働き方の多様化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を背景に、請求書業務の効率化を目的として電子請求書を導入する企業が増えています。
また、電子帳簿保存法への対応により、請求書をはじめとする帳票類は電子データのまま適切に保存・管理することが求められるようになりました。そのため、電子請求書システムの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、電子請求書の概要や導入するメリット・注意点に加え、電子帳簿保存法との関係についてもわかりやすく解説します。
電子請求書とは

電子請求書とは、紙の請求書をPDFなどの電子データで作成・送付・保存する請求書のことです。メールやクラウドサービスを利用してやり取りするため、印刷や郵送の手間を削減でき、請求書の作成から管理までを効率化できます。
近年は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や働き方の多様化に加え、電子帳簿保存法への対応を背景として、電子請求書を導入する企業が増えています。
電子請求書は法律上有効?
電子請求書は、電子帳簿保存法などの法令に沿って適切に保存・管理することで、法律上有効な請求書として認められます。
また、電子取引で受け取った請求書は、原則として電子データのまま保存する必要があります。そのため、電子請求書を導入する際は、電子帳簿保存法の要件を満たした運用を行うことが重要です。
電子請求書の送付方法
電子請求書の主な送付方法は、次の3つです。
- メールで送付する
- クラウド上からダウンロードしてもらう
- 電子請求書システムでやり取りする
それぞれメリット・デメリットがあるため、自社の運用方法や取引先の環境に合わせて選ぶことが大切です。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| メール | 簡単 | 検索性・管理性が低い |
| ダウンロード | 受領確認可能 | 受取側の運用負担 |
| 電子請求書システム | 一元管理・法対応 | 導入コスト |
メールで送付する
PDFなどの請求書をメールに添付して送付する方法です。特別なシステムを導入する必要がなく、手軽に利用できます。
一方で、誤送信のリスクや検索・管理のしづらさなどの課題があります。また、電子帳簿保存法に対応するためには、受信した電子データを適切な方法で保存・管理する必要があります。
クラウド上からダウンロードしてもらう
クラウド上に請求書をアップロードし、取引先にダウンロードしてもらう方法です。
受領状況を確認しやすく、メール添付よりも安全に運用できる点がメリットです。一方で、取引先にもクラウドサービスの利用や保存方法への対応が求められる場合があります。
電子請求書システムでやり取りする
電子請求書システムを利用すると、請求書の作成から送付、受領、保存までを一元管理できます。
システムによっては受領状況の確認や検索機能、リマインド機能などを備えており、請求業務を効率化できます。また、電子帳簿保存法の要件に対応したシステムを利用することで、法令に沿った運用もしやすくなります。
請求書に関する記事はこちら
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、帳簿や請求書などの国税関係書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。
制度はこれまで複数回改正されており、現在では電子取引で受け取った請求書や領収書などは、原則として電子データのまま保存することが求められています。
電子帳簿保存法の主な改正ポイント
2022年1月の法改正では、企業が電子化へ対応しやすいよう制度が見直されました。主な改正内容は以下の6つです。
- 事前手続きの廃止
- タイムスタンプ要件の緩和
- 検索要件の緩和
- 適正事務処理要件の廃止
- 電子データ保存の義務化
- 罰則の強化
特に重要なのは、「電子取引で受け取った請求書は電子データのまま保存する必要があること」と、「必要な情報を検索できる状態で管理すること」です。電子請求書システムを活用することで、これらの要件に対応しやすくなります。きて請求書への押印も必要ありません。
電子請求書の送付方法の中でもメリットが多いです。
電子請求書のメリット
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電子請求書には、業務効率化やコスト削減だけでなく、法令対応のしやすさといったメリットがあります。
紙の請求書を利用してきた企業にとっては不安もあるかもしれませんが、正しく導入することで業務負担の軽減につながります。
ここからは、電子請求書を導入することで得られる主なメリットについて解説します。
手間やコストを削減できる
請求書の発行には、作成・印刷・封入・発送といった多くの手間やコストがかかります。取引先が増えるほど、その負担は大きくなります。
また、紙の請求書は法律により7年前後の保管が義務付けられているため、保管スペースの確保や管理コストも発生します。
電子請求書であれば、システムを活用して作成から送付までを一元管理できるため、作業時間を大幅に削減できます。郵送が不要になることで、印刷費や郵送費もかかりません。
例えば、毎月100件の請求書を発行している企業であれば、印刷・封入・郵送にかかる時間やコストを削減でき、担当者の負担軽減につながります。
保管もパソコンやクラウド上で行えるため、物理的な保管場所に困ることもなくなります。
改ざんや紛失のリスクを回避できる
電子請求書をクラウド上で管理・やり取りすることで、請求書の改ざんや紛失のリスクを低減できます。データの変更履歴が自動で残るため、不正が起きた場合も確認が可能です。
また、送信・受信の履歴が残るため、「郵送したはずの請求書が届いていない」といったトラブルを防ぐことにもつながります。
例えば、「いつ・誰に・どの請求書を送付したのか」をすぐに確認できるため、取引先からの問い合わせにも迅速に対応できます。
紙での管理と比べて、信ぴょう性の高い運用ができる点も大きなメリットです。
承認・確認作業をスムーズに行える
紙の請求書の場合、上長の不在や出張などにより、承認作業が滞ってしまうことがあります。承認が遅れることで、請求書の送付や入金確認が遅れてしまうケースも少なくありません。
電子請求書であれば、パソコンやスマートフォンから請求内容を確認できるため、外出先やテレワーク中でも承認・確認作業が行えます。
例えば、外出中の上長でもスマートフォンから請求内容を確認・承認できるため、帰社を待たずに請求書を発行できます。
その結果、請求業務全体のスピードが向上し、業務の停滞を防ぐことができます。
電子帳簿保存法への対応がしやすい
電子請求書は、電子帳簿保存法で定められている保存要件や検索要件に対応しやすい点もメリットです。システム上で管理することで、取引年月日や取引先、金額などの条件で検索できる環境を整えやすくなります。
紙やメール添付での管理と比べて、法令に沿った形での保存・運用がしやすく、税務調査の際にもスムーズに対応できます。
例えば、税務調査で特定の請求書の提出を求められた場合でも、取引先名や日付などで検索し、短時間で必要な書類を見つけることができます。
今後、電子データでの保存が前提となる中で、電子請求書は法令対応を効率的に進めるための有効な手段といえるでしょう。
請求書発行システムに関する記事はこちら
電子請求書を導入する際の注意点
電子請求書はメリットが多く、導入すれば業務の効率化やコスト削減を実感できるでしょう。
一方で、導入・運用にあたってはいくつか注意すべき点もあります。
事前にポイントを把握しておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズに運用できます。
取引先と事前に話し合う
電子請求書を導入する際は、自社だけでなく取引先の対応状況を事前に確認しておくことが重要です。
取引先によっては、紙の請求書でのやり取りを前提としている場合もあります。
また、システムの都合や社内ルールにより、
電子請求書の形式や提出方法について指定があるケースも考えられます。
そのため、導入前に必ず取引先と認識をすり合わせておきましょう。
フォーマットを変更できるようにしておく
取引先によっては、
「文字が見えにくい」「自社の管理に合わない」などの理由から、
独自の請求書フォーマットを指定されることもあります。
こうした要望に柔軟に対応できるよう、フォーマットのカスタマイズが可能な電子請求書システムを選ぶと安心です。
将来的な取引先の増加にも対応しやすくなります。
セキュリティ対策を整える
電子請求書は紙に比べてセキュリティ性が高いものの、
より安全に運用するためには追加の対策が欠かせません。
不正アクセスやサイバー攻撃に備え、
通信データの暗号化やアクセス制限が整ったシステムを利用することが重要です。
また、万が一のトラブルに備えて、
データのバックアップ体制を整えておくことも忘れないようにしましょう。
電子請求書に関するよくある質問
最後に、電子請求書に関するよくある質問に回答していきます。
- 電子請求書は法律的に本当に有効ですか?
-
はい。
電子請求書は、電子帳簿保存法の要件を満たしていれば、法律的にも有効な請求書として認められています。
税務調査の際も、適切に保存されていれば証拠書類として提出可能です。 - 電子請求書は紙に印刷して保存しても問題ありませんか?
-
いいえ。
電子データで受け取った請求書は、電子データのまま保存することが義務付けられています。
電子帳簿保存法の改正により、原則として紙での保存は認められていません。 - 電子請求書は取引先の同意が必要ですか?
-
多くの場合、事前に取引先への確認・合意を取ることが望ましいです。
取引先によっては紙でのやり取りを指定しているケースもあるため、トラブル防止のためにも事前に相談しておきましょう。 - 電子請求書はメールで送るだけでも対応できますか?
-
PDFをメールで送付する方法でも、電子請求書として扱われます。
ただし、検索性やセキュリティ面に不安が残るため、クラウド型の電子請求書システムを利用する方が安心です。 - 電子請求書の保存期間はどれくらいですか?
-
電子請求書も紙の請求書と同様に、原則7年間の保存義務があります。
保存期間中は、検索要件を満たした状態で管理する必要があります。 - 電子請求書は中小企業でも導入できますか?
-
はい。
近年は中小企業向けに、低コストかつ操作が簡単な電子請求書システムも多く提供されています。
業務効率化やコスト削減の観点からも、無理なく導入できます。
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まとめ
電子請求書の活用には、業務効率化やコスト削減など多くのメリットがあります。
改正された電子帳簿保存法により、帳票の電子データ保存も以前より導入しやすくなっています。
また、電子データで受け取った請求書は、電子データのまま保存することが義務付けられているため、
法改正に対応できる体制をあらかじめ整えておくことが重要です。
電子請求書システムを活用すれば、請求書の作成から送付、管理までを一元化できます。
コスト削減や業務効率向上のためにも、電子請求書の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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