建設業において、工事を受注した喜びもつかの間、「フタを開けてみたら利益が全然残っていなかった(赤字だった)」という事態は絶対に避けなければなりません。これを防ぎ、確実な利益を生み出すための設計図が「実行予算」です。
しかし、いざ作ろうとしても「見積書と何が違うのか」「どの項目をどう計算すればいいのか分からない」と手が止まってしまう担当者は非常に多く、結局「どんぶり勘定」のまま現場がスタートしてしまうケースが後を絶ちません。
本記事では、実行予算の「作り方」に特化し、見積書からの変換手順や具体的な計算の3ステップ、必須項目を徹底解説します。エクセル作成の限界と、業務を劇的にラクにするシステム活用法も紹介しますので、今日からすぐに「利益が残る実行予算づくり」を実践できるようになります。
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【大前提】見積書と実行予算の決定的な違い
実行予算の作り方を学ぶ前に、大前提となる「見積書との違い」を理解しておく必要があります。この2つは目的が全く異なるため、見積書をそのまま社内の予算書として流用することはできません。
| 見積書(受注前) | 実行予算書(受注後・着工前) | |
|---|---|---|
| 誰のため? | 発注者(お客様)のため | 自社(会社・現場監督)のため |
| 金額の性質 | 原価 + 会社の利益(粗利)が含まれる | 現場を動かすための「純粋な原価」のみ |
| 項目の粒度 | 「〇〇工事一式」など、ある程度丸めた表現も可 | 「釘〇本」「職人〇人工」など、極限まで細分化 |
つまり、実行予算の作成とは「お客様に出した見積書から自社の利益を抜き取り、純粋に現場で使えるリアルなコスト上限(原価)を再計算する作業」と言えます。
利益を確定させる!実行予算の作り方 3つのステップ
それでは、具体的に実行予算を作成する手順を3つのステップで解説します。着工前にこの手順を踏むことで、現場の赤字リスクを極限まで減らすことができます。
ステップ①:見積書を解体し「利益目標」を設定する
まずは、受注した金額(契約金額)から、会社として確保したい「目標利益(粗利)」を差し引きます。残った金額が、現場で使える「予算の上限額」となります。
計算式の基本
契約金額 1,000万円 - 目標利益 250万円(25%) = 予算上限(総実行予算) 750万円
この750万円の中に、材料費や人件費、外注費をすべて収めるパズルをしていくのが実行予算作成のスタートラインです。
ステップ②:原価項目を「一式」から極限まで細分化する
お客様向けの見積書に書かれた「仮設工事一式」「内装工事一式」といった大雑把な項目を、実際に手配する業者や購入する材料のレベルまで細かく分解(ブレイクダウン)します。
細分化の具体例(仮設工事の場合)
- 足場組立・解体費(外注費)
- 仮設トイレのリース代(直接経費)
- 仮設水道・電気の引き込み費用(直接経費)
- 飛散防止ネットの購入費(材料費)
ステップ③:最新の単価・歩掛(ぶがかり)で再計算する
細分化ができたら、各項目に「単価」と「数量(人工)」を当てはめていきます。ここで最も重要なのが、見積時ではなく「発注時点の最新の単価」を使うことです。
昨今の資材高騰により、見積を出した数ヶ月前と現在とでは仕入れ値が変わっていることが多々あります。必ず協力業者から最新の相見積もりを取り、自社の職人が作業する場合は「歩掛(その作業に何人の職人が何日必要か)」を現実的な数値で設定し直します。
実行予算書に含めるべき「工事原価」の必須4項目
ステップ2で分解した費用は、建設業法等に基づき、原則として以下の「工事原価4要素」に分類して予算書に落とし込みます。漏れがあると即赤字に繋がるため、チェックリストとして活用してください。
| 原価の分類 | 内容と具体例 | 予算作成時の注意点 |
|---|---|---|
| 材料費 | 工事を構成する資材(木材、鉄筋、コンクリート、壁紙など) | ロス率(端材などの無駄分)を数%見込んで計上すること。 |
| 労務費 | 現場で直接作業をする「自社職人」の賃金・手当など | 社会保険料などの法定福利費も必ず含めて計算すること。 |
| 外注費 | 下請け業者や専門業者に工事を委託する費用(※材料込みの場合も多い) | 丸投げの一式発注を避け、最新の相見積もりを取ること。 |
| 経費 | 機械リース代、交通費、駐車場代、水道光熱費、現場事務所の維持費など | 「見えないコスト」として計上漏れが最も多い項目なので注意。 |
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エクセルで実行予算を作る限界と「赤字のサイン」
多くの建設会社が、導入コストのかからないエクセルで実行予算を作っています。しかし、エクセルでの管理には構造的な限界があり、以下の「赤字のサイン」が出始めたらシステム化への移行を強くおすすめします。
エクセル管理の限界を示す危険サイン
- 見積書からの「手入力(二重入力)」でミスが起きる:見積書のデータをエクセルの予算フォーマットに手打ちで写すため、桁間違いや転記漏れが発生し、スタートから予算が狂う。
- 単価マスターが更新されない:資材価格が高騰しているのに、エクセルの過去データをコピペして使い回すため、実際の仕入れ値と乖離してしまう。
- 予実管理(リアルタイム比較)ができない:予算は作ったものの、工事中の実際の発注額や労務費の入力が追いつかず、「工事が終わってから赤字だと気づく」状態になっている。
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アイピアなら見積データから「ワンクリック」で実行予算が完成
「実行予算の作成に時間がかかりすぎる」「エクセルへの転記ミスをなくしたい」とお悩みの企業に最適なのが、建築業向けの一元管理システム「アイピア」です。
アイピアの最大の特徴は、作成した見積書のデータが、そのまま実行予算データにワンクリックで連動(引き継ぎ)される点です。エクセルのような煩わしい二重入力は一切不要になり、作成時間が半減します。
さらに、クラウド上の最新の「単価マスター」を全社で共有できるため、若手社員でもベテランと同じ精度で、間違いのない実行予算を組むことが可能です。工事が始まれば、現場監督がスマホで入力した発注や日報(人工)データが即座に反映され、「実行予算に対して今どれくらいコストを使っているか」がリアルタイムでグラフ可視化されます。予算超過の危険があればすぐにアラートで気づけるため、赤字工事を未然に防ぎ、確実に利益を残すことができます。
建築業向けの管理システム「アイピア」
アイピアは建築業に特化した一元管理システムであり、顧客情報、見積情報、原価情報、発注情報など工事に関する情報を一括で管理できるため、情報集約の手間が削減されます。
さらに、アイピアはクラウドシステム。外出先からでも作成・変更・確認ができます。
アイピアはここが便利!6つのポイント
よくある質問
- 実行予算は誰が作成するべきですか?
-
基本的には、その現場の利益と工程に責任を持つ「現場監督」や「プロジェクトマネージャー」が作成します。営業担当が作った見積もりを鵜呑みにせず、現場目線で原価を再構築することで、コストに対する責任感が生まれます。
- 実行予算はいつまでに完成させるべきですか?
-
必ず「着工前(受注後すぐ)」に完成させてください。資材の発注や職人の手配が始まってからでは予算の調整が効きません。遅くとも着工の1〜2週間前には社内決済を通しておくのが理想です。
- システム化したいですが、導入費用が気になります。補助金は使えますか?
-
はい。アイピアのような業務効率化を目的としたクラウドシステムの導入には、国が提供する「IT導入補助金」を活用できるケースが多くあります。初期費用やランニングコストが最大半額以上補助されるため、費用負担を大きく抑えてシステム化を実現できます。(※公募要件については事前にご確認ください)
補助金に関する参照元
まとめ
実行予算の作り方は、決して難しくありません。「見積書から利益を抜いて予算上限を決める」「項目を細分化する」「最新の単価を当てはめる」という3つのステップを愚直に実行することで、現場の「どんぶり勘定」は確実に改善されます。
しかし、これを毎回エクセルで手作業で行うのは時間と手間がかかりすぎます。見積作成から実行予算、予実管理までをシームレスに連携できる管理システム(アイピア)を活用し、業務を効率化しながら、確実に利益を残す強い現場体制を作り上げましょう。
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