こんなお悩みを持っている方がよく読まれています。
- 安全協力費について知りたい方
- 安全協力の処理方法を知りたい企業
- 取引先から安全協力費が欲しいと言われた企業の方
建設現場における安全確保は、関係者全員にとって重要な課題です。
安全協力会は、この課題に取り組むために設けられた組織であり、安全協力会費は、その運営に充当される費用です。
本記事では、安全協力会費の概要、税区分、そして2023年10月から導入されたインボイス制度による影響について解説します。
安全協力会費とは安全に工事を行うためのお金
安全協力会費とは安全に工事を行うために、安全協力会である元請会社が協力会社や下請会社から徴収する会費のことです。
安全協力会費の金額と使い道
会費は元請会社によってさまざまで、「定額」や「請求額の何%」など徴収方法にも差があります。
安全協力会費の使い道は、労災保険などの社会保険料に充てることが一般的です。
そのほかにも、元請会社が下請会社に対して行う安全指導の講習会や安全大会、安全喚起のためのポスターや記念品の配布に充てられることもあります。
しかし、徴収額と保険料掛け金が必ずしも一致しているとは限りません。
元請会社が下請会社との力関係を利用し半ば強制に徴収し、場合によって福利厚生や懇親会費に充てていることもあるようです。
安全協力会費は任意
安全協力会の設置や会費の支払は法律で定められているわけではありません。
下請会社は不透明な会費で相殺されているのではないかと不安になることがあるでしょう。
元請会社は「契約書」や「注文書」を交わす際に安全協力会費の割合や使い道をしっかりと下請会社に提示しましょう。
また、下請会社も安全な工事を行うサポートをしてもらっていることを理解し、きちんと納得したうえで合意をすることが重要です。
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安全協力会は何をする組織?
安全協力会は国や自治体が運営している組織ではなく、会社と会社が合同で組織するものです。
労働災害や事故が起こらないように元請会社が下請会社に対して安全意識の向上を目的として作られた組織です。
たとえば、工事現場での安全な行動や災害時の対応法など危険周知の講習会を開くのは安全協力会の役割です。
そのほか、各々の会社の代表が集まって安全管理にまつわる約束事を決める会合や安全大会を開くこともあります。
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安全協力会費はどのくらい払えばいい?
先ほど述べたように、安全協力会は公式の組織ではないので、どう運営するかは協力会の裁量に任されています。
そのため、会費についても協力会によってまちまちです。
徴収額については協力会社との間でしっかりと話し合いを行わなくてはいけません。
「定額」と「請求額の数%」など徴収方法や、協力会費の取り扱い処理の食い違いが起きてしまうと工事にも影響が出てしまうでしょう。
協力会費をどのくらい支払うかで揉めることがないように注意しましょう。
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安全協力会費は課税対象?それとも非課税?
結論からいうと税金を支払う必要はありません。
先ほども述べたように安全協力会費は社会保険料や労災のための資金として充てられることが多いです。
国税庁では対価関係にない経費については非課税として扱っても良いと定めています。
同業者団体や組合などに支払う会費や組合費などが課税仕入れになるかどうかは、その団体から受ける役務の提供などと支払う会費などとの間に明らかな対価関係があるかどうかによって判定します。
社会保険料や労災の場合は対価関係にあたらないので、課税対象とはならないのです。
もっとも、安全協力会で懇親会などを行うにあたって経費を計上する際には、会費の扱いに注意しましょう。
ここで交際費などとして扱ってしまうと対価関係に該当してしまうので、課税対象となってしまいます。
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協力会費だけで賄いきれないお金については課税対象?
協力会ではさまざまな活動を行っています。
講習会や安全大会だけでなく、安全意識を高めるためにポスターやDVDを作成することがあります。
安全協力会費だけで賄いきれず、会社のお金を使って補填しなくてはならない時もあるでしょう。
このように、余分な支払いが発生した場合、非課税対象とみなされるのでしょうか。
この場合はしっかりと税金を支払わなくてはいけません。
安全協力会費は事前に集めるものであって、「協力会を作るにあたってこれだけのお金を支払いました」というように決められた額を計上する必要があるからです。
後からの安全協力会費の増額はできません。
そのため、もし協力会を運営するにあたって余分なお金が発生した場合には雑費として計上するようにしましょう。
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そのほか安全協力会費が課税対象になるケースは?
先ほど安全協力会費が対価関係としてみなされると課税対象になるという話をしました。
実際、安全協力会を運営していると、これは対価関係にあるのではないか、と疑問に思うケースは多々あります。
ここからは、協力会の活動の範囲内でありながら、課税対象とみなされる可能性がある事柄について見ていきましょう。
課税仕入れの対象
- セミナー講師を呼んだ講習会
- 事故防止の研修会
- 防護用品の配布
- 安全性の高い機械装置の設置
課税仕入れの対象外
- 安全喚起のポスターやチラシの配布
- 記念品の配布
課税対象になるケース①:安全協力会から社員へ安全靴の配布
たとえば、社員の安全を確保するために安全協力会から安全靴を配布したとしましょう。
そして、実際の工事現場でその安全靴が使われたとします。
この場合は協力会と社員の対価関係が発生してしまうので、課税対象になってしまいます。
これはわかりやすい例ではありますが、だからといって物を配ればすぐに課税対象になるとは限りません。
課税対象になるケース②:安全工事を訴えるシールの配布
たとえば、安全に工事しようということを訴えかけるシールを配布したとします。
この場合、確かにシールを見ることによって安全に作業しようという意識は高まるかもしれませんが、安全靴などのように安全面の効果が必ずしも発揮するとは言えません。
そのため、シールを配布しても特に対価関係とはみなされないので、課税対象とはなりません。
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インボイス制度が安全協力会費に与える影響とは
2023年10月1日から導入されたインボイス制度では、適格請求書発行事業者から発行された適格請求書に基づいて仕入税額控除を行う必要があります。
適格請求書発行事業者でない事業者からの課税仕入れについては、原則として仕入税額控除を受けられなくなります。
そのため、安全協力会の運営母体が免税事業者の場合、会員企業は会費を支払っても仕入税額控除を受けられなくなる可能性があります。
まとめ
安全協力費の線引きについては難しいところもあるので、どう処理すべきが悩んでしまうことも多いでしょう。
その場合は税理士などに相談したうえで、適切な対処法を教授してもらいながら対応するようにしなければいけません。
安全協力会費はさまざまな点で扱いが難しい費用なので、しっかりと勉強したうえで協力会社と提携するようにしましょう。
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