築年数が古くなってくると検討し始めるのが、「バスルーム」のリフォームです。
しかし、バスルームのリフォームは価格面で高額になる可能性が高く、依頼する業者やリフォーム後の素材などの選択が慎重になります。
また、業者の種類や素材は様々であり、決める際も一苦労ですよね。
そこで今回は、バスルームリフォームを考えている方やリフォーム会社様向けに使える、おすすめの素材や施工業者などをご紹介します。
バスルームをリフォームする際の基礎知識
バスルームのリフォームの場合3つのパターンが考えられます。
在来工法の浴室はユニットバスに比べて高価な上に、工期が長くなりますからユニットバスが現在は主流となっています。
在来浴室→ユニットバス
古くなった在来浴室からユニットバスに変えるパターンが多いようです。丁度いいユニットバスのサイズがない場合も考えられますから、慎重に事を運ぶよう心がけてください。
ユニットバス→ユニットバス
こちらが一番多いパターンですね。日進月歩でユニットバスも進化していますから、機能性をどこまで付け足していくかが鍵となります。
在来浴室→在来浴室
在来浴室のままリフォームした場合、
- 浴槽の素材を何にするか
- 床・壁材の素材を何にするか
この2つの要素で施工費が変わってきます。お客様のご依頼を受けた時に、その理由をしっかりと理解することが、リフォームの成功につながります。お客様の望んでいる事をしっかりと理解して、場合によっては違う形になったとしても、喜ばれる提案をしていってください。
以下は、ユニットバスと在来浴室を比較した一覧表です。
いずれにせよ、それぞれの工事を得意とする業者に依頼することをおすすめします。
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浴室の素材
浴室の素材には、タイルやステンレスなど一般的なものから、高価な大理石や木製の浴室もあります。
ここでは、浴室の素材とその特徴をご紹介します。
人工大理石
汚れが付着しにくいという利点がある一方で、天然大理石よりも柔らかいので傷付きやすい欠点もあります。
色や形が豊富にあり、温かみのある素材です。追い焚き機能を後からつけることができませんので、追い焚き機能をつけたい方には、他の材質のバスタブをおすすめください。
その他、加工性、着色性に優れている、耐水性や耐汚性に優れているなどの特徴があります。また入浴剤の種類に寄っては変色することがありますので、人工大理石OKの入浴剤を選ぶ必要があります。
- アクリル樹脂系 高価格帯
- ポリエステル樹脂系 低価格帯、年月が経つと黄色く変色/li>
FRP
繊維強化プラスチックの素材です。聞き慣れない素材ですが、一般的な浴槽はほとんどこれでできています。
- 価格が安い
- 種類が豊富
- 補修をしやすい
価格が安い上に、クラックや穴があいても修理できる反面、汚れが付きやすい、色褪せるといった難点もあります。
コーティングすることで、色あせを防ぐこともできますが、定期的に再コーティングの必要があります。
ステンレス
温性に優れ錆びにくく、変色もおこりません。耐久性も高く衛生的で、匂いも気になりません。
重い素材ですから2階以上に取り付ける場合は補強が必要になります。その分リフォームも費用がかかってきます。
やはり金属ですから、入浴剤(硫黄分など)に寄っては錆びることもあります。デザインやカラーのバリエーションもFRP に比べて少なくなります。
見た目が美しく、カビがつかない上に保温性が高いのが特徴です。金属の表面にガラスのコーティングをしてありますので、劣化するとサビが出ます。
サビが出ると買い替えになりますが、高価な上に重い素材なので工事費が高くつきます。
木製
なんといっても檜(ひのき)のお風呂は憧れの的です。あの香りで毎日癒やされてみたいですよね。
きちんと手入れをすれば、意外にも長く使えます。ただ、少しでも手を抜くとカビだらけになりますので、余裕のある方におすすめです。
タイル
汚れもつきにくく、耐久性や耐水性に優れています。手入れも楽な上に、タイルの色や形でデザインも楽しめます。
個性的なバスルームを楽しむご家庭も増えてきています。ただ、最近ではユニットバスの方が耐久性や耐水性に優れているため全体的に減っています。ヒビが入るとそこから水漏れしますので、こまめなメンテナンスが必要です。
人造大理石
人工大理石と違い大理石の粉を使用していますから、天然大理石に次ぐ高級感がある分高価になります。汚れがつきにくく、水垢がほとんどつきません。
リフォーム業者の種類
リフォーム業者には、全国ネットで展開する大手や地域密着型の中規模店、この仕事では右に出るものがいないと評判を取る小型店など様々な種類があります。
全国で展開する大手の安心感が、満足の行くリフォームにつながる場合もありますし、その地方独特の建築方法や様式をよく知る業者もありますので、そのお宅のリフォームにあった業者を選ぶ必要があります。
そのためには、情報収集がものをいいます。綺麗に線引できるものでもないのですが、7つにまとめてみましたのでお役立てください。
リフォーム専門会社
最近は世相を反映して新築よりもリフォームが増えたことに伴い、リフォームを専門に行う会社も増えてきました。
増改築などの大きな工事を得意とするところから、専門的な知識を生かしたリフォームを行う業者もあります。
地域密着型で小中規模の業者が多く、デザイナー・建築士・介護福祉士などのスタッフがいるところもあります。
ハウスメーカー系リフォーム会社
ほとんどのハウスメーカーは子会社でリフォームサービスを展開していますが、大手で全国対応してもらえる安心感があります。 代表的な大手の住友林業をご紹介します。
住友林業
全国に支店とショールームを展開する大手の業者です。ショールームにでは建築士との個別相談も可能です。
設計事務所または建築家
余裕がある場合は、デザイン性やオリジナルにこだわりのある方におすすめです。
工務店
請け負う工事の内容が広範囲に渡ります。提携しているデザイン会社で工事のみを行う会社と自社ですべて行う会社があります。
スバコ
こちらはリフォームを請け負う工務店をご紹介するサイトです
家電量販店・ホームセンター
家電量販店やホームセンターが経営するリフォームサービスでは、大手の安心感もあり、工事費を安く抑えることができる利点があります。 必ずしも直接施工するとはかぎりません。家電量販店やホームセンターが窓口となって提携する施工会社に依頼する場合もあります。
水道・電気・ガス会社系
これらを供給している会社の系列で運営しているリフォーム会社です。水周りの修理や、電気配線工事、給湯器の交換や修理、ガス配管工事など、専門分野の工事を中心としたリフォームになります。
浴室リフォームPRO
パナソニックで運営しているバスルームのリフォームの案内サイトです。主にユニットバスの工事パックの価格一覧をご紹介しています。
住宅設備メーカー系
自社製品を取り扱う店舗を展開しています。こちらの大手業者をご紹介します。
リクシル
全国にショールームを展開する大手です。小規模リフォームから公共の施設まで幅広く手がけています。
TOTO
全国にショールームを100箇所展開している誰もが知る大手です。
お役立ちサイト
情報収集の一環として、役立ちそうなサイトをいくつかご紹介します。
ホームプロ
10年連続NO.1の実績を誇る、利用者70万人のリフォーム会社の紹介会社です。リフォームの適正価格や相場を紹介しています。
リショップナビ
こちらもリフォーム業者の紹介会社ですが、お風呂の材質の種類ごとにメリットとデメリットを解説しています。詳しく解説していますので、情報収集に最適です。人工大理石、人造大理石に関しては特におすすめです。
ハピすむ
ハピすむは上場企業であるSMSが運営するりフォーム情報のサイトです。こちらも各素材のメリットとデメリットを詳しく解説されています。FRP、ステンレス、ホーローバス、木製お風呂についてはこちらがおすすめです。
価格.com
価格比較サイトです。タイル以外の素材のバスタブの価格比較がご覧になれます。
Homify
タイルを使った個性的なバスルームを紹介しているサイトです。施工業者も合わせて探すことができます。
リノコ
特に汚れにくい素材や掃除しやすいお風呂を紹介しているサイトです。
業者を選ぶポイント
ここまで、リフォーム業者の種類や比較サイトをご紹介しました。
とはいえ種類が多く、決めるのは難しいですよね。
この章では、業者を選ぶポイントをご紹介します。
同様の工事の実績があるか
お客様が希望されるリフォームを叶えることができる実績があるか。
要望に合わせた提案があるか
一方的に意見を押し付けるのではなく、お客様の要望にあった提案をした上で、見積書の見方や資材ついて、また、メリットと共にデメリットも説明してくれるか。
担当者との相性
担当者にきちんと要望を言えるか言えないか。意外に言いにくいと思ってているうちに、違う方向話が進んでしまったということもあります。
こちらの質問に納得のいく説明をしてくれるスタッフがいるところは安心ですよね。
保証・アフタースサービス
施工工事が終わってから欠陥が見つかることもあります。 保証がないことを確認しなかったために、泣き寝入りせざるを得なかった例が多くあります。現在はリフォーム瑕疵(かし)保険に加入している業者もありますので、きちんとチェックすることをおすすめしてください。
リフォーム協会などの団体に加盟
あくまでも参考ですが、「日本住宅産業リフォーム協会」「住宅推進協議会」「リノベーション住宅推進協議会」などに加盟している業者を中心に探してみるとみると、信頼できるところが見つかりやすいと思います。
失敗例
業者やリフォーム内容を決める上で参考になるのは、失敗例です。
この章では、バスルームリフォーム工事の失敗例をご紹介します。
有名な会社という安心感で契約→高額請求
大手の場合、施行の多くを下請け会社に任せるため、中間マージンで高額になってしまうことがあります。
何社か当たってから妥当なところを選ぶようにアドバイスしてください。
評判が良いと知人に紹介されたが相性がい今ひとつ
そのお宅に寄って重視するところが違います。
紹介された業者のセンスが合わなくても、紹介者に気を使い契約してしまったけれど、やはり気に入らなかったという例が後を絶ちません。今は数社に見積もりをしてもらうのが当たり前の世の中です。
予め数社の見積もり比較することを伝え、契約に至らない場合があることも伝えるようにおすすめしましょう。
つい急かされて契約
これも良くあるケースですが、値引きや限定のサービスなどで、急いで契約したけれど、ずさんな施行だったり、思い通りにでき上がらなかったら、本当に後悔してしまいます。
よほどでなければ、やはり数社の見積もりを比較することをおすすめしてください。
飛び込み営業の会社と契約
近年国民生活センターに寄せられる、リフォームの訪問販売のトラブルが増加しています。
契約後に連絡がつかなくる、倒産したと言うケースも多く報告されています。訪問販売で急かされた場合は注意が必要です。
1社だけで契約
打ち合わせには時間がかかるものですから、面倒になり最初の1社で契約をしたが、もっと比較してみれば良かったと後悔するケースもよく聞かれます。
時間はかかりますが、比較することでより満足のいく施行が実現する場合もありますので、3社ほど見積もり比較することをおすすめしてください。
お客様に寄り添って、不安に思うことや疑問にお答えすることで、あなたの信頼は増していきます。
例えあなたの提示した見積書が他社よりも高額でも、あなたの誠実な態度と適切なアドバイスに価値を見出してくれるお客様もいるため、丁寧に説明することを心がけましょう。
窓リフォームの失敗例はこちら
ユニットバスとシステムバスの違い
ユニットバスとシステムバスの違いについてご存知ですか?
実はこの2つに違いはありません。
同じ物と言っても差し支えありません。リフォームの現場でも同じものとして扱われています。
ただ、浴室とトイレが一緒なのがユニットバスだと認識している方がいるようですが、正しくは洗面台の付いた浴室を「2点ユニットバス」と呼び、洗面台とトイレが付いた浴室を「3点ユニットバス」と呼び分けます。
まとめ
今回まとめとしてお伝えしたいことは2点あります。
まず一つ目ですが、実際に解体をしてみないと、金額も施行日数もどのくらいかかるか分かりません。下地がそのまま使えるか、下地からやり直さなければならないかで、見積もりの金額も違ってきます。お客様にはその点をよく説明して、ケースバイケースで金額を提示したほうが親切と言えます。難しいと思いますが、リフォームの仕事はこういった実際にやってみなければ分からないことの積み重ねです。それをお客様に臨場感のある說明ができれば、あなたのスキルアップにつながります。主流となっているユニットバスの素材は、ほとんどが人工大理石かFRPです。
他の素材を選ぶ際はその素材のデメリットをよく考慮するようにアドバイスをしてくださいね。
そして二つ目は、高価なものが必ずしも良いとは限りませんが、毎日使用するバスルームですから、汚れのつきにくく入れのしやすい物が一番喜ばれます。ただしそういった素材は一般的なものよりも高くつきますので、そのへんをよく話し合うことをおすすめします。また、新しい機能もあればいいというものでもありません。必要のないものは思い切ってはずすことも、費用の面から言えば大事なことです。
業者に頼めば高価なものでも、自分で簡単に安くできることもあります。
大まかなことを2つあげましたが、あなたでなければ考えつかないことがきっとあります。お客様に直接接していればいくつか浮かんで来ませんか?
お客様の立場に立って、たくさんアドバイスが浮かんでくるようになったら、あなたももう一人前ですね。