デジタル化に伴い、見積書の送付をメールで行うことが一般化しています。
そのため、郵送する場合のマナーやルールが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、見積書を郵送する場合の手順や注意点を解説します。
封筒の書き方や見積書の折り方、送付状の書き方もご紹介します。
見積書を郵送する方法
見積書は「信書」に該当するため、規定の方法で郵送する必要があります。
信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のことです。
引用元:郵便法 第1章第4条
信書の郵送は、これまで日本郵便株式会社のみに認められていました。
しかし、現在は信書郵法の許可を受けた民間事業者も請け負うことができるようになっています。
信書にあたる書類は下記の通りです。
- 見積書、契約書、請求書、納品書、申込書、注文書など
- 顧客謄本、印鑑証明書、品質証明書、住民票の写し、振込証明書など
見積書の郵送に利用できるサービス
ここでは、日本郵便を利用して見積書を郵送する場合の方法を紹介します。
日本郵便では、次の4つの方法で信書を送ることが可能です。
- 定形郵便
- 定形外郵便
- レターパック
- スマートレター
それぞれ確認しましょう。
ケース① 定形郵便
重量50gまでのものであれば、定型郵便として郵送することができます。
長辺23.5㎝、短辺12㎝、厚さ1㎝が最大のサイズです。
料金は、全国一律で次の通りです。
- 25g以内:84円
- 50g以内:94円
見積書を郵送する場合の封筒のサイズは、一般的に定形郵便に当てはまります。
ケース② 定形外郵便
定形郵便のサイズを超えたものは、定形外郵便として郵送可能です。
定形外郵便には、規格内(1㎏以内)と規格外(4㎏以内)の2種類があります。
料金は、全国一律で次の通りです。
- 規格内:120円(50g以内)~
- 規格外:200円(50g以内)~
2021年10月以降、定形郵便・定形外郵便などの郵便物は、土日、祝日の配達が休止となりました。
見積書の郵送を急いでいる場合は、「速達」にしましょう。
ケース③ レターパック
レターパックは、追跡サービスが備わったA4サイズの封筒です。
祝日や休日でも配達されるため、急いで見積書を郵送したい場合に便利です。
レターパックライトとレターパックプラスの2種類があり、料金は全国一律で次の通りです。
- レターパックライト:360円
- レターパックプラス:510円
ケース④ スマートレター
スマートレターは、A5サイズの封筒です。
レターパックのような追跡サービスはなく、土日、祝日の配達も行われません。
料金は、全国一律180円です。
見積書の郵送に利用できないサービス
同じ日本郵便のサービスであっても、以下のものは信書の送付に利用できません。
- ゆうパック
- ゆうメール
- ゆうパケット
- クリックポスト
また、信書郵法の許可を受けていない配送業者を利用することもできません。
信書の郵送を請け負うことのできる許可業者は、総務省のホームページから確認できます。
郵便法に違反するとどうなる?
規定された方法以外で見積書を郵送した場合、郵便法違反となってしまいます。
違反が見つかれば、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科されます。
見積書を郵送する際は、利用するサービスや業者をしっかり確認しましょう。
見積書に関する記事はこちら
見積書を郵送する手順
見積書を郵送する方法をご紹介しました。
次に、見積書を郵送する場合の具体的な手順を確認しましょう。
郵送の手順は、これまで紹介したサービスごとに若干異なります。
ここでは、定形郵便で見積書を郵送するケースを取り上げます。
STEP1 見積書の郵送に必要なものを用意する
まず、見積書郵送のために必要なものを用意しましょう。
- 封筒
- 切手
- 送付状
に加え、「見積書在中」のスタンプがあると便利です。
封筒・切手
見積書の郵送には、一般的に長形3号(120㎜×235㎜)の封筒を使います。
長形3号は、A4用紙を3つ折りにして入れられるサイズなので、見積書の郵送に便利です。
また、見積書を入れた状態での封筒の重量を計測し、必要な分の切手を準備しましょう。
すでに確認した通り、用意すべき切手の料金は次の通りです。
- 25g以内:84円
- 50g以内:94円
重量の計測が不安な場合は、郵便局の窓口に持ち込み、そのまま郵送の手続きをしましょう。
封筒の書き方、切手の貼り方は後ほどご紹介します。
送付状
送付状は、見積書と合わせて封筒に入れる書類です。
見積書を郵送する場合、発送連絡をしてから取引先に届くまでにタイムラグが生じます。
送付状があれば、届いた封筒を開封する際、封筒の中身についてすぐに把握することできます。
送付状の同封はビジネスマナーとされているため、忘れないよう準備しましょう。
送付状の書き方は後ほどご紹介します。
「見積書在中」のスタンプ
封筒に「見積書在中」と記されていれば、他の郵便物に紛れてしまうことはありません。
もちろん手書きすることも可能ですが、郵送する見積書の量が多ければ、大変手間がかかります。
業務効率化のためにも、スタンプを用意しておくと良いでしょう。
STEP2 見積書を封筒に入れる
見積書の郵送に必要なものの準備が整ったら、見積書を封筒に入れます。
見積書は、印字面を内側にして3つ折りにしましょう。
A4の見積書をきれいに3つ折りする方法として、例えば次のようなものがあります。
- 見積書とは別のA4用紙を用意する
- 見積書の上辺が右になるよう横向きに置く
- 見積書の右下の角に、縦にしたA4用紙の右下の角を重ねる
- A4用紙からはみ出した部分の見積書を、A4用紙の左側長辺に沿って折る
- A4用紙を抜き取り、見積書の上辺を先ほど作った折り目に重ねる
封筒への入れ方
見積書を3つ折りにしたら、送付状とあわせて封筒に入れます。
封筒の裏面を手前にし、向かって右側に見積書の上端がくるよう入れると良いといわれています。
見積書と送付状、封筒の宛先が同じかどうか、しっかり確認しましょう。
STEP3 切手を貼ってポストに投函
見積書を封筒にいれたら、切手を貼ります。
切手は、封筒表面の左上部に貼りましょう。
横に長い封筒を利用する場合は、右上部に貼ります。
切手を貼り終えたら、ポストに投函して完了です。
もちろん、郵便局の窓口に提出することも可能です。
見積書の電子化に関する記事はこちら
封筒の宛名の書き方
見積書を郵送する場合の手順を確認しました。
ここでは、見積書を入れる封筒の宛名の書き方をご紹介します。
縦長の封筒を利用する場合の記載例を見ていきましょう。
封筒表の書き方
封筒の表側には、以下のような手順で宛名を記します。
- 封筒の右上部に発送先の郵便番号を書く(横書き)
- 封筒の右側に発送先の住所を書く(縦書き)
- 住所の横に宛名を書く(縦書き)
- 封筒の左下部に「見積書在中」のスタンプを押す/「見積書在中」と書く(縦書き)
宛名の書き方について、ケース別に詳しくみていきましょう。
ケース① 会社・部署宛の場合
見積書の宛先を企業や組織全体にする場合、宛名の最後に「御中」を付けます。
- 会社宛の場合:〇〇株式会社 御中
- 部署宛の場合:株式会社〇〇 経理部 御中
株式会社は(株)と略さずに記しましょう。
また、前株なのか後株なのかしっかりと確認するようにしましょう。
ケース② 担当者宛の場合
見積書を個人に郵送する場合、宛名の最後に「様」を付けます。
「様」と「御中」は併用できないため、注意が必要です。
個人宛の場合、住所の左側から次のような順番で書いていきます。
- 社名・部署名
- 役職・氏名・様
役職が4文字以上の場合は、氏名の上ではなく、氏名の右側に書くとおさまりが良いです。
封筒裏の書き方
封筒の裏側には、以下のような手順で差出人の情報を記します。
- 封筒の半分より上の位置から住所を書く(縦書き)
- 住所の横に社名・部署名を書く(縦書き)
- 社名・部署名の横に氏名を書く(縦書き)
封緘日を記載する場合は、封筒裏側の左上部に書きます。
見積書メールへの返信に関する記事はこちら
送付状の書き方
見積書を入れる封筒の宛名の書き方を確認しました。
見積書を郵送する際、見積書に送付状を同封するのが一般的です。
ここでは、送付状の書き方をご紹介します。
送付状の記載項目
送付状に記載する基本的な項目は、次の通りです。
- 見積書の発送日
- 宛名
- 発行者
- タイトル
- 挨拶・本文・敬具
- 記書き
それぞれ詳しくみていきましょう。
項目① 発送日
見積書の発送日を記載します。
西暦で書くか、和暦で書くかといった決まりはありませんが、見積書の記載方法と統一するようにしましょう。
項目② 宛名
封筒の書き方でも確認した通り、宛名の最後には
- 会社・部署宛の場合:御中
- 担当者宛の場合:様
を付けます。
項目③ 発行者
見積書の発行者の情報を記載します。
- 社名
- 部署名
- 氏名
の順に書きましょう。
項目④ タイトル
送付状のタイトルを記載します。
- 御見積書送付のご案内
- 御見積書送付の件
- 御見積書の送付について
など、見積書の送付を知らせる文書であることを簡潔に記しましょう。
項目⑤ 挨拶・本文・敬具
挨拶と本文の記載例は次の通りです。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度は、弊社サービスの御見積りをおご依頼いただき、誠にありがとうございました。
つきましては、御見積書を同封いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
なお、ご不明な点などがございましたら、担当の〇〇(メール: ~~/電話:~~)までお気軽にお問い合わせください。
本文の後には、右寄せで「敬具」と記載します。
項目⑥ 記書き
記書きとは、伝えたい情報を箇条書きで簡潔に示す書式です。
書き方は次の通りです。
- 「敬具」の後、一行空けて中央に「記」と書く
- 「記」の下に、中央揃えもしくは左寄せで「御見積書 1通」などと記載する
- 伝達すべき情報をすべて記載したら、右寄せで「以上」と書く
見積書アプリに関する記事はこちら
まとめ
見積書を郵送する方法や手順、送付状の書き方をご紹介しました。
見積書を郵送する際は、封筒、見積書、送付状の宛先が同じかどうかしっかり確認するようにしましょう。
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