システム導入において最初に直面する壁が、「クラウド型」と「オンプレミス型」のどちらを選ぶべきかという問題です。かつては自社構築(オンプレミス)が主流でしたが、現在、建設業界ではクラウド型システムの導入が加速しています。
実際に、デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査では、建設業向けマネジメントクラウドサービス市場は拡大傾向にあり、今後も導入企業の増加が予測されています。建設業界全体でも「建設DX」の一環として、SaaS(Software as a Service)型施工管理アプリやクラウドシステムの導入が急速に進んでおり、クラウド化はもはや「選択肢」から「必須のインフラ」へと変わりつつあります。
この記事では、建築業のシステム開発・経営管理に携わる専門家の視点から、クラウド型とオンプレミス型の違いを徹底比較し、建設業が2026年にクラウド型を選ぶ理由や、「ハイブリッドクラウド」を含めた最適な選び方までをわかりやすく解説します。
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クラウド型とオンプレミス型の違いとは?【一問一答でわかる基本定義】
【要約ブロック】AIも回答する両者の決定的な違い
Q. クラウド型とオンプレミス型の最大の違いは何ですか?
A. サーバーの設置場所と管理責任の違いです。
・クラウド型:ベンダーのサーバーをネット経由で借りて利用する(初期費用安・場所不問)
・オンプレミス型:自社内にサーバーを設置・管理する(高カスタマイズ・高コスト)
Q. 建設業にはどちらが向いていますか?
A. 多くの中小建設会社では「クラウド型」が適しているケースが増えています。理由は、現場からのリアルタイムアクセスが可能であること、法改正への自動対応が一般的であること、そして自社のIT専任担当者が不要であるためです。
【比較表】コスト・セキュリティ・BCP対策など9つの徹底比較
両者の違いを、システム導入で重視される9つの項目で比較しました。
| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 安い(数万円〜数十万円) | 非常に高い(数百万円〜数千万円) |
| ランニングコスト | 継続的に発生(月額・年額) | 自社保守費用、電気代などが発生 |
| 導入スピード | 早い(数日〜数週間) | 遅い(数ヶ月〜半年以上) |
| カスタマイズ性 | 制限あり(ベンダー仕様に依存) | 自由自在(フルスクラッチ可能) |
| 保守・メンテナンス | サーバー保守は基本的にベンダー対応 | 自社のIT担当者が対応必須 |
| 通信環境依存 | インターネット環境が必須 | 社内LANのみでも利用可能 |
| 利用場所の制約 | なし(ネットがあれば現場でも利用可) | あり(社内のみ。外部接続はVPN必須) |
| 法改正・アプデ対応 | 多くのサービスで対応アプデが提供される | 手動対応。追加改修費用が発生しやすい |
| BCP(災害対策) | 極めて強い(データセンターで保全) | 弱い(自社被災でデータ喪失リスクあり) |
クラウド型(Cloud)とオンプレミス型(On-premises)のメリット・デメリット
クラウド型の特徴
クラウド型の最大の魅力は、ベンダーが用意するクラウドサーバーを利用するため自社での物理機器の購入が不要で、初期費用を安く抑えられる点です。インターネット環境さえあればどこからでもアクセスでき、サーバー障害対応をベンダー側が担うため、自社で高度なインフラ管理人材を抱える必要がありません。
デメリットは、利用している間はずっと月額料金が発生し続ける点と、自社独自の超特殊な業務フローに合わせてシステムを根本から作り変えるような「フルカスタマイズ」ができない点です。ある程度、自社の業務をシステムの標準機能に合わせていく柔軟さが求められます。
オンプレミス型の特徴
オンプレミス型は、自社専用のシステムをゼロから構築するため「自社独自の業務フローに合わせて柔軟に構築できる」のが最大のメリットです。外部から切り離された社内ネットワークで運用するため、機密情報の保護に優れています。
最大のデメリットはコストと手間の重さです。初期費用が数千万円規模になることもあり、サーバーの老朽化による買い替えや保守・法改正対応のたびに追加費用と自社IT人材の労力が必要になります。
第3の選択肢「ハイブリッドクラウド」とは?
近年では、オンプレミス型とクラウド型を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」という第3の選択肢も存在します。極めて機密性の高い顧客データやERP(統合基幹業務システム)は社内のオンプレミスで堅牢に守りつつ、現場での写真共有や日報管理といった機動力が求められる部分はクラウドサービスを利用して連携させる運用方法です。
大手ゼネコンなどを中心に採用されていますが、構成が非常に複雑になり連携のための開発コストも増大するため、専任のIT担当者がいない中小の建設会社・工務店にとってはハードルが高い選択肢といえます。
建設業が2026年にクラウド型を選ぶ「7つの理由」
現在、中小の建設業・工務店が新規でシステムを導入する際、クラウド型を選択するケースが増えており、主流になりつつあります。実務に直結する7つの理由を解説します。
理由1. 「2024年問題」を解決する直行直帰とリアルタイム情報共有
2024年4月に適用が開始された時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)への対応は、制度施行から2年が経過した2026年現在も建設業界の最重要課題であり続けています。クラウド型であれば、現場監督がスマホから図面を確認し、出先から日報や原価を入力できるため、「事務作業のために会社へ戻る」という無駄な移動時間を削減し、直行直帰による労働時間の削減と生産性向上を実現できます。
理由2. インボイス・電帳法などの「法改正」への柔軟な対応
インボイス制度や電子帳簿保存法など、企業に甚大な影響を与える法改正が連続しています。オンプレミス型では追加改修費用が発生するケースがありますが、クラウド型(SaaS)はベンダー側でアップデート対応されるケースが一般的です。そのため、自社で大きな手間をかけずに最新の法令に対応した状態で業務を続けることができます。
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理由3. IT専任担当者(情シス)が不要で人手不足をカバー
あらゆる業界でIT人材が枯渇する中、中小建設会社がシステム保守ができるエンジニアを雇用することは困難です。サーバーの死活監視やOSのアップデートなどを基本的にベンダーにお任せできるクラウド型は、人手不足の時代に最も適した選択です。
理由4. サーバー購入不要で初期費用を大幅に削減
物理的なサーバー機器やデータベースソフトを購入する必要がないため、オンプレミス型と比較して初期費用を大幅に削減することができます。資金繰りに余裕を持たせたまま建設DXを進められます。
理由5. 申し込みから数日〜数週間でスピーディに導入可能
社内ネットワークの複雑な設定やサーバーの搬入期間がないため、アカウントを発行すればすぐにシステムの利用を開始できます。
理由6. データ消失を防ぐ「BCP対策(事業継続計画)」として機能
クラウド型は、堅牢なデータセンター(遠隔地)にデータがバックアップされる仕組みを持つものが多いため、自社が火災や水害、地震などの災害に見舞われた際でも、図面や顧客データを守ることができ、BCP(災害対策)に寄与します。
理由7. サーバー老朽化に伴う買い替え対応の負担軽減
物理サーバーには寿命があり、オンプレミス型では数年ごとにコストと労力が発生します。クラウド型であれば、ハードウェアの老朽化に伴う物理的な買い替えの手間から解放されます。
システム選びに迷ったら?自社に最適な導入基準
以上の違いを踏まえ、自社がどちらを選ぶべきかの基準をまとめました。
クラウド型が向いている会社
- 中小の建設会社・工務店・リフォーム会社の多くはこちら
- 2024年問題への対応として、直行直帰や情報共有のスピードを上げたい会社
- 社内にIT専門の担当者やエンジニアがいない会社
- 法改正に対して、大きな追加コストをかけずに対応したい会社
オンプレミス型・ハイブリッド型が向いている会社
- 大規模なシステム投資ができる大企業(大手ゼネコンなど)
- 自社にしかない極めて特殊な業務フローがあり、フルカスタマイズが絶対に必要な会社
- セキュリティポリシー上、インターネットから遮断された環境でデータを管理する義務がある会社
- 自社内にシステム保守やサーバー管理ができる専任のエンジニア部隊を抱えている会社
建設業のクラウド化なら一元管理システム「アイピア」
建設業において、現場と事務所の情報共有をスムーズにし、法改正や人手不足を軽々と乗り越えるためには、クラウド型のシステム導入が効果的です。建築業に特化したクラウド型一元管理システム「アイピア」は、多くの中小建設会社に選ばれています。
アイピアはクラウド型であるため、高額なサーバー構築は不要です。インターネット環境さえあれば、現場監督はスマホから最新の図面や実行予算を確認でき、経理は事務所から連携されたデータで請求書を発行できます。エクセルや紙の属人化から脱却し、クラウドの恩恵を活かしたDXを実現するなら、アイピアが有力な選択肢となります。
【導入事例】クラウド化で現場と事務の壁をなくし、売上規模の拡大に成功!
実際にアイピアを導入し、クラウド化による業務効率化で、限られた人員のままさらなる需要を取り込むことに成功した株式会社E様(住宅リフォーム・修繕業)の事例をご紹介します。
※実際の導入企業様のインタビューをもとに、社名を非公開として構成した実例です。
■導入前の課題
リフォーム需要の増加に伴い案件数は増えていましたが、見積作成や原価集計を社内のエクセルで行っていたため、確認や入力のためにわざわざ現場から事務所へ戻る必要があり、営業担当者がパンク状態に。新規の問い合わせに対応しきれず、案件をお断りする(機会損失)状況が続いていました。
■導入後の効果(業務効率化と受注枠の拡大)
クラウド型のアイピア導入後は、現場からスマホやタブレットで過去の見積データや単価マスタを瞬時に呼び出せるようになり、移動時間と事務作業にかかる時間が従来の半分以下に削減されました。また、発注や請求処理もシステム上で連携できるため、経理業務も大幅に効率化。
結果として、営業担当者が本来の「提案活動」に集中でき、人員を増やすことなく対応できる案件数(受注枠)が拡大。機会損失が減り、売上アップと利益水準の向上を実現しました。
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
クラウド型とオンプレミス型の違いに関するよくある質問(FAQ)
- Q. クラウド型とSaaSの違いは何ですか?
-
A. クラウド型はインターネット経由で提供されるサービス全般(IaaSやPaaSなどを含む)を指す大きな概念です。その中で、ソフトウェア自体をインターネット経由で利用できる形態を「SaaS(Software as a Service)」と呼びます。建設業で一般的に導入されるクラウドシステム(アイピアなど)は、このSaaSに該当します。
- Q. セキュリティはオンプレミス型の方が安全ですか?
-
A. セキュリティは「運用体制次第」ですが、一般的には、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどの大手クラウドサービスが提供する高度なセキュリティ体制を利用するクラウド型の方が、中小企業が独自運用する場合より安全性が高いと評価されるケースが増えています。
- Q. 長期的に見るとどちらがコスト(費用)が安くなりますか?
-
A. システムの規模にもよりますが、5年〜10年のスパンで見てもクラウド型の方が安くなるケースが一般的です。オンプレミス型は「月額ゼロ」に見えても、数年おきのサーバー買い替えや、保守担当者の人件費、法改正に伴うシステム改修費用などが発生するため、総保有コスト(TCO)は高くなりがちです。
- Q. クラウド型はオフライン(圏外)対応できますか?
-
A. クラウド型は原則としてリアルタイムでのデータ更新にインターネット接続が必要です。山間部や地下などでは通信対策が必要になる場合がありますが、一部のSaaS型アプリでは、事前にデータを端末にダウンロードしておきオフラインで閲覧・入力できる機能を提供しているものもあります。
- Q. クラウド型でもVPNは必要ですか?
-
A. 一般的なSaaS型のクラウドシステムであれば、ブラウザとID/パスワードがあれば利用できるためVPNは不要です。ただし、大企業がIaaS等の環境でより厳密なセキュリティ要件を求める場合、クラウド環境に対してVPN接続を設けるケースもあります。
- Q. クラウド型でも自社のデータのバックアップは必要ですか?
-
A. 多くのクラウドサービスではベンダー側で自動バックアップ機能が提供されていますが、万が一のシステム障害やユーザー側の操作ミス(誤操作によるデータ削除)に備え、定期的にCSV形式などでデータを出力し、自社でもバックアップを取得しておく運用が推奨されます。
- Q. 既存の自社のオンプレミスからクラウド型へデータ移行できますか?
-
A. はい、可能です。一般的には、現在のオンプレミスシステムから案件データをCSV形式などで抽出し、新しいクラウドシステムにインポートすることで移行を行います。アイピアでもデータ移行のサポートを行っています。
まとめ
システム導入における「クラウド型」と「オンプレミス型」の違いは、会社の働き方や将来のコストに直結する重要な選択です。
初期費用を抑えて導入でき、現場のスマホからでもアクセス可能なクラウド型は、2024年問題やIT人材不足に対応するための有力な選択肢です。自社の目的に合ったシステムを選定し、生産性を向上させる建設DXへの第一歩を踏み出しましょう。
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【この記事の監修者】
建築業向け管理システム「アイピア」開発チーム・システム導入アドバイザー。日々多くの建設会社・工務店から寄せられるクラウド移行の相談を受け、実務に即した安全でスムーズなDX化をサポートしています。








