対象になるとは限りません。
気になる箇所を見つけた場合は、施工会社に場所や状態を具体的に伝え、契約内容や仕上げ基準に照らして対応を相談しましょう。
特に、床や建具の傷、設備の不具合などは、家具の搬入や入居後に発見すると、いつ発生したものか判断しにくくなる場合があります。引き渡し前に写真を撮り、指摘した内容や対応予定を記録しておくと安心です。
施主検査は、施工会社の粗探しをするためのものではありません。建物の仕上がりを一緒に確認し、気になる点を共有して、納得したうえで引き渡しを受けるための機会と考えましょう。
専門家によるホームインスペクションも検討する
施主検査では、建物の傷や設備の動作などを自分で確認できますが、構造部分や雨漏りのリスクなど、専門的な判断が必要な箇所を見極めるのは難しい場合があります。
自分だけで確認することに不安がある場合は、建築士などの専門家に住宅診断を依頼したり、施主検査への同行を相談したりする方法もあります。こうした住宅の状態を専門的に調査することを、ホームインスペクション(住宅診断)といいます。
ただし、調査の対象範囲や実施できる検査は依頼先によって異なります。依頼する際は、確認してほしい項目や費用、調査方法を事前に確認しましょう。
気になることは施工会社に相談しよう
施主検査で傷や不具合、図面との相違などを見つけた場合は、遠慮せずに施工会社へ相談しましょう。
その際は、気になる箇所を写真に撮り、部屋や位置がわかるように記録しておくと、内容を正確に伝えやすくなります。補修を依頼する場合は、対応の可否だけでなく、補修方法や実施時期についても確認しておきましょう。
また、指摘した箇所がどのように対応されるのか、再確認が必要なのかについても、施工会社と共有しておくことが大切です。
なお、引き渡し後に不具合が見つかった場合でも、契約内容や保証条件などに応じて施工会社に対応を相談できることがあります。引き渡し時には、保証書やアフターサービスの内容、問い合わせ先も確認しておきましょう。
また、新築住宅では、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)に基づき、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が定められています。ただし、一般的な傷や設備の不具合など、すべての問題が一律に10年間の責任の対象になるわけではありません。
施主検査に関するよくある質問(FAQ)
施主検査に関するよくある質問を解説します。
施主検査にはどのくらい時間がかかりますか?
施主検査の所要時間は建物の規模や工事内容によって異なりますが、目安として2時間程度を確保しておくとよいでしょう。部屋数が多い場合や、設備の動作確認、施工会社への質問に時間がかかる場合は、さらに余裕を持って予定を組むことをおすすめします。
施主検査に必要な持ち物は何ですか?
間取り図や仕様書、スマートフォン、筆記用具、メジャーなどを用意すると便利です。気になる箇所を写真で記録し、図面と照らし合わせながら確認すると、施工会社にも具体的に伝えやすくなります。必要な持ち物は事前に施工会社へ確認しておきましょう。
施主検査で不具合を見つけたらどうすればよいですか?
不具合や契約内容との相違を見つけた場合は、場所や状態を写真などで記録し、施工会社に伝えましょう。補修の可否や対応方法、実施時期を確認し、必要に応じて補修後の状態も再確認します。指摘事項と対応内容を記録しておくと、後から確認する際にも役立ちます。
施主検査で傷や不具合が見つからなければ、引き渡し後も安心ですか?
施主検査で問題が見つからなくても、入居後に不具合が発生する可能性はあります。引き渡し時には、保証書やアフターサービスの内容、問い合わせ先を確認しておきましょう。新築住宅では、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分について、法律に基づく10年間の瑕疵担保責任が設けられていますが、すべての傷や不具合が一律に10年間の責任の対象になるわけではありません。
施主検査に専門家の同行を依頼できますか?
建築士などの専門家に住宅診断や施主検査への同行を依頼できる場合があります。専門的な視点から建物の状態を確認してもらいたい場合や、自分だけで確認することに不安がある場合は、ホームインスペクションの利用を検討するとよいでしょう。依頼する際は、調査範囲や費用、施工会社との日程調整について事前に確認してください。
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まとめ
施主検査とは、工事を依頼した施主が、建物の仕上がりや設備の状態を確認することです。工事途中と完成後では確認する項目が異なるため、それぞれの段階に応じてチェックしましょう。
図面や仕様書を用意し、傷や不具合がないか、設備が正常に動作するかを確認することが大切です。気になる点があれば写真などで記録し、施工会社に対応方法を相談しましょう。
専門的な判断が必要な部分については、施工会社に確認したり、ホームインスペクションを利用したりする方法もあります。
施主検査は、施工会社と建物の仕上がりを確認し、納得したうえで引き渡しを受けるための大切な機会です。事前にチェック項目を整理し、余裕を持って検査に臨みましょう。











