営業活動をしていて、行き詰まることはありませんか?
- なかなか新規案件を獲得できない…
- せっかく獲得できても、十分な粗利が確保できない…
- 利益が不安定で、いつ業績が上がるかor下がるかが予測できない…
1件1件の高粗利契約を獲得する事だけでなく、
いかにして安定した収益を獲得するかが企業にとっての最重要課題です。
そのためには、高粗利契約を「営業マンのスキル」に依存した獲得方法ではなく
企業全体でプランを立てる必要があります。
今回は、そんな企業全体のプランを立てるのに有効な「FFMBモデル」と「セールスファネル」を紹介します。
「FFMBモデル」とは
FFMBモデルとは、提供するサービスを以下の4点から構築するセールスモデルです。
- F:Free-end(フリーエンド)
- F:Front(フロントエンド)
- M:Middle-end(ミドルエンド)
- B:Back-end(バックエンド)
これら4つの種類に様々な商品やサービスを当てはめ、
どのようにして自社の認知度を高め、自社利益に繋がる高利益を上げていくかを考えます。
Free-end(フリーエンド)とは
Free-end(フリーエンド)は、その名の通り「無料」のサービスを提供する段階です。
フリーエンドでは利益を得るのが目的ではなく、あくまで自社の認知度を高めたり
無料サンプルなどを通じて、自社の関連商材に興味がありそうな人を集めることが目的です。
また、フリーエンドで重要なのは、「啓蒙(けいもう)する」ことです。
例えば自社が提供しているソリューション(課題解決の手段)が必要になるお客様に対して
「〇〇することは大切ですよね?」「〇〇になったら困ると思いませんか?」という問題提起を行います。
この啓蒙活動を通じて、自社のミッションやビジョン(商品やサービス提供を通じて実現したい未来)を
多くの人に共感してもらうのが、フリーエンド段階の大きな役割です。
そのため、フリーエンドではただ無料の製品を提供して自社認知を高めるだけでなく
啓蒙活動が出来るセミナーやメルマガ発信、チラシ、広告なども含まれます。
フリーエンド実施のポイント
- 後々に販売したい商品やサービスに関連した要素を持つこと
- 自社のミッションやビジョンに共感してもらえる「啓蒙活動」であること
- 電話番号やメールアドレスなど、後々の活動に必要な個人情報を取得できること
Front-end(フロントエンド)とは
Front-end(フロントエンド)は、Free-end(フリーエンド)で集めた顧客に対して、
安価な商品・サービスなどの提供を通じて見込み客に自社の「取引先」になってもらう段階です。
フリーエンドからフロントエンドへの移行に必要な「安価な商品やサービスの購入」は
自社が利益を得るためのものではなく、あくまで自社をより深く知ってもらうことが目的です。
また、購入したのが安価な商品やサービスであっても
お客様には「取引した」という事実が変わりなく伝わるものです。
買いたいと思える商品を取り扱っている企業という信頼性を自社とお客様の間で構築することができ、
なにかを購入する際のお客様の不安を取り除くことにも繋がります。
最も重要なのは、フロントエンド商品を購入してくれたことが
「フリーエンド段階から続けてきた啓蒙活動が、お客様にとって理解できるものだった」と解釈できる点です。
フロントエンド実施のポイント
- お客様が商品やサービスを購入する際の不安を取り除くものであること
- お客様にとって、啓蒙活動に共感した結果であること
- 「利益を出す目的」ではないことが明確なこと
Middle-end(ミドルエンド)とは
ここまで、Free-end(フリーエンド)やFront-end(フロントエンド)で
様々な商品やサービスを通じてお客様に啓蒙活動を行ってきました。
お客様にとって何が課題か、最終的に到達したいゴールが明確になってきた頃です。
Middle-end(ミドルエンド)は、到達したいゴールを完全に実現できるわけではないものの
部分的には最適な状態に達成できる、そんな商品やサービスを販売する段階です。
「本当はここまで到達するのがベストだけど、今はまだここまで」といった状態ですね。
多くの企業では、この段階での商品やサービスに中規模利益を獲得できるものを設定しています。
営業マンにとっては営業活動がしやすい段階ではありますが、
フリーエンドやフロントエンドを用意せずにミドルエンド商品だけを販売するのは
よほど商品力に自信がない限りいずれは顧客名簿が枯渇してしまうので、安定した経営とは言えません。
ミドルエンド実施のポイント
- フリーエンド、フロントエンドでの啓蒙活動の末に到達するものであること
- 到達したいゴールを完全に実現するものではないが、部分的に最適な状態を達成できるものであること
Back-end(バックエンド)とは
Back-end(バックエンド)は、FFMBモデルが到達する最終段階です。
一言でいえば、お客様にとって最大限に成果を出すことが出来る自社の最適解である商品やサービスを
提供する段階です。
最大限の成果を出すことができる商品やサービスなので、
品質が上位であったり、ボリュームのあるものではありますが
「高価」で「自社として最大利益」だからバックエンド商品とするのは安直で危険です。
あくまで、「お客様にとって最大限に成果を出すことができるもの」であることを意識しましょう。
とはいえ価格的に高価なものになるのも事実なので、バックエンド商品を購入するのは
顧客全体の中でも件数としては少ないものになるでしょう。
それだけ、自社の啓蒙活動に強く共感したお客様だけが到達する段階です。
バックエンド実施のポイント
- お客様にとって最大限に成果を出す、自社の最適解である商品やサービスであること
- 自社の啓蒙活動を最も強く共感したお客様だけが到達する段階であること
- ただ「高価」な商品やサービスであればいい、という解釈ではないことを理解すること
FFMBモデルの目的
ここまでFFMBモデルを説明する様々な場面で、「啓蒙(けいもう)する」という言葉を多用してきました。
FFMBモデルを実施する企業によくある勘違いとして、
「フロントエンドやミドルエンドである程度の商品を購入してもらったお客様を、もっと高額な商品へ誘導する」
という誤解があります。
これは経営哲学に基づく話でもありますが、
Back-end(バックエンド)は「高額な商品」ではなく、
お客様に最大限の成果(課題解決)を出してもらうことの出来る商品のことを指します。
というのも、FFMBモデルは「啓蒙」を通じて
課題や理想とするビジョンをお客様にいかに共感してもらうかがカギのモデルだからです。
そうすることで、お客様は「上得意客」となり他社紹介をしてくれるようになります。
紹介案件だけで利益を生むことができるようになれば、
負担の大きい営業活動やマーケティング活動のコストを削減するばかりでなく
自社の「ファン」を増やすことにもなり、安定した利益が得られる好循環を作り出すことができます。
そのためにも、「利益」「高額」というキーワードではなく
「啓蒙」「課題解決」「ファン」など、お客様にとって利益があるという点が重要なのです。
セールスファネルとは
セールスファネルの「ファネル」は日本語では「漏斗(ろうと)」と言います。
漏斗は上部の口径が大きく下部の口径が小さくなっているので、下にいくほど流れる液体が減っていきます。
これに倣って、顧客数が少しずつ減っていくモデルをセールスファネルといいます。
セールスファネルにFFMBモデルを当てはめると以下のような絵になります。
FFMBモデルのセールスファネルは、Back-endに近づけば近づくほど
「啓蒙活動に強く共感するお客様」という意味合いになり全体的な顧客数は減りますが
自社で提供しているサービスの品質は高くなっています。
このセールスファネルに沿って、自社の顧客数を鑑みて活動の計画を立てましょう。
まとめ
FFMBモデルに沿ったセールスファネルを作成することで、
自社がどのようにお客様にアプローチをしていくかが分かるうえに
最終的にお客様に到達してもらいたいのかという「自社のミッション」も明確になります。
最も重要なのは主語が「自社の利益」ではなく「お客様の利益」です。
このモデルプランを立てて、お客様にとって価値あるセールス活動を行い
安定した利益を生み出せる体制を確立させましょう。