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電気工事の積算~要点と注意点を解説!~

電気工事の積算~要点と注意点を解説!~

電気工事の積算は、適切な利益を得るために、とても重要です。積算がきちんとできていないと赤字になる恐れがあります。
さらに、建設業では数千万~億単位の金額が動くこともある為、積算業務は非常に重要な役割を担います。

しかし、正しい積算方法がよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、適切な価格をきちんと提示できれば、不利益が生じることもなくなり、お客様からの信頼向上にもつながります。

この記事では積算の中でも電気工事の積算について解説します。

目次

電気工事とは

電気工事は、主に建築電気工事鉄道電気工事の二つに分けられます。以下で詳細を確認しましょう。

建築電気工事

屋内配線、外線の配線、冷暖房設備の設置、ビル管理などがあります。屋内配線は一般的な作業で配線ケーブルを家の中に張り巡らし、コンセントやスイッチの取り付けや様々な器具の設置を行います。エアコンなどの設備機器の設置も含まれます。

鉄道電気工事

多くの人が寝ている夜間の工事がメインで、変電設備、駅の設備など人が多い時には出来ない工事を行います。電車を安全に走行させる為の安全装置の点検保守が非常に重要です。

電気工事の積算とは


積算とは、電気工事を始め建築業界全般で使用される用語です。工事に関する設計図や指示書などを参考に部材や施工の単価を計算し、見積もりを作成することを指します。もちろんこれは、すべての電気工事において行われます。

電気工事では、多岐にわたる工事部材を使用し、様々な作業を行い、工事が遂行されます。部材の種類や数ごとに異なった材料費がかかり、作業内容によっても異なる人件費がかかります。それらをひとつひとつ積み上げていき、そこに会社の利益分をのせて見積書が完成します。

積算基準・歩掛・労務費について

電気工事の積算で大切な、積算基準歩掛労務費について解説します。

積算基準

工事金額の計算方法や工事内容の定義を示す、ガイドラインのことを言います。

国土交通省の「電気設備工事積算要領」や、「公共工事標準単価積算基準」等に、積算基準が記載されています。「公共工事標準単価積算基準」は建築工事の他、電気設備や機械設備、昇降機設備に分かれ随時改訂されます。(土木工事に関する補正情報は別公開です。)

歩掛

歩掛は、使う部材や工事の難易度、かかる時間、作業員の年齢や実務経験、保有資格によっても変化します。ひとつひとつ異なるため、それらを地道に設定するとなると非効率です。

そのため、歩掛も、国土交通省が「公共建築工事標準単価積算基準」で、部材ごとの標準歩掛を細かく設定しており、それを参考にしている会社がほとんどです。
ひとつひとつの部材に対し歩掛を用い積算を行うことが、適正価格の見積りを算出する上で、非常に重要です。

難易度や手間に差がある、作業Aと作業Bを行ったとき、2つの作業がそれぞれ、どのくらいかかるのかを作業時間を使用して、算出することができます。単位は「人工(にんく)」と示し、1人工は1人の作業員が1日(6時間)で行える作業量とします。例えば、このように考えます。

(例)

作業員1人で3時間かかると想定される作業→0.5人工

作業員2人で3時間かかる作業→1人工

労務費

労務費とは、要するに人件費のことです。つまり、電気工事を行う工事士の工数ということになります。
なかなか予測がつけにくい金額ですが、前述しました、歩掛を用いると労務費を導き出すことが可能です。

内容には、基本給や各種手当(8時間あたり)、ボーナス(1日あたり)、食事などの現物支給(1日あたり)などが含まれます。公共工事では、国土交通省が都道府県ごとに設定した「公共工事設計労務単価」が用いられます。民間の工事でも、この労務単価を目安に設定・計算されることが多いです。

労務費=所要人数(設計作業量×該当作業の歩掛)×労務単価(基本日額+割増賃金)

となります。

(例)

平成27年度の東京の労務単価により歩掛0.18の工事を15箇所実施したとすると、

労務費=(15箇所 × 0.18) × (23600円)=63720円という計算になります。

電気工事の積算での4つの要点


電気工事の積算では、類似した案件を参考にして、必要な部材・作業量を特定していくのが一般的です。ここでは、電気工事の積算での4つの要点を解説します。

要点1 類似する案件を探す

前述したように、積算を開始する前に、過去に類似した工事を行っていないか、建物の用途や規模、設備などから探し出します。
「公共建築工事標準単価積算基準」や、市販の「積算マニュアル」を参考に単価を設定して、物価や人件費の変動を考慮しつつ、最新の単価を計算していくと円滑に積算が行えます。

要点2 設備を把握する

お客様が提供した図面をもとに、必要な設備の確認を行います。
受電方式、建物特有の必要な設備の有無、不足している設備の有無、改修が必要な設備の有無等も合わせて確認します。

違法工事を避けるため、建築基準法・消防法や自治体の条例の改正情報も確認して対応することが重要です。

要点3 適正な労務費を知って算出する

工事の概略が決定したら、作業員ごとの労務単価を計算して、工事全体の労務費を算出します。日当で労務費を決める方法もありますが、歩掛を使う場合は(労務単価 × 歩合)で1人あたりの労務費を算出できます。

要点4 材料費を算出する

図面から必要な部材を特定しつつ、材料費の概算を算出します。

引き込み設備や照明器具などの、工事を実施する建物の面積や部材の数量等を引用し、概算を求める方法が一般的です。

電気工事の積算での3つの注意点

電気工事の積算を行うにあたって、いくつか注意すべき点があります。ここでは、注意点3つをご紹介します。

適切な原価と利益の設定をしましょう

適切な原価と利益を設定することが重要です。適切な利益の確保ができなければ、事業を継続し難しく、原価に利益を乗せすぎれば、競争力を失った価格になり、受注が難しくなります。

部材単価や歩掛、労務単価などの分析を行って、適切な価格で見積りを出せるよう、努力する必要があります。

図面からの拾い出し間違いに注意しましょう

図面や配線図を元に、拾い出しをしていきますが、その際に生じるミスに注意しましょう。図面には配線や部品などが細かく示されているため、部材ごとの単価の拾い出しはとても面倒で、ミスも起こりやすくなります。配線図の場合は、実際の配線に必要な長さにも、注意しておこなう必要があります。

また、図面に線がたくさんあると、必要な線の数を間違えやすくなります。正しく行うためには、図面を隅々まで確認する必要があります。

積算業務の効率化を図りましょう

積算にかける時間にも人件費が発生しています。その為、効率的に進めることが大切です。拾い出しから見積もり作成には時間を要します。
積算ソフトの活用など、効率的に行えるよう工夫し、時間短縮を意識して進める必要があります。

まとめ

電気工事の積算について解説しました。上記のことからも分かるように、電気工事の積算では、部材、作業ごとにひとつひとつ細かい設定と計算が必要です。

電気工事における積算業務は、非常に手間のかかる業務ですが、正しく行うことで、赤字工事をなくし、利益を向上させることが出来ます。また、適切な価格提示ができることは、お客様からの信頼度アップも期待できます。要点をおさえて、お客様にとっても、会社にとっても良い、適切な積算を目指しましょう。

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