【建築業】FRPとは?特徴や種類を徹底解説!

【建築業】FRPとは?特徴や種類を徹底解説!

軽量でありながら金属よりも丈夫な性質を持つFRPは、車両や船舶のボディ、釣具・ゴルフクラブといったスポーツ用品、さらには浴槽など家庭の中でも広く使われています。

そこで、今回は私たちの生活に欠かすことのできない素材であるFRPが一体どのようなものなのか、どんな種類があるのかといったことについて詳しく見ていくことにします。

FRPとは

FRPは Fiber-Reinforced Plastics の略です。
日本語では「繊維強化プラスチック」と呼ばれることからもわかるように、プラスチックにガラス繊維やカーボン繊維を混合した複合素材であり、従来のプラスチックにはなかったさまざまな特徴を持っています。

20世紀初頭頃からアメリカで開発が進められたFRPは、1930年代に実用化され、戦後になると日本国内でも自動車業界や船舶業界で広く使われるようになりました。
さらに、1970年以降になると建材としても注目されるようになり、現在では多くの家庭で使われています。

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FRPの特徴

FRPが従来の金属やプラスチックに取って代わりさまざまな用途で幅広く使われている理由は、ほかの素材にはないメリットがあるからです。
では、FRPはほかの素材に比べてどのような点が優れているのか、その特徴について具体的に見てみましょう。

耐水性

FRPの優れた特徴の一つが「耐水性」です。
水を通すことがないので、船やボートのボディ、家庭では浴槽やベランダ・バルコニーなど、防水が必要な場所では必ず使われているといっても過言ではないでしょう。

耐食性

FRPは高い「耐食性」を持ち、金属や従来のプラスチックに比べて、腐食しにくく耐久年数が長いのも大きな特徴です。

建物に使用されている木材や金属は、長年の風雨の影響で腐ってしまったりサビが出てしまったりします。
しかしFRPは、気候の影響を受けにくいので腐食することがありませんし、プラスチックなのでさびてしまうこともありません。
海に近い地域では塩害に悩まされることも多いですが、FRPであれば塩害の影響も最小限に抑えることができます。

また、従来のプラスチックは酸に弱いといった性質がありましたが、FRPは薬品耐性にも優れているため強い酸やアルカリなどの影響も受けにくい特性を持っています。
そのため、各種薬剤を貯蓄するためのタンクや運送のためのタンクローリーなどにも安全に使用することが可能です。

強くて軽量

FRPは「軽量でありながら強い」という特徴もあります。
軽量で強度もある金属としてアルミニウムを例に比較してみましょう。
アルミニウムの比重が2.7に対して、FRPの比重は1.5~1.8程度です。
製品によって若干の違いがあるものの、重さはアルミニウムの半分程度です。

また、引張強度は、アルミニウムが90MPa程度なのに対して、FRPは150MPa程度となっています。
このことから、FRPの比強度(単位密度あたりの強度)はアルミニウムの3倍程度であることがわかります。

さらに、FRPは単純な強度だけでなく、弾性にも優れています。
弾性とは、簡単に言えば「外から力が加わった後、力を取り除いた時にどれだけ元に戻りやすいか」ということですが、FRPの弾性は鋼の10倍以上にもなります。

こういった特徴から、ゴルフクラブやテニスラケットのシャフトに用いることで飛距離が伸びたり球速が増したりする効果が得られるのです。

FRPの種類

FRPは、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂といった樹脂プラスチックに、ガラス繊維やカーボン繊維などの繊維を混合した複合素材です。
複合の組み合わせパターンはいくつかあり、組み合わせによって同じFRPであっても異なる特性を持つようになります。

そのため、用途も様々に異なります。
ここでは、数あるFRPの中から代表的なものとして「GFRP」「CFRP」「BFRP」「AFRP・KFRP」について詳しく見ていきましょう。

GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)

GFRPは Glass-Fiber-Reinforced Plastics の略で、「ガラス繊維強化プラスチック」のことです。
ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂などの樹脂プラスチックにガラス繊維を混合したもので、鉄の4分の1の重さでありながら鉄を超える強度があります。
耐水性にも優れることから、FRPの中で最も普及しているタイプです。

FRPの中で一番コストが低いということもあり、ユニットバスや自動車のエアロパーツ、ゴルフクラブやテニスラケット、スキー板、釣り竿など広く使われています。
また、ほかのFRPと比べると電波透過性に優れているのも特徴であり、通信機器の筐体などにも使われています。

一方で、鉄に比べて耐衝撃性には劣り、経年劣化が起こるといったデメリットも挙げられるでしょう。

CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)

CFRPは Carbon-Fiber-Reinforced Plastics の略で、「カーボン(炭素)繊維強化プラスチック」のことです。
樹脂プラスチックにカーボン繊維を混合することで、ガラス繊維を使ったGFRPよりもさらに軽量でありながら強度も増しています。

CFRPには、PAN系炭素繊維を使用したタイプとピッチ系炭素繊維を使用したタイプがあります。
PAN系CFRPの強度は鉄鋼の10倍であり、特に強度に優れています。

このような特徴から、F1カーや飛行機のボディなどに使われていますが、ほかのFRPと比べると非常に高価なのがネックです。
また、GFRPは絶縁性があるのに対して、CFRPは誘電性があり、電気を非常によく通す性質があります。

BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)

BFRPは Boron Fiber-Reinforced Plastics の略で、「ボロン繊維強化プラスチック」のことです。
ボロン繊維は、0.1mm径と繊維としては比較的太く非常に強度に優れるため、戦闘機の水平尾翼・垂直尾翼やスペースシャトルなどにも使われています。

ほかのFRPと比べると、引張強度よりも圧縮強度に優れているのもBFRPの大きな特徴です。

AFRP・KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)

AFRPは Aramid-Fiber-Reinforced Plastics の略で、「アラミド繊維強化プラスチック」のことです。
また、KFRPは Kevlar-Fiber-Reinforced Plastics の略で、「ケブラー繊維強化プラスチック」を指します。
ケプラー繊維はアラミド繊維の一種であり、ガラス繊維やカーボン繊維と違って有機繊維です。

AFRP・KFRPは、強度という点ではほかのFRPと比べて特に優れているというわけではありませんが、比重がとても軽く切れにくいという特徴があります。
切れにくいということは加工しにくいということにもなりますが、強い衝撃を受けても切れないので防弾チョッキなどにも使われています。

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FRP防水とは


FRP防水とは、軽くて耐水性に優れているというFRPの特徴を活かした防水工事のことです。
一般家庭やマンションの屋上やベランダ・バルコニー、浴室などにPRP樹脂を塗布して防水層を作ることで水漏れを防ぎ、建物の劣化を防ぐ効果があります。

また、FRPは強度に優れるため、多くの車や人が行き来する屋上駐車場では、工事をすることで防水効果だけでなく補強効果も期待できます。
塗膜の硬化速度が速いので、短期間で工事を完了できるのも魅力です。

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まとめ

FRPは、プラスチックにガラス繊維やカーボン繊維を混ぜることによって、軽量でありながら金属よりも強い強度を持ち、優れた耐水性や耐食性も持ち合わせる素材です。
宇宙産業から軍需産業、飛行機や船、さらにはスポーツ用品まで幅広く用いられており、樹脂プラスチックや繊維の組み合わせによってさまざまな特徴を持つFRPを作ることが可能です。

また、身近なところでは、FRPは屋上やベランダ、バルコニーの防水工事にも使われています。
従来のウレタンを使った防水工事と比べると費用は少し高いですが、効果や耐久度に優れているので十分な選択肢となるでしょう。

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AIPPEAR NET 編集部

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