建築業における積算～積算に役立つアプリをご紹介！～

建築業における積算は、利益に直接影響するとても重要なものです。
複雑な計算や専門的な知識が必要であるうえに、正確な結果を出すことが求められます。
ほんの少しのミスが非常に大きな金額のズレに発展することもあります。
また、建築物は工事現場や規模、工事金額など全てが異なるため、その都度、積算が必要です。

この記事では、建築業における積算とは何かをはじめ、積算に役立つアプリについてもご紹介します。

建築業における積算とは？

積算とは、設計図や仕様書をもとに材料や数量を算出して、工事に必要な合計金額を出し、建設工事にかかる費用を算出することです。
積算業務には建築資材の相場、建築工事の工程、工法、専門用語などの知識が必要となります。

建築業では、数千万～億単位の大きな金額が動く為、積算は重要な役割を担っています。
小さなミスが大きな金額のズレに繋がり、場合によっては受注機会を失ったり、追加請求により建築主に多大な負担が発生したりすることもあります。
大変厳しく、責任の重い仕事の一つです。

積算と見積の違い

積算とよく間違われる言葉として「見積」があります。
ここでは、積算と見積の違いについてみていきましょう。

積算と見積の定義は、以下の通りです。

上記の通り、「積算」は工事にかかる費用だけを指し、「積算」に利益を追加したものが「見積」となります。

特に「見積」は、発注者にとってその業者に発注するかどうかを判断する重要な材料です。
精度の高い見積金額の提示のためには正確な「積算」が必要だということになります。

積算の必要性

積算は、工事にどのくらいの費用がかかるかをあらかじめ予想し、算出するものです。
これに利益を加えたものが見積で、この見積の結果を依頼を検討している方や事業者に提案し、契約するかどうかを決めてもらいます。

もし、積算方法が間違っていたり積算した結果に大きな誤差があったりした場合、利益に大きな影響が出るので注意が必要です。
特に積算した費用が実際にかかる費用より少額になっていた場合は、利益が減少する場合や赤字になるおそれもあります。

そのため、積算をいかに正しく、高精度で行うかが重要です。

積算は工事の都度行う必要がある

施工方法や施工場所、材料費の相場などによって、積算の結果は全く異なるものになります。
建築物は一つとして同じものはなく、工事現場や規模など、全てが異なる受注生産です。
そのため、工事金額もその都度異なるため、積算が必要となります。

また、場所や規模が全く同じ工事内容であったとしても、時期が違えば建設資材相場の変動や気象条件の違いによって、積算結果は異なります。
そのため、過去のデータを参考にすることはできますが、そのまま丸写しすることはできませんので、注意が必要です。

工事の内容が同じでもそれぞれの段階で、精度の高い積算を行うことが利益の確保につながります。

積算におけるアプリ導入のメリット

会社の利益確保のためには必要不可欠な積算ですが、非常に複雑で大変な業務であることで知られています。
ここでは、積算業務の課題とその解決方法としての積算アプリについて、説明します。

積算業務の課題

積算業務は非常に複雑な作業であるため、正確かつ精緻に行おうとすれば、莫大な労力と時間がかかります。

積算ミスによる過少見積は、コスト増加に繋がってしまい、利益が出なくなるといった問題点もあります。
時間も労力もかかるうえに、ミスが発生しやすく、利益に直接響くという点は、積算の大きな課題と言えるでしょう。

また、複雑であるがゆえに、作業に慣れるまでに時間がかかり、属人化しやすいという課題も挙げられます。

積算アプリ導入のメリット

莫大なコストやミスの多発、属人化といった積算におけるさまざまな課題の解決方法の一つが、積算アプリです。
積算アプリは、建設業における積算に特化し、積算業務や関連業務を行うことのできるアプリを指します。

積算アプリを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

業務の効率化

積算アプリの一番のメリットは、複雑な積算業務の効率化です。
積算アプリを導入すれば、これまで手作業で行っていた業務を自動化し、効率化できます。

積算アプリのなかには、積算の支援はもちろん、積算の前後の見積作成・営業業務を効率化させてくれるものもあります。
アプリのさまざまな機能を活用することで、複雑な計算やその前後の手続きを、時間をかけて手作業で行う必要がなくなるでしょう。

コスト削減

コスト削減も、アプリ導入のメリットの一つです。
手作業での積算は、時間も手間もかかり、人件費がかさみます。
また、積算を覚えるまでに時間もかかるため、教育コストもかかります。

積算アプリを導入すれば、これらのコストが抑えられます。
人件費を削減することで、営業業務などの他の重要な業務によりコストをかけることができるでしょう。

どこでも利用・共有できる

場所を選ばずに作業できることも、積算アプリの大きなメリットです。
手作業での積算の場合は、事務所など机がある環境で行う必要があります。
また、ソフトを使うにしても、パソコンのあるオフィスで行うことになるでしょう。

一方で、アプリはスマホやタブレット端末に入れることで、現場や客先、自宅や出張先など、場所を選ばす積算業務が可能です。
わざわざ、職場に戻る必要がないので、移動時間の削減につながります。

積算の内容を他の人と共有する際も、同じアプリを端末に入れてもらうことで、すぐに共有することが可能です。

積算アプリを選ぶポイント

積算アプリは積算業務の効率化に非常に役立ちます。
では、実際に積算アプリを使用する際に、どのように使用するアプリを選べばよいのでしょうか。
選ぶ際のポイントを解説します。

どのような機能を備えているか

建築業といっても、業種や工事の対象や規模などによって、作業工程は全く異なります。
そのため、積算アプリにおいても、アプリによって備えている機能はさまざまです。

積算をするにあたり、自社にとって必要な機能が備わっているかが重要ですので、よく確認してアプリを選ぶようにしましょう。

目的と予算に合った価格かどうか

積算アプリの導入は人件費などの大幅削減に役立ちますが、アプリの価格にも注意が必要です。
導入したいアプリの価格が予算内かどうか、欲しい機能に見合ったものかどうかをよく確認して選びましょう。

サポート体制が充実しているか

アプリによっては、使いこなすのにコツが必要な場合もあります。
特に使い始めは、どれだけ使いやすいアプリでも操作方法に慣れる必要があるでしょう。

使い方の説明をはじめ、トラブル時や質問がある時にすぐに問い合わせ可能な窓口やサポート体制が整っていると安心です。

積算に役立つアプリ

それでは、積算に役立つアプリについてご紹介します。
なかには、無料でお試しできるものもありますので、ぜひ参考にしてください。

PictRuler（ピクトルーラー）

寸法を測るのは大変、見積作成には時間がかかる…そんな悩みを解決してくれるアプリです。
非常に簡単に操作できることがポイントです。
PictRuler（ピクトルーラー）では、現場で写真撮影をし、撮影した写真からトレースし、見積書・図面に変換することが出来ます。

提供形態	パソコン用アプリ(Windows10、iOS)
価格	・基本機能　30,000円 ・CAD図面変換機能　15,000円 ・見積作成機能　15,000円 ※日本塗装工業会会員は30,000円で全機能が利用可能。
機能	写真・図面をもとにした面積算出（壁面、窓、開口部試算、立面図）、距離算出（窓周り周長等）、画像の回転・保存（正面化画像等）、作業経過の保存、概算見積書の穂zン、算出結果の出力（TSV）
体験版	全ての機能を無料でお試し可能。

DroneRoofer（ドローンルーファー）

DroneRoofer（ドローンルーファー）は、事前に撮影した写真を端末に取り込み、アプリ内で画像に様々な加工を行うことで、開口部等も考慮した面積計算を可能にします。
外装点検からリフォーム提案・顧客管理まで、現地調査後の営業活動に役立つ機能が揃っています。

提供形態	iPad用アプリ
価格	要お問い合わせ
機能	積算、報告書等（要お問い合わせ）
体験版	不明のため要お問い合わせ

かんたん住宅積算

木造注文住宅対応可能なビルダー向けの、迅速な見積作成を実現するアプリです。
見積作成までの時間を短縮することによる営業業務全体の効率化に力を入れています。

提供形態	iPad用アプリ
価格	要お問い合わせ
機能	見積作成、積算、営業支援機能　等（要お問合せ）
体験版	契約開始から3か月間、アプリ利用料無料で利用可能。

まとめ

今回は、積算に役立つアプリを3つご紹介しました。
積算業務は、建築業において非常に重要であると同時に、非常に難しい作業の一つです。
アプリを積極的に活用して、業務を効率化していくことをおすすめします。

また、積算アプリといっても、撮影した写真を活用したり、ドローンを活用したり、アプリの特徴は様々です。
アプリによっては、積算業務だけでなく、見積作成や営業活動に役立つものもあります。
自社に合ったアプリをうまく選び、積算に役立ててください。

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