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建設業で外国人労働者を受け入れるには?在留資格や必要書類を解説

建設業で外国人労働者を受け入れるには?在留資格や必要書類を解説

グローバル化によって、国境を越えた移動が盛んになっています。
商業などではすでに国際化が進んでいますが、建設業界も例外ではありません。

建設業のようにたくさんの労働者を必要とする業界では、なおさら外国人労働者を増やす必要があるでしょう。
今回は、そんな外国人労働者を雇うために欠かせない手続きを紹介していきます。

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目次

建設業における外国人労働者の雇用状況

厚生労働省の最新統計(2023年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者は 約205万人 に達し、過去最多を更新しました。外国人労働者は日本の産業全体にとって、すでに欠かせない労働力となっています。

その中でも建設業で働く外国人は年々増え続けており、2023年時点で約13万人 に到達しました。
2010年には約1万人だったため、この10数年で 10倍以上に増加 したことになります。

とくに建設業は、労働力不足が深刻化している分野のひとつであり、外国人材の採用が現場を支える重要な役割を果たしています。

外国人労働者の割合が増える背景

建設業で外国人労働者が増え続けているのには、いくつかの明確な理由があります。
人口減少や高齢化といった構造的な問題に加え、制度面での変化も追い風となり、外国人材の受け入れが進んでいます。ここでは、その主な背景を分かりやすく解説します。

1. 建設業の就労人口が大幅に減少している

1990年代には約500万人いた建設業の就業者数は、2024年時点で約440万人まで減少しています。
高齢化が進み若年層の参入が少ないため、国内の労働力だけでは建設現場を支えきれず、外国人材に頼らざるを得ない状況です。

2. コロナ禍後も外国人労働者は増加し続けた

観光客は減った一方で、技能実習・特定技能などの就労制度は継続されており、人手不足の業界では外国人雇用の需要が途絶えることはありませんでした。
その結果、2020年以降も外国人労働者の数は増え続けています。

3. 特定技能制度の拡大で長期雇用が進む

建設業では特定技能2号の対象拡大により、外国人が長期的に働ける制度が整いました。
企業は即戦力として外国人材を継続的に雇用できるようになり、受け入れ数増加の大きな要因となっています。

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外国人労働者を受け入れるには?

外国人労働者を受け入れる場合の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 日経新聞・雑誌・ポータルサイト・海外展開を行っている求人サイトに求人情報を掲載する
  2. 応募を受けたら、在留資格を確認する
  3. 書面での雇用契約を結ぶ
  4. 厚生労働大臣に「外国人雇用状況の届出」を提出する(ハローワークなど)
  5. 外国人労働者が入国後、受け入れのサポートを行う(住居の確保、口座開設、住民登録の手続き等)

外国人労働者を受け入れるメリットは?

建設業界は、現在深刻な人手不足が問題となっています。
また、高齢化によってこうした人手不足は今後も拡大していきます。

このような問題から脱却する為に、女性労働者や外国人労働者の採用が欠かせません。
また、外国人労働者を採用し、海外企業とのコミュニケーションがスムーズになることで海外展開を行うことも可能です。

外国人労働者の雇用のために必要なもの

日本人の労働者を雇用するにあたっても、それなりの手続きが必要です。
とはいえ、外国人労働者を雇用するためには、それ以上に多くの手続きをこなさなければいけません。

ここからは、在留資格の確認をはじめとした、手続きの内容を詳しく解説していきます。

在留資格の確認

そもそも、外国人が日本に住むためには、国の許可を取らなくてはいけません。
外国人が日本に住む許可をもらったという証明として、在留資格があります。

そして、外国人が日本で働くためにも、この在留資格が必要です。
在留資格がない外国人を雇ってしまうと、不法就労として扱われてしまい、雇用者にも罰則が及ぶ可能性があるのでくれぐれも注意しましょう。

ちなみに、在留資格は計23種類あります。
在留資格の種類によって働き続けられる期間が違ってくるので、これについてもしっかりと確認するようにしましょう。

技能実習生

技能実習生は、その名の通り、日本で技能を学ぶために在留している外国人のことを指します。
技能実習生を雇用する際は、労働力としては扱ってはいけません。

彼らはあくまでも日本に技能を学びにきた人々なので、滞在する期間を通じてしっかりと教育するようにしましょう。
在留期間は1年から2年と定められています。

技能

技能実習生とは違ってしっかりと労働力として認められる在留資格に、技能があります。

日本に来て技能を学ぶ実習生とは違って、こちらはすでに本国で技能を学んでいる外国人に与えられる資格です。
即戦力の外国人労働者を求めている場合は、こちらの資格を有した人を雇うと良いでしょう。

特定技能

特定技能には2種類あり、1号と2号があります。
1号の特定技能を持つ外国人には、企業が日本での暮らしを円滑に行えるよう支援を行わなければいけません。

また、特定技能を雇う際は、人数制限がありません。
この在留資格を持っている外国人は、定期的に技能試験を受ける必要があります。

特定技能制度については、以下の記事でも詳しく解説されていますので、ぜひご覧ください。
在留資格「特定技能」とは?技能実習との違いも含めてわかりやすく解説!Jinzai Plus

技術・人文知識・国際業務

これまで紹介してきた在留資格は、いずれも学歴は関係ありませんでした。
一方で、技術・人文知識・国際業務の在留資格を保持するためには、大卒以上の学歴がなければいけません。

本国の大学などをすでに卒業し、一定以上の知識を持っている外国人に与えられる資格です。

外国人雇用状況届出書

外国人を雇用する際には、外国人雇用状況届出書という書類を提出しなければいけません。
かつては、この書類を提出するのはあくまでも努力義務であって、届け出なくても罰せられることはありませんでした。

しかし、現在では提出が義務付けられているので、昔の知識のまま届け出なくても大丈夫だろう、とタカをくくらないように注意しましょう。
外国人雇用状況届出書は、事業所のある地域のハローワークに提出しなくてはいけません。

外国人建設就労者建設現場入場届出書

建設業の場合は、雇用状況届出書のほかに、建設就労者建設現場入場届出書も提出しなくてはいけません。
建設現場に従事する労働者の身分などをしっかりと確認しておく必要があります。

ちなみにこの書類は、技能実習生を雇用する際には提出する必要はありません。
技能実習生を雇用する場合は、外国人技能実習生建設現場入場届出書を提出しましょう。

外国人労働者の採用の注意点

外国人労働者の採用の注意点

企業が労働者を雇用する際は、しっかりとした待遇で出迎えなければいけません。
特に、外国人を雇用する場合は注意しておくべきポイントが多くあります。

ここからは、これに気を付けないと外国人労働者との間でトラブルになりかねないという事柄を見ていきましょう。

最低賃金・同一労働・同一賃金の厳守

日本に労働にやってくる外国人の中には、本国では薄給でしか稼ぐことができないから移住してくるという人も少なくありません。

たとえば、平均月収が日本円換算で10万円に満たない国を出身とする外国人が求人に応募してきたとしましょう。
仮に、日本人の新規労働者には20万円の月収を給与としているとします。

その場合、元の国よりは十分に稼いでいるから、という理由で20万円に満たない賃金しか与えないようではいけません。
そもそも外国人労働者といえど、最低賃金や同一賃金のルールは守るべきです。

また、ほかの労働者にはなかなかやらせづらい、危険な労働を外国人に押し付けるということもしてはいけません。
日本人の労働者と同じ待遇を外国人にも与えるようにしましょう。

労災防止の徹底

建設業の現場では、専門用語が多く使われます。
一般的な日本語の教科書には載っていない単語や言い回しに戸惑う外国人労働者も多いです。

そのため、仕事のルールなどを教える際には丁寧に説明しなければいけません。
特に、建設業の場合は労災の危険性がつきまとうので、なおさらルールの周知徹底に努めるようにしましょう。

本来ならばこうしてはいけないところを、外国人に対して説明が疎かになっていたがために労災が起きてしまった、となれば場合によっては裁判沙汰になりかねません。

在留資格の十分な確認

外国人を雇う際には、在留資格を持っているかをしっかり確認すべき、というのは上述した通りです。
では、もし在留資格のない外国人を雇用していたことが明らかになった場合はどのようなことが起こるのでしょうか。

日本では、入管法で不法就労助長罪というものが定められています。
それによると、在留資格を持っていない外国人を労働させた者は、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が科されます。

また、雇用主だけでなく企業にもたらされるダメージも計り知れません。
不法就労を行っていたという悪評が広まれば、イメージダウンは避けられないでしょう。

こうした事態を未然に防ぐためにも、在留資格とは何かをしっかりと学び、求人にやって来た外国人に在留資格を持っているかを確認することは欠かせません。

外国人労働者に雇う場合のよくある質問

外国人は誰でも日本で働けますか?

いいえ。
在留資格(ビザ)で「就労可能」なものを持っている人のみ働けます。

代表例:

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能
  • 技能実習
  • 永住者・定住者・日本人の配偶者等(←職種制限なし)

※「留学」「家族滞在」などは原則就労不可(資格外活動許可が必要)

在留資格ごとにできる仕事は決まっていますか?

はい、決まっています。以下の通りです。

例:

  • 技術・人文知識・国際業務 → 事務・設計・IT・通訳など
  • 特定技能 → 建設、外食、介護など指定業種のみ
  • 技能実習 → 実習計画で定めた作業のみ

資格と業務内容がズレると不法就労になります。

社会保険・雇用保険は加入させる必要がありますか?

法律上は問題ありませんが、実務面では要注意です。

  • 安全指示が伝わらない
  • 契約内容を理解できない
  • トラブル時の説明不足

建設・製造業では最低限の日本語レベル確保が重要です。

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まとめ

今回は、外国人を雇用する場合にやるべき手続きや注意すべきところについて確認してきました。
本文の中では書ききれませんでしたが、外国人がやってきた際には、彼らが気持ち良く働ける環境を整えることも大切です。

本国から身一つでやって来た外国人を孤立させてはいけません。
特に日本語に慣れてない場合は、円滑なコミュニケーションが取りづらいです。

年齢の近い従業員や上司が積極的に声をかけて、労働環境に馴染んでもらえるような努力もあわせて行うようにしましょう。

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