解体工事は、リサイクルやアスベスト除去、市町村への届出など、多くの工程を必要とします。
その特殊性ゆえに、解体工事の見積計算は難しくなりがちです。
少しでも簡単に、正確な解体工事の見積作成をしたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、解体工事の見積の特殊性を解説し、見積ソフトを選ぶポイントやおすすめの解体工事向けの見積ソフトをご紹介します。
解体工事とは
どのような建物も、いずれは老朽化していきます。
古い建物をそのまま放置しておくと、崩壊して思わぬ事故につながることもあります。
また、新しい家に住んだり、廃業したりするなど、建物自体が不要となる場合もあります。
どのような場合にせよ、撤去すると決めた建物は責任を持って解体しなくてはいけません。
解体工事の種類
一口に解体工事と言っても、ただ建物を壊してまっさらにするだけではありません。
- 建物全ての解体
敷地内にあるもの全てを解体 - 建物の一部分のみ解体
増築部分の取り壊し、長屋の切り離しなど - 建物の内装のみ解体
リフォーム、リノベーションなど
このように、解体工事には様々なケースがあるため、それぞれに応じた安全に工事を進めるための計画を立てることが必要です。
また、重機を使って壊していった廃材もしっかりと処理する必要があります。
解体工事見積の特殊性
解体工事の見積は、一般的な工事見積よりも複雑であると言われています。
ここでは、解体工事の見積作成がなぜ難しいのか、その特殊性について解説していきます。
現場によって大きく異なる
まず1つ目に、同じような解体工事でも現場によって費用が大きく異なる、という点が挙げられます。
似たような工事内容であっても、
- その建物が木造なのか鉄骨造なのか
- 住宅が密集している土地かそうでないか
- 人通りの多い道路に面しているかどうか
などによってかかる費用は違います。
このように、解体工事の見積では、建物だけではなく、その周囲の環境も大きく関わってきます。
これらをきちんと考慮する必要があるため、解体工事の見積作成は難しいと言われています。
平均を出すのが難しい
見積金額の平均を出すことが難しい点も、解体工事の見積の特徴です。
先述の通り、解体工事の費用は、現場の環境によって大きく異なる場合が多々あります。
そのため、平均を出すのが難しくなってしまいます。
顧客の中には、金額の相場を尋ねる方も多いかと思います。
この場合、現場によって工事費が変動することをしっかりと伝えるようにしましょう。
計算項目の多さ
計算項目の多さも、解体工事の見積算出を困難にする要因です。
先ほど説明したように、木造か鉄骨造かでも金額は変わります。
また、アスベストを含む資材が使用されていれば、その処理費用も含めなければなりません。
防音対策が必要な現場である場合には、防音シートの設置費用も必要です。
加えて解体工事では、建設リサイクル法の届出費用も計算項目に含めます。
そのため、他の工事に比べて計算項目が多くなってしまいます。
アスベスト・建設リサイクル法に関するはこちら
解体工事見積ソフト導入のメリット
難しいことで知られる解体工事の見積を効率化する手段の一つに、解体工事見積ソフトの導入があります。
解体工事見積ソフトは、その名の通り、解体工事の見積に特化したソフトです。
解体工事見積ソフトの導入には、多くのメリットがあります。
ここでは、代表的なメリットについてみていきましょう。
業務効率化
解体工事見積ソフトのもつ最も大きなメリットは、業務効率化です。
複雑な解体工事の見積ですが、ソフトを活用することで、手作業よりも圧倒的にはやく行うことができます。
業務効率化によって、人件費などのコストもカットすることができるでしょう。
また、素早く見積を出すことで、商談スピードが上がったり、他の営業業務に時間をかけたりすることもできます。
見積精度の向上
二つ目のメリットは、見積精度の向上です。
見積は、その工事の利益に関わる非常に重要な作業です。
非常に重要であるにも関わらず、複雑さゆえに精度の低い見積をしてしまうこともしばしばあります。
解体工事見積ソフトでは、過去のデータを活用しながら、手作業で起こりがちなミスを削減し、高い精度の見積を実現することができます。
属人化の防止
最後に、属人化の防止があります。
解体工事の見積は、特殊性が高いゆえに、高度な知識・スキルを必要とします。
慣れるまでにも時間がかかるため、特定の人しか見積をすることができない、という状況が発生しがちです。
解体工事見積ソフトを使えば、見積に慣れていない人でも比較的簡単に見積作成ができます。
解体工事に関する記事はこちら
解体工事見積ソフトの選び方
解体工事見積ソフトといっても、特徴はさまざまです。
ここでは、解体工事見積ソフトの選び方をみていきましょう。
必要な機能を備えているか
解体工事の際には、さまざまな項目を見積もる必要があります。
この時、導入した見積ソフトに必要な機能がなかったために、この項目を見積りすることができなかったということは避けたいでしょう。
そのため、見積ソフトを選ぶ際は、自社が行う解体工事に欠かせない機能が搭載されているかどうかをしっかりと確認した方が良いです。
どのような提供形態をとるか
提供形態も、解体工事見積ソフトの導入において重要なポイントです。
現在提供されている見積ソフトは、主にクラウド型とインストール型の2種類に分かれます。
クラウド型はパソコンにインストールせずとも利用できる利便性が魅力です。
一方で、入力したデータなどは提供する会社が管理しているので、情報漏洩のリスクは避けられません。
セキュリティに不安を残したくない方はインストール型を選んだほうが良いでしょう。
しかし、大抵のソフトウェアは、インストールできるパソコンの台数が決まっており、利便性には劣ります。
また、インストール型だと出かけた先で気軽にソフトウェアを閲覧しづらいという難点も見逃せないでしょう。
価格が適切かどうか
解体工事見積ソフトの多くは、いずれも決して安くない価格設定になっています。
少なくとも、気軽に購入できる値段ではありません。
そのため、見積ソフトを選定する際は、導入するだけの価値が果たしてあるのかをじっくりと考慮しなければならないでしょう。
もちろん、自分に合った解体工事見積ソフトをしっかりと活用することができれば、長期的には利益増加に繋がります。
見積システムの導入に関する記事はこちら
おすすめ解体工事見積ソフト6選
複雑な解体工事の見積を算出するには、見積ソフトの使用が効果的です。
ここからは、おすすめの解体工事向け見積ソフトを5つご紹介します。
アイピア
まず最初に、弊社が提供する建築業向け管理システム『アイピア』をご紹介します。
アイピアは、解体工事を含むあらゆる工事の見積作成に対応しています。
エクセルと同じような操作感覚で見積作成ができるため、誰でも簡単に利用することができます。
過去の見積も取り込めるため、その都度新しい見積を作る必要もなくなり、作業時間の短縮が期待できます。
- 過去の見積を取り込むことができる
- 5階層まで対応
- エクセルデータのコピー&ペーストが可能
提供形態 | クラウド型 |
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価格 | 【ライトプラン】初期導入費:120,000円、月額:10,000円 【ベーシックプラン】初期導入費:420,000円、月額:20,000円 【プロフェッショナルプラン】初期導入費:510,000円、月額:30,000円 (月額:5ユーザーまでの場合の費用、1ユーザーにつき追加料金2,000円) |
体験版 | 無料体験デモあり |
機能 | 見積機能:マスタ検索・Excelインポート・多階層見積など その他:原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理(インボイス対応)、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理など |
解体くん
『解体くん』は、解体業者向けの業務コスト管理システムです。
見積から各現場のコスト分析まで、一元管理することが可能です。
また、解体くんはインターネット環境があれば、現場からでもスマホやタブレットを通じて入力できます。
システムを利用するたびに事務所へ戻る必要もありません。
- 見積から各現場のコスト分析まで、一元管理が可能
- インターネットがあれば、現場からスマホでの入力ができる
- データをリアルタイムで確認できる
提供形態 | クラウド型 |
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価格 | 要問合せ |
体験版 | 要問合せ |
機能 | 突合機能:下請け、取引業者からの請求書内訳と実際の工事原価登録を突合させて、過請求、過払いを防ぐ機能 承認機能:事務、管理者、経営者それぞれが見積り、各現場の工事日報、請求書、入金を電子印にて承認決裁する機能 |
ザ・解体見積
『ザ・解体見積』では、解体見積の作成に加えて、解体材の分別一覧も自動で作成することができます。
延べ面積と建築面積の入力のみで見積ができる簡易見積作成機能も搭載されています。
また、解体工事に必要な事前調査票の印刷にも対応しており、まさに解体工事に特化した見積ソフトです。
- 延べ面積と建築面積の入力だけで、見積作成ができる
- 分別仕様や積算方法の変更が可能
- 事前調査票印刷にも対応
提供形態 | インストール型 |
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価格 | 258,500円(税込) |
体験版 | 30日間無料体験版あり |
機能 | 事前調査表印刷 ・図面連動見積作成など |
解体見積EX
『解体見積EX』では、工事規模や業務用途に合わせた見積作成が可能です。
解体工事に必要な届出書作成も可能であり、届出に必要な廃棄物量の計算も自動で行うことができます。
- 廃材総量からのリサイクル量計算機能を搭載
- 届出書作成プログラムの実装
- 法定福利費を明示した見積書の作成
提供形態 | インストール型 |
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価格 | 初期導入費:260,700円(税込)、年間利用更新料:33,000円(税込) (1ライセンスパックの場合の費用) 法定福利費オプション:27,500円(税込) |
体験版 | 30日間無料体験版あり |
機能 | 見積フォーム機能:自社仕様の見積書の標準化が図れる |
T-COMM 解体業専用見積システム
『T-COMM 解体業専用見積システム』は、見積書はもちろん、発注書の作成や入金・支払管理にも対応しています。
解体工事であいまいになりがちな未収や未払いのお金を簡単に洗い出すことができます。
- 見積作成から工事費の支払いまで一元管理が可能
- 未払い金が把握できる
- ソフトの使用中にトラブルが起こっても、すぐに相談できるサポート体制
提供形態 | 要問合せ |
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価格 | 要問合せ |
体験版 | 要問合せ |
機能 | FAX送付状・工事請負契約書作成など |
楽王シリーズ
『楽王シリーズ』は、解体工事の積算見積に特化しています。
解体工事にかかる費用を拾い出し、複雑な計算を単純化することができます。
- 業務フローを変えずに導入が可能
- シンプルな操作で初心者にも優しい
- 電話やリモートで問題に寄り添うサポート体制
提供形態 | 要問合せ |
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価格 | 要問合せ |
体験版 | 要問合せ |
機能 | 見積コピー機能・集計機能・画面アレンジ機能など |
解体工事の資格や仕訳に関する記事はこちら
まとめ
解体工事の見積について、おすすめの見積ソフトとともにご紹介しました。
解体工事は、他の建築工事と比較して複雑であり、見積の算出も難しい傾向にあります。
見積書の作成ばかりに業務時間をとられていては、他の業務に影響が出てしまいます。
ぜひ、解体工事向けの見積ソフトを利用して、効率よく見積書を作成してみてください。
建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
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