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解体工事に契約書は必要?契約書の9つのチェックポイントを解説

解体工事に契約書は必要?契約書の9つのチェックポイントを解説

解体工事を発注・受注する際は、工事内容や金額、工期などを明確にしたうえで契約を締結することが重要です。特に建設工事の請負契約では、建設業法により契約書への記載が求められる事項が定められています。

また、2024年12月13日からは建設業法の改正により、資材価格などの変動に伴う工事内容や請負代金の変更方法も契約書の法定記載事項に追加されました。

本記事では、解体工事に必要な契約書について、契約の流れ、記載すべき項目、注意点、契約変更時の対応まで詳しく解説します。

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目次

解体工事に契約書は必要?

解体工事を業者に依頼する場合、原則として工事請負契約を締結し、契約内容を書面または一定の要件を満たす電磁的方法で明確にしておく必要があります。

建設業法第19条では、建設工事の請負契約について、契約の締結に際して一定の事項を書面に記載し、当事者間で交付することを定めています。

契約書には、工事内容や請負代金、工期だけでなく、工事内容の変更、不可抗力による工期変更、価格変動時の請負代金の変更方法なども定める必要があります。

工事請負契約書を作成する

解体工事では、発注者から解体業者などの建設業者に工事を依頼する形が一般的です。このような建設工事の請負について、工事内容や請負代金などを明確にするために工事請負契約書を作成します。

契約書を作成しておくことで、「どこまで解体するのか」「工事費はいくらなのか」「いつまでに工事を完了するのか」といった重要事項について、発注者と受注者の認識をそろえられます。

契約書がないとどうなる?

契約書を作成せずに工事を進めると、発注者と受注者の間で認識の違いが生じ、工事代金や工事範囲、追加工事などをめぐるトラブルにつながる可能性があります。

国土交通省も、着工前に契約書を取り交わしていない場合や、契約書の記載事項に漏れがある場合には、必要に応じて指導などが行われる可能性があるとしています。

電子契約にも対応できる

建設工事の請負契約は、一定の要件を満たせば電子契約によって締結することも可能です。

電子契約を利用する場合は、相手方の承諾を得ることに加え、契約内容を後から確認できることや、改変されていないことを確認できることなど、法令上の要件を満たす必要があります。

そのため、単に契約書をPDFで送付するだけではなく、建設業法上の電磁的措置の要件を満たしているかを確認しましょう。

解体工事の契約はいつまでに締結する?

建設工事の請負契約は、原則として着工前に締結することが重要です。

契約後に工事を開始することで、工事内容や請負代金、工期などについて、発注者と受注者が合意した状態で施工を開始できます。

「契約書を後から作成する」「まず工事を始めて、詳細は後で決める」といった対応は、トラブルにつながるだけでなく、建設業法上も問題となる可能性があります。

解体工事における契約の流れ

解体工事の契約から着工までの一般的な流れは、次のとおりです。

  • 解体する建物や工事範囲を確認する
  • 見積書を作成・確認する
  • 契約条件・約款を確認する
  • 工事請負契約を締結する
  • 必要な届出・説明などを行う
  • 着工する

解体工事では、契約だけでなく建設リサイクル法などに基づく手続きが必要になる場合もあります。たとえば、建築物の解体工事では、床面積80㎡以上の場合、建設リサイクル法に基づく届出などが必要です。

対象となる工事では、契約前後の説明や届出、分別解体・再資源化などについても確認しておきましょう。

契約条件・約款を確認する

工事請負契約では、契約書本体だけでなく、契約約款などの内容も確認します。

約款には、工事内容の変更や契約解除、損害賠償、不可抗力、紛争解決など、工事中に問題が発生した場合の取り扱いが定められています。

工事内容を確認する

解体工事では、「どこを、どこまで解体するのか」を明確にすることが重要です。

建物全体を解体するのか、一部のみを解体するのか、付帯設備や外構などをどこまで対象とするのかについて、契約前に発注者と受注者で認識を合わせておきましょう。

契約書に署名・記名押印する

契約内容を確認し、双方が合意したうえで契約を締結します。

書面で契約する場合は、契約当事者が署名または記名押印を行い、相互に交付します。電子契約を利用する場合は、建設業法上の要件を満たした方法で締結します。

解体工事の契約書に記載すべき主な項目

建設業法第19条では、建設工事の請負契約について、契約書に記載すべき事項が定められています。

解体工事の契約書を作成する際は、少なくとも次の項目を確認しましょう。

  • 工事内容
  • 請負代金の額
  • 工事着手・完成の時期
  • 請負代金の支払時期・方法
  • 工事内容の変更・工期変更・請負代金変更の方法
  • 天災など不可抗力による工期変更や損害負担
  • 価格変動による工事内容・請負代金の変更方法
  • 工事の施工により第三者に損害を与えた場合の賠償金負担
  • 発注者が材料を提供する場合の内容・方法
  • 検査・引渡しの時期
  • 完成後の請負代金の支払時期・方法
  • 契約不適合責任に関する定め
  • 履行遅滞や債務不履行に関する遅延利息・違約金等
  • 契約解除に関する事項
  • 紛争解決の方法
  • その他、法令で定められた事項

①具体的な工事内容

解体工事では、工事対象となる建物や設備を具体的に記載することが重要です。

たとえば「建物解体工事」とだけ記載するのではなく、対象となる建物、解体範囲、付帯工事などを明確にします。

②請負代金と支払い条件

請負代金の総額だけでなく、支払い時期や支払い方法についても明確にしておきます。

着手金・中間金・完成後の支払いなど、複数回に分けて支払う場合は、それぞれの金額や支払時期を契約書に記載しましょう。

③工期

工事の着手時期と完成時期を明確にします。

解体後に新築工事などが予定されている場合、解体工事の遅れが後続工事に影響する可能性があります。そのため、無理のない適正な工期を設定することが重要です。

④工事内容・工期・請負代金の変更方法

工事中に追加工事や仕様変更などが発生することがあります。その場合に備えて、工事内容や工期、請負代金を変更する場合の方法を契約書で定めておきます。

追加工事を口頭で依頼・承諾するのではなく、変更内容や金額、工期への影響などを確認したうえで、必要に応じて変更契約を締結しましょう。

⑤天災など不可抗力が発生した場合の対応

地震、台風、大雨など、当事者の責任だけでは防ぐことが難しい事情によって工事が遅れる場合があります。

こうした場合に備えて、工期の変更方法や損害の負担、損害額の算定方法などを契約書で定めておくことが重要です。

⑥価格変動による請負代金の変更方法

2024年12月13日から、建設業法第19条の改正により、価格等の変動・変更に基づく工事内容や請負代金の変更方法と、その算定方法が契約書の法定記載事項に追加されました。

解体工事でも、資材価格や労務費などの変動が工事費に影響する可能性があります。契約時点で、価格変動が発生した場合にどのように協議・変更するのかを明確にしておきましょう。

⑦第三者への損害が発生した場合の負担

解体工事では、工事中に近隣の建物や設備などへ損害を与える可能性があります。

第三者への損害が発生した場合に、誰がどのような責任を負うのかについて、契約内容や実際の施工状況を踏まえて整理しておきましょう。

⑧契約不適合責任

契約内容と実際の工事内容が異なる場合などに備え、契約不適合責任についても確認しておきます。

責任の範囲や期間などについて契約書に定めがある場合は、その内容を事前に確認しましょう。

⑨契約解除の条件

契約後に、工事を継続できない事情が発生する可能性もあります。

そのため、どのような場合に契約を解除できるのか、解除した場合の精算や損害の取り扱いなどを確認しておきましょう。

⑩紛争解決の方法

発注者と受注者の間でトラブルが発生した場合に備えて、協議、調停、訴訟など、紛争解決に関する定めも確認します。

解体工事の契約書を作成するときの注意点

解体工事の契約書を作成するときの注意点

この章では、解体工事の契約書を作成するときの注意点をご紹介します。

追加工事は変更契約を締結する

解体工事では、実際に建物を解体してみたところ、当初の想定とは異なる状況が判明することがあります。

その結果、追加工事や工期延長、請負代金の変更が必要になる場合は、変更内容を明確にし、必要に応じて変更契約を締結しましょう。

口頭だけで契約内容を変更しない

「追加工事をお願いします」「この作業も含めてください」といった口頭でのやり取りだけでは、後から金額や工事範囲について認識が食い違う可能性があります。

追加・変更が発生した場合は、変更内容、金額、工期などを記録として残しておくことが重要です。

見積書と契約書の内容を一致させる

契約書だけでなく、契約の前提となった見積書や内訳書についても確認しましょう。

特に解体工事では、解体対象、廃材の処分、運搬、付帯工事など、どこまでが契約金額に含まれているのかを明確にしておくことがトラブル防止につながります。

電子契約を利用する場合は要件を確認する

電子契約は業務効率化に役立ちますが、建設業法上の要件を満たす必要があります。

電子契約サービスを利用する場合は、建設工事の請負契約に対応しているか、相手方の承諾や記録の保存など必要な要件を満たせるかを確認しましょう。

解体工事では建設リサイクル法にも注意

解体工事では、契約書だけでなく建設リサイクル法への対応も必要です。

建築物の解体工事では、床面積80㎡以上の場合など、一定の規模以上の工事が「対象建設工事」となり、分別解体や再資源化、届出などが必要になります。

契約時には、対象工事に該当するか、必要な説明・届出が行われているか、廃棄物の処理や再資源化についてどのように対応するかなども確認しておきましょう。

解体工事の契約書を適切に管理する方法

解体工事では、契約書だけでなく、見積書、注文書、請求書、変更契約書、工事写真など、多くの書類を扱います。

契約書類を案件ごとに整理し、必要なときにすぐ確認できる状態にしておくことが重要です。

特に、追加工事や契約変更が多い案件では、最新の契約内容がどれなのか分からなくなると、請求漏れや認識違いにつながります。

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解体工事の契約書に関するよくある質問

解体工事の契約書に関するよくある質問を紹介します。

解体工事に契約書は必要ですか?

原則として、建設工事の請負契約では、建設業法第19条に基づいて契約内容を書面または一定の要件を満たす電磁的方法で明確にする必要があります。着工前に契約内容を確認し、適切に契約を締結しましょう。

解体工事の契約書には何を書けばいいですか?

工事内容、請負代金、工期、支払方法、工事内容や工期の変更方法、不可抗力への対応、価格変動に伴う請負代金の変更方法、契約解除、契約不適合責任、紛争解決など、建設業法で定められた事項を記載します。

解体工事の契約書は電子契約でも問題ありませんか?

一定の要件を満たせば電子契約も可能です。ただし、相手方の承諾や記録の保存、改変されていないことを確認できる措置など、建設業法上の要件を満たす必要があります。

解体工事の追加工事が発生した場合はどうすればいいですか?

追加工事の内容や金額、工期への影響などを発注者と受注者で確認し、必要に応じて変更契約を締結します。口頭だけで済ませず、変更内容を記録として残すことが重要です。

解体工事では建設リサイクル法への対応も必要ですか?

一定規模以上の解体工事は建設リサイクル法の対象となります。建築物の解体工事では、床面積80㎡以上の場合などに届出や分別解体、再資源化などの対応が必要です。工事の規模や内容に応じて必要な手続きを確認しましょう。

まとめ

解体工事では、工事範囲や請負代金、工期、支払い条件などを明確にするため、適切な工事請負契約を締結することが重要です。

また、2024年12月13日からは建設業法の改正により、価格等の変動に伴う工事内容や請負代金の変更方法なども契約書の法定記載事項となっています。

解体工事では追加工事や工期変更などが発生することもあるため、契約時点で変更方法を明確にし、変更が発生した場合には契約内容を適切に更新することが大切です。

契約書や見積書、変更契約書などの書類を案件ごとに一元管理できる仕組みを整えることで、契約内容の確認や請求業務の効率化にもつながります。

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