どんなに素晴らしい営業トークをしても、「ちょっと考えさせて」とお客様が決めきれず、対応に悩むことはありませんか。
そういった営業マンのお悩みを解決する有効な手段をご紹介します。
この記事では、営業の成約率を高める「仮クロージング」について、ポイントや具体例をまじえて紹介します。
仮クロージングとは
「仮クロージング」とは、クロージングの前に行う、お客様の反応や意思確認のことです。
本格的なクロージングと関係していますが、異なるものなので、詳細を確認していきましょう。
仮クロージングの位置づけ
いわゆる「クロージング」と言えば、契約する為に具体的な金額、時期、契約手続きなどを確定させる商談の締めにあたるパートです。
時間をかけて商談をしても、「ちょっと考えさせて」と具体的なクロージングをさせてもらえないケースは多いのではないでしょうか。
そんな状態を避けるために、仮クロージングを利用しましょう。
仮クロージングのタイミング
クロージング前に行う仮クロージングですが、細かなタイミングは、商談によって異なります。
商品説明前、説明中、説明後のいずれにも仮クロージングを行うことが可能です。
「もしやるとしたら、いつ頃をイメージされていますか?」
「もしやるとしたらこの金額のAプランと、この金額のBプランどちらが良いでしょう?」
このように、「仮に」「例えば」「もし」という言葉を使って商談中に少しずつ聞くのが仮クロージングです。
仮クロージングの目的
仮クロージングの目的は、その時点でのお客様の購入・契約意思を確認することです。
例えば、質問に対し、「やるとしたら、〇月ごろかなぁ」「Aプランのほうかなぁ」と具体的な答えが返ってくれば、契約する意思が強いと判断できます。
逆に、「ちょっと分からない」などと答えを濁されてしまうのであれば、乗り気ではないのかもしれません。
時期や金額など、提案内容などでまだ引っ掛かっている部分がある可能性もあります。
これらのお客様の意思を探ることができるのが仮クロージングです。
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仮クロージングを使う際のポイント
仮クロージングの概要をご紹介ました。
ここでは、実際に仮クロージングを行う際に気を付けるべきポイントを見ていきましょう。
タイミングを見極める
「もしも」「仮に」を使って具体的な場面をイメージさせる
仮クロージングを使うタイミングは、基本的にはプレゼン時や最初の課題ヒアリングなど商談の途中段階です。
ある程度説明を進めたら、認識が合っていることを確認しながら「もしこれを使うとしたら、何人で使われますか?」というように、実際に商品やサービスを使う場面をイメージさせるような質問を行いましょう。
お客様の温度感がちゃんと高まっていれば、具体的な想像を膨らませて仮クロージングに回答してくれるはずです。
答えてくれない場合、「契約のネック」がある可能性を考える
仮クロージングを実施しても、うまく答えてくれないことはあります。
そういった場合、「この人は冷やかしだ」と切り捨てるには早計です。
提案内容に魅力を感じてはいるものの、予算面が高いと感じているのかもしれないし、契約自体はできても、商品やサービスを実際に運用する自信がないのかもしれません。
そのような「契約のネック」をすべてのお客様が素直に打ち明けてくれるわけではありません。
こんな時には、「もし契約するとしたら、契約のネックになるのはどんなことですか?」とストレートに聞いてしまいましょう。
予算面や運用面に課題があると明らかになれば、御社でそれがどのように解決できるか検討し、説明することが可能になります。
仮クロージングの具体例
ここでは、仮クロージングの具体的なやり方を確認しましょう。
お客様が具体的に契約を検討してくれているかどうかを図るためには、例えば以下のような確認項目が有効です。
- 契約時期
- 契約プラン/金額
- 決裁者
- 交渉条件
- 個人的な意欲
契約時期
「もしやるとしたら、いつ頃からですか?」
「もしやるとしたら、〇月からですかね?」
前者なら、お客様は「5月です」など具体的な日時を考えて回答する必要があり
後者ならお客様は「はい」か「いいえ」で答えることができます。
心理的には後者のほうがお客様は答えやすいものですが
前者で明確に回答してくれるほうが、営業マンとしてはお客様の熱さが分かりやすいものです。
契約プラン/金額
「もしやるとしたら、AプランとBプランどちらがいいですか?」
仮にお客様の中で予算感をクリアしていたとしても、
「もしやるとしたら100,000円になりますがよろしいですか?」などと聞いてしまうと
無駄な値引き交渉などに発展しかねません。
予め金額別のプランを用意しておいて、そこから選んでもらうようにしましょう。
決裁者
「もしやるとしたら、ご担当者様は〇〇様でよろしいですか?」
「もしやるとしたら、社内でどなたにご相談されますか?」
「もしやるとしたら、どのような決裁フローになりますか?」
法人営業の場合、お客様は一担当者であり契約承認には別の決裁者がいる可能性があります。
そういった場合に備えて決裁フローを明確にするのは重要です。
交渉条件
「もし〇〇をすれば、ご契約いただけるということでよろしいですか?」
例えば値引き交渉を受けたりした場合に、値引きが契約の条件であることを明確にする必要があります。
ただし、法人営業の場合は値引き交渉を受ける相手に注意しましょう。
一担当者を相手に値引き対応をしても、決裁者に説明する段階で蹴られてしまったり
更に値引きやサービスを要求されることにもなりかねません。
交渉を行うのは、ネックが絶対に解決できない最後の1つになってからです。
個人的な意欲
「もしお一人で決められるとしたら、〇〇様個人的には契約したいですか?」
決裁者からの承認を受けていない、家族からの同意を得ていないなどで
その場で契約意思を確認できないケースがあります。
そういった際には、一担当者だからとしって無碍にせずに担当者個人の意思を確認しましょう。
仮クロージングで意思が確認できれば、上長承認やご家族への説明の段階で協力できるかもしれません。
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まとめ
今回は、スムーズに商談を進めながらお客様の意思を確認する「仮クロージング」を紹介しました。
仮クロージングを上手に使いこなすことができれば、営業マンが時間をかけるべき案件が判断でき
より効率的な営業活動を行うことができるようになります。
また、仮クロージングはお客様の意思決定フェーズを把握していれば
どのようなタイミングで何を確認すべきかが理解でき、更に商談を円滑に進めることができるようになります。
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