日ごろ、様々な仕事に追いかけられてはいませんか?
仕事をできる人であればあるほど、抱えている仕事は多くなってしまうものです。
気が付けば自分が抱えている業務の数が把握できなくなり残業が増えたり、酷い時にはスケジュールを飛ばしてしまったり…なんてことも起こってしまいます。
どうすれば自分の仕事をスムーズに把握することができるのでしょうか?
とくに、現場と事務所を往復する工務店だからこそ必要な「タスク管理」を考えていきましょう。
目次
タスク管理の目的とは?
「タスク管理」という言葉を聞いたことはありますか?
やることリスト、ToDoなどと言い換えられることもある基本キーワードです。
より効果的で価値のあるタスク管理を実践するために、タスク管理の「目的」をまずは明確化しましょう。
タスク管理の目的は、「今やるべきこと」に集中すること
タスク管理を行うにあたって最も重要なのは、抱えている仕事のうちで何が「今やるべきこと」なのかを明確にし、それだけに全力を注げる環境を作ることです。
一つ一つの仕事の生産性を高めるためには、まず「それだけに集中すること」が重要です。
その際、「あれはいつまでにやらなきゃ」「これも忘れないように…」など、他のことが頭に浮かんでしまうことは雑音でしかありません。
そういった雑音はストレスを生み、集中力を下げて作業効率を落としてしまう原因になります。
タスク管理は、今抱えているタスクの内容・期限・ワークフローなどの情報を整理して、今すぐではない仕事を脇に置き、「今やるべきこと」に全神経を集中させるために行うものなのです。
タスク管理に関する記事はこちら
タスク管理が失敗する理由
タスク管理の目的を明確にしたことで、タスク管理における「失敗」とは何かが明確になります。
例えば自分が抱えている仕事量やスケジュール、優先度が把握できないことで「今やるべきことが分からない=集中できない」状態に陥ることです。
集中できない状態で仕事をした結果、大切な仕事を飛ばしてしまうようなことが起こってしまうのです。
では、そういった失敗に陥ってしまう理由・原因は何なのでしょうか?
タスク管理に失敗する理由①:複数の仕事を同時並行でしてしまう(マルチタスク)
「マルチタスク」とは、複数の仕事を一緒に行うことを指します。
一見すると有能なビジネススキルのようにも思えますが、実はそうではありません。
マルチタスクを行うと、どうしてもタスクの達成度が見えにくくなります。
今やった仕事が次に何に繋がっていくのか等全体のスケジュール感が把握しづらくなるのです。
とくに工務店の営業担当や工務担当の方は、多くの案件を一度に請け負ったり、現場での調査と事務所での見積作成など
1日に様々な仕事をやらなくてはならないケースがほとんどなのも要因の一つでしょう。
解決策:タスクを細分化しよう
複数の仕事に混乱しないよう、「タスクの細分化」が必要です。
そもそもあらゆるタスクはマルチタスクから成り立っています。
例えば「皿洗いをする」というタスクでも、「水で汚れを落とす」「洗剤で洗う」「キッチンペーパーで拭く」「乾燥させる」という4段階のタスクに分解することが可能です。
これらをタスクとして順番に行うことで、一つ一つの仕事に集中することができるのです。
仕事においては、プロジェクトや工事案件に置き換えて考えることが出来ますね。
タスク管理に失敗する理由②:全体を把握する仕組みが無く、見落としてしまう
ビジネスマンなら誰しも、タスク管理として様々な方法を使った経験があると思います。
何かしらのシステムであったり、「ふせん」を使ったアナログな方法であったり様々でしょうが、それらは一般的に「ToDoリスト」と呼ばれます。
ToDoリストの活用がうまくいけば、自分の仕事が把握できるようになるはずですが、多くの方はそうなっていないようです。
ふせんなどを使って管理した結果「今何をするべきか」がひとまず把握できるようになっていても、「今自分がどれくらいの仕事を抱えているのか」が把握できていないせいで、見落としが発生してしまったり、新しい仕事を抱えすぎてしまうようです。
解決策:全体が把握できる仕組みを作ろう
ふせんの管理や自己流で作成したExcelでの管理だと、どうしても「目先の仕事」にしか意識が届かなくなってしまうケースが発生します。
「今、自分がどれくらいの仕事を抱えているのか」が把握できる仕組みを用意しましょう。
具体的なツールはこのあと紹介していきます。
タスク管理に失敗する理由③:都度入力する、定期的に振り返るなどの仕組みがない
ToDoリストの活用が失敗する最も大きな理由は、「何を記載するか」という方法を感覚的に行ってしまうことにあります。
例えば準備の段階では丁寧にタスクを記録していたのに、外出や商談などが重なってくると多忙のためか入力をおろそかにしてしまうケースです。
また同様に、作るだけ作って振り返りが出来ないので入力がおろそかになっても、修正の必要性に気が付かないケースも多分に含まれます。
これらの結果ToDoリストの活用が面倒になって、ToDoリストが、ただの「備忘録ツール」に成り下がってしまいます。
これでは、本来もっと高めることができた生産性を無駄にしていて大変もったいないですよね。
解決策:確認・入力が手軽にできるツールを用意する
入力が面倒になったり、確認するのが億劫になる方法を廃止しましょう。
まずは操作が手軽・簡単で「確認したくなる」ツールを使っていくべきです。
タスク管理の基本「GTD」を理解しよう
タスク管理が失敗する3つの要因を紹介し終えたところで、具体的な解決策を紹介していきましょう。
タスク管理には、「GTD」と呼ばれる基本的な考え方が大切で、最初に紹介した「タスク管理は今やるべきことに集中するためのもの」という目的も、このGTDに則って考えられたものです。
ここからは、GTDの考え方と、それを実現するためのツール「Trello」を紹介します。
GTDとは
GTDはGetting Things Done「仕事を成し遂げる」という意味で、タスクやプロジェクトなどの仕事を整理して管理する仕組みです。
再三言うようですが、目的は「今やるべきことに集中すること」です。
GTDは主に、以下の6ステップを通じてタスクの管理を行っていきます。
収集 | あらゆるタスクを書き出す |
---|---|
処理 | 重要度、実行する時期などの情報を補足する |
明確化 | 具体的な手順を明らかにする |
整理 | タスクを分類する |
実行 | 実際にタスクを行う |
レビュー | タスクを振り返り、管理する |
タスク管理・プロジェクト管理には「Trello」がおすすめ!
今回はGTDと併せて、タスク管理ツールの「Trello」を紹介します。
Trelloはパソコンやスマホで利用できる手軽なクラウドタスク管理ツールで、
1番のポイントはふせんをイメージしたデザインであることと、全体が簡単に見渡せるという点です。
Googleアカウントがあれば簡単に利用でき、共有も可能な点も素晴らしいですね。
このTrelloを用いて、GTDの考え方をもとにタスク管理を行ってみましょう。
タスク管理の方法とは
この章では、タスク管理の方法をご紹介します。
手順①収集:あらゆるタスクを書き出す
GTDの手順その1は「収集」です。GTDでは「あなたの記憶は信用に足るものではない」という考え方が最も重要です。
例えばやりかけの仕事について思い出さなければならないシーンで、明確にいつまでに何をしなければならないかというところまで正確に思い出せる場合はごくわずかです。
たいていは、「何か思い出さねければならないんだけど・・・」と中途半端なところで、モヤモヤとストレスを溜め込むのみで、結局思い出すに至りません。
記憶に頼らなくて済むように、すべて書き出しましょう。
Trelloを使えば、簡単にあらゆる仕事を書き出してしまうことができます。
ここではそれぞれの仕事の詳細は考えずに、まずはすべて書き出すということを目的にしましょう。
手順②処理:重要度、実行する時期などの情報を補足する
タスクを書き出すことができたら、次は書き出したタスクひとつひとつに情報を補足していきます。補足していく情報は以下の通りです。
- 時期(いつやるか)
- 重要度(自分でやるのか、誰かに任せてしまうのか)
Trelloならそのほかにも様々な情報を付与することができますが、
慣れないうちにたくさんの情報を管理しようとしてしまうと持て余してしまうことになりかねないので、まずはこの2点に集中しましょう。
Trelloで追加する場合は、以下のようにタスクひとつひとつに「期限」と「メンバー」を入力することが可能です。
手順③明確化:具体的な手順を明らかにする
タスク管理の手順①②を経て何をするべきかが少しわかるようになったでしょうか。
やるべき仕事を決めたら、具体的な手順を明確にしていきましょう。
例えば、「○日11時までに会議資料を作る」というタスクがあったとしましょう。
一見具体的なようですが、このキーワードそのものはゴールでしかありません。
会議資料を作るためにどのような作業をどういう順番で経ていく必要があるかを明確にしていきましょう。
Trelloを活用する場合、明確化したタスクごとにふせんを作成してしまっても構いませんが、ふせんの中でチェックリストを作成することができるので、余裕があればこちらを活用してみましょう。
ただしこのチェックリストの詳細は全体ページでは確認することができないので、タスクとして把握したい場合はふせんを分けるほうが賢明です。
手順④整理:タスクを分類する
GTDの重要な要素のひとつに「コンテキスト」という考え方があります。
人によって解釈の異なる考え方ですが、一言でいうと「タスクを実行する“状況”を分類する」ものです。
ここまでの手順でたくさんのタスクを作ることができました。
とはいえ、それが雑多に並んでいるだけだと必要な作業を見落としてしまうかもしれません。
そこで、タスクをパッと見たときに見やすい最適な個数に絞り込む必要があります。
絞り込むための分類方法がコンテキストなのです。
GTDで推奨されるのは、5W1Hに当てはめて分類する方法です。
例えば外出時・出張時・出勤時などのタイミングや、オフィス・自宅などの場所、メール、電話、資料作成などの行動を基準にすると良いでしょう。
Trelloでは、ラベル機能を使ってコンテキストを分類することが可能です。
全体ページでも色でわかるようになるので判断も簡単です。
手順⑤実行:実際にタスクを行う
タスクが整理できたことで、頭の中が整理されたのではないでしょうか。あとは実際に仕事をこなしていく段階です。
Trelloではタスクの並びを進行状況ごとに置き換えることができるので、着手したり完了したりと状況が変わるごとにふせんを動かしていきましょう。
手順⑥レビュー:タスクを振り返り、管理する
GTDにおいて最も重要なのが、この「レビュー」です。
せっかく仕事を管理しているのに、終わったら仕事をチェックし忘れていたり、新しいタスクの追加を忘れてしまっては何の意味もありません。
定期的にTrelloを見返して、見落としがないかを確認しましょう。
Trelloに「レビュー」というタスクを作って、定期的に見返すようにしておいてもいいかもしれません。
ここまでに設定したコンテキストなどが、レビューする際の時間短縮に役立ちます。
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まとめ
日ごろから様々な仕事を抱えていると、どうしても頭がパンクしそうになってしまうケースがあります。
そんなとき、GTDの考え方とTrelloなどのタスク管理ツールを活用していけば、業務の効率を高めることが可能です。
ポイントとしてはまず、「書き出すこと」「今何をすべきなのかハッキリさせること」です。
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