クロスとは、住宅や店舗などの壁・天井に使用する仕上げ材のことです。一般的には「壁紙」とほぼ同じ意味で使われています。
クロスは部屋の中でも広い面積を占めるため、色や柄だけでなく、汚れや傷への強さ、消臭、吸放湿などの機能性も考えて選ぶことが大切です。
また、クロスの張り替えはDIYでもできますが、下地処理や柄合わせなどに技術が必要です。仕上がりを重視する場合は、専門業者に依頼する方法もあります。
そこで今回は、クロスの種類や機能、選び方、DIYと業者施工の違い、リフォームで失敗しないポイントについて詳しく解説します。
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クロスとは?

クロスとは、壁や天井などに貼って使用する内装仕上げ材です。「壁紙」と呼ばれることも多く、住宅のリビングや寝室、子ども部屋、廊下など、さまざまな場所で使われています。
クロスには、ビニールをはじめ、紙、織物、和紙などを使用したものがあります。素材によって、デザインだけでなく、耐久性や手入れのしやすさ、質感なども異なります。
現在の住宅では、比較的扱いやすく、デザインや機能の選択肢が多いビニール壁紙が広く使われています。一方で、自然素材ならではの質感を楽しめる紙や織物などのクロスを選ぶこともできます。
クロスは単に部屋を装飾するだけではありません。商品によっては、汚れ防止、表面強化、消臭、吸放湿などの機能を備えています。
クロスと壁紙の違いは?
クロスと壁紙は、住宅の内装について話す場合、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。
「壁紙」は壁に貼る仕上げ材を指す一般的な呼び方で、「クロス」は内装業界などで広く使われている呼び方です。実際には壁だけでなく、天井にもクロスが使用されます。
そのため、リフォーム業者に「クロスを張り替えたい」と相談した場合も、「壁紙を張り替えたい」と相談した場合も、基本的には同じような工事を指します。
クロスの主な種類

クロスにはさまざまな種類があります。ここでは、代表的なものを素材別に紹介します。
ビニールクロス
ビニールクロスは、住宅で広く使用されている代表的なクロスです。
色や柄の種類が豊富で、比較的手入れがしやすく、機能性を持つ商品も多いことが特徴です。
汚れ防止や表面強化、消臭、抗菌、吸放湿など、用途に合わせて機能を選べる商品もあります。
紙クロス
紙を主な素材としたクロスです。紙ならではの柔らかな質感や風合いを楽しめるものがあります。
一方で、商品によっては水や汚れへの配慮が必要になるため、使用する部屋やメンテナンス方法を確認して選ぶことが重要です。
織物クロス
織物や布を使用したクロスで、ビニールクロスとは異なる上質な質感を楽しめます。
高級感のある空間をつくりたい場合に適していますが、商品によって手入れ方法などが異なるため、施工前に確認しておきましょう。
和紙・自然素材系のクロス
和紙などの自然素材を使用したクロスもあります。自然素材ならではの風合いや質感を楽しめることが特徴です。
ただし、自然素材系のクロスは商品によって特徴やメンテナンス方法が異なるため、デザインだけでなく、耐久性やお手入れ方法まで確認して選ぶことをおすすめします。
クロスにはどのような機能がある?
クロスを選ぶときは、色や柄だけでなく「どのような機能が必要か」も考えてみましょう。
- 汚れ防止:汚れを拭き取りやすくしたタイプ
- 表面強化:傷がつきにくいよう表面を強化したタイプ
- 消臭:生活臭などへの対策を考えたタイプ
- 吸放湿:室内の湿気を調整する機能を持つタイプ
- 抗菌・抗ウイルス:特定の菌やウイルスなどへの機能を持つタイプ
- ペット対応:傷や汚れなどへの耐久性を考えたタイプ
例えば、子どもがいる家庭なら汚れや傷に強いクロス、ペットがいる家庭なら耐久性を重視したクロス、水まわりなら汚れや湿気への対策を考えたクロスなど、部屋の用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
クロスの選び方|失敗しない5つのポイント
クロスは種類が豊富なため、「何を基準に選べばよいのかわからない」という方も少なくありません。
1.部屋全体のイメージを決める
最初に、どのような部屋にしたいのかをイメージしましょう。
例えば、明るく開放的な部屋にしたいなら明るい色、落ち着いた雰囲気にしたいならグレーやベージュなど、目指すイメージによって適したクロスは変わります。
2.床や建具の色と合わせる
クロスだけを見て選ぶのではなく、床・ドア・家具などとの色のバランスも確認しましょう。
床や建具の色調とクロスの基本色を合わせると、部屋全体に統一感を出しやすくなります。一般的には、床→壁→天井の順に明るくすると、天井が高く、空間が広く感じられやすいとされています。
3.サンプルは大きなサイズで確認する
クロスをカタログや小さなサンプルだけで決めると、「実際に貼ってみたらイメージと違った」ということがあります。
壁紙は大きな面積に貼ると、サンプルで見るよりも明るく、淡く見えることがあります。そのため、できるだけ大きなサンプルで実際の部屋に近い状態を確認することが大切です。
4.部屋の用途に合った機能を選ぶ
リビング、寝室、子ども部屋、トイレなど、部屋によって求められる性能は異なります。
例えば、子ども部屋なら汚れや傷に強いタイプ、ペットがいる部屋なら耐久性を重視したタイプ、湿気が気になる場所なら吸放湿などの機能を持つタイプを検討できます。
このように、「どんなデザインが好きか」だけでなく「その部屋で何に困っているか」から選ぶと、クロス選びで失敗しにくくなります。
5.アクセントクロスは使う場所を考える
壁の一面だけ色や柄を変える「アクセントクロス」を使うと、部屋の印象を大きく変えられます。
ただし、柄の大きさや色によっては圧迫感が出ることもあります。部屋の広さや家具とのバランスを考え、まずは一面など限定した場所に取り入れるとコーディネートしやすくなります。
クロスの張り替えはDIYと業者のどちらがよい?
クロスの張り替えはDIYでもできますが、きれいに仕上げるには下地処理やクロスのカット、貼り付け、継ぎ目の処理などの作業が必要です。
特にリフォームでは、古いクロスを剥がしたあとに下地の凹凸が残ることがあります。下地の状態によっては、そのまま新しいクロスを貼ると凹凸が表面に出てしまう場合があります。
| 比較項目 | DIY(自分で施工) | 専門業者に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | 材料費・道具代などに抑えやすい | 材料費に加えて施工費などがかかる |
| 仕上がり | 経験によっては継ぎ目や下地の凹凸が目立つことがある | 専門的な技術による施工が期待できる |
| 施工範囲 | 一部分やアクセント面などに向いている | 部屋全体など広い範囲にも対応しやすい |
| 手間・時間 | 材料の準備から施工まで自分で行う必要がある | 施工を任せられるため、DIYに比べて手間を抑えやすい |
| 下地処理 | 下地の状態を確認しながら自分で処理する必要がある | 下地の状態に応じた補修を依頼できる |
DIYは費用を抑えやすい一方で、施工に時間や手間がかかります。また、クロスの貼り付けに慣れていない場合、継ぎ目やシワ、空気の入り込みなどが目立つこともあります。
一方、専門業者に依頼すれば施工を任せられるため、仕上がりを重視する場合や、部屋全体を張り替える場合には業者への依頼を検討するとよいでしょう。
- クロスにシワや浮きができる
- 継ぎ目が目立つ
- 柄が合わない
- 下地の凹凸が目立つ
- クロスを傷つけてしまう
一方で、壁の一部分だけを張り替えたい場合や、DIYそのものを楽しみたい場合は、DIYという選択肢もあります。費用だけでなく、施工時間や仕上がり、手間まで含めて判断することが大切です。
クロスの張り替えで追加費用が発生するケース
クロスの張り替えでは、見積もり時にはわからなかった下地の問題が、既存のクロスを剥がした後に見つかることがあります。
例えば、下地にカビ、傷み、ひび割れ、凹凸などがある場合、クロスを貼る前に補修が必要になることがあります。
その場合、パテ処理などの下地補修が追加で必要になり、当初の見積もりより費用が増える可能性があります。
そのため、リフォームを依頼する際は、「下地処理は見積もりに含まれているのか」「下地に問題が見つかった場合の追加費用はいくらになるのか」を事前に確認しておくと安心です。
クロスの張り替えで失敗しやすいポイント
クロスの張り替えで失敗しやすいポイントを解説します。
部屋の雰囲気がほとんど変わらない
せっかくクロスを張り替えても、以前と似た色や柄を選ぶと、部屋の印象があまり変わらないことがあります。
大きく印象を変えたい場合は、色を変えたり、アクセントクロスを取り入れたりする方法があります。ただし、家具や床とのバランスも重要なので、部屋全体を見ながら決めましょう。
柄を使いすぎて部屋が落ち着かない
柄物のクロスを複数の壁に使うと、部屋全体が雑然とした印象になる場合があります。
柄物を取り入れる場合は、一面だけアクセントとして使う、他の壁を無地にするなど、メリハリをつけるとまとめやすくなります。
新しいクロスだけが目立ってしまう
クロスを張り替える際は、スイッチやコンセント、照明、建具、窓枠など、既存設備とのバランスも確認しましょう。
クロスだけを新しくすると、周囲の古さが目立つ場合があります。リフォームの範囲を検討する際には、同時に交換・補修したほうが効率的な箇所がないか確認しておくとよいでしょう。
下地の状態を確認しない
クロスをきれいに仕上げるためには、下地の状態が重要です。
古いクロスを剥がしたあと、下地に凹凸や傷、カビ、劣化などが見つかる場合があります。下地の状態によって必要な補修が変わるため、見積もりの段階で下地処理がどこまで含まれているか確認しておくと安心です。
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クロスの張り替えを依頼するときのポイント
クロスの張り替えを業者に依頼する場合は、単純に価格だけで比較するのではなく、次のポイントを確認しましょう。
- どのクロスを使用するのか
- 施工範囲はどこまでか
- 下地処理の費用が含まれているか
- 既存クロスの撤去・処分費が含まれているか
- 追加工事が発生する場合の費用はどうなるか
- 施工後の保証やアフターフォローがあるか
特に注意したいのが、見積書に「クロス張り替え一式」とだけ記載されているケースです。
使用するクロスや施工範囲、下地処理などの内容がわからない場合は、業者に確認しておきましょう。複数の業者から見積もりを取る場合も、同じ条件で比較することが大切です。
クロス選びでよくある質問
最後に、クロス選びでよくある質問を紹介します。
クロスと壁紙は同じものですか?
住宅の内装では、基本的に同じ意味で使われています。壁や天井に貼る仕上げ材を「壁紙」「クロス」と呼ぶことが一般的です。
クロスは何年くらいで張り替えるべきですか?
一律に張り替え時期が決まっているわけではありません。汚れ、変色、剥がれ、傷、カビなどの状態を確認し、必要に応じて張り替えを検討しましょう。
クロスはDIYで張り替えられますか?
DIYで張り替えることは可能です。ただし、下地処理や継ぎ目の処理などには技術が必要です。広い範囲を施工する場合や仕上がりを重視する場合は、専門業者への依頼も検討しましょう。
ペットがいる家庭におすすめのクロスはありますか?
ペットがいる場合は、傷や汚れへの耐久性を考えたクロスがあります。ペットの引っかき傷やニオイなど、家庭で気になるポイントに合わせて機能性を選ぶとよいでしょう。
クロスを選ぶときに一番大切なことは何ですか?
デザインだけでなく、部屋の用途、床や家具との色のバランス、必要な機能、メンテナンス性まで考えて選ぶことです。大きなサンプルで実際の仕上がりを確認することも、失敗を防ぐポイントです。
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まとめ
クロスは、壁や天井に使用する内装仕上げ材で、一般的には壁紙とほぼ同じ意味で使われています。
ビニール、紙、織物、和紙などさまざまな種類があり、汚れ防止、傷への耐久性、消臭、吸放湿などの機能を備えたクロスもあります。
クロス選びでは、色や柄だけでなく、床や建具とのバランス、部屋の用途、必要な機能、お手入れのしやすさまで考えることが大切です。
また、クロスの張り替えでは下地の状態が仕上がりを左右します。DIYで施工することもできますが、広い範囲の張り替えや下地処理が必要な場合は、専門業者への依頼を検討するとよいでしょう。
「どんな部屋にしたいのか」を最初に決め、そのイメージに合わせてデザインと機能性の両方からクロスを選ぶことが、リフォームで失敗しないためのポイントです。









