建物の基本構造を作る工事である躯体工事には、非常に正確な作業が求められます。
さらに、躯体工事は建築工事の中でも大部分を占める工事であるために、工期にも影響します。
今回は、この躯体工事について解説していきます。
目次
躯体工事とは
躯体工事は、躯体という建物の主要構造部を作る骨組み工事を指します。
たとえば、鉄筋コンクリート造の場合では、壁や床、天井、柱、梁などが躯体にあたります。
躯体工事は、基本的に杭や地業工事の後に行われます。
建物の骨格を作る工事で非常に重要であるため、豊富な知識や正確な作業が求められます。
躯体工事が完了すると、外装工事が行われます。
また、躯体工事は、建築工時全体の工期のおよそ70％以上を占める工事です。
そのため、施工管理が十分に行われていないと工期の遅れが生じてしまう可能性があります。
施工管理の際もコンクリートや鉄筋、鉄骨、施工法などにまつわる高度な専門知識や豊富な経験が必要と言えるでしょう。
躯体工事の種類
躯体工事には、いくつかの種類があります。
代表的な種類の躯体工事を以下で紹介します。
鉄筋工事
壁や床、柱や梁などといった躯体を鉄筋コンクリートで作る際に必要な工事です。
建物の構造図に沿って、ハッカーと呼ばれる専用工具を使って鉄筋を組み立てていきます。
鉄筋は、躯体のうち鉄筋コンクリートの骨となる部分です。
型枠工事
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建築工事の一種です。
型枠工事は、大工工事とも呼ばれています。
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄骨や鉄筋を加工して組み合わせ、骨組みを作ることが必要です。
ベニヤ板や金物を使って骨格を囲むように型枠を組み立て、コンクリートを流し込み、躯体を作っていきます。
コンクリートが乾いてから型枠を外すと、鉄筋が中に入ったコンクリートの壁が完成です。
一定の範囲を超えてコンクリートに歪みが生じてしまうと、建物の強度などに影響が出てしまいます。
型枠のズレや歪みに注意しながら施工する必要があります。
コンクリート打設工事
コンクリート打設は、生コンクリートを型枠の中に流し込む工事です。
生コンクリートは、練って混ぜ、流し込むだけでは強固なコンクリートにはなりません。
打ち込みの高さ、打ち重ね時間などに注意して施工する必要があります。
たとえば、コンクリートを流し込んだ後、バイブレータと呼ばれる機材を利用して振動を起こし、気泡を取り除きます。
型枠の隅まで隙間ができないようにコンクリートを充填するため、締め固めの作業が重要です。
地下躯体工事
建物を支える基礎部分の工事であり、基礎フーチングや地下構造を作る工事を指します。
地下躯体工事の形状や構造は、設計図に記載されいます。
記載できなかった詳細な寸法などは、工事現場の施工管理者が施工図として作成し、この施行図をもとにして工事が進められます。
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躯体工事の際の注意点
以下では、躯体工事を実施する際の注意点についてご紹介します。
トラブルにならないためには、一体どのようなことに気を付けなければならないのでしょうか。
型枠爆破
躯体工事で特に注意しなければならないのが、型枠の爆破です。
コンクリートが爆破することで、型枠からコンクリートがこぼれてきてしまいます。
コンクリートが無駄になってしまいますし、片付けも大変です。
そうならないためにも、コンクリートの打設の際は、少しずつ打設するように意識すると良いでしょう。
たとえば、1ヶ所に集中してコンクリートを打設すると、型枠がコンクリートの重さに耐えかねて爆破してしまうので気を付けましょう。
業者間の争い
躯体工事を行う際、業者間のトラブルや揉め事が起こってしまう可能性があります。
大手ゼネコンである場合は、基本的に一流の職人が在籍していることもあるため、争いが起こるようなことは少ないです。
しかし、中には業者の間で何かとマウントを取るケースがあり、業者間でトラブルになることがあります。
具体例を挙げると、躯体業者がゼネコンの下請けであるサブコンに対して、大きな態度を取ることがあるようです。
そのため、できるだけ業者同士がそれぞれに協調性を持って工事を進めていけるよう努めていかなければなりません。
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まとめ
いかがでしたか。
躯体工事は、建物の骨組みを作る工事であり、非常に重要な工事です。
工事の際、注意をしなければ型枠が爆破して大変なことになります。
コンクリート打設は、少しずつ慎重に行うことが大切です。
また、スムーズな工事を行うためには、業者間の争いが起きないよう協調性を持って作業をしていく必要があります。
