タスク管理はみなさん知っていると思います。
しかし、タスク管理をすることによって業務が効率化したと実感している人はあまり多くはありません。
特に営業パーソンはタスク管理が苦手とされています。
ですが、売れる営業パーソンは「どのタイミングでこのお客様にご連絡をしよう」とか「この仕事はいつまでに終わらせておこう」などタスク管理をしっかりとしています。
ここではタスク管理について間違ったやり方や具体的な方法についてみていきます。
営業パーソンが行うべき「タスク管理」とは
タスク管理とは、業務におけるタスクを適切に管理することを指します。
タスクは英語で、「作業」「課題」「仕事」を意味する言葉です。
つまり、営業において業務上の作業や課題、仕事を期限内に処理をする為に、優先順位をつけ、進捗状況を整理することをタスク管理と呼びます。
タスク管理に関連する記事はこちら
タスク管理の重要性
次にタスク管理の重要性について見ていきましょう。
タスク管理の重要性は、以下の3つが挙げられます。
タスク管理の重要性
- 仕事の漏れを防止できる
- 業務を効率化できる
- 顧客・売上の拡大
仕事の漏れを防止できる
営業パーソンは多くの業務を抱えています。
お客様への対応はもちろんのこと、営業日報や社内用の資料作成もやらなければいけません。
多くの業務を抱えていると怖いのが「仕事の漏れ」です。
お客様対応でも抱えている案件数が多くなると、電話をすることを忘れたりします。
また、タスク管理をしていない場合、納期や期限に間に合わないということがあります。
ほとんどの業務には納期や期限があります。
タスク管理をしていないと今抱えている業務の全体像が見えづらく、
納期や期限から逆算して「いつまでに○○をやっておかないといけない」という判断や、
「このタスクを先にやらないといけない」といった優先順位の判断ができません。
こういった問題を解決するためにタスク管理が必要になってきます。
業務を効率化できる
タスク管理を行うことで、営業活動の優先順位を明確にし、重要な業務に集中できます。
これにより、無駄な時間を削減し、効率的に業務を進めることができます。
また、進捗状況を可視化できるため、遅れや問題を早期に把握し、対応が可能です。
計画的な営業活動を実現できるため、予測可能な結果を得やすく、全体的な業務効率が向上します。
顧客・売上の拡大
タスク管理を活用することで、顧客へのアプローチやフォローアップを確実に行えます。
各顧客に対する対応のタイミングを逃さず、満足度を高めることができます。
また、営業活動の進捗を管理することで、新規顧客の獲得や既存顧客のリピーター化が促進され、売上の拡大が期待できます。
データを基にした改善も進めやすく、営業戦略が強化されます。
誤ったタスク管理のケース
タスク管理をやろうと思ってもできない人や、タスク管理のやる意味を感じない人は、やり方が間違っている可能性があります。
ケース①:タスクが抽象的である
例えば、「ホームページのブログを作成する」という仕事があったとします。
予定に「ホームページのブログを作成する」と入力していませんか?
これでは、内容が漠然としているので、実際にどれだけ時間がかかるのか?どういった作業が必要なのかがわかりません。
タスクで管理する際は少なくとも、「ブログのネタを探す」「原稿の作成」「ホームページに反映する」といった感じで細分化すると良いです。
仕事例:ホームページのブログを作成する
ホームページのブログを作成する
ブログのネタを探す
原稿の作成
ホームページに反映する
大きな項目で入力すると時間の読みの精度が落ちて、後ろにずれ込んでしまいます。
そして、以降の予定が後ろにずれ込み、組んでいた予定が破綻してしまいます。
ケース②:マルチタスクで仕事している
また、マルチタスクで仕事をしている人が多いのではないでしょうか?
社会で業務効率の改善・向上と言われており、多くの業務を抱えている現在人はマルチタスクで業務を行わないと間に合わない状態でもあります。
ですが、タスク管理と面からみた場合、マルチタスクになってしまうことも、間違ったタスク管理といえます。
人間の脳は1度に1つの物事しか処理できません。
マルチタスクとは「複数を同時に処理している」のではなく、脳が瞬時にスイッチを切り替えることで、表向きは「同時に処理している」ように見えるだけです。
タスク管理を行う場合は、複数の仕事が同時期に重ならないように管理することが大切です。
ケース③:ノートや付箋でタスク管理をしている
また、ノートや付箋紙でタスク管理を行っている人もいますが、その方法はおすすめできません。
理由は、タスク管理は後でタスクの順序や内容が変更することが頻繁に発生します。
ノートで管理をした場合、順序の変更や内容の変更などを反映するのが難しいです。
付箋紙についてはタスクの順序がわからなくなってしまったり、付箋紙自体を紛失してしまうというリスクがあります。
タスク管理の具体的な方法とは
タスク管理の基本は、どのような目的を達成するためのタスクなのかをはっきりさせること、タスクの期限を明確にすること、そしてタスクを処理する順序をあらかじめ決めておくことです。
これらの基本をしっかり踏まえてタスク管理を行うことができれば仕事を効率化することにつながります。
仕事を細分化させる
上記でも少し触れましたが、タスクは作業を細分化して管理するようにしましょう。
タスクを見れば、具体的に何をやればよいか分かる状態にしておくことが重要です。
また、文章をずらずら書かれていると分かりづらくなるので、短く簡潔に書くようにしましょう。
1日の業務に落とし込む
タスク管理は日にちではなく、日時で管理するようにしましょう。
何時~何時まではこのタスクを行う。
ということがわかるようにしましょう。
そうすることで、タスクから次のタスクに移る際に、「次はどのタスクをやろう」といった残りのタスクを確認する必要もなく、何も考えずにスムーズに次のタスクに移ることができます。
優先順位を明確にする
期限とも関係していきますが、タスクに優先順位をつけることは重要です。
優先順位をつけることによって期限内に重要な仕事が確実に終わるようなります。
四象限マトリクス(図1)で管理すると分かりやすくなります。
四象限マトリクスとはx軸とy軸で4つの領域を作りy軸を重要度、x軸を緊急度で分けて管理をします。

上の図から分かるようにAの領域のタスクからやっていくようにしましょう。
簡単に例をあげると、以下の通りです。
Aの領域
期限が迫っているタスク全般がAの領域になります。そのほかには、お客様のクレーム処理やサービス障害への復旧対応など今すぐやらないといけないタスクです。
Bの領域
上司からの誘いや生産性の低い社内会議などです。成績が伸びていない営業はBの領域のタスクをやっていることが多いです。Bの領域は営業の数字に直結してこないので、ここの領域を減らすと良いです。
Cの領域
長期的なプロジェクトやお客様との関係づくりなどがCの領域になります。今すぐの結果にはつながりませんが、継続的に売上を上げるためには必要なタスクです。
Dの領域
同僚との雑談や必要の無い残業、飲み会などにあたります。このDの領域に貴重な時間を使わないようにしましょう。
営業のタスク管理に役立つツール3選
ここでは営業のタスク管理に役立つツールを3つご紹介します。
タスク管理に役立つツール 比較表
サービス名 |
![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|
Trello | jooto | TASKWORLD | |
機能 | プロジェクト管理、ミーティング、オンボーディング・・・その他 | カンバンボード機能、ガントチャート機能、タスク管理機能・・・その他 | 高度チャット機能、様々な表示形式に対応、GDPR準拠・・・その他 |
初期導入費用 | 無料 | 無料 | 要お問合せ |
保守/更新 費用 | 0円/月~ | 0円~ | 2,050円/月~ |
無料版 体験版 | あり | あり | あり |
【提供形態】 対応OS | 【クラウド型】 Windows 10/Mac | 【クラウド型】 Winodws /Mac/Android/iOS ※推奨:Chrome,Firefox,Edge,Safari | 【クラウド型/インストール型】 PCブラウザ |
サポート 体制 | サポートセンター | フォーム | ヘルプセンター |
運営会社 | ATLASSIAN | 株式会社 PR TIMES | タスクワールド・ジャパン |
【クラウド型】Trello
『Trello』は、プロジェクト管理やタスクの整理に最適なビジュアル型コラボレーションツールです。
主な機能には、ボード、リスト、カードを使ったタスクの視覚的管理、ドラッグ&ドロップによる簡単な操作、期限設定やチェックリストの追加が含まれます。
また、SlackやGoogle Driveなどの外部ツールとも連携可能で、作業効率を向上させます。
利点として、誰でも直感的に使えるシンプルなデザインとカスタマイズ性が高く、個人からチームまで幅広い用途に対応可能です。
操作性は初心者にも優しく、プロジェクトの進捗状況を一目で把握できるため、タスク管理がスムーズに行えます。
モバイルアプリ対応で、どこからでもアクセス可能です。
システムの特徴・利点
- プロジェクトの大小を問わず、あらゆるワークフローに対応
- タイムライン ビューですべてのタスクを把握
- 複雑なプロセスの簡略化
機能 | プロジェクト管理、ミーティング、オンボーディング、タスク管理、ブレーンストーミング、リソースハブ、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 無料 |
保守・更新費用 | FREE 0円 STANDARD 5米ドル/月 PREMIUM 10米ドル/月 ENTERPRISE 17.50米ドル/月 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Windows 10 ・Mac |
サポート体制 | サポートセンター |
運営会社 | ATLASSIAN |
【クラウド型】jooto
『Jooto』はカンバン方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。
有料導入社数は約2,400社、利用ユーザー数は40万人以上にのぼります。
Jootoはガントチャートに加え、タスク管理や予実管理等が行えます。
チーム単位から大規模な組織まで目的に合わせたプランがあるので、どんな企業でも使用しやすいでしょう。
直感的に使えるレイアウトであることから、誰でも使いやすいシステムになっています。
システムの特徴・利点
- 誰でも 簡単に作成 できる
- グループ&プロジェクトで情報を管理できる
- 4つのユーザーモードで社外との連携ができる
機能 | カンバンボード機能、ガントチャート機能、タスク管理機能、予実管理機能、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 無料 |
保守・更新費用 | 無料プラン 0円(税抜)/月 スタンダードプラン 417円(税抜)/月 ビジネスプラン 980円(税抜)/月 タスクDXプラン 要お問合せ ※年間契約の場合の料金 |
無料・体験版 | あり |
対応OS | ・Winodws ・Mac ・Android ・iOS ※推奨ブラウザ:Google Chrome、Firefox、Microsoft Edge、Safari |
サポート体制 | フォーム |
運営会社 | 株式会社 PR TIMES |
【クラウド型/インストール型】TASKWORLD
『TASKWORLD』は、プロジェクト管理とチームコラボレーションを支援するクラウド型ツールです。
タスクの作成・割り当て・進捗管理が直感的に行え、ガントチャートやカンバン形式で視覚的にプロジェクトを把握できます。
コメント機能やファイル添付により、チーム内でのコミュニケーションもスムーズです。
利点は、シンプルで使いやすいインターフェースとリアルタイム通知で、効率的なタスク管理が可能な点です。
プロジェクト進行状況を可視化できるため、ミスや遅延を防ぎやすくなります。
さらに、多言語対応やモバイルアプリの提供で、リモート環境でも活用しやすい設計です。
操作性も高く、初心者から上級者まで幅広く利用されています。
システムの特徴・利点
- チームをまたぐ一元管理で徹底的に組織の業務効率を改善
- ツールとしての圧倒的な使いやすさ
- チームコラボのスマート化
機能 | 高度チャット機能、様々な表示形式に対応、GDPR準拠、リモートOK、ファイル共有、パフォーマンス分析、2段階認証・セキュリティ、その他 |
---|---|
初期導入費用 | 要お問合せ |
保守・更新費用 | ビジネス 2,050円/月 エンタープライズ 要お問合せ ※税表記なし |
無料・体験版 | あり |
対応OS | PCブラウザ |
サポート体制 | ヘルプセンター |
運営会社 | タスクワールド・ジャパン |
営業のタスク管理でおすすめのフレームワーク3選
最後に営業のタスク管理でおすすめのフレームワークを3つご紹介します。
アイゼンハワーマトリックス (Eisenhower Matrix)
アイゼンハワーマトリックスは、タスクを「重要度」と「緊急度」の2軸で4つのカテゴリーに分けて整理するフレームワークです。
営業活動では、重要かつ緊急なタスクを優先的に処理し、重要だが緊急でないタスクを計画的に進めます。これにより、効率的に優先順位をつけられます。
SMART
SMARTは「Specific(具体的)」「Measurable(測定可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性のある)」「Time-bound(期限付き)」の頭文字を取ったフレームワークです。
営業のタスクを設定する際にこのフレームワークを使うと、目標が明確で実行可能なものになり、進捗を測る基準ができるため、成果が上がりやすくなります。
パレートの法則 (80/20ルール)
パレートの法則は、80%の成果が20%のタスクから生まれるという原則です。
営業活動においても、顧客とのやり取りの中で最も重要な20%のタスクに集中し、結果的に80%の売上を生み出すように意識します。
これにより、リソースを最も効果的なタスクに集中させ、効率的に営業活動を進めることができます。
これらのフレームワークを使うことで、営業のタスク管理がより計画的かつ効果的になります。
ビジネスに役立つフレームワークはこちら
タスク管理におけるよくある質問
ここからはタスク管理に関するよくある質問をご紹介します。
- タスクとToDoの違いは何ですか?
-
タスクは、目標達成に向けた具体的な作業で、期限や優先度、進捗管理が行われます。プロジェクトや大きな仕事の一部として位置づけられます。一方、ToDoは日々の細かい作業ややるべきことのリストで、管理は簡易的で順次消化する形が一般的です。タスクは計画的、ToDoは単発的なアクションです。
- タスクとプロジェクトは何ですか?
-
タスクは、特定の目標を達成するための具体的な作業で、期限や優先度が設定され、単独で完了できます。プロジェクトは、複数のタスクを含む大きな目標や目的を達成するための取り組みで、複数のステップやフェーズに分かれ、管理が必要です。タスクはプロジェクトの一部として位置づけられます。
- タスク管理のツールは何を使うべきですか?
-
タスク管理ツールは、上述した3つの製品Trello、jooto、TASKWORLDの利用がおすすめです。
顧客管理や案件管理等の情報と一緒に管理を行いたい場合は、タスク管理機能を搭載した、業務管理システムを導入すると良いでしょう。
建築業特化型なら「建築業向け管理システム アイピア」がおすすめです。 - 優先順位はどのように付けますか?
-
タスクは「重要度」と「緊急度」に基づいて整理することが一般的です。
重要度と緊急度で点数をつけ、総合点数の高いものを上位タスクとすると良いでしょう。その他、期限付きのタスクや顧客から依頼されたタスクは優先度を高めると良いでしょう。
タスク管理もできる!建築業向けの管理システム「アイピア」
まとめ
タスク管理をすることで、次に何をするべきかが明確になり業務効率も上がるので、ぜひやっていきましょう。
また、タスク管理をする際はツールを使うことをオススメします。
無料から有料まで様々なツールがありますので、活用していくとよいでしょう。
その中でも、営業のタスク管理としてSFAを使うという方法もあります。
SFAでタスクを管理することで、個人ではなく企業としてタスク管理を行うことができます。
さらに、案件管理や営業の進捗も一緒に共有して管理ができますので、より効果的に営業活動を行うことができます。
営業ノウハウに関連する記事はこちら
“社内のデータを一元管理”工務店・リフォーム会社が選ぶ!