【建築業】管理者の理想と現実【顧客満足度向上】

【建築業】管理者の理想と現実【顧客満足度向上】

管理者(この記事では、経営者や営業管理や現場管理、その他企業の根幹を担う人材を指します)は顧客満足度向上のために必要なことは何かを考察していきます。

管理者とお客様の接点

管理者とお客様は、接点は非常に少ないと思います。
中には、社長自ら営業活動をして、お客様と接している企業もありますが、
営業マンや職人を管理して、最終意思決定者としてオフィスに常駐している管理者は多いと思います。

経営者や管理者が直接お客様とやり取りすることがなかったとしても
営業担当や現場担当者の一挙手一投足は経営者の方針によって決まります。

クレームが発生した場合の最終責任も経営者に起因することを考えれば、
間接的にはあらゆる業務でお客様と関わっている、といえるのではないでしょうか。

管理者の動きの問題点(お客様目線)

お客様目線での、「理想的な管理者の対応」とは何でしょうか。
お客様にとって、表面的に管理者に求めることは一つのみです。

では、お客様がここでどのような不満を持つのか考えてみましょう。

トラブル対応

トラブル対応と言っても、管理者へ上がってくるトラブルは深刻なものが多く
そのようなトラブルが発生した際には現場で何が起こっていてお客様がどのような対応を求めているのか
お客様が具体的にどんなテンションで何を言っていたのかが分かりません。

営業マンや職人、バックオフィスなどから口頭で情報を教えてもらい、
対応するという流れをくむことが多いと思います。
しかしこれでは対応に時間がかかってしまい、お客様が不満を抱いてしまいます。

基幹システム・業務システム導入による改善

では、基幹システムの導入や応用での活用を挙げていきます。

契約内容・工事内容の共有化

システムにより、契約内容や工事内容、工事写真の共有ができれば
どの段階でのトラブルなのかを把握できます。

そのうえで、今回のトラブルの原因が社内かどうか、
職人・営業・バックオフィスのどの段階でミスが生じたのかの分析もできるので、
お客様に対し、今回のトラブルの原因や対処を説明することが可能です。

お客様にとっても、「トラブルの対応がしっかりしている」と思えるので
今後の工事を順調に進めることができます。

適切な人員配置

管理者としても適切な人員配置ができることで作業効率を上げていくことができます。
営業マンのスケジュールや現場の工程管理が一元化できることによって、
「次に工事に入れるのは〇日から」「作業の合間に〇日間の空きがあるためこっちの作業に回すことができる」等、
様々な場面で人員配置の分析や見直しが可能となります。

中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン 経済産業省

経営の適正化・利益向上

お客様の利益に直接的には関係しませんが、
企業経営が適正化され、利益が向上していくと、お客様にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
考えていきましょう。

赤字企業での工事


赤字企業の多くは「すぐに別の工事を入れたい」「とにかく売り上げを上げたい」という考えに至りがちです。
その為、職人が抱える現場の量がとても多くなっていきます。

そうなると起こってくることは、ひとつひとつの現場の『手抜き』です。
「〇日までにこの現場を終わらせないと次の現場に行けない」
「この作業はここら辺にして次の作業に入ってしまおう」

本来、このような事は起こってはならない事態ですが、
赤字を回復するためにはたくさんの工事を短期間で終わらせて、
代金をいただく事に躍起になってしまいます。

このような工事をしている企業は、結局後から問題が生じてしまい、
お客様に不信感を持たれてしまうとともに、トラブル対応にコストがかかってしまいます。

最悪の場合、倒産などになったり、保証対応ができなくなってしまい、
お客様としては、「最悪の会社で工事してしまった」という後悔しか残りません。

黒字企業での工事


黒字の企業での工事は、余裕をもって業務の割り振りができます。
住宅業界は天候などに工程が左右されがちです。
「6月は梅雨で外の作業は進められないから、中での作業の工事に多くの人員を回そう」
「冬の工事は気温が低いから、より多くの休業日を設けるほうが仕上がりが良くなる」
というような、「お客様にとってより良い工事」に専念していくには、企業が順調に経営していることが第一です。

その結果、工事の質が上がり、「ここでやってよかった」というお客様の評価がもらえるとともに、周りにもいい口コミが広まります。

最終的に、利益を上げることで、広告費を使うことができ新規顧客獲得に繋がったり、
適切な人材配置を行うことで社員の満足度が上がったりと、企業にとってのコストを下げ、利益の向上に繋がります。

まとめ

営業の管理、職人の管理等、直接お客様に接することは少なくても、管理者がお客様のために出来ることは数多くあります。
企業として発展していくためにも、今何をするべきなのか、今後どういう動きが必要になるのかを分析して実行していくことで、顧客満足度向上にもつながっていきます。
システム導入により、様々なコストの削減・利益の向上をしていくことにより、お客様への対応にも、様々な変化が生まれます。
より良い工事をしていくために、企業が尽力できることは数多くありますので、その中の一つでも意識して行動していくことが重要です。

 

この記事の編集者

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