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積算における労務費とは?計算方法や最新単価・労務費率を完全解説【2026年・法改正対応】

積算における労務費とは?計算方法や最新単価・労務費率を完全解説【2026年・法改正対応】

この記事でわかること

  • ① 積算における「労務費」の正確な定義と、人件費との決定的な違い
  • ② 【2026年最新】主要職種別の令和7年度単価表と、令和8年度の単価予測
  • ③ なぜ利益が残らない?現場で多発する「労務費積算のよくある失敗」
  • ④ 2025年12月新設「標準労務費制度」に伴う、原価割れ契約禁止への実務対応

特に、積算業務が一部のベテラン頼み(属人化)になっている5〜50名規模の工務店や建設会社の方へ。

建設業の積算において、会社の利益と工事の品質を左右する最も重要な要素が「労務費」です。
慢性的な人手不足を背景に、職人の労務単価は13年連続で上昇を続けています。さらに2025年12月全面施行の改正建設業法において「標準労務費制度」が新設され、「著しく低い労務費による見積り・契約」が法的に禁止されました。

もはや、エクセルでのどんぶり勘定や古い労務単価の使い回しは、法令違反のリスクを伴うだけでなく、1件のミスで年間の利益がすべて吹き飛ぶ致命傷になり得る時代です。

この記事では、積算における労務費の仕組みから最新単価予測、現場で多発する失敗事例、そしてシステムを活用した「利益を守り抜く管理手法」を徹底解説します。

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目次

積算における「労務費」とは?一言で言うと

積算における労務費とは、特定の工事現場で直接作業を行う労働者(職人・作業員)に対して支払われる費用(現場原価)のことです。具体的には「基本賃金・手当」および会社が負担する「法定福利費(社会保険料など)」を合算して算出します。

労務費とは?

労務費の積算基準となるのは、国土交通省が毎年決定する「公共工事設計労務単価」です。この単価は全国一律ではなく、職種(大工・左官・鉄筋工など)や地域ごとに細かく設定されているため、自社の施工エリアに応じた正確な数値把握が不可欠です。

「労務費」と「人件費」の決定的な違い

積算において、両者は明確に区別されます。労務費は“現場原価に含まれる人件費の一部”であり、会社全体の人件費とは異なります。

  • 労務費: 「現場原価」に計上される人件費。特定の工事現場に従事する労働者の費用。
  • 人件費: 「会社全体」の人件費。現場に出ない営業、総務、人事スタッフの給与や役員報酬、採用費などを含めた「会社全体」にかかる費用(販売費及び一般管理費に含まれる)。

つまり、積算で工事の原価を計算する際に抽出するのは「労務費」のみとなります。実際の計上方法は会社独自の会計ルールによって異なる場合があるため、自社の運用ルールの確認も重要です。このズレが、原価管理の誤差や赤字の原因になるケースも少なくありません。

【警鐘】利益が残らない会社が陥る「労務費積算の失敗」

「労務費の計算を少し間違えただけ」と侮ってはいけません。
積算ミスは「気づいた時には手遅れ」になりやすく、契約後に発注者へ修正請求できないため、そのまま赤字として確定してしまうケースが多いのが特徴です。

例えば、粗利率5%で経営している工務店の場合、たった1案件で300万円の労務費の計算ミス(拾い漏れなど)が発生すれば、その穴埋めのために6,000万円分もの追加売上が必要になります。1件のミスで、会社が1年かけて積み上げた利益が一瞬で吹き飛ぶのです。

現場のリアルな「よくある致命的ミス(あるある)」としては、以下のようなものがあります。

  • 歩掛が古いまま: 昨今の現場環境や職人の高齢化、工法変化を考慮せず、数年前のエクセルデータを使い回して人工(にんく)が不足する。
  • 労務単価を更新していない: 毎年上昇する単価を反映せず、職人のレベル(ベテラン・見習い)も無視して一律で計算する。
  • 社会保険料(法定福利費)の未計上: 法改正で厳格化された事業主負担分を含め忘れ、原価割れを起こす。
  • 間接労務費の見落とし: 足場の設置、現場清掃、他業種との調整による待機時間(手待ち)を考慮せず、現場での「隠れ赤字」を生む。

「どんぶり勘定」や「エクセルでの古い単価の使い回し」は、結果的に利益が合わず、経営を博打に変えてしまうのです。

【2026年最新】公共工事設計労務単価の動向と予測

労務費を計算する上でベースとなるのが、国土交通省が毎年決定する「公共工事設計労務単価」です。公共工事のみならず、民間工事の見積り基準としても広く影響を与えます。

令和7年度(2025年3月適用)の主要職種別単価表

令和7年適用の単価において、全国全職種単純平均で前年度比約6.0%の大幅引き上げが実施され、加重平均値は24,852円となりました。これにより、平成25年度の改定から13年連続の上昇を記録しています。

主要職種令和7年適用単価(全国平均目安)前年度比
特殊作業員約29,900円約+6.0%
普通作業員約26,500円約+6.0%
大工約28,000円約+6.3%
左官約28,500円約+6.8%
軽作業員約21,000円約+6.8%
※単価は「全国平均」であり、実際は地域や職種によって大きく異なります。また、実際の支払賃金とは差が出る場合があります。正確な都道府県別の数値は国交省発表資料をご参照ください。

令和8年度(2026年度)の労務単価予測と見通し

現在、建設業界において最も注視されているのが「令和8年度以降のさらなる単価上昇」です。

  • 予測単価レンジ: 業界団体の予測では、令和8年度の全職種平均単価は26,000円〜26,400円程度(さらに約5〜7%増)を突破する見込みです。
  • 日建連の目標: 日本建設業連合会の「建設業の長期ビジョン2.0」において、賃上げ目標「概ね7.0%」が継続的に示されており、国交省の改定もこれに連動する形となります。
  • 二次的影響: 為替や関税の影響を受けた資材高騰が現場の利益を圧迫する中、職人を確保するための「実質的な賃上げ競争」が激化しており、積算時には最新動向を見越したリスクヘッジが必要です。

【重要】標準労務費制度と原価割れ契約禁止

2025年12月の改正建設業法全面施行に伴い、新たに「標準労務費制度」が創設されました。これは積算や契約において極めて重要なルール変更です。

標準労務費制度とは?

標準労務費とは、中央建設業審議会(中建審)が勧告する「技能者に支払われるべき賃金の最低水準(下限値)」のことです。
従来の「公共工事設計労務単価」があくまで公共工事の予定価格を算出するための指標であったのに対し、「標準労務費」は民間工事も含めたすべての建設工事において遵守すべき実質的なボトムラインとして機能します。

原価割れ契約(ダンピング)の禁止と調査基準

法改正により、受注者・発注者を問わず、この「標準労務費」を著しく下回る見積りの提示や契約の締結が禁止されました。不当に低い労務費での契約が疑われる場合、建設Gメン等によるダンピング調査が行われます。
明確な一律の基準値は公式文書に明示されていませんが、実務上の警戒ライン(目安)として「直接工事費(材料費+労務費+直接経費)の約97%(0.97)」を下回る契約は調査の対象となりやすいと言われています。最新の調査基準等は国土交通省のポータルサイトで確認しつつ、適正な積算システムを運用することが不可欠です。

労務費の内訳と積算での計算方法(週休2日補正)

労務費は、直接現場で作業する職人の「直接労務費」と、現場監督など管理業務に関わる「間接労務費」に大別されます。

直接労務費の計算式と歩掛

直接労務費の基本計算式

労務費 = 所要人数(設計作業量 × 作業の歩掛) × 労務単価(基本日額 + 割増賃金等)

歩掛(ぶがかり)とは、「1つの作業を行うために必要な作業手間(人数や時間)」を数値化したものです。国土交通省が毎年公表する標準歩掛を用いるのが一般的ですが、実務では自社の状況に合わせて調整します。

間接労務費とは(現場監督・安全管理など)

間接労務費には、現場監督や事務員、安全管理スタッフなど、直接的な施工には従事しないものの、工事を進行させるために必要な人員にかかる費用が含まれます。※会社によっては、これらを個別の労務費としてではなく、「現場管理費」として一括りに計上するケースもあります。

週休2日制による労務費の補正係数

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、建設現場での「週休2日制(4週8休)」の導入が推進されています。日給制が多い職人の収入減少を防ぐため、積算時には「労務費への補正係数」を乗じることが求められます。

国土交通省の基準等に従い、完全な週休2日(4週8休)を実施する場合、労務費(労務単価)に対して約1.04〜1.05(4%〜5%増)の補正係数を乗じて積算を行うのが実務上のセオリーとなっています。

労災保険料を計算する「労務費率」とは?

「労務費率」とは、建設業において、主に労災保険料の算定に使用される、請負金額に対する賃金総額の比率です。

建設現場は下請構造が複雑なため、元請が末端までの「正確な賃金総額」を把握するのは困難です。そこで、「請負金額(税抜) × 労務費率」で求めた金額を「みなし賃金総額」とし、それに労災保険率を掛けて保険料を算出します。

厚生労働省が定める労務費率表(令和6年度〜)

  • 水力発電施設、ずい道等新設事業:19%
  • 道路新設事業:19%
  • 舗装工事業:17%
  • 鉄道又は軌道新設事業:19%
  • 既設建築物設備工事業を除く建築事業:23%
  • 既設建築物設備工事業:23%
  • 機械装置の組立て又は据付けの事業(組立て等):38%
  • その他の建設事業:23%

令和6年度以降の労務費率です。労務費率は年度により見直される可能性があるため、必ず最新の数値を厚労省のサイト等で確認してください。

エクセル脱却!「見える化」で利益を守るIT活用術

ここまで見てきた通り、労務費は毎年上昇し、週休2日補正などの計算も極めて複雑化しています。今の管理体制のままでは、気づかないうちに利益が削られているケースも多いのが実情です。

「古い単価マスタをコピーして使ってしまった」「法定福利費の計算式が壊れていた」といったヒューマンエラーは、即座に赤字工事や法令違反を引き起こします。属人的なエクセル管理を続ける限り、労務費の赤字は防げません。

このブレやすく属人化しやすい業務リスクを根本から排除し、原価の「見える化」と「一元管理」ができる仕組みが経営には不可欠です。それを実現するのが、建築業向け管理システム「アイピア」です。

【アイピア導入のビフォーアフター】

  • 【Before】エクセル管理・担当者依存
    【After】クラウド上の最新マスタ共有により、属人性を排除し、誰でも高精度な最新単価での積算が可能に。
  • 【Before】手計算での法定福利費計上
    【After】法令に準拠した詳細な見積書をシステムが自動作成し、法令違反をブロック。
  • 【Before】完成後に発覚する赤字
    【After】実行予算と発注が連動し、現場進行中の「見えない赤字」を自動アラートで早期検知。

このまま属人化した積算を続け、たった1件のミスで年間の利益が消えるリスクを放置しますか?
会社のキャッシュと命を守るために、まずは「アイピア」で自社の課題がどう変わるのかをご確認ください。

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積算の労務費に関するよくある質問(FAQ)

労務費と人件費の違いは何ですか?

労務費は「現場原価」に計上される特定現場の労働費用であり、人件費は営業や事務スタッフを含む「会社全体」の労働費用を指すより広い概念です。

標準労務費を下回るとどうなりますか?

改正建設業法違反(原価割れ契約)として、建設Gメンによるダンピング調査や行政処分の対象となるリスクがあります。

公共工事設計労務単価に地域差はありますか?

はい。都道府県ごとに細かく設定されています。自社が施工する都道府県の最新単価を必ず参照する必要があります。

週休2日制を導入する場合、積算はどう変わりますか?

現場の週休2日制(4週8休)を実施する場合、職人の収入減を防ぐため、通常の労務単価に対して「約1.04〜1.05(約4〜5%増)」の補正係数を乗じて労務費を積算することが国交省の基準等で推奨されています。

令和8年度(2026年度)の労務単価はどうなる見通しですか?

日建連が「概ね7.0%」の賃上げ目標を掲げている背景などもあり、令和8年度も引き続き上昇トレンドが継続し、全職種平均で26,000円台を超える水準へと引き上げられる予測が強まっています。

法定福利費(社会保険料)は労務費に含めるべきですか?

はい、必ず含める必要があります。職人の健康保険や厚生年金などの事業主負担分は、適正な労務費の一部です。法改正により、これらを内訳として明示せずに発注・契約する行為は厳しく制限されています。

まとめ

積算における労務費の管理は、単なるコスト計算ではなく、会社の利益を守り、法規制を遵守するための「経営の要」です。13年連続の上昇トレンドや標準労務費制度の新設など、外部環境が劇的に変化する中で、属人的なエクセル管理を続けることは大きなリスクを伴います。

最新の単価を共有し、現場の「見えない赤字」を早期発見できるシステム(アイピア)を活用することが、これからの時代を生き抜く工務店の絶対条件となるでしょう。

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