企業の売上の要となる「営業マン」。
営業をしていて、帰ってきた営業マンが言うことは
「雰囲気はよかったんですけどお客様に決裁権が無くて・・・」
「いい感じだったんですけど検討するって言われちゃいました・・・」
営業している中、お客様の反応は良いのに、ただ話をしただけで終わってしまった、なんてことも
あるのではないでしょうか。
失注してしまう原因
では、なぜ営業マンが失注してしまうのでしょうか。
失敗しがちな営業の例を挙げて考えていきましょう。
営業マンが失注してしまう原因は主に次の5点です。
- 営業する相手が違う
- 確定した金額が出せない
- 「いつまでに契約すればいいのか」をはっきりしない
- 営業マンが信頼できない・競合のほうがいい
- 営業している内容が合わない・曖昧
- 営業する相手が違う
「決裁権の有無」はもちろん、会社相手でも
営業する部署が違うだけで全く話が伝わらなくなります。
逆に、決裁権がある社長と話すことが出来たのに
実際に商材を使う社員が居ないと社長は商材の何がいいのか
理解することが出来ず、判断できないため「今回はいいや」となってしまうのです。
一般顧客への営業でも同じことが言えます。
台所のリフォームでは、決裁を出すのはご主人ですが
実際に台所を使う頻度が高いのは、おそらく奥さまですね。
このように、営業する相手は「決裁権がある」というよりも
「商材を使用し、その良さを見定めることが出来る人」であることが重要です。
確定した金額が出せない
せっかく営業中の話もいい感じに進んでいるのに、
お客様から「で、これはいくらなの?」と言われて、
詰まってしまう営業をしていませんか?
「お客様と話をしているうちにオプションをつけることになった」
「お客様を紹介してくれることになり割引をする話をしてしまった」などで
お客様に即座に金額が出せなくなってしまう事もありますよね。
でも、お客様からしたら、せっかく購入しようとしていて、
予算立てをしたいのに金額がいくらぐらいなのかが分からず、
テンションが下がってしまうことも・・・。
この場合は、お客様との商談の中でも上司へ電話したり、
本来の金額を話し、「ここから値引きをさせていただきたいと思っています」と
現段階で、お客様へ提示できる金額を出すことが重要です。
「いつまでに契約すべきか」をはっきりしない
営業の話がうまくいってきたなと感じ、お客様にも購入の意思があるなと思った場合、
そこで断られる原因は「競合がある」か「他にも確認すべき人がいる」の2点だと思います。
そういったときに重要なのが「期限を決めてしまう事」です。
「期限を決めてしまう事」と言いましたが、決してお客様を焦らせるためではなく、
お客様のスケジュールの中に、自社との契約を組み込むようにすることが重要です。
そのためには、お客様がいつまでの納品をしてほしいのかをヒアリングし、
競合の相見積や、他に確認すべき人への連絡などを含め、
「どのくらいまでに決められそうなのか」をはっきりさせることで、
お客様に対しても営業のフォローアップが出来ます。
営業マンが信頼できない・競合のほうがいい
営業マンが信用できないお客様の感想の中で多い物は、
「商品が良いのは分かったけど、押されすぎてテンションが下がってしまった。」
「競合のところの商品のほうが良く見えてしまった。」
というものです。
これは一見、全然違う理由に見えますが、根本的に言えば
「お客様のニーズを引き出すことが出来なかった」という結論になります。
お客様の現状を理解し、お客様にとって最良なものを考え提案する。
その動きをするために必要なのが「ヒアリング」です。
「ただの御用聞きにならないように」と、営業マンは時折言われることもありますが、
お客様とのコミュニケーションを深め、時には自社に合わないようなら
それをお客様にも伝えることも重要です。
「真摯に営業してくれた」という事が伝われば、お客様の満足度も上がり、
時には別のお客様への紹介を得られることもあります。
営業をしている内容が合わない・曖昧
これは「営業の仕事は得意だと思う」「話すのは得意なほうだ」という人が陥りやすい現象です。
「商品の良さを伝えよう伝えよう」として、アピールをするものの、
お客様にとってそれは、営業マンが「便利そう・良さそうな商品を紹介してくれた」というだけで
「お客様にとっていい商品を提案してくれた」という事にはなりません。
「この商品は良いものだとは思うけど、自分が使うにはどうなのか分からない」
「このサービスを受けても、自分たちのためになるのか分からないな」と思われてしまっては、
せっかくの良い商品やサービスも、お客様は購入してくれません。
上にも書きましたが、しっかりとしたヒアリングで、
今、お客様にとって便利なもの・良いものを提案することが重要になります。
自社の商品・サービスを得ることで、お客様にとって
どんなメリットがあるか、具体的に何をしてくれるのかを
しっかりを伝えていきましょう。
失注後のヒアリングの重要さ
上に書いたことを気を付けていても失注となってしまうこともあります。
その時に必要なのは、「なぜ失注してしまったのか」を分析することです。
失注の原因の主なものは、「他社に決まってしまった」「商品・サービスが要らなくなった」の2点です。
他社に決まってしまった
この場合のヒアリングで一番重要なのは、「なぜ他社でなくてはならなかったのか」です。
その理由は、金額・納期・提案内容など、色々あると思います。
その理由を知ることで、次の営業に生かし、また社内で商材・サービスの扱い方を
検討していくきっかけになります。
商品・サービスが要らなくなった
この場合において重要なのは、「どこで要らなくなったのか」です。
一言「要らなくなった」と言っても、そこには
・商品があっても扱える人がいない
・上司や決裁権のある人がNGを出した
・予算が合わなくなった
など、様々な理由が隠れています。
この時に、「どのタイミングで要らないという判断が下されたのか」を聞くことで
今後の営業の際に、お客様に対しヒアリング・営業の会話、
様々なタイミングで「このお客様は購入しない」というのを見極めることが出来るようになります。
より購入意欲のある人へ、的確な営業ができるようになるため、
失注後のヒアリングはとても重要になります。
失注後、やってはいけない事・やるべき事
失注後の営業マンの態度は、お客様にとってクレームにも感謝にもなる重要なタイミングです。
そんな時に、やってはいけない事・やるべき事は何でしょうか。
やってはいけない事<粘る>
「断られてからが営業だ」
こんなことを言われた経験のある営業マンの方も少なくはないでしょう。
ですが、失注したお客様の中では、断っているのではなく、
その商品・サービスを買わないことが決まっている状態なのです。
そこでもし、「じゃあこのサービスも付けますよ!」
「もっと安くしますから!」と言って粘ったとしても、
お客様の中に残る営業マンの印象は「しつこい・めんどくさい」というマイナスイメージのみです。
やるべき事<感謝・フォロー>
営業をして、「無駄な時間を取られた」とがっかりする人もいると思います。
ですが、時間を取られたのはお客様も同じです。
忙しい時間の合間をぬって商談に立ち会ってくれた社員の方、
ゆっくりしたい休みの日に営業の対応をしてくれた一般のお客様、
皆さま営業という時間を同じく費やしています。
失注後に態度を雑にすることなく、
最後まで真摯な態度でいれば、お客様の満足度向上に繋がり、
紹介を得ることが出来る可能性も上がります。
フォローに関しても同じです。
一度は購入しないことを決めたお客様でも、
「他社の商品使っていたら不具合が出た」
「買わないと思ったけどやっぱり必要になった」
こんな時に、失注後の態度が悪い営業マンに連絡するお客様は居ません。
「断ったのによくしてくれたから」と言って、何かあった時に
良い営業マンが一番最初に営業の機会を得ることが出来ます。
まとめ
営業マンにとって、営業するお客様の数は多く、
全ての人にとって最高の提案をすることは難しいかもしれません。
ですが、営業の失敗を経て、その理由をしっかりと理解し、次の営業に生かすことで
ひとつひとつの営業の質は格段にアップしていきます。
お客様の決めやすい伝え方・お客様の真意を引き出すヒアリングをして、
お客様にとっても自分にとっても気持ちのいい営業をしていけたらいいですね。