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PDCAサイクルで業務を効率的に回す方法と具体例

PDCAサイクルで業務を効率的に回す方法と具体例

今さら「PDCA?」と思われる方がいるくらい
社会人のみならず、学生でも知っている「PDCA」ですが、日々の業務で「PDCAサイクル」を回せている方は少ないです。

マネジメントスキルの中でもメジャーなので、改めて振り返ってみましょう。
また、自社で活用できるようにパワーポイントのPDCAシートも準備しましたので、ご活用してください。

目次

PDCAサイクルとは

みなさん周知だと思いますが、P(Plan:計画)、D(Do:実行)、C(Check:評価)、A(Act:改善)の頭文字をとってPDCAサイクルといいます。
仕事の進め方のポイントとして「PDCAサイクル」を回すように言われますが、PDCAサイクルを回していくことで、業務の品質や改善を行うことが出来ます。

PCDAサイクルの概念に「スパイラル(螺旋状)アップ(向上)」という言葉があるように、
サイクルを回していくことにより、効果の大小はあれ、繰り返される品質向上につながっていくという考えがあります。

昔から「PDCAサイクル」という言葉はあり、多くの企業でPDCAサイクルを取り組んでいますが、
多くの方が知っているが、なかなかで思うようにできていないというのが現実です。

PDCAサイクルはもともと品質管理の手法として考えられたものです。
米国のウィリアム・エドワード・デミング博士が提唱し始めたといわれていています。

また、「国際基準化機構」を示すISOのうち、品質マネジメントシステム(顧客満足度)を目的としたISO9001では
PCDAサイクルを回すこと、すなわち「継続的改善」が出来ていることが要求事項として定められています。

P(Plan:計画)

まずは、Planからですが、計画とは具体的には何を決めていけばよいでしょうか?

ポイント1:細分化する

「Who:誰が」「When:いつ」「Where:どこで」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どうやって」「How much:いくらで」と、「5W2H」で細かく計画していくことが重要です。

ポイント2:目標と計画の違いを意識する

Planを設定する際に「目標:売上5億円」や「目標:契約数:30件」といった数値が出てきますが、これは目標であった、目標を「どうやって」達成するかの計画がありません。
Planを設定する際は目標と計画の両方を設定しましょう。

D(Do:実行)

Planの設定が完了したら次はDoに移っていきます。
Do(実行)ということで、ただ実行をすればよいという訳ではありません。

ポイント1:適正な評価ができる仕組みを作る

次項のC(評価)で適正な評価ができる仕組みを作っておく必要があります。

基本的は実行した内容をきちんと残しておくことです。残すべき項目については次項のC(評価)で説明します。

ポイント2:スムーズに実行ができる仕組みを作っておく

計画通りにD(実行)を行うために報連相のやり方を決めておく必要があります。
例えば、こういったことはありませんか?

  • 報告がない
  • もっと早く報告してほしかった
  • その報告はメールじゃなくて直接だろ

これは、報連相のルールを事前に決めていない為に発生します。マネジメントが上手な人は、
報連相に関する指示を、「事後」ではなく「事前」にしています。
計画と実績がずれないようにするためには、進捗を把握し、ずれが生じている場合には即座に軌道修正を行う必要があるので、
報連相の頻度タイミング欲しい内容手段などを事前に決めておくとよいでしょう。

C(Check:評価)

ポイント1:数値で評価する

個人の感覚や感想ではなく、誰もが共通認識できる数値で評価するようにしましょう。
例えば、売上に対する評価をする際に指標として、量・質・時間・スピードがあります。

:提案数や見積書作成数などの行動量で評価します。
:売上で言うなら営業の質、つまり契約率になってきます。
時間:そもそも全体の業務の中で、計画通りの量が行えるだけの時間を割くことができたかどうかです。
スピード:1件の提案や見積書作成にかかる時間です。1時間かかる人もいれば30分で終わる人がいた場合、 より早い時間で終わるように目指します。

A(Act:改善)

評価ができたら結果に対しての改善や、このプロジェクトの継続していくのか?といった全体のことを含めて改善をしていきます。

ポイント1:Pにつながる改善を意識する

PDCAサイクルのサイクルになるかどうかはこのA(改善)にかかっています。
P(計画)につながるように改善を行うことで、次のPDCAサイクルに移ることができます。

PDCAサイクルの具体的な活用例

では、実際にPDCAサイクルをどのように回していくのか具体例をもとに見ていきましょう。
今回は例として、この情報サイト「AIPPEAR.NETの1か月間の新規訪問アクセスユーザーを1日100人増やす」としてやっていきます。
※実際の内容と違う点もありますので予めご了承ください。
では、まずはPlanから見ていきましょう。

①「Plan」

まずは、ペルソナを作成いたします。(詳細は省きます。)
1日1記事をペルソナに沿った内容の記事を書いていくと決めました。
1日1個の記事を、そのメディアが想定しているターゲットに向けて書くとします。
まずは、現状の数値を見てみましょう。

訪問UU:1000人/日
平均滞在時間:3分
月間記事公開本数:10~15本

次に、目標である1日100人の新規アクセスユーザーに見られるには、
ペルソナがどのようなニーズがあるのかを調べて、どういった記事を作成すれば、100名の人に見てもらえるかを考えました。

②「DO」

では実際に毎日、1記事書いていきましょう。
私の場合は、記事ごとにペルソナが調べそうなキーワードを決めて、検索ボリュームを調べています。
(そもそも、検索する人がいないキーワードで記事を作成してもアクセス数にはつながらない為です。)
また、後でチェックができるように、作成した記事のキーワードや、日別のアクセス数や、
作成にかかった時間など、数値出来る情報を集めておきましょう。

③「Check」

さて、次はチェックの段階です。行動ベースと結果ベースで「Check」を行っていきます。
今回の行動ベースは「毎日、1記事を書く」です。

  • 1日1記事を書くことが出来たのか?
  • 達成できた要因は何だったのか?
  • 達成できなかったとしたら原因は何だったのか?
  • 記事数を増やすとユーザー数が伸びる


などを「Check」していきます。

結果ベースは「新規訪問アクセスユーザーを1日100人増やす」です。
・新規アクセスユーザーを1日100人増やすことが出来たのか?
・新規ユーザーを増やすことで、ほかの数字(滞在時間や直帰率)は悪くなっていないか?
・達成できなかったとしたら原因は何だったのか?

  • 新規アクセスユーザーを1日100人増やすことが出来たのか?
  • 新規ユーザーを増やすことで、ほかの数字(滞在時間や直帰率)は悪くなっていないか?
  • 達成できなかったとしたら原因は何だったのか?


などを「Check」していきます。

また、仮説も立てておくことで、改善がしやすくなります。

  • 1日1本の記事作成は達成できたが、ほかの業務がおろそかになった
  • 滞在時間が短くなった要因として記事数を増やすために、見やすさを疎かにした
  • ユーザー数が伸びたのは、旬なネタを記事にしたから

達成ができなかった場合は、改善点や問題点を検討して、達成した場合は、達成できた要因を調べます。
ポイントは達成しなかった原因だけではなく達成できた要因も調べることです。
その方法を他の記事にも適用することで同じような結果が得られるかもしれないからです。

④「Action」

「Check」で見えた原因や仮説を次の記事で生かすことでさらに良い結果が出る可能性があります。
また、記事のことだけではなく広報の仕方を考えたり外的要因を含めて改善することも必要です。
結果が思った通りに出なくても、きちんと評価を行うことで、ダメだった要因が明確になれば、改善していくことが出来ます。
様々な方法を試してPDCAサイクルを回して、何がダメで何がいいのかを見極めていきましょう。
そして、ある程度ノウハウが蓄積されていけば、それを駆使して量をこなしていくことでアクセス数を伸ばしていくことが可能です。

PDCAサイクルが回らない問題点

評価と改善がない

PDCAサイクルがうまく回っていない企業のほとんどが、
やるべきことに追われて日々が過ぎていくという理由で、D(実行)でPDCAサイクルが止まっていることです。

C(評価)を怠っていたり、計画を立てても結果がついてこないという状態です。

C(評価)ができていなければA(改善)もすることもできませんし、
ましてはP(計画)に戻ることもありません。

PDCAサイクルを回していく為には、必ず順番に回すというところを意識してやっていきましょう。

改善を急ぎすぎる

成果を急ぎすぎるあまり、すぐに様々な変更を実行しすぎるためにしっかりとPDCAのサイクル回せず、
PDCAサイクルを高速で回しても活用できていない状態になっている企業がいます。

これを続けていると、本来効果があった施策を効果がない施策として間違った認識をしてしまいます。
C(評価)までの期間を予め決めて、それまではやりきるという事も必要になってきます。

P(計画)に時間をかけすぎる

分析と計画を完璧にしようとして時間をかけすぎてしまう事で、D(行動)に移せない企業があります。
もちろん1度で正解にたどりつければよいのですが、
実施環境が変化したり、市場のニーズが変わったり等、実際は想定していた事と異なることが多いです。

PDCAサイクルは失敗と改善を回していきながら最適な方法や手段を見つけていく手法になるので、
最初は「間違っているかもしれないが、まずはやってみよう」という意識も重要です。

現場で使えるPDCAシート

PDCAサイクルについて注意するポイントをお分かりいただけたと思います。
では、実際にPDCAサイクルを使ってみましょう。
PDCAサイクルが正常に回っているかを確認する為のツールとしてPDCAシートがあります。

PDCAシートは「P(計画)」「D(行動)」「C(評価)」「A(改善)」を
視覚的に分かりやすくするために4つの枠組みでPDCAサイクルの流れ図にしたものです。

無料ダウンロードできますので、PDCAサイクルを自社で行うためのサンプル・ひな形としてPDCAシートをご活用ください。

PDCAサイクルに代わる手法?OODAループ

OODAループという言葉をご存知でしょうか?読み方は「ウーダ」と読みます。ビジネス雑誌やWEBなどで「PDCAは古い!これからはOODAだ」と書かれています。
OODAとは「Observe:観察」「Orient:情勢判断」「Decide:意思決定」「Act:行動」の頭文字の略語です。
湾岸戦争での洞察を元に、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱しました。
では、それぞれを詳しく見てみます。

Observe:(観察)

観察の段階では市場、競合、自社などしっかりと観察し、正確な情報を観察・把握します。
時には観察のためにアクションを取る必要もあります。
現場のよりリアルな情報収集からスタートするのがOODAループです。

Orient:(情勢判断)

次の「情勢判断」では「観察」で集めた情報がどのような意味を持つのかを考え、
自分の置かれている状況を判断と戦略の方向性を定めます。
※厳密なプランを作る必要はありません。正確さよりも行動決定のスピードが優先されます。

Decide:(意思決定)

3つ目は「意思決定」です。OODAループはかなり「個人」に依った意思決定モデルです。
空軍のパイロットたちに自分が次にとるべき戦闘行動を誰かに相談している余裕などありません。
1人で考え、1人で決定する。その結果、スピードが上がるのがOODAループの特色です。

Act:(行動)

最後は「実行」です。実行中に状況が分かったり、迷ったらObserve(観察)に戻って状況の観察・把握に戻ります。
OODAループではこのObserve(観察)、Orient(情勢判断・方向付け)、Decide(意思決定)、Act(行動)を高速で回していくことが重要です。

PDCAサイクルとOODAループの比較

PDCAは、計画・実行・評価・改善と明確な段階に分かれていて指標にしやすいです。
ですが、厳密な計画を立てると、環境の変化に対応できないことや計画自体を立てるのに時間がかかるといったデメリットもあります。

PDCAは元々製造業の品質管理の為の手法です。そのため、ルーティン作業や既にやり方が決まっている作業の業務効率の改善の場合、大きな成果を出すことができます。

OODAは意思決定を目的とする手法の為、スピード感を重視します。
スタートアップや状況が目まぐるしく変わる状況の場合、合っています。

① 早いスタートがきれるOODA

PDCAの計画を立てる時は通常、会議室で考えます。その為、時間もかかりますし、現場の状況と乖離してしまう可能性も高いのです。
OODAループのプロセスはあくまで「現場」が起点となって動くので、早いスタート、切り返しが可能です。

② 状況変化に強いOODA

2つ目のメリットは状況変化に強いことです。OODAでは観察~意思決定までを高速で回していきます。
そのため、状況に変化があった場合はすぐに、観察に戻ることができ、都度、修正を入れることができます。

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さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。

まとめ

PDCAについて理解が深まったでしょうか?

「分かってはいるけど出来ていない」「知ってはいたけど、具体的なやり方が分からない」など、
PCDAサイクルをこれから考えていこうという方もいらっしゃるかと思います。

ネットでの検索ではPCDA手法は古いとの意見も多くみられますが、
組織のベクトルを定める際や、社員一人一人にPCDAサイクルを意識させることも出来たりと、
PCDAは継続的な品質向上・業務改善の基本手法と言えるのではないかと思います。

こういった基本の考え方を踏まえたうえで、新たな手法として「OODAループ」という言葉が出てきました。

品質向上や業務改善に重点を置いたPCDAサイクルと違い、OODAでは意思決定をメインとするため、スピード感に重点が置かれています。

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