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【建築業】積算の拾い出しとは?方法やコツ・注意点も解説!

【建築業】積算の拾い出しとは?方法やコツ・注意点も解説!

「積算」は建築工事を始める際に、最初に行う重要な業務です。

その中でも、最も基本となる「拾い出し」は、設計図や仕様書から必要な資材や数量を正確に把握し、正確なコストを見積もるための土台となります。

ただし、この作業に初めて取り組む方にとっては、「何をどう拾い出せば良いのか」「どのように進めれば効率的か」といった疑問が多く出てくるものです。

そこで本記事では、積算において欠かせない「拾い出し」の具体的な方法やコツ、さらに注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

正確なコスト算出を実現するために、ぜひ最後までご覧ください。

目次

積算の拾い出しとは

積算は、見積もりを行うための前段階の業務です。

設計図や仕様書をもとに、工事に必要な資材の種類や数量、費用などを洗い出し、最終的な工事費を算出します。

「拾い出し」とは、設計図や仕様書から具体的な資材の数量を正確に抽出し、それをもとにコストを見積もる作業を指します。

これは、積算業務の中で最も重要なステップであり、精度が工事の予算や進行に大きく影響します。

ここでは、積算業務における拾い出しの重要性と、作業を行う際の注意点について詳しく解説していきます。

拾い出しの重要性

積算における「拾い出し」とは、建築工事を行う際に、どれだけの資材や人材、重機が必要かを設計図や仕様書から計測・抽出する作業です。

積算の中でも基本的でありながら、非常に重要な業務です。正確な総工事費を算出するためには、この拾い出しの精度が欠かせません。

積算で計算された工事費に、会社の利益やその他の経費を加えたものが、最終的に顧客に提示する見積金額となります。

そのため、もし拾い出しが不正確で工事費にズレが生じれば、会社の利益に大きな影響を与える可能性があります。

また、拾い出しが正確であれば、工事がスムーズに進み、予算超過や資材不足といった問題も回避できます。

自社の利益を守り、安定した事業運営を行うためにも、拾い出しは非常に重要な役割を果たしています。

拾い出しの注意点

積算業務の中で、拾い出しが非常に重要な工程であることを確認しました。
では、実際に拾い出しを行う際に、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

拾い出し作業は、正確さと効率性が求められる業務ですが、ミスが生じやすい部分でもあります。

ここでは、特に注意すべき3つのポイントに焦点を当てて解説していきます。

  1. 専門性が高い
  2. 人為的ミスが起きやすい
  3. 属人化しやすい

専門性が高い

まず1つ目に留意すべき点は、拾い出しが非常に専門性の高い作業であるということです。

精度の高い拾い出しを行うためには、設計図から資材の種類を確認し、寸法から必要な数量を正確に算出する必要があります。

さらに、人材の労務量も計算に含まれます。
このような作業を正確に行うには、さまざまな図面を読み解く力が必要であり、建築業での豊富な経験や高度な専門知識が不可欠です。

拾い出しのミスは、工事費の見積もりに直接影響を与えるため、専門性の高さが要求される理由のひとつです。

人為的ミスが起きやすい

拾い出しは正確さが求められる作業ですが、ミスが発生しやすいというリスクもあります。

前述のように、専門的な知識と経験が必要なため、経験の浅い人が行うと、資材の数量や費用の計算にズレが生じることが多くなります。

最近では拾い出し作業を効率化するための専用ソフトも普及していますが、手作業で拾い出しを行っている企業も依然として多く存在します。

手作業で行う場合、資材の拾い漏れや重複、計算間違いなどの人為的なミスが発生しやすくなるため、特に注意が必要です。

こうしたミスを防ぐためには、マーカーなどを使用してチェックリストを作り、常に確認しながら作業を進める習慣をつけることが大切です。
手作業でもミスを最小限に抑えることが可能です。

属人化しやすい

拾い出しは、長年の経験と豊富な専門知識が必要な作業であるため、特定の担当者に依存しやすい(属人化しやすい)という問題があります。

さらに、作業自体に時間がかかるため、担当者に大きな負担がかかることもしばしばです。
属人化が進むと、万が一担当者が不在になった場合、作業の進行が滞る可能性が高くなります。

また、担当者ごとの判断やスキルに差が出てしまうこともあるため、精度にばらつきが生じるリスクもあります。

こうした属人化を防ぎ、作業効率を向上させたい場合は、業務管理システムや拾い出しソフトの導入を検討することがおすすめです。

これにより、作業を標準化し、効率化を図ることができ、担当者にかかる負担も軽減されます。

拾い出しの方法

拾い出し業務は具体的にどのように行われるのでしょうか。

以下では、拾い出しを行う際によく耳にする所要数量と設計数量について説明します。

また、拾い出しが完了した後に行う工事費の算出方法についても解説していきます。

設計数量と所要数量とは

国土交通省によると、設計数量と所要数量は以下のように定義されています。

設計数量とは、設計図書に記載されている個数及び設計寸法から求めた長さ、面積、体積等の数量をいう。

所要数量とは、定尺寸法による切り無駄や、施行上やむを得ない損耗を含んだ数量をいう。

つまり、設計図などの図面に記載されたままの数量が設計数量であり、そこに切り無駄ややむを得ないロスを加味した数量が所要数量となります。

拾い出しおよび積算業務では、この2つの数量が必要となります。詳しい計算方法については、次で解説していきます。

費用の算出方法

基本的に工事費は、以下の計算式によって求められます。

工事費=数量×単価×金額

ここでの数量を求める作業が拾い出しにあたり、先ほどご説明した所要数量を求める必要があります。
所要数量を求める際は、以下の計算式を使用します。

所要数量=設計数量×割増係数

この割増係数は、国土交通省による公共建築数量積算基準において、標準数値が部材ごとに定められています。

例えば、鉄筋は5%、鋼管5%、ボルト4%、木材5%のように、割増係数は部材によって異なります。

積算を行う際は、これらの割増係数を確認するようにしましょう。

拾い出しのコツ

拾い出しを行うには、高度な知識やスキルが求められます。
しかし、経験の浅い方でもコツを身につけておけば、ミスなく業務を遂行できます。

ここでは、拾い出し作業を効率よく行うためのコツをご紹介します。

エクセルのフォームを作る

まずご紹介するのは、エクセルで拾い出し用のフォームを作成することです。

エクセルの関数を使用することで、自動で計算や集計を行えるため、とても便利です。
また、計算式を残しておくことで、ある程度の属人化を防ぐことも可能です。

自分のこれまでの拾い出しの経験をもとに、使いやすいフォームを作成することが理想的です。

しかし、フォームの作成が難しい場合には、エクセル用の拾い出し表を配布しているサイトがいくつかあるため、ダウンロードして活用するのもおすすめです。

施工の順番を意識しよう

拾い出しを漏れなく行うために、施工の順番を考えながら作業することが重要です。

どのような工程で工事が行われるのか、頭の中で工程を追いながら作業することで、拾い漏れのリスクを削減できます。

エクセルのフォームを作成する際にも、ぜひこの点を意識してみてください。

拾い出しソフトの活用

次に、拾い出しソフトの活用について紹介します。

拾い出しソフトとは、図面データを読み取ることで、簡単に数量の拾い出しができるソフトのことを指します。

図面をスキャナで取り込んだり、PDF化して読み取らせるだけで、簡単かつ正確に拾い出しが可能です。

そのため、大幅な業務の効率化が期待できます。

特に、経験が浅い方や知識が不足している方でも簡単に使えるため、作業担当者の負担を大幅に軽減できます。

また、見積ソフトや積算システムと連携すれば、積算から見積もりまでスムーズに行うことができ、業務の流れをさらに便利にします。

公共建築数量積算基準を参照する

拾い出しにおける国の基準は、効率的な作業に役立ちます。

社内で特に決まった基準がない場合は、国土交通省が定めた「公共建築数量積算基準」を参照すると良いでしょう。

基準を活用し始める際は、実際に拾い出しを行う前にルールをしっかりと読み込み、必要に応じて何度も確認しながら作業を進めることが大切です。

繰り返し行うことで、ルールに沿った拾い出しが自然にできるようになります。

マーカーでチェック個所を目立たせる

数量を拾う際は、見やすいマーカーを使用してチェックすることが重要です。

例えば、黒や青色のマーカーを使用すると、マーカーを引いた後に見づらくなることがあります。

そのため、イエローやピンクのマーカーがおすすめです。

実際に図面にマーカーを引いて見やすさを確認したり、印刷した際の見え方を試すことで、視認性の高い色を事前にチェックできます。

これにより、同じ場所を何度も見直す手間を省き、ミスを減らすことが可能になります。

まとめ

積算業務は建築工事を行う際、会社に利益を残すために非常に重要な業務です。

その中でも、基本的な作業である拾い出しには、精度の高い正確な数量の算出が求められます。

国土交通省から示されている「公共建築数量積算基準」を確認しながら、間違えないよう慎重に作業を進めることが大切です。

また、拾い出しソフトを利用すれば、簡単に拾い出しから工事費の算出まで行うことができます。

業務の効率化を図りたい方は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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