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工事現場や駐車場、建設現場などで車や歩行者の交通誘導を行っているガードマンをよく見かけます。
そのような業務は、「交通誘導警備」と呼ばれます。
交通安全を通して人を守る仕事は「二号業務」と呼ばれ、それに従事している人は「交通誘導員」といいます。
2号業務は「交通誘導警備業務」と「雑踏警備業務」に区分され、交通誘導警備は更に「道路での交通誘導」、「工事現場での交通誘導」、「商業施設での交通誘導」の3つに分類されます。
この記事では「工事現場での交通誘導」に着目し、工事現場での交通誘導員の具体的な仕事内容、依頼時の気になる点について解説します。
工事現場の警備とは
「交通誘導員」の仕事は、人手不足が課題となっていますが、多くの警備会社で求められている職種です。
交通誘導員の仕事は、警備業法第二条第二号に規定されており正しくは「2号業務」とされています。
定義は以下のようになっています。
「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」
引用元:株式会社ワーコム「警備業務」
建設工事を伴う現場では、「工事現場の敷地への出入り口」と「敷地内」で車両や歩行者を誘導します。
物資を積んだ工事車両の出入りの際、周囲に人や車、障害物がないかを確認し安全に誘導する業務などを行います。
交通誘導員を警備会社から雇うのに費用はかかりますが、工事現場で使われる大型車両は死角が多いため、安全に工事を進めるうえで工事誘導員の存在は必要不可欠です。
安全管理者についての記事はこちら
工事現場の警備の仕事内容
工事現場での警備の仕事内容は、主に重機や大型トラック、特殊車両などの出入りの安全を管理し、事故が起こらないように交通整理を行うことです。
通行者が通る場合は、そちらを優先して安全に通行できるように誘導します。
常に注意を怠らず、工事が安全・円滑に進むよう交通誘導を行うことで、工事車両、歩行者・自転車や一般車両の安全を守るのが工事現場での交通誘導員の役割といえます。
工事現場の仕事は、交通量の少ない夜間に行われることもあるため、それに伴い夜勤で働くこともあります。
その他、交通量の少ない現場の時は道路の清掃や職人の簡単な手元仕事を手伝う業務もあります。
交通誘導員の基本的な業務
交通誘導警備の業務は基本的に4つあります。
これはあくまで基本なので、曜日や時間帯、天候などの状況に合わせた対応が必要です。
片側交互通行
工事により道路幅が足りず車両同士のすれ違いでの走行ができない道路で、片側で交互に通行させる交通規制を行うことです。
信号機により誘導を行う場合もありますが、交通誘導員が手動で行う場合には、交通量の把握や作業員への気配りなど、細かいところまで注意を払いながら誘導する必要があります。
通行止め
工事などで道路が完全に通行止めになる場合に交通誘導をすることです。
通行止めの看板を設置、侵入してくる車や周囲の車に迂回路を説明するなど、スムーズな誘導とコミュニケーション力が大切になります。
徐行指示
道路工事などにより、道幅が狭く通行する車両が徐行する必要がある際に行います。
歩行者が通行する際は、車の動きを止めて誘導するなど配慮します。
幅寄せ
車線が複数ある道路で、車線変更をするよう誘導します。
走行している車から見えやすいように、大きな動作で合図を出す必要があります。
工事現場に警備は必須?
道路上で工事作業を行う場合、解体工事会社は管轄の警察署に対して「道路使用申請」を行うことが義務付けられています。
道路個通法に交通誘導員についての記載はされていないものの、各自治体の条例や要項によって誘導員を配置することが義務付けられていることがほとんどです。
道路使用許可を取らない場合でも、工事現場の安全対策や近隣対策で交通誘導員が配置されることがあります。
道路使用許可については、後述しますのでそちらもご参照ください。
安全確保
工事現場の作業は、重機や大型車両も入る危険な現場です。
そこで働く人たちや近隣に住む人のためにも、安全確保は必須です。
とくに子どもの通学路が多かったりする現場では、交通誘導は非常に重要です。
危険な現場であっても、子供が気づかず工事現場に侵入してしまうこともあります。
作業員も子供の存在には気づきにくいため、万が一の事態が起こらないよう、交通誘導員の配置は必須でしょう。
交通誘導員がいることによって、作業員は自らの業務に集中することができます。
通行人や通行車両のためだけではなく、作業員のための安全確保ともなるのです。
コミュニケーション窓口としてのトラブル防止
住宅付近で工事が行われることは、近隣の住民にとって不安、不満を持つ方もいます。
作業員は作業をしているため、近隣住民とコミュニケーションをとることが難しくなります。
交通誘導員がいれば、近隣の住民への説明や対応などのコミュニケーションがスムーズになるので不満がトラブルを招くことも少なくなるでしょう。
また、交通誘導警備をしていることにより、しっかりと安全管理を行っているという事が分かるので、工事を行う会社の信頼にも繋がります。
道路使用許可とは?
工事で使用する重機が敷地内に収まらない場合や、道路上で工事を行う場合は、管轄の警察署に「道路使用許可」を取らなければいけません。
自分の敷地以外は「公道」であり、そこを使用するためには管轄の警察署の許可が必要なのです。
申請方法については、交通課の窓口に備え付けている申請書又は、ホームページからダウンロードできる申請書に必要事項を記載の上、使用する道路を管轄する警察署窓口に提出します。
この道路使用許可を取った場合、自治体の条例によっては交通誘導員の配置が必須となっている場合があるので事前確認が必要です。
現場管理についての記事はこちら
工事現場の警備を依頼する際の注意点
工事現場の警備を警備会社に依頼して紹介してもらう際には、注意する点がいくつかあります。
契約外の業務はお願いしてはいけない
契約外の業務の扱いについては少しややこしくなっているため、しっかりと把握しておく必要があります。
現場で働く交通誘導員の所属先は、交通誘導員を紹介している警備会社にあります。
業務内容についての指示は、基本的に警備会社から指示があるため、現場で直接交通誘導員に契約外の仕事をするよう指示することは契約違反となります。
もし、どうしても依頼したい業務がある場合は事前に警備会社に確認を取るようにしましょう。
そこで警備会社から承認が出ると、交通誘導員にも契約外の業務を依頼できます。
契約外の業務については、グレーゾーンな部分になっています。
契約外の仕事をしているときに事故が起こっても保険がおりないことがあったり、トラブルになったりする恐れもあるので、容易に契約外の業務は依頼しない方がよいでしょう。
交通誘導員になる条件
18歳以上であること
18歳未満は雇うことができません。
責任能力の有無
自己破産など破産申告を受けてから、復権していない場合には責任能力がないとみなされ、雇用することはできません。
犯罪歴がないこと
刑務所に収容されるなど犯罪歴がある人は雇うことができません。刑務所から出所して5年以上経過すれば再び資格を得ることはできます。
反社会的勢力と繋がりがないこと
暴力団や反社会的組織に属する人、または繋がりのある人は雇用できません。暴力団などと関り、罪に問われたことがある人は3年以上経過すれば交通誘導員として働くことが可能です。
アルコールや薬物の中毒者ではないこと
アルコールや薬物中毒の人は交通誘導員として働けません。
以上が交通誘導員として働く条件になります。簡単に言えば「18歳以上で犯罪や破産に関する経験がない人」であれば誰でも従事できます。
外国人を雇うこともできます。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
現場の工事が安全・円滑に進むよう努めるのが交通誘導警備の仕事です。
人や一般車両だけではなく、現場の作業員の安全確保をする役割があります。
工事現場は作業員が目を配れない危険な部分があります。
交通誘導員を雇うのに費用はかかりますが、配置することは必要不可欠です。
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