2020年に土木工事の新技術活用が義務化され、建築業をされている方は「NETIS」という言葉をよく耳にするようになったのではないでしょうか。
「NETIS」(ネイティス)とは、新技術情報提供システム(New Technology Information System)のことを言いますが、詳しくは分からない言う方が多くいると思います。
本記事では、新技術活用のためのデーターベースである「NETIS」は、一体のどのようなものなのか、詳しくお伝えしていきます。
NETISとは
「NETIS」とは、国土交通省が提供している新技術情報提供システムのことを言います。
これは、民間企業等が開発した新技術を、誰でも閲覧・検討できるように国土交通省が整備し、データーベース化したものです。
1998年からこの「NETIS」は運用を開始され、平成13年にはインターネット上に一般公開され、法人個人問わず、誰でも新技術の情報を閲覧することができます。
NETISに登録された新技術は、申請されてから5年間閲覧可能で、性能が高い技術であれば、10年間閲覧することができます。
NETISの仕組み
さて、次はNETISの仕組みについて説明します。
参考:国土交通省
- 公共工事等に関する実用化された新技術を、NETISに申請、登録を行う。
(各地方整備局・技術事務所にて申請を受付) - 審査が通ると公共工事等で、条件に合う新技術が活用される。
- 実際に技術が活用され、産学官での評価会議にて新技術の効果や性能を、5件以上獲得した場合、NETISに評価情報が掲載される。
NETISはこのような仕組みとなっており、評価情報が掲載されることで、高性能な技術の普及や更なる技術の開発・改良が狙えます。
新技術の中でも、より優れた技術であることが認められると、「有用な新技術」と認定され、活用されやすくなります。
これにより、新技術を活用することで業務の効率化や工事における品質や安全性の向上などに繋がるのです。
業務効率化に関する記事はこちら
新技術を活用する5つの方式とは
NETISの登録から活用されるプロセスには、5つの方式があります。
それぞれ事後評価を受けるまでのプロセスは異なっており、試行申請型や発注者指定型などがあります。
ここではどのようなものがあるか、簡単にお伝えします。
試行申請型
事後評価がされていないNETIS登録技術が対象で、成立性の確認とともに試行・評価が必要である型式。
フィールド提供型
現場や行政のニーズ等によって、具体的にフィールドで求める技術要件を明確にし、技術を開発した民間事業者等から技術提案の募集を行います。
そして、応募されたNETIST登録技術を審査・選考し、工事での発注者がこの選定された新技術を指定し、工事で試行した後に事後評価を行う型式。
テーマ設定型
現場や行政のニーズに沿ったテーマを設定し、地方整備局が技術を公募し、工事の発注の際に発注者が新技術を指定し、活用する型式。
施工者希望型
受注者が施工計画の中で活用を提案し、活用する型式。
また、入札契約後に施工者が技術提案申請に基づいて、施工者がNETISの登録商品を活用する型式。
発注者指定型
現場や行政のニーズ等から必要とされる新技術を、発注者が指定して活用する型式。
※発注事務所が工事の必要になるものを発注する際に、NETISの新技術を特記仕様書で指定して発注する。
NETIS活用のメリットとは?
では、NETISを活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
開発者側と施工者側にわけてご説明します。
開発者側のメリット
開発者側は新技術をNETISに申請し、登録することで得られるメリットは2つあります。
MERIT01 技術が活用される機会が増える
NETISに登録されると、国及び地方公共団体、施工業者、コンサルタント等に情報が提供されます。そのことによって、開発した技術の活用される機会が増えることが期待できます。
MERIT02 「有用とされる技術」に選定
NETISに登録した技術が公共工事で活用され、技術の性能や効果が優れていることが評価されると、「有用とされる技術」に認定されます。
「有用な技術」に選定されると、NETISの評価情報で公開されるため、工事成績評定へ加点され、工事現場での新技術の普及が促進されます。
施工者側のメリット
新技術を活用することで、業務の効率化や品質・安全性の向上だけでなく、入札の際に有利になる加点対象になっているのです。
MERIT01 技術評価点の向上
「総合評価落札方式」において、NETIS登録技術を使った技術提案を行うことで、技術評価点の向上が見込めます。
MERIT02 工事成績評定点の向上
NETIS登録技術を活用して施工を行うと、工事が完成した段階で工事成績評表定点の加点対象になります。
また、施工においてコストが削減できたり、工期を短縮できたなど質の高い施工実績を残すことで、次回入札に有利になる評価に繋がります。
加点の基準
新技術活用によって、複数の技術の評価が可能ですが、最大3点までと決められています。
加点対象となる項目は以下のとおりです。
NETISの種類とは?
NETISには様々な種類があるのはご存知ですか?
「識別記号」によって、「A」「V」「VE」「VR」の4種類に分類されているのです。
種類01 NETIS-「A」
識別記号が「A」と記されているものは、NETISに登録されてはいるものの、評価情報が掲載されていない技術のことを言います。
種類02 NETIS-「V」
識別記号が「V」と記されているものは、以前から登録されており、従来の実施要領による評価技術のものをいいます。
種類03 NETIS-「VE」
識別記号が「V」と記されているものは、今後継続的な調査が必要ないとNETISに評価された技術のことです。
つまり、新技術を使用した企業から高性能であることを認められたため、今後調査する必要がないと判断された技術になります。
種類04 NETIS-「VR」
識別記号が「V」と記されているものは、今後継続的な調査の対象とNETISに判断された技術のことを指します。
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まとめ
NETISは、工事において業務の効率化や品質・安全性の向上、工期の短縮のため、新技術を誰でも閲覧・検討できるように情報提供データーベースということが分かりました。
また、NETISを活用する施工者だけでなく、新技術を開発した登録者にもメリットがあります。
土木や建築業界では、技術者の高齢化や若年層の不足が大きな課題になっていますが、NETISを活用することで、より効率的でより安全性の高い工事が期待できます。
誰でも無料で閲覧することができるため、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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