営業活動に心理学の知識を取り入れて、高い成果を得たい!と
考えておられる方はたくさんいらっしゃいますよね。
今回は、日常生活やビジネス現場で役に立つ
「初頭効果」を紹介します。
紹介する前に・・・
こういった心理学的知識を断片的に紹介する情報サイトはたくさんあります。
勘違いしてもらいたくないのは
心理学は心や行動を科学的に研究する「学問」であって
人を操る「裏技」では無いということです。
「〇〇手法と△△手法のどっちが重要」とか、
「こうすれば人はこう反応する」とか
ツールとして活用すると様々な誤解が生まれます。
あくまで「人間をより深く知る手段」として
これから紹介することを聞いていただければと思います。
初頭効果とは
初頭効果(しょとうこうか)は、
最初に提示されたイメージや情報がインパクトとして記憶に残る効果のことです。
「第一印象がその後の印象を左右する」と
言い換えると分かりやすいかもしれませんね。
ポーランド出身のゲシュタルト心理学者ソロモン・アッシュが
行った印象形成に関する研究実験で提唱された効果です。
※ゲシュタルト心理学とは:数ある心理学派のひとつで、
のちに「社会心理学」「認知心理学」等に派生していく全体主義学派。
初頭効果の実験
印象形成の研究実験を行ったアッシュは、
「まったく同じ特性」を持った二人のキャラクター(AさんとBさん)を
用意して、被験者に提示して受ける印象を調べました。
知的・勤勉・衝動的・批判的・頑固・嫉妬深い
これら6つの特性を持った二人のキャラクターです。
それ以外の特性で印象が判断されてしまっては困るので
写真や声、出身などほかの情報は一切提示していません。
唯一違ったのは、この二人のキャラクターの
印象を紹介する順番が全く逆であるということです。
一人目のキャラクター(Aさん)は、
「知的⇒勤勉⇒衝動的⇒批判的⇒頑固⇒嫉妬深い」 の順番で、
二人目のキャラクター(Bさん)は、
「嫉妬深い⇒頑固⇒批判的⇒衝動的⇒勤勉⇒知的」の順番で提示しました。
その結果、
提示する順番を変えただけなのに、
被験者はAさんに対しては良い印象、Bさんに対しては悪い印象を抱きました。
このことから、
「人は、最初に与えられた情報が最も残りやすい」ということが分かります。
実生活やビジネスに落とし込んだ時に言えること
初頭効果は、要するに「第一印象のつき方」です。
第一印象を良いものにすることができれば、
お客様にとって良い気持ちで営業マンと接してくれることが期待できます。
逆に、第一印象で嫌われてしまった場合には、
それを挽回するのは難しい・・・ということもできるでしょう。
はじめてお客様と接触するタイミングで
いかに良い印象を最初に与えられるかが重要です。
それは対面だけでなく、メール、電話など「一番最初の接触」を大切にしましょう。
「一番最初の接触」という意味でいうと
営業マンだけで対応しきれるものではないかもしれません。
お問合せくださったWebページや、最初に対応した窓口担当者の印象も
営業マンへ抱く印象の材料になるかもしれない点には注意が必要です。
まとめ
今回は、「初頭効果」について紹介しました。
初頭効果はあくまで第一印象を司る提唱です。
ご存知の通り、第一印象は「偏見」にもなり得ます。
(上記で紹介した実験でも、順番が異なるだけで
AさんBさんは同じ特性を持っていたはずです)
つまり、初頭効果だけを意識して活動すればいい訳ではない
ということを忘れてはいけません。