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建設業の課題とは?【2026年最新版】具体的な対策や今後の動向を解説

建設業の課題とは?【2026年最新版】具体的な対策や今後の動向を解説

こんなお悩みを持っている方がよく読まれています。

  • 建設業界の今後の動向を知りたい方
  • 今後建築業界に参入しようと考えている企業
  • 建築業界の課題や対策を具体的に知りたい方

建設業界は、公共投資や民間設備投資の拡大を背景に、建設需要が堅調に推移しています。一方で、人手不足や技能者の高齢化、建築資材価格の高騰、2024年問題への対応など、多くの課題も抱えており、業界を取り巻く環境は大きく変化しています。

また、半導体工場やデータセンターなどの大型プロジェクトの増加、インフラの老朽化対策、GX(グリーントランスフォーメーション)や建設DXの推進など、新たな需要やビジネスチャンスも広がっています。そのため、今後の市場動向や制度改正を把握することは、建設会社の経営や事業戦略を考えるうえで欠かせません。

本記事では、2026年度の建設投資見通しをもとに、建設業界の現状や今後の見通しを解説するとともに、業界が抱える課題や、その解決に向けた取り組みについて分かりやすくご紹介します。

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目次

建設業の現状

2026年度 建設投資の見通し
2026年度 建設投資の見通し

近年の建設業界は、政府によるインフラの老朽化対策や国土強靱化に向けた公共投資に加え、民間企業の設備投資や都市再開発などを背景に、建設需要は堅調に推移しています。
また、半導体工場やデータセンター、物流施設の建設需要が拡大していることも、市場を支える大きな要因となっています。

国土交通省の建設投資見通しによると、政府投資は24兆6,500億円(前年比7.7%増)、民間住宅建築投資は17兆1,400億円(前年比6.1%増)、民間非住宅建設投資は21兆3,400億円(前年比4.7%増)、建築補修(改装・改修)投資は17兆8,100億円(前年比2.7%増)と、すべての分野で前年を上回る見込みです。

建設需要を支える主な要因

現在の建設投資が堅調に推移している背景には、次のような要因があります。

  • 老朽化したインフラの更新・維持管理需要の拡大
  • 防災・減災、国土強靱化に向けた公共事業
  • 半導体工場・データセンター・物流施設などへの設備投資
  • 都市再開発や大型再開発プロジェクトの進展
  • 脱炭素化に向けた省エネ改修・リノベーション需要の増加

一方で課題も残る

建設投資は堅調に推移している一方で、建設業界では技能者の高齢化や人手不足、資材価格・労務費の上昇などの課題が続いています。また、「2024年問題」への対応による労働時間の制約もあり、生産性向上やDX推進の重要性がこれまで以上に高まっています。

このような市場環境を背景に、建設業界では今後も需要が見込まれる分野と、企業の競争力を高めるための経営戦略が注目されています。

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建設業の今後

建設業界では、公共・民間ともに建設需要が堅調に推移しており、今後も一定の需要が見込まれています。一方で、人手不足や資材価格の高騰などの課題も続いており、需要の拡大だけでなく、生産性向上への取り組みも重要なテーマとなっています。

老朽化対策

日本のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備されました。
特に道路橋やトンネル、河川や下水道、港湾などは、建設後50年以上経過する割合が急激に高まっています。

建造物の老朽化が進むということは、それらを維持・管理、また、更新するための建築需要が見込まれるということです。
国土交通省では不具合が生じてから対応する「事後保全」から具合の発生前に緊急度に応じて修繕・更新等の対策を講じる「予防保全」へ転換することで、コスト削減と安全性を高めていますが、移行後も維持管理・更新費は30年間で約190兆円かかると推計されています。

国土強靱化・防災対策

インフラの維持管理・更新の目的は、人々の生活基盤の維持や景観の保護だけでなく、防災対策にもあります。
国は、大規模地震や気候変動に伴う渇水などに備え、様々な防災対策を策定しています。

代表的な計画は、次の通りです。

  • 国土強靭化基本計画
  • 防災基本計画
  • 南海トラフ地震対策推進基本計画

これらの計画を遂行するためには、土木工事をはじめ、建設業の仕事が欠かせません。
また、これまでに地震や台風による甚大な被害を受けた地域の復興事業も、引き続き行われます。

民間設備投資の拡大

民間分野では、企業の設備投資意欲の回復を背景に、非住宅建設への投資が引き続き堅調に推移しています。
上述の通り、2026年度の民間非住宅建設投資は21兆3,400億円(前年比4.7%増)となる見通しです。
設備投資の持ち直しが続くことから、今後も増加傾向が見込まれています。

こうした需要を牽引しているのが、半導体工場やデータセンター、物流施設などの大型プロジェクトです。
AIの普及やDXの推進、サプライチェーンの強化を背景に、これらの施設への投資が全国各地で進められており、建設需要を支える大きな要因となっています。

また、都市部では再開発事業やオフィスビルの建替え、工場の新設・増設なども継続しており、今後も民間設備投資は建設市場を支える重要な分野になると考えられます。

GX・脱炭素化への取り組み

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、日本では建設分野においても脱炭素化への取り組みが加速しています。建築物は建設時だけでなく、完成後の運用段階でも多くのエネルギーを消費するため、設計・施工の両面からCO₂排出量を削減することが求められています。

また、2025年4月からは原則としてすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化されるなど、建築物に求められる環境性能は年々高まっています。そのため、建設業界では施工方法の見直しや環境配慮型建築への対応が重要なテーマとなっています。

脱炭素社会に向けた建設業の取り組みは、大きく分けて次の2つです。

  • 施工段階における二酸化炭素の排出抑制
  • 設計段階における運用時二酸化炭素の排出抑制

それぞれ詳しくみていきましょう。

施工段階における二酸化炭素の排出抑制

日本建設業連合会によると、建設業は施工段階において次のような対策を講じています。

  • 省燃費運転研修
  • 燃費効率の高い重機の採用
  • バイオディーゼル燃料の使用
  • 高効率証明の採用
  • 再生可能エネルギーの導入

設計段階における省エネルギー性能の向上

建築物の運用時に発生するCO₂を削減するため、国土交通省では省エネ性能の高い建築物の普及を進めています。

特にZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、LCCM住宅などの普及が進められており、新築だけでなく既存建築物の省エネ改修需要も拡大しています。

今後も脱炭素社会の実現に向けて、環境性能を重視した建築物やリフォームへの需要は、さらに高まることが期待されています。

DXによる生産性向上

建設業界では慢性的な人手不足を背景に、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が急速に進んでいます。

BIM/CIMやICT施工、AIを活用した施工管理、クラウド型の施工管理システムなどの導入が広がり、現場業務や事務作業の効率化が進んでいます。今後はデジタル技術を活用した生産性向上が、企業の競争力を左右する重要な要素になると考えられます。

建設業の課題

東京オリンピック・パラリンピック以降も、建設業の需要は高まる傾向にあることを確認しました。
しかし、高まる需要に対応できるかどうかが問題視されています。

ここでは、建設業、特に建設現場が抱える課題を整理します。

人手不足

建設業従事者数と全産業に占める割合の推移
出典:建設業の概況 | 建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト | 厚生労働省

建設業の就業者は、1997年の685万人をピークに減少し続けています。
少子化による労働人口の減少などの社会背景を考えれば、就業者の減少は建設業に限った話ではありません。

しかし、建設業は他産業に比べて離職率が高いことが特徴です。
特に1年目の離職者の割合が高く、就業者が定着しないことが問題視されています。

そもそも就業者が少ないことに加え、離職率が高いため、建設業は慢性的な人手不足に悩まされています。

高齢化

年齢階層別の建設技能者数
出典:最近の建設産業行政について 令和7年9月 不動産・建設経済局 建設振興課|国土交通省

建設業はまた、就業者の高齢化という課題も抱えています。
特に、技能者の高齢化が顕著で、技能者全体の約4分の1が60歳以上です。
この大半が10年後には引退すると予想されており、人手不足はますます深刻化します。

高齢の技能者が引退すれば、実際の建設業務だけでなく、技術の継承や若年者の育成も滞ってしまいます。

長時間労働

人手不足の状況では、必然的に一人当たりがこなすべき仕事の量が増えます。
そのため、建設業では長年、長時間労働が解決されずにいます。

建設産業における働き方の現状
出典:最近の建設産業行政について 令和7年9月 不動産・建設経済局 建設振興課|国土交通省

国土交通省の調査によれば、2024年度の建設業の出勤日数は、全作業と比較し10日多く、また実労働時間においては48時間程度長くなっています。
また、現在4週8休を取得している技術者は、建設業全体で2割程度にとどまり、特に民間工事の受注を主に受ける業者では、1割程度にとどまります。

2024年問題

建設業では長時間労働や休日取得の課題が長年指摘されてきましたが、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、働き方改革への対応が本格化しています。

これにより、原則として時間外労働は月45時間・年360時間までとなり、特別な事情がある場合でも年間720時間以内などの上限が設けられました。違反した場合は罰則の対象となるため、建設会社には適切な労務管理が求められています。

そのため、建設業界では業務の効率化やDXの推進が急速に進んでいます。
施工管理システムやICT施工、BIM/CIMの活用により、現場管理や事務作業を効率化し、限られた人員でも生産性を維持・向上させる取り組みが広がっています。

また、2025年には改正建設業法の一部が施行され、適正な工期の設定や処遇改善、生産性向上に向けた取り組みも進められています。今後は法令遵守だけでなく、デジタル技術を活用した働き方改革が企業の競争力を左右する重要な要素となるでしょう。

賃金が低い

建設業の賃金は上昇傾向にあり、2019年度以降は全産業男性労働者と比較しても、高い傾向にありましたが、2024年度時点で全作業男性労働者の賃金が上回る結果となっています。

しかし、生産労働者の賃金は、建設業が製造業より低いままです。
生産労働者とは、物の生産現場や建設作業現場などにおいて作業に従事する労働者を指します。

賃金のピーク年齢が若い

建設業就業者・建設業生産労働者の賃金のピークは、ともに45~49歳です。
一方、他産業の賃金のピークは50代といわれています。

建設業は、他産業と比べると賃金のピーク年齢が若く、体力のピークが賃金のピークであることが問題視されています。

建築資材の高騰

建設業界では、建築資材価格の高騰が依然として大きな課題となっています。日本は木材や鉄鋼、セメントなど多くの建設資材を海外からの輸入に依存しているため、国際情勢や為替相場の影響を受けやすい産業です。

建築資材価格が高騰している主な要因は、次のとおりです。

  • 円安による輸入コストの増加
  • エネルギー価格・物流コストの上昇
  • ウクライナ情勢など国際情勢の変化
  • サプライチェーンの混乱
  • ナフサ(石油化学原料)価格の上昇による建材・樹脂製品の値上がり

こうした影響により、鉄鋼製品やセメント・生コンクリート、木材などの価格は高止まりが続いています。工事期間が長い建設業では、契約時と着工時で資材価格が変動するケースも多く、利益を確保することが難しくなる場面も少なくありません。

そのため、建設業界では適正な価格転嫁や請負契約の見直しに加え、原価管理の強化やDXによる利益管理の重要性がこれまで以上に高まっています。

建設業の課題を解決するための対策

建設業界では、人手不足や高齢化、長時間労働、建設資材価格の高騰など、さまざまな課題を抱えています。
これらの課題を解決するため、国や業界団体は制度改革やDXの推進など、さまざまな取り組みを進めています。

働き方改革の推進

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、働き方改革への対応が本格化しました。また、2025年には改正建設業法の一部が施行され、適正な工期設定や処遇改善、生産性向上に向けた取り組みも進められています。

現在は、次のような取り組みが推進されています。

  • 週休2日工事の普及
  • 適正な工期設定
  • 適正な請負契約・価格転嫁の推進
  • ICT・DXによる業務効率化
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用

建設DXによる生産性向上

人手不足が深刻化するなか、生産性向上は建設業界の重要なテーマとなっています。

国土交通省は「i-Construction 2.0」を推進しており、デジタル技術を活用した建設現場の省人化・省力化を目指しています。

主な取り組みは次のとおりです。

  • BIM/CIMの活用
  • ICT施工
  • ドローン・3次元測量
  • AIによる施工管理・画像解析
  • クラウド型施工管理システムの導入

これらの技術を活用することで、現場作業だけでなく、工程管理や原価管理、情報共有などの業務効率化も進んでいます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及

建設キャリアアップシステム(CCUS)」とは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴などを、業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。
現在、建設業の各団体と国が連携してシステムへの登録、現場での利用を促進しています。

建設キャリアアップシステムは、次の3つのことを目的として作られました。

  1. 若い世代がキャリアパスや処遇の見通しを持てる環境を整える
  2. 技能・経験に応じて給与を引き上げる
  3. 技能者を雇用・育成する企業が伸びる環境を整える

すでに確認した通り、建設業は比較的離職率の高い業界です。
このシステムの構築・運用により、特に若年層の定着率向上が期待されています。

多様な人材の確保

建設業では担い手不足を補うため、多様な人材が活躍できる環境づくりも進められています。

外国人材については、技能実習制度の見直しが進み、新たな「育成就労制度」への移行が予定されています。
建設分野では、特定技能制度とあわせて、外国人材を中長期的に育成・確保する仕組みづくりが進められています。

また、女性や若年層が働きやすい環境づくりも重要視されており、女性専用設備の整備やキャリア形成支援、柔軟な働き方の推進など、多様な人材が活躍できる職場環境の整備が進められています。

外国人材の採用を検討する際は制度や在留資格への理解が重要であり、基礎から実務上の注意点まで解説したトラログの「外国人採用の始め方|メリットや在留資格・注意点まで初心者向けに解説」も参考になります。

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まとめ

建設業界は、公共投資や民間設備投資、インフラの老朽化対策、脱炭素化への取り組みなどを背景に、今後も安定した建設需要が見込まれています。一方で、人手不足や技能者の高齢化、建築資材価格の高騰、働き方改革への対応など、多くの課題を抱えていることも事実です。

こうした課題を解決するためには、建設DXの推進やICT・AIの活用、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及などによる生産性向上が欠かせません。また、適正な工期設定や原価管理の強化、多様な人材が活躍できる職場づくりも、企業の競争力を高める重要なポイントとなります。

今後も建設業界を取り巻く環境は変化し続けることが予想されます。最新の市場動向や制度改正を把握するとともに、自社の業務改善やDXを進めることで、変化に柔軟に対応できる経営体制を構築していきましょう。

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