内装工事はさまざまな種類があり、それぞれの工事の専門知識と技術を身につけた職人が、役割分担しながら工事を担っています。
ここでは、内装工事の種類とどのような工事を行うのかをご紹介し、内装工事に資格は必要なのかも見ていきます。
内装工事の流れについても確認していきましょう。
内装工事とは
内装工事とは、屋根や外壁、外構などの屋外の工事ではなく、建物の屋内を整える工事全般を指します。
建物を建て、使いやすく仕上げていくためには、さまざまな工程の工事が必要です。
多彩な種類がある内装に関する工事をまとめて内装工事と呼びます。
内装工事の種類
内装工事は種類も多彩ですが、ここでは代表的な工事をご紹介します。
軽鉄工事(鋼製下地組立)
軽鉄工事とは、建物の天井や壁の土台を造る工事のことです。
軽鉄という建材を用い、天井や壁の骨組みを組み立てます。
基礎となる柱などが建った骨組みに、設計図に沿って軽鉄を組み立て、建物の骨組みを形成する重要な作業です。
ボード工事(ボード張り)
ボード工事は、軽鉄工事で骨組みが構築された天井や壁に耐火性や耐水性のある石膏ボードを張っていく工事です。
設計によっては、ボードそのものが壁として目につくものになるため、つなぎ目が目立たないように張るなど、丁寧な作業が求められます。
クロス工事(壁紙工事)
クロス工事は、ボード工事が完了した天井や壁にクロスを張っていく工事です。
シワができることや気泡が入らないよう、ボードとクロスの間に空気が入らないように丁寧に施工することが求められます。
高い技術が要求される仕事です。
塗装工事
内装工事における塗装工事は、天井や壁をクロスではなく、塗装で仕上げるような場合や屋内で塗装が必要な場所を塗装していく工事です。
内装をはじめ、下地材を塗る場合もあります。
左官工事
左官工事は、天井や壁をボードやクロスではなく、塗り壁仕上げにする場合に求められます。
漆喰や珪藻土などの自然素材を用い、コテなどの道具と高い技術を用いて、風合いある凹凸の模様を描いていく作業です。
浴室やトイレなど水回りのタイル工事、玄関や土間の土間工事を行う場合もあります。
工場や厨房の塗床工事も、左官工事の一つです。
床仕上げ工事
床仕上げ工事は、床の下地に床材を敷き込んで床を仕上げる工事です。
フローリングをはじめ、クッションフロアやフロアタイル、カーペットなど、さまざまな種類があります。
1つの建物でも、リビングや水回り、寝室など部屋ごとに床材の種類が異なる場合も多く、1つずつ仕上げます。
床材によって技術も異なるため、あらゆる床仕上げ工事を担える業者や職人もあれば、フローリング専門といったケースも少なくありません。
建具工事
建具工事は、木製または金属製の建具を取り付ける工事全般を指します。
木製の建具というのは、たとえばドアやふすま、障子などです。
金属製建具とはアルミサッシやガラス、スチール製のドアや網戸などを指します。
建具工事の種類も豊富で、サッシ取付工事、金属製カーテンウォール取付工事、ふすま工事、シャッター取付工事、自動ドア取付工事などに分けられます。
さまざまな建具工事を一つの業者や職人で担えるケースもあれば、サッシ専門、ふすま専門などの特定の建具に特化した業者や職人も多いです。
家具工事
家具工事は、備え付けの造付け家具を製作し、取り付ける工事を指します。
吊戸棚や本棚、備え付けの木製カウンターをはじめ、施主から求められる室内のスペースに合った備え付け家具を設計し、制作して取り付けます。
設計図をもとに制作を行い、制作物を持ち込んで備え付けることや制作した部材や部品を持ち込んで現場で仕上げる工事です。
その他の内装工事
その他の内装工事も幅広くありますが、たとえば内装間仕切り工事やたたみ工事、防音工事やインテリア工事などが挙げられます。
内装間仕切り工事は部屋を仕切る間仕切り壁を設置する工事で、たたみ工事は和室に合った畳の制作から設置までの一連の工事を指します。
防音工事は周囲から入る音を防ぐ工事や防音室を造る工事のことです。
防音レベルの測定や設計、適した素材の選択など、高度な専門知識が必要です。
インテリア工事は照明器具の設置をはじめ、水回りの設備などの備え付けの設備の設置工事なども含まれます。
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内装工事に必要な許可や資格
内装工事を行う際にどのような許可や資格が必要でしょうか。
内装工事を行うには、基本的には特別な許可や資格がなくても、修行しながら知識と技術を身につけることで仕事をすることができます。
ただし、許可や資格を得る必要があるケースや有していたほうが有利になることも少なくありません。
建設業許可
内装仕上工事の建設業許可が必要になるのは、請負金額が500万円以上の工事を実施する場合です。
また、下請代金が4,000万円以上になる工事を請け負うには、一般建設業の許可ではなく、特定建設業の許可が必要です。
なお、こうした規模の大きな高額案件を請け負わないケースであっても、建築業の許可を得ていると取引先や顧客からの信頼が高まるので、将来の規模拡大を目指して建設業の許可を取得する業者も少なくありません。
設計士・建築施工管理技士
インテリア設計士は、かつては室内装備設計士と呼ばれた資格で、インテリア空間やインテリアエレメントの計画、設計、製作や施工、監理の専門知識と技術を有する資格で、日本インテリア設計士協会から付与されます。
建築施工管理技士は国家資格の一つです。
1級建築施工管理技士の有資格者がいれば、特定建設業の許可を得るにあたって設置が要求される営業所ごとに置く専任の技術者及び現場に配置する監理技術者として認められます。
また、2級建築施工管理技士の資格を取得することで、一般建設業の許可を受けるために必要な営業所ごとに配置する専任の技術者および建設工事における主任技術者として認められます。
そのため、建築施工管理技士の有資格者がいることは、建設業の許可を取得したい業者には重要な要素です。
内装仕上げ施工士
内装仕上げ施工技能士も国家資格の一つです。
各内装工事の種類ごとに専門知識と技術を身につけ、一定の実務経験を持つ人が学科試験と実技試験に合格することで付与されます。
顧客の信頼を得られるほか、内装仕上工事(一般)の建設業許可における専任技術者として認められます。
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内装工事の流れ
内装工事の一般的な流れについて見ていきましょう。
顧客と打ち合わせ
内装工事の依頼をしたい顧客からの問い合わせや相談を受け、工事内容について打ち合わせを行います。
この段階では、まだ依頼されるか確定していないのが一般的です。
内装設計図の作成・修正
打ち合わせ内容にもとづき、内装設計図の作成を行って提案を行います。
顧客の要望を踏まえ、設計図の修正を行い、納得いくプランに仕上げます。
見積書の提示・契約
納得された設計図で内装を仕上げる場合の見積もりを行い、見積書を提示します。
見積額や施工期間などに納得してもらえたら、正式に発注をもらい、契約手続きを行うことが必要です。
法令のルールにもとづき、契約書面を整えて手続きを取り交わします。
内装工事着工
顧客と打ち合わせたスケジュールをもとに、内装工事を行います。
一部のみの工事を担うこともあれば、内装工事の種類にもとづき、複数の業者で役割分担のもと、順番に工程を行ってくケースも少なくありません。
引渡し
すべての工事が完了したら、顧客に確認してもらい、問題なければ引渡しを行います。
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まとめ
内装工事は建物の屋内工事全般を指します。
内装工事の主な種類として、軽鉄工事(鋼製下地組立)、ボード工事(ボード張り)、クロス工事(壁紙工事)、塗装工事、左官工事、床仕上げ工事、建具工事、家具工事などがあり、その他の内装工事としてたたみ工事や防音工事、インテリア工事などがあります。
内装工事に必要な許可や資格として、必要に応じて建設業許可や設計士・建築施工管理技士、内装仕上げ施工士を取得しておくと、仕事の幅が広がり、顧客からの信頼も得られて有利です。
内装工事の主な流れは、顧客と打ち合わせ→内装設計図の作成・修正→見積書の提示・契約→内装工事着工→引渡しです。
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