建物の「骨組み」をつくる躯体工事は、建物の安全性や品質を左右する重要な工事です。
高い精度が求められるだけでなく、建築工事全体の約7割を占めるともいわれており、工期や工程管理にも大きな影響を与えます。
特に、2024年問題による時間外労働規制への対応が求められる今、躯体工事の効率化はこれまで以上に重要視されています。
今回は、そんな躯体工事の概要や重要性について詳しく解説します。
躯体工事とは

躯体工事は、躯体という建物の主要構造部を作る骨組み工事を指します。
たとえば、鉄筋コンクリート造の場合では、壁や床、天井、柱、梁などが躯体にあたります。
躯体工事は、基本的に杭や地業工事の後に行われます。
建物の骨格を作る工事で非常に重要であるため、豊富な知識や正確な作業が求められます。
躯体工事が完了すると、外装工事が行われます。
また、躯体工事は、建築工時全体の工期のおよそ70%以上を占める工事です。
そのため、施工管理が十分に行われていないと工期の遅れが生じてしまう可能性があります。
施工管理の際もコンクリートや鉄筋、鉄骨、施工法などにまつわる高度な専門知識や豊富な経験が必要と言えるでしょう。
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躯体工事の種類
躯体工事にはさまざまな種類があり、それぞれが建物の強度や安全性を支える重要な役割を担っています。
ここでは、代表的な躯体工事について解説します。
鉄筋工事
鉄筋工事は、壁・床・柱・梁などの躯体を鉄筋コンクリートで構築するために欠かせない工事です。
設計図や構造図に基づき、「ハッカー」と呼ばれる専用工具を使用して鉄筋を組み立てていきます。
鉄筋は、鉄筋コンクリート内部の“骨”となる部分であり、建物の強度や耐久性を支える重要な役割を果たします。
そのため、寸法や配置の精度が求められる工事です。
型枠工事
型枠工事は、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物において、コンクリートを流し込むための“型”を作る工事です。
現場では「型枠大工」と呼ばれることもあります。
鉄筋や鉄骨で組み上げた骨組みの周囲を、ベニヤ板や金物を用いて囲い、コンクリートを流し込める状態にします。
その後、コンクリートが硬化したタイミングで型枠を取り外すことで、コンクリートの壁や柱が完成します。
型枠にズレや歪みがあると、建物の強度や仕上がりに大きな影響を与えるため、高い施工精度が必要です。
コンクリート打設工事
コンクリート打設工事は、生コンクリートを型枠内へ流し込む工事です。
ただ流し込むだけでは十分な強度は得られないため、打ち込みの高さや打ち重ね時間などを管理しながら施工を進めます。
また、コンクリート内部に気泡が残ると強度低下の原因となるため、「バイブレータ」と呼ばれる機材で振動を与え、隅々までコンクリートを行き渡らせます。
この締め固め作業によって、密度の高い強固なコンクリートを形成します。
地下躯体工事
地下躯体工事は、建物を支える基礎部分や地下構造を構築する工事です。
基礎フーチングや地下壁など、建物全体の安定性に関わる重要な施工が含まれます。
工事内容や構造は設計図に基づいて進められますが、細かな寸法や施工手順については、現場の施工管理者が作成する施工図をもとに調整されます。
地下部分は完成後に確認しづらいため、特に高い精度と品質管理が求められる工事です。
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躯体工事の際の注意点

躯体工事は建物の安全性や品質を左右する重要な工程であるため、施工時にはさまざまな点に注意が必要です。
特に、施工ミスや現場内のトラブルは、工期遅延や品質低下につながる可能性があるため、適切な管理が求められます。
ここでは、躯体工事における代表的な注意点をご紹介します。
型枠の破損・崩れ
躯体工事で特に注意したいのが、コンクリート打設時の型枠の破損や崩れです。
型枠がコンクリートの圧力に耐えきれなくなると、内部のコンクリートが流出し、施工不良や材料ロスにつながります。
万が一、型枠が破損すると、清掃や補修作業が発生するだけでなく、工期にも大きな影響を及ぼします。
そのため、コンクリート打設は一度に大量に流し込むのではなく、バランスを見ながら少しずつ進めることが重要です。
特定の箇所へ集中してコンクリートを投入すると、型枠へ過度な負荷がかかるため、打設手順や速度を適切に管理しながら施工する必要があります。
業者間の連携不足
躯体工事では、多くの職人や協力会社が関わるため、業者間の連携不足にも注意が必要です。
コミュニケーションが不十分なまま工事を進めると、作業の重複や認識違いが発生し、現場トラブルにつながることがあります。
特に、大規模な建設現場では複数の下請け業者や専門工事会社が同時に作業を行うため、工程調整や情報共有が欠かせません。
場合によっては、立場や役割の違いから業者間で対立が生じるケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、現場全体でルールを共有し、各業者が協調性を持って施工を進められる環境づくりが重要です。
施工管理者による適切な調整やコミュニケーションの徹底が、円滑な工事進行につながります。
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まとめ
躯体工事は、建物の強度や安全性を支える“骨組み”を構築する重要な工事です。
建築工事全体の中でも大きな割合を占めるため、品質管理だけでなく、工程管理の面でも非常に重要な役割を担っています。
特に、コンクリート打設時には型枠への負荷に注意しながら、適切な手順で慎重に施工を進める必要があります。
万が一、型枠の破損や施工ミスが発生すると、工期遅延や品質低下につながる可能性もあるため、正確な施工管理が欠かせません。
また、躯体工事は複数の業者や職人が連携して進める工事であるため、円滑なコミュニケーションや情報共有も重要です。
各業者が協調しながら施工を進めることで、安全かつ高品質な建物づくりにつながります。
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