1回の取引項目が多い場合や月の取引をまとめて1回で請求する場合など、請求書が2枚以上になる場合はどうすべきでしょうか。
請求書が2枚以上と複数になる場合の書き方や注意点を解説していきます。
請求書が2枚以上にわたるケース
請求書が2枚以上にわたるケースは少なくありません。
1回の取引で取引内容が多岐にわたる場合や月に複数の取引をする場合に、締め日ごとに月に1回まとめて請求書を発行する場合などが挙げられます。
建築業界であれば、たとえば取引先から建材や資材、住宅設備などの大量発注をまとめて受けたケースや元請業者に請求する下請代金の項目が多いケースなどです。
請求書が2枚以上にわたる際の書き方
請求書が2枚以上にわたる際の書き方は、請求書が1枚の場合と大きく異なる点はありません。
ただし、継続的な取引相手であり、いつもは請求書は1枚だけなのに2枚になるようなケースでは、相手が2枚目以降の請求書を見逃さないよう配慮が必要です。
都度取引の相手の場合も、請求書を1枚と勘違いしないようにわかりやすく書くことが大切です。
記載項目
記載項目は通常の請求書と同様です。
適格請求書の場合は、一般的な項目に加えて仕入税額控除を受けるための項目も記載しましょう。
- 請求者の会社名・住所・電話番号
- 請求相手の企業名・部署名・担当者
- 請求書番号
- 取引年月日
- 取引内容
- 請求金額
- 小計と消費税額
- 支払期限
- 振込先
- 備考
適格請求書の場合は、上記に加えて以下を記載します。
- 適格請求書発行事業者の登録番号
- 課税取引の内容
- 消費税額
- 適用税率
合計金額の記載方法
合計金額は、実際にいくら支払うかを確認するための重要な事項です。
請求書が2枚以上にわたる場合、どこに記載すべきでしょうか。
請求書が複数にわたる場合に、合計金額をどこに記載すべきという法令上のルールはありません。
一般的には、1枚目の先頭に記載するか、2枚目の最後に記載するなど、わかりやすい位置にします。
継続的な取引を行い、毎月のように請求書を発行している場合には、いつもと同じ位置に合計金額を記載するとわかりやすいです。
小計の記載方法
請求書が複数にわたり、取引明細が多く、何枚にもわたって商品やサービスの項目と単価や個数ごとの金額が記載される場合、小計はページが切り替わるごとに記載したほうがわかりやすくなります。
取引明細が何枚もある場合、ページごとに小計を出し、その小計額をすべて足し合わせると合計金額になるようにしておくとわかりやすいでしょう。
押印
押印も、請求書が複数の場合にすべてのページに押さなくてはならないといったルールはありません。
そのため、原則としては自社名や担当者名のところに1ヶ所だけで良いです。
ただし、改ざんの防止のためにすべてのページに押しても問題ありません。
また、取引先から押印のない請求書は受け付けないと言われている場合には、すべてのページに押印しましょう。
請求書の記載項目に関する記事はこちら
請求書が2枚以上にわたる際の注意点
請求書が2枚以上にわたる場合、見逃されてしまうおそれもあります。
特にいつもは請求書が1枚だけなのに、今回に限って複数になってしまった場合などは、取引相手は請求書は1枚というイメージがあるので、1枚目だけを見て、後は封筒の中に入れっぱなしで見ないといった可能性もあります。
取引相手に注意喚起をするためにも配慮が必要です。
請求書番号を工夫する
請求書番号に枝番を付けて、請求書が複数になっていることを明示しましょう。
たとえば、請求書番号が123456である場合、1枚目は123456-01、2枚目は123456-02といった形です。
備考欄を活用する
備考欄には支払条件などが記載されますが、備考欄を連絡欄として利用しましょう。
「今回の請求書は3枚になっていますので、すべてご確認ください。」といったメッセージを書きます。
メールや送付状で請求書の枚数を明示する
担当者に請求書を送付する旨のメールを送る際に、今回の請求書は何枚あるかを明示することや請求書を送付する送付状に枚数を明記しておきましょう。
請求書を見る前に伝えられれば、相手も見落としや廃棄、処分などをせずに済みます。
送付状の例文
送付状の例文として、一例を記載しますので参考にしてください。
例文:
請求書をお送りいたします。なお、請求書は3枚になっておりますので、すべてご確認をお願いします。合計金額は1枚目に記載しております。
ホチキスなどでまとめる
請求書が複数にわたる場合は、1枚ずつバラバラの状態で折りたたむのではなく、まとめてホチキスで留めておくこともポイントです。
継続的な取引をしている相手で、いつもは請求書は1枚だけであるケースをはじめ、一般的には請求書は1枚のケースが多いので、複数入っていると見落とす場合や不要な書類と勘違いして見ることなく廃棄されるおそれもあります。
ホチキスで留められて、外れないようになっていれば、嫌でも目を通しますので安心できます。
そのほか、クリップで留める、クリアファイルに入れるなどの方法も考えられます。
バラバラにならず、目を通されやすい方法としては、ホチキス留めがスムーズです。
請求書の注意点に関する記事はこちら
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まとめ
請求書が2枚以上にわたるケースとして、取引内容が多岐にわたる場合や継続的な取引をまとめて請求するようなケースが挙げられます。
請求書が2枚以上にわたる際の書き方は、1枚の場合と大きく変わりはありません。
記載項目は基本的に同じで、合計金額の記載方法も特別なルールはないので、1枚目の先頭か、2枚目の最後に記載するのが一般的です。
小計の記載方法はページが切り替わるごとに記載したほうがわかりやすいです。
押印も自社名や担当者名のところに1ヶ所だけでかまいませんが、改ざんの防止のためにすべてのページに押しても問題ありません。
請求書が2枚以上にわたる際の注意点として、枝番を付けるなど請求書番号を工夫すること、備考欄を活用して請求書の枚数を知らせること、メールや送付状で請求書の枚数を明示すること、ホチキスなどでまとめてバラバラにならないようにすることや見逃さないようにすることが必要です。
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